弁護士の良心 

元金融マンの弁護士が、日々の反省と自らへの戒めをつづるブログ 鈴木英司の弁護士活動日記 ひたすら明るく、ひたすら前向きにがモットーです                     

遅ればせながらの学会デビュー

 本年11月8日に、法と経済学会で、「金融商品の発達と説明義務違反-過去 40 年間における司法対応の問題点-」と題する論文報告をさせていただくことになりました。
 一般の方でも、オンライン(Zoom)参加できるようなので、もし、ご興味のある方がいらっしゃれば、覗いてみてください。

夏雲を抜けて庄内平野へ

 ここのところ、新潟や山形方面に行く機会が多かったのですが、いつもの新幹線に代えて、飛行機で庄内空港へ向かいます。
 
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 私の大好きな夏雲を抜けると、
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 美しい山と河が、たぶん鳥海山と最上川 😃
 本当に、日本は美しいです ☺️

雪国の初夏

 新潟県南魚沼市に出張でした。

 南魚沼といえば、やっぱり、コシヒカリ豪雪
 そんな雪国にも初夏が訪れていました。

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田植え前の水田です。
 
 もう、カエルがゲコゲコ鳴いていました。
 新緑の香りも美しい、雪国の初夏でした

金融商品の説明義務とは?

 「金融商品販売時における説明義務とは、いったい何なのか -裁判例から考える説明義務違反の実態と性質- 」との論考を、法律専門誌である現代消費者法No65に掲載していただきました。

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 弁護士になってから10数年、本当に、裁判官のこの問題に対する無理解・誤解に悩まされ続けて、なんとか、少しでも理解してもらおうと頑張ってきました。
 しかし、まだまだ道は遠いようです。

 でも、来年も頑張って、少しでも良い判例・裁判例を残していきたいと思っています。

夏の終わりに

 東北奥羽本線の真室川駅です。日本の山林を守る林野庁の、東北の森林(なぜだか、福島は入らないそうです)を管理する森林管理局の支署にお邪魔した時のものです。まだ夏空の積雲です。
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 その駅名どおり、沿線にはきれいな川が流れており、鮎もとれるそうで、さっそく、鮎の塩焼きです。やっぱり、鮎は、日本の夏の魚です。
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 しかし、もう9月。そろそろ秋かなと思って、東京に戻ったのですが、秋の夕暮れというよりは、怪しい夕暮れになりました。IMG_1425

マレーシア出張

 昔、昔、私がまだ真面目な銀行員だったころ、初めての海外出張でマレーシアのクアラルンプールを訪れたことがありました。初めての東南アジア、そして、とてもイスラミックな風景や情景に、異国情緒いっぱいと感動した思い出があります。

 それから、ウン十年、二度目のクアラルンプールでした。
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 町の中心近くにある渋谷交差点みたなスクランブルです。ただ、渋谷交差点というよりも、六本木交差点といった感じでしょうか

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 仕事が終わって、連れて行ってもらった、スカイ・バーから撮りました

 成長を続ける活力を感じる国でした。

 もっとも、東南アジアぽい、風景もたくさん見れました。
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 きついスケジュールだったので、観光みたいなことはできませんでしたが、美味しいパッションフルーツが満喫できた旅でした。

マイナビM&Aを提訴

2023年11月13日付け「全国の中小企業を狙うM&A詐欺集団」記事の続報です。

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昨日、本日の朝日新聞朝刊の記事のとおり、中小企業における事業承継の仲介・助言をしたマイナビM&Aに対し、9714万円の損害賠償を求めて提訴しました。

 この提訴は、もともとあるM&A詐欺集団の被害者となってしまった会社に対する一連の対処の一つですが、同時に、社会問題となっている中小企業の事業承継のニーズと、そのマーケットを狙って参入をしてくる玉石混合のM&A業者に対する警鐘にもなればとも思っています。
 
 これらの事件は、事業承継を推進する中小企業庁にもショックだったようで、私のもとにもヒアリングが入りました。
 偶々でしょうが、上記の提訴記事のちょうど下にある「事業承継ビジネス みずほFGが強化」の記事と並んだ紙面は、この問題に関する現状をよく表している気がします。
 

 

今週は山形へ ~ 良質な安山岩を求めて

 「申し分のないエデンの園で」「微笑みかけているような実り豊かな地です。自立した東洋のアルカディアです。」「美と勤勉と快適さの魅力的な地で、山々に取り囲まれ、明るく陽光を反射する松川に灌漑されています。いたるところに豊かで美しい農村」(「イザベラ・バードの日本紀行」時岡敬子訳 講談社学術文庫)等々と、今から150年以上前、明治維新といわれた時代に、この路をたどった英国人婦人イザベラ・バードの言葉です。彼女は、「親切でやさしくて礼儀正しい、女性が現地人の従者以外にお供をつれずに外国人のほとんど訪れない地方を旅しても、無礼な扱いや強奪行為にはただの一度も遭わずにすむ」(現在でもそうありたい)日本への、観光(もしかしたら探検?)客の先駆けでした。その路を、現代の山形新幹線で、終着駅新庄に向かいました。
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 人生初めてのグランクラスです。

 もっとも、終着駅の新庄については、上記女史は、「新庄は水田地帯にある人口5000人のみすぼらしい街です。」と率直かつ辛辣です。「新庄では米、絹、麻が大々的に取り引きされているので見かけほど貧しい町ではないはず」ですが、「城が取り壊されていたり、朽ちるにまかせてあるから」でしょうと。しかし、今では、そのお城跡もきれいに整備されてとても、落ち着いて、美しい街並みでした。

 その新庄から、車で40分、良質な安山岩が採れる採掘場があります。
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  どなたか、この採掘権にご興味を持っていただける会社はありませんでしょうか?

出張帰りの週末 ~ 天草エアー

 熊本出張でしたが、週末にかけてだったので、ちょっと天草まで寄り道し、わざわざ遠回りで帰ってきました。

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 熊本空港で保安検査場を抜けて出発ロビーで待つ時間が結構あったので、まず、専用受信機を128.80MHzにセットして、ATISを聞いてみました。
 ザァーという雑音に続けて、「Kumamoto airport information delta・・・07 approach・・・」といった音声が流れてきました。このATIS というのは、これから飛行するパイロット向けの最新の気象でデータを通報するシステムで、「delta」(Dの意味)とは、最新の時期を示し、新たなの最新データを配信するときは次のE、すなわち「echo」と言います。これでどの時点での「最新」気象データか分かります。風の向き強さ、気温、気圧、湿度等々のデータがパイロットに伝えられるシステムです。それだけではなく、熊本空港の使用滑走路(東西一本の滑走路でも、風向きによって「runway 25」と「runway 07」に使い分けられます。)今日は、「07 approach」のようです。それだけでなく、使用する無線周波数も教えてくれます。今日は、126.5MHzのようなので、さっそく、それにセットしました。

 今回のフライトは、熊本発伊丹行きの双発プロペラ機JA03JC(Japan Air Commuter)、フランス製ATR42です。本当は、天草エアーJA01AM( 通称、天草のイルカをモチーフにした「みぞか号」)に乗りたかったのですが、現在、「機体整備中」ということで、同じ機種なので、みぞか号に搭乗するのは次の楽しみです。


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 そして、天草のイルカさんたちには、前の日に、直接お会いして、フレンドリーな対応に感激していますので、大満足な週末でした。


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ソーシャルレンディング裁判の終わりの始まり~ 対maneo 高裁で全部認容へ

 今回の裁判の東京地裁の判決が出たとき、「長かった」との感慨しかなかった。勝訴とはいえ、その判決理由もあいまいで、そのためか「投資家の自己責任」を理由に、認容額が請求額の半分(50%の過失相殺)にとどまってしまったからだ。

 そして、それで諦めることなく、訴訟参加者の皆様のご理解をいただき、東京高裁に控訴。それからまた2年近くがたって今回の判決だ。でも、今回は「長かった」との疲労感はない。訴訟参加者の諦めることない強い信頼感と控訴印紙代等の余分な費用負担などのご協力がようやく実を結んだ。。。との充実感でいっぱいだ。原審のあいまいな判決理由に対し、今回の高裁は、正面から、(被控訴人らは虚偽表示等ないと主張するが)「後に判明した多額の目的外使用にあたる支出が対象事業に係る先行投資の費用として回収したものに当たるというのは、その額の規模からして認めがたく、名目的なものに過ぎず、その信憑性は疑わしいと言わざるを得」ず、「『虚偽表示』をする行為に当たるということができ、そうでなくとも『重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示』をする行為に当たるというべきである」と真正面から、我々の主張を認めていただいた。その上で、「原審被告maneoマーケットの取得勧誘における表示に現れていた本来のリスクが実現したために元本の償還に至らずに損害が発生したものと認めることができないから、原審原告らにおいて上記リスクを認識し得たことをもって過失と認定して上記損害について過失相殺をすることは相当であるとはいえない」として、投資額+弁護士費用+支払いまでの遅延利息すべて全額の支払い命令となった。多くの裁判を経験している私にとっては、うれしい驚きを交えた、本当に敬意をもって感謝したい判決となった。

 とはいっても、同様のmaneo裁判は、他にも進行中だ。私が依頼されている同様のソーシャルレンディング関連訴訟は多数あるが、高裁に上がっているものだけでなく、地裁で進行中のものもまだまだ残っている。どの裁判所にとっても、本当に大変な事件で、長期にご苦労をおかけしているが、でも今回の高裁判決が強い影響力をもつことは間違いない。すべてのソーシャルレンディング関連訴訟終結への、強い道標となることを確信している。

AI(Chat GPT等)ブロックチェーン(仮想通貨等)の法律相談

 私が弁護士登録するきっかけとなったリーマンショックの直後、ブロックチェーンの技術を基にした仮想通貨(ビットコイン)が誕生してから十数年、いろいろな問題点の顕在化を乗り越えて、米国でのETF上場が迫ってきました。これが実現すれば、仮想通貨も、金などと並ぶ世界中の機関投資家の投資対象となる巨大な金融資産構造の中に組み込まれることになります。このような仮想通貨に限らず、ブロックチェーンの技術は、様々な資産のトークン化など、無限の技術革新の源泉となり得ます。50年100年単位で、現在の中央銀行による法定通貨システム、ひいては経済の在り方そのものに大きな影響を与えていくことは間違いありません。

 その数年後、人口知能開発の一分野である画像認識技術等で重要なブレークスル―がありました。ディープラーニングと言われるAI機械学習の技術です。この基本的な技術は、その後もあらゆる分野で発展が続けられ、昨年、2023年が、Chat GPTの本格的なデビューの年になったことは、皆様のご存じのとおりです。数年前まで、想像に過ぎなかったシンギュラリティーが、本当に現実のものとなって迫っている実感が湧いてきます。

 このような技術革新の進展に、遅ればせながらも、日本の法制度の整備も進んでいます。私個人としても、これら技術の目覚ましい進歩に追いつきながら、それらに対応する法制度のフォローをしていきたいと思っています。
 今回、当事務所に参加される寺島英輔弁護士(日本加除出版「法律事務所のための Chat GPT 活用ガイドブック」の著者)とともに、今年から、上記関連の法律相談を開始することになりました。ご連絡いただければ、できる限り幅広く対応させていただきます。

全国の中小企業を狙うM&A詐欺集団

 昨年あたりから、全国の中小企業を狙った詐欺集団の被害の相談が多数、私のもとへ来ております。

 その共通した手口は、M&A会社で会社買収を手掛けるN、多数の中小企業を傘下に収めるホールディング会社と称するL社、及びその代表者HとKという3人組が、中小企業の経営者に、極めて良い条件での会社買収をもちかけるものです。全株式を高値で買い取り、株式買取時に高額な慰労退職金等を旧経営者に支払う、その後の経営は旧経営者に委ね、利益の半分を旧経営者などに支払うなどと、いかにも経営者が喜びそうな好条件を約束して会社を乗っ取るというものです。
 彼らは、一旦、株式譲渡を実行すると、Kが、その足で法務局に行って、会社の株主として会社の登記を変更し、変更した会社登記を利用して次の詐欺の道具とします。一旦、会社登記が変更されると、もう彼らのやりたい放題で、その会社は倒産を免れません。もちろん、当初の約束が果たされることは、ありません。

 彼らの出身は東北の方面らしいですが、その被害は、地元山形・福島等だけでなく、東京は勿論、横浜、名古屋、富山等々全国に広がっています。

 私としては、被害にあった会社の事態収拾の相談に乗るとともに、これ以上の被害の拡大を防ぐため、警視庁捜査二課の捜査に協力しながら、彼らのこれ以上の活動を押さえるよう模索しています。

ゆうちょ貯金・権利消滅でも、あきらめないで

 昔、郵便局に預けた貯金について、時効により払い戻しの権利は消滅したと、払い出しを拒否された方も、多いと思います。
 その理由は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構が、日本郵政公社から承継した郵政民営化前に預け入れられた定期性の郵便貯金は、なおその効力を有するものとされる郵便貯金法(昭和22年法律第144号)第29条の規定により、預金者の権利が消滅したとすることにあります。
 しかしながら、預金者の権利を一方的に奪うことは、憲法で定められた国民の人権である財産権(憲法29条1項)を侵害するもので、そのような人権制限をせざるを得ない場合には、その必要性や、人権制限が許容できるような合理性が必要とされています。従って、たとえ、旧郵便貯金法29条自体が違憲無効な法律ではなかったとしても、その運用において、憲法に反しない慎重な運用(法律を適用するにあたって、当該事実関係において、法律適用の必要性と合理性を慎重に確認したうえでの対応)が求められている、すなわち、法律の「限定解釈」による「適用違憲にならない限度での運用」が必要と考えます。
 そのような意見も踏まえ、昨日、総務省は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(理事長 白山 昭彦)に対し、郵政民営化前に預け入れられた定期性の郵便貯金の払戻しに関する運用について、預金者に一層寄り添う観点から、見直しを検討するよう要請しました。

 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu16_02000066.html

 このような監督官庁からの要請もあることから、お手持ちの「定額郵便貯金証書」等に、既に「権利消滅取消請求不承認」の赤いハンコを押されてしまった方でも、 再度の郵便貯金証書払請求をしてみる価値は十分にあると思います。ご相談をご希望の方は、ご連絡ください。

AT1債の説明(その2)

  既に、この件に関しては多数のご相談を受けていますが、債券の内容も含めて、その対処方法も難しい問題点も含んでいますので、改めて、現状を説明しておきたいと思います。

 まず、今回のAT1債の損害の原因を理解しておく必要があります。なぜいきなり大きな損失となったのか?という原因ですが、ごく簡単に説明すれば、AT1債の本質的な(金融機関が発行する目的そのものに関係する)発行条件として、特別な公的支援(extraordinary government support)を受けたときは、その支援が株主の利益を保護するものであっても、他銀行からの救済買収を容易にするために、AT1債の債権者が犠牲となる、つまり、AT1債の元本が削減(writedown)される条項があったということです。今回、クレディスイスの危機が顕在化し、同銀を救済するために、スイス政府が救済に動いたことが、この条項による破綻トリガーを弾いたようです。その結果、AT1債は、債権にもかかわらず、株価がゼロになる前に、債権価値がゼロになってしまうという、通常の金融商品の知識では考えられない結果となってしまいました。

 報道では、日本でも額面で1000億円以上、そして個人投資家にまで、販売されていたようです。販売した金融機関は、果たして、上記に記載した元本削減リスクを説明して販売し、投資家はそれを十分に理解して購入したのでしょうか?
 上記のような条項は、いわゆる目論見書(Information Memorandum)に、もちろん正確に記載されており、機関投資家であれば、それをチェックできたはずですし、チェックすべきとも言えます。この目論見書は150ページ近くあり、機関投資家といえども、すべてチェックするのは大変かもしれない一方で、この目論見書でのAT1債の正式名称が「Perpetual Tier 1 Contingent Write-down Capital Notes」とされていることから、Contingent(突然)に、Write-down(元本削減)される債権であるという認識は、機関投資家でこの目論見書を交付された投資家であれば、十分に認識できたとされるかもしれません。)。

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 このような予想外の損失に対し、どのような対処方法があり得るのでしょうか? 今回の場合、ある法律事務所は、海外の専門ローハウスと提携して、日本とスイスの経済連携協定(EPA)制度を利用した投資家対国家間紛争解決制度(ISDS)に基づく、スイス政府との協議を始めるとのことです。私にとっては目新しく、チャレンジィングな試みなので、今後の推移を見守っていきたいと思っています(ただ、スイス政府の責任根拠が、公平待遇(EPA86条1項)や資産の収用禁止(同91条1項)など、一般規定に頼らざるを得ないようであれば、難航も予想されるところです。)

 もちろん、このような大掛かりな対応以前に、そもそも日本でAT1債を販売した金融機関が、上記のような元本削減リスクをきちんと説明した上で販売したのか、また、購入した投資家は、そのような特別なリスクを十分に理解することができるような投資家だったのか。。。個別の販売状況や投資家の属性などに問題があれば、日本の裁判所で、販売金融機関の責任を問題にすることができますし、また、その方が、解決が早いともいえるかもしれません。

クレディ・スイスAT1債の相談を受け付けます

 元銀行員・外資系金融機関出身者としては、さすがに、今回のAT1債を、機関投資家以外に販売するのは無理があり、法的にも問題だと思っています。
 
 購入された方で、ご相談をご希望の方は、弊事務所(東京フィールド法律事務所)弁護士鈴木まで電話でお問い合わせください。

1年前のmaneoに対する勝訴判決がやっと掲載

 金融・商事判例2023年05月15日号No.1666に、ソーシャルレンディング業者であるmaneoマーケットらへの勝訴判決文を、ようやく掲載していただきました。

 1 ソーシャルレンディングにおけるウェブサイト上の募集画面中の資金使途について、金融商品取引業等に関する内閣府令117条1項2号所定の虚偽表示等があったとされた事例
 2 ソーシャルレンディングに係る募集を行う第二種金融商品取引業者が、投資者との関係で、資金需要者において出資金の分別管理が行われていることを確認すべき注意義務を負い、その違反に基づき不法行為責任を負うとされた事例
(東京地判令和4・7・22)

 複雑な事案で大部の判決書なので、編集者も大変だったと思います。

 それにしても、長かった。掲載までの期間もそうですが、そもそも裁判が始まったのが(令和に改元直前)の平成31年3月(2019年)、それから3年以上かけて判決、その判決も完全勝訴でなかったため、現在、東京高裁で、これまた時間をかけて(普通の控訴棄却であれば、高裁はそんなに時間をかけない)審理中です。その間に、複数の被告らのうち、被告の会社や経営者が破産手続きに移行したこともあり、それらの裁判は分離されて中断、そして破産管財人への債権確定訴訟に移行したり、経営者の免責不許可決定(破産しても借金はチャラにしない裁判所の決定)を受けての裁判の再開(破産手続きで免責されれば、損害賠償請求の訴訟は、訴えの利益がなくなり終了するが、免責されなかれば、勝訴判決により破産者でも取り立てられる!)等、訴訟提起時には一つの裁判も、三つ四つに分解されてしまいました。時間がかかるだけでなく、複雑極まりない状況になってしまいました。

 もちろん、ご依頼者様からの受任に際しては「時間はかかる」「数年はかかる」ことは説明していました。そのため、今でも「先生、時間がかかってもとことんやってください」と励ましていただける依頼者の方も多いのですが、中には「こんなに時間がかかるとは思わなかった」と嘆かれる方も少なくありません。そのお気持ちは痛いほど分かります。
 そうは言っても、ここまで来た以上、最後まで、それこそトコトンやり抜く以外ありません。これからも、依頼者の方々と力を合わせて、やり抜いていこうと思っています。

春がきた

 暖かさに誘われて、自宅の近所をぶらぶら歩いていたら、そこらかしこに春の到来を告げる花々が❣

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 最初に目に映えたのがハク木蓮。
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 その横で、昔から春の訪れを教えてくれるとされている三椏(ミツマタ)、そうお札にも使われている高級和紙の原材料です。 
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 春されば まず三枝(サキクサ)の幸くあれば 後にも逢はむ な恋ひそ吾妹
(万葉集10巻ー1895番)

 このサキクサが三椏(ミツマタ)のことらしいのですが、昔の人は、とってもロマンテックでしたね

 でも、現代でも、そして何度も春を迎えた年齢を重ねる人でも、何か新しいことにドキドキ、ワクワクする季節です 

 

Z世代

 Z世代と言われる1990年代後半以降に生まれた若者たちがいる。

 「どんな時、そんな気持ちの変化になりましたか?」
 16歳の少年に対する裁判官のねちっこい質問が続く(成人の形式的な刑事裁判とは異なり、少年の実質的な更生を目指す手続きだから、裁判官は30分、40分、少年との対話を行う。)。その少年は、公園に仲間の後輩を呼び出して殴った暴行事件で、警察に逮捕された。その後、約1か月にわたる少年鑑別所での生活を経て、今日の少年審判となった。
 「鑑別所で、いろいろ考えて。。。」
 「両親をはじめ、みんなが心配してくれているのに。。。」
 「自分の勝手な考えだけで。。。」
 「鑑別所でも、皆さんが親切にしてくれて、年末のクリスマスにも、ケーキを差し入れてくれるボランテアの人がいて。。。自分のために、こんなことをしてくれるなんて。。。」
 少年のとぎれとぎれで、つたない言葉、しかし、それだからこそ、少年が自分の頭で一生懸命に考えてきた様子が、裁判官にも伝わるのだろう。
 私も、逮捕時からずっと、警察署や鑑別所で少年と話しをしてきた。最初は「十分な理由があって、あの程度殴っただけで、なんで逮捕までされるのか?」「退屈だから、早く出たい」などと言っていた少年だが、友達のこと、家族のこと、将来のこと、いろいろ話を続けるうちに、少年が会うたびに、変わっていくのを実感できた。それは、大人からのお説教の結果ではなく、少年自らがいろいろ考えて変化していく過程だった。少年と会ったときから、彼が素直な性格で柔軟な気持ちをもっており、悪い仲間たちだけでなく、周囲の大人たちからも、いろいろ吸収していく能力のある少年であるとは思っていた。しかし、毎回会うごとに、これほど自分で考え、成長していくとは、うれしい驚きだった。

 「もし興味あるんだったら、今度までに、これ解いてみて」
 私が、24歳という若い修習生に、出した演習問題は、一定の収益率と標準偏差を持ついくつかの資産を組み合わせた(ポートフォリオを組んだ)場合の、ポートフォリオ全体の収益率や標準偏差(つまり、リスク・リターン)を、一定の相関係数を前提に求めるものだった。
 研修所で、裁判官の任官へのリクルートを受けていたその修習生は、直接、法律とは関係しない私のチャレンジを喜んで受け入れてくれた。そして、そのレポートは完璧だった。
 現在、裁判所には多くの裁判官がいるが、本当に基礎の基礎にすぎないこの問題を解けるどころか、この演習の意味を理解できる裁判官はほとんどいないだろう。それどころか、興味すら持ってくれないと思う。だから、金融に関する裁判において、私が、いくら、ファイナンス理論に基づく主張をあれやこれや準備書面で提出しても、結局、「原告は縷々述べているが、畢竟、原告の自己責任というべきである」で終わってしまう。自分の身の程をわきまえないことは十分承知のうえで、本当に、せめて一週間ぐらいの裁判官研修で、現役裁判官を相手に、このような演習に集中的に取り組んでもらえるような機会があればとさえ思ってしまう。
 だから、今回の研修生のような若い裁判官候補が、ファイナンスの基礎理論を、砂漠が水をしみこませるように、どんどん吸収していってくれることは、本当にうれしく頼もしい。

 上記の両君ともに、いわゆるZ世代だ。一般に、生まれたときからネット環境のある、デジタルネイティブ、スマホネイティブ、SNSネイティブ世代だ。彼ら、彼女らは、X,Y世代の私から見ると、若さゆえの羨ましいほどの柔軟性と成長性があることは勿論な一方で、意外に堅実な一面も併せ持っているように思える。恥ずかしながら、私は、若い時から、将来の経済的不安等はあまり真剣に考えたことはなかった。決して、家が裕福というわけではなく、私に限らず、X、Y世代の多くが感じていた、社会や経済は発展するもの。。。という根拠のない漠然として思い込みのせいだったと思う。それに対し、Z世代は、シビア―だ。X、Y世代の年寄りから見れば、若いうちから、そこまで将来の経済的要素を悲観的に考えなくても良いのにと思ってしまう。しかし、それはバブル世代の能天気に過ぎないのかもしれない。

いい時もあれば、悪い時もある

 「(相場は)いい時もあれば、悪い時もあるから。。。」
 かつて、私の先輩がなにげなく言った言葉が、今でも強く残っている。
 その先輩は、私が新入行員だったころ、ロンドン支店の為替ディ―ラーとして名をあげ、外資系金融機関に引き抜かれてからも、トレーディングで実績を重ねて、ニューヨーク本社のボードメンバーにもなっていた。私が、その外資系に移ってから、いろいろお世話になった、仕事上も人生上も、尊敬する先輩だ。
 その時の話は、相場がいい時は、価値のあるリスクを大胆にとって儲けることもできるが、相場が悪い時には、価値のない(チープ・リスク)を慎重に避け、早めの損切りの勇気が必要みたいなアドバイスをいただいたような思い出がある。

 その後、人生を重ねるうちに、よくこの言葉を思い出すようになった。
 人間だから、上手くいっている時には、有頂天になって、何もかもできそうな気がして、しかもそれが永遠に続くような錯覚に陥る。しかし、それは長くは続かないのが人生だ。「(人生)いい時もあれば、悪い時もある。」
 一旦、悪いことが続いてしまうと、何をやってもうまくいかず、やる気をなくし、絶望すらしてしまう。しかし、努力していれば、そのうち「(人生)悪い時もあれば、いいときもある。」。人生、捨てたものじゃないと思える時も来る。

 成功するトレダーや投資家は、損をしないことではなく、損を経験としながら、利益を最大化できる人
 いい人生とは、成功だらけの人生ではなく、失敗から学び、次のステップへ前向きに進める人生だと思う。
 

JCサービス管財人に意見書を提出

 現在、ネット上で大々的にファンドを募集していたグリーンインフラレンディング社のソーシャルレンディングによる貸付先であるJCサービスの破産手続き(令和3年(フ)第6085号)が行われています。
 ところが、現在までの債権者集会での報告を聞く限り、管財人による処理が十分ではないように思われます。
 そこで、今回、私の依頼者である65名の債権者の代理人として、当該管財人に対し、65枚の「要望書」とともに、「①破産者が全国の出資者から集めた総額150億円を超える資金の流出先の徹底追及、及び②それら資金が破産者を通じて元経営者に流出した諸事実を構成要件とする刑事罰・行政罰に関する告訴・告発を求める。」との意見書を管財人及び裁判所に提出しました。

 もし、この動きに同調していただける債権者代理人弁護士の先生等いらっしゃいましたら、下記にご連絡いただければ、上記意見書の写しを提供いたします。

 東京フィールド法律事務所 弁護士 鈴木英司
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ひたすら明るく、ひたすら前向きに、がモットーの元金融マン弁護士です。

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