弁護士の良心 

元金融マンの弁護士が、日々の反省と自らへの戒めをつづるブログ                      鈴木英司の弁護士活動日記 ひたすら明るく、ひたすら前向きにがモットーです                     

ぼくの一日

朝は早い。5時前には、目が覚める。朝食は、バナナとヨーグルト。
通勤時間は、スマホで音楽。最近のお気に入りは、メトネルのピアノソナタ。
6時30分には、事務所の近くのカフェで、コーヒータイム。
7時に事務所のデスクで、PCを起動させて、x plane で、朝のフライト。無事、着陸したら、メールチェック。
9時に、事務員さんが、出所する前に、今日のスケジュールをチェックして、裁判所への提出書類があれば、整える。
昼食は、原則としてない。
来客は、最近では、マスコミが多い。ここ1ヶ月で、東京高裁記者クラブ19社のほとんど各社に対応している。
午後からの裁判所での期日は、4パターン。①さっぱりして元気→裁判所に出頭前にスポーツクラブで、適度にスイミング、②さっぱりしているけど、疲れた様子→泳ぎすぎた、③どよーんだけど元気→終わったら泳ぐぞ、④どよーんで元気ない→終わったら飲もう
夜も、早い。5時、6時に夕食。その後、読書。最近の本は、世界を変えた17の方程式、ドクトルジバゴ、ゆっくり読みながら、眠気を誘う。

保釈取消・執行猶予取消

 「どうしますかね?」と裁判官、保釈中で自由の身の被告人がまたしても欠席した判決期日終了後での検察官も交えた協議。
 「連絡は、とれています。粘り強く説得しますので、改めて判決期日を入れてください。」と私。
 「どちらにしても(被告人が出席しない限り)判決はできないけれど、保釈の取消手続きせざるを得ないし。」との裁判官の発言に、検察官もうなずく。
 「保釈金300万円もぼっとり(没収の意味)にもなりますので、もう少し時間的な余裕をください。被告人からは、私のところに毎日連絡が入っています。被告人は、精神的にはまだまだ子供です。なんとか説得して、出頭させますから。」全く自信はないが、そういわざるを得ない。
 あえて「私の監督が行き届かなかったことも理由の一つなので、もう少しだけ時間をください。」とあからさまに同情を買おうとする私に、「先生も大変ですね。」と乗ってくれた裁判官と検察官。
 「本当に出頭する可能性はあるのですか?」「被告人は、まだ子供です。学校に行かなくてはいけないことは分かっていても、どうしても行けない子供と同じ状況なのです。本人は、頭の中では出頭しなくてはいけないとの気持ちと葛藤していますので、もう少し時間をください。」
 
 はたして、事務所に戻ると、すぐに被告人から電話が入る。「もうじき着く。今、電車に乗っている。」と判決期日の開廷5分後に、私の携帯に電話をしてきた被告人だ。その後30分後に冒頭の協議になった。
「どうせ、来ないなら、わざわざ毎日のように電話してこなくてもよいのに。。。」「『先生、もう逃げます。』そう宣言してくれれば、それなりに私の気持ちも整理できるのに。。。」
 民亊事件であれば、顧客とのやり取りは通常メールで、5分以上の電話は絶対にしない(それ以上必要であれば直接面談にする)私であるが、このような場合は、30分、1時間の電話も仕方がないと割り切らざるを得ない。でも、話の内容は限られている。
 「ホントにもう。。。オレが貴方のオヤジなら、ぶん殴っているよ!」懲戒請求など、恐れるに足りない。「もう子供じゃないんだから、自分のやっていることの意味は分かっているよな!」「人生は長いいんだよ!目先の1年2年の刑務所行を嫌がって、10年20年の人生を無駄にするのか!」「どこにいるんだ?」「オンナのところか?」「とにかく、一度,会おう!」との長いお説教に、「先生、無理っす」「マジ、無理っす」と繰り返しながらも、1時間以上にも及ぶお説教と、合間の無言の間合いにも嫌がらない被告人。。。「はあ。。。」電話の後に私は、会う約束だけはしても、どうせ現れないであろう被告人への無力感でいっぱいになる。未だ精神的には子供、では済まない。

 保釈取消後の被告人の身柄の確保は、東京地検でいえば、執行部の担当になる。執行部からの連絡に、「被告人とは連絡がとれている、しかしどこにいるのかは、弁護人も把握していない。」としか言えない。結局、警察のヘリまで動員した大捕り物になった。若い被告人には、居場所を発信する携帯を手放すことはできなかったからだ。

 「執行猶予取消の裁判が確定したので、収容したいのですが。」と、東京地検の事務官数名。
 覚悟はしていたが、そのままハイどうぞとも言えない。
 「被告人は、現在、メンタル面での医療機関の診断と治療中です。(執行猶予後の犯罪の現在の裁判の)判決期日まで、猶予を下さい。」
 「(別の管轄裁判所で行われた執行猶予取消裁判の)判決が確定した以上、速やかに収容する必要があります。」
 「(現在の裁判の)判決期日直前でいいでしょ!?」
 「そんなには、待てません。」
 「判決は、〇月〇日に予定されています。〇日ぐらいに出頭させます。」
 「わかりました、召喚状を郵送します。」
 〇日に、被告人と一緒に、東京地検に出頭することができたのは、不幸中の幸いだ。
 

詐欺の話

 ここのところ、非常に多くの皆様から、ソーシャルレンディング事件(以下「ソレン事件」)に関するご相談希望をいただいておりますが、すべてのご依頼をお受けすることはできず、せっかく期待していただいた皆様のご期待に沿えないことを申し訳なく思っています。ごめんなさい。
 そこで、そのような皆様の多くがもたれている疑問の一つに、ここでお答えしておきたいと思います。なお、この内容は、私共が現在、遂行しているソーシャルレンディング事件に、抽象的・間接的には共通するものですが、具体的・直接に関係するものではないことをお断りしておきます。また、この内容についての、より踏み込んだ質問については、法律相談にあたりかねませんので、原則としてお答えできないことをご了承ください。

 今回の一連の事件に関し、「なぜ、このような『詐欺』行為が、逮捕されないのですか?」「もし訴えるとすれば、『詐欺』だからお金を返せという流れですよね?」という疑問が多く寄せられています。このような疑問は、皆さまの多くが、人を騙す行為は悪いことで、法律で「詐欺」として禁止されている以上、騙した人は逮捕され、騙し取ったお金を返すのが当たり前、そしてそれが、今回のソレン事件にもあてはまるのではないか...と考えておられるからだと思います。しかし、法律の世界では、そんなに簡単ではありません。

 まず、法律の知識として理解しておきたいのは、逮捕につながる刑法上の「詐欺」と、お金を返してもらう理由としての民法上の「詐欺」とは、特に、お金の貸し借りの場合には、その成立条件(要件)や効果が、違うということです。

 前者の「詐欺」(刑法246条1項)行為とは、「取引の相手方が真実を知っていればお金を貸さなかったような重要な事実を偽る」ことです。最初から返す気もないのに、返すといってお金を借りた場合には、「最初から返す気もない」事実を知っていれば、誰もお金を貸しませんから、「重要な事実」であり、詐欺罪に該当することは当然です。しかし、警察・検察にとって、「最初から返す気もない」事実を立証することは、とても高いハードルです。「なんとか返そうと思っていたけど、事業がうまくいかなかった」との言い訳に、「こんな事業計画で返せるはずがないだろう」と追及してみたところで、「計画が甘かったのは経営者として不徳のいたすところです...」等々の言い訳を客観的な証拠で覆さなければなりません。「事業を遂行する上で、こんな悪いことをやっていただろう」と追及しても、「それは、お金を返すためにやむを得ずやっていたことで...」と、ソレン事件での様々な悪い行為のどれが詐欺罪の直接的な理由となる「重要な事実」として固められるか、とてもハードルが高い捜査になります。警察、検察といえども、見込みもないのに、そう簡単に、強制捜査にも踏み切れません。また、詐欺罪の効果は、犯罪者を罰することで、被害者にお金を取りもどすことは、原則として(オレオレ詐欺などでは、捜査の過程で押さえた没収金を被害者に返還する制度もできましたが)民亊の領域になります。
 
 一方、後者の民法上の「詐欺」(民法96条1項)の騙す行為も、「人を欺罔して錯誤に陥らせる」行為であることは同じですが、商売における「ある種のまやかしは、商取引にはつきもの」という社会通念の中で、裁判官が、「最初から100%損失が出ることが明白であったのに、それを隠した事実が認められる」等の強い心証がなければ、詐欺にはなりません。そのため、金融商品取引における訴訟では、「虚偽表示」という行為を禁止することや、説明義務という概念で、「詐欺」まで強い要件でなくとも、違法の認定ができるようになっています。また、民法96条1項の「詐欺」の効果は、取引を取消できるというもので、お金を取り戻すためには、まず、96条1項で取引(お金をかした契約)を取り消したうえで、相手側に残っているお金に対し不当利得の返還請求(民法703条)によりお金の返還を求めることになります。それに対し、虚偽表示や説明義務違反の場合は、金商法や民法の不法行為(民法709条)により、直接損害賠償請求権が認められることになります。従って、このような事件の場合、民事訴訟での請求は、詐欺取消+不当利得返還請求というよりは、不法行為だけで行うのが通常です。





 

金融教育の重要性

 私が大学受験をするときに、東大であれば、文Ⅰ(法律進学コース)か文Ⅱ(経済進学コース)のどちらかにするか(文才のない私には文Ⅲは無理)少し迷った。ただ、自分の成績との関係で入りやすく、「法律の条文をあれやこれやと解釈して何が面白いのか?」との偏見で、経済学部を目指した。そして、銀行や証券で働く、金融マンになった。
 その後、どういうわけか分からないけれども弁護士になって、10年弱ほど仕事をしてみて、その当時の私の判断は正しかったとの思いを強くしている。

 この10年、中小企業のデリバティブ取引、FX取引のトラブル、そしてソーシャルレンディング問題に取り組んできた。金融を専門にしてきた者にとっては、それらの問題点は、すべて、加害者である銀行、証券会社、そして金融商品取引業者にとっても、同じ認識・価値観を共有できる「金融の常識」の範囲内の当たり前の内容に過ぎない。もっと端的に言えば、銀行・証券会社・金融商品取引業者にとっては、「何を騙したのか」明白である金融取引に過ぎない。しかし、これらを、いざ司法判断に委ねることになると、ことは簡単でなくなってしまう。司法の大元締めである最高裁判所ですら、これらのことを全く理解しようとしないことには、唖然としている。

 これは、最高裁だけが無知なのではない。このような金融商品トラブルにかかわる報道をするマスコミにとっても、工夫のいる話題となる。一般の国民、視聴者・読者にとっては、「儲けようと思えば、リスクがあるのは当たり前。損して文句いうのは身勝手。」という反応が大多数だからだ。だから、マスコミの取材に協力する場合には、いつも、一般視聴者・読者の共感を得られる番組・紙面作りの相談になる。

 「金融の常識」の罠の典型的なもののひとつに、「金利のメカニズム」がある。世の中で、トラブルになってきた金融商品取引の多くが、この「金利のメカニズム」に、一般投資家が、騙し、騙されてきた秘密があると言っても過言ではない。
 この話題だけで一冊の本ができるほど、多彩で複雑な内容になってしまうが、それが「金融の常識」に他ならない。このような「金融の常識」を身に着けていない一般投資家が騙され、そして、このような「金融の常識」を無視する最高裁によって、それら投資家の保護が拒否されてきた現実がある。

 「金利のメカニズム」の重要な作用に、先物相場の形成がある。1980年代ころ、日本の大手金融機関といえども、この先物相場形成の知識がなかった。その結果、これらの常識を知っていた外資系金融機関は、日本で大儲けできた。偉そうに言う私も、その当時、そのおこぼれにありついて喜んでいた(苦笑。このような外資系を真似して、同じ手口で、中小企業を騙し始めたのが、大手銀行によるデリバティブ取引だ(問題の本質は、オプション売り取引だけではなく、先物相場との関係にもあった。)。でも、最高裁は、このような取引も、「簡単な取引」「自己責任」の一言で、投資家に勝訴させたことはまったくない。
 FX取引で大損した投資家の多くも、持っているだけで儲かる高金利通貨への投資の結果、その流動性の少なさというリスクに晒されたケースが多い。この流動性リスク自体も、リスク・プレミアムとして見かけ上のリターンになる。問題は、この流動性リスクがどれほど恐ろしいものか、一般の人には理解できないことだ。
 更に、現在、大きな問題となっているソーシャルレンディングも、本質的には、信用性リスクを最大のリスク・プレミアムとする金融商品である。見かけ上のリターンに比して、リスクがさも少ないかのような詐欺的な表示の上にお金が集められた場合に大問題となる。

 なぜ、こんなことがまかり取っているのか、結論的には、裁判で金融機関に警告を与えるような判例がまったくないからだ。これでは、金融機関も、良くないことと分かっていながら、他社との競争に勝つためには、敢えてやらざるを得ない。その意味では、最高裁の責任だ。
 しかし、そのような当たり前の判決すら出せない本当の原因は、国民・世論自体の「金融の常識」欠如かもしれない。「危ないものには手を出さない。出したら自己責任。」それが、現在の日本の一般国民の常識だ。最高裁は、それを代弁しているだけなのかもしれない。しかし、それでは、日本で、いつまでたっても政府の願うような経済の自由化・活性化は図られない。「危ないもの」とは具体的に何か?が問題なのだ。それを知るためには、小学校から「金利とは何か?」「複利計算の効果を確かめよう」、中学校にあがれば「リスクとは何か?」「リスクとリターンの関係」等々の金融教育が必要だと思う。

 販売する金融機関は、「危ないもの」の具体的な中身を説明しなければならない。説明義務が、情報ギャップを埋める信義則上の法的義務だとすれば、それは販売業者の義務だ。そして、裁判所は「危ないもの」の具体的な中身を審理して判決する必要がある。それすらなく、「簡単な取引」「自己責任」だけで判決されているのが、現状だ。
 

早春の散歩道

 昨日までのマスコミ対策も一段落して、次の事件への取り組みの合間に、警察署での接見にでかけます。
 東京の交通は不便で(一部に反対意見あり)、私は車ももっていないので(事実に反します)、湾岸署だろうが、原宿署だろうが、浅草署だろうが、すべて徒歩です(明らかに、大袈裟です)。
 今日は、千代田区麹町署での接見です。
 新橋の事務所からは、片道約5キロ、約30分弱の道程になります。

 行政官庁のひしめく霞が関を抜けると、都心の立派な公園(憲政記念館庭園)には、もう早咲きの桜
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 反対側の国権の最高機関の建物も、よく見ると立派です。それを横目に進むと、すべての司法権が属する裁判所のトップ最高裁判所です。

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 金融オンチの司法に、金融を理解してもらうことが、私の弁護士としてのライフワークですが、現実は、巨大なダムに立ち向かう蟻んこのようなもの。コンクリート製ではなく、土のダムであることを願いつつ、国民統合の象徴のお住まいを右手に目的地を目指します。 

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春も、もうすぐです。
 

エーアイトラスト

 最近、一連のソーシャル・レンディング事件につきましては、多数の方々からご期待いただいているにもかかわらず、すぐにすべて対応するわけにもいかず、ご期待に沿えず申し訳ない思いです。
 ただ、それらへの対応体制が整い次第、ご相談に応じていこうと考えています。

 今般、それらの中でも、特に違法の明白性があり、対処の緊急性の高いエーアイトラストのファンドについてご相談を開始することにしました。

 ご希望の方は、メール(eishis@tokyofield.jp)まで、ご相談希望の旨をお送りください。
 こちらから、返信メールにて応募要領をお伝えします。
 なお、今回の相談期限は、3月25日(月曜日)までと、させていただきます。

2月の夜明け

 私は、この業界では珍しい朝方派です。そのため、冬場は、まだ暗いうちから事務所に行くことになってしまいます。ただ、この時期になると、少し遅めに自宅を出る場合には、きれいな朝日を見ながらの出勤となります。

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 夜のうちに、あれこれ悩んだり不安にかられることがあっても、朝日を見れば元気が出てくる、皆さんもそうだと思います。

 さあ、今日も、青空に向かって羽ばたこう! そんな気持ちで、仕事場に向かえます。

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maneo ・グリーンインフラレンディング(第2次)

 昨年、掲題事件についてご相談をいただきましたが、そのご依頼者の第2陣として、追加的なご相談に応じる予定です。但し、第1陣に対し、今後3カ月~6か月遅れの司法的な手続きになることをご了承ください。
 ご希望の方は、メール(eishis@tokyofield.jp)まで、ご相談希望の旨をお送りください。
 こちらから、返信メールにて応募要領をお伝えします。
 なお、今回の相談期限は、2月11日(月曜日)までと、させていただきます。

会社整理が幸せを呼ぶとき

 その事件は、数年前に、ある税理士さんの相談から始まりました。その相談とは「資金繰りに困っている会社があるのでなんとできないか。」「ただ、社長が昔気質の職人さんで、取引先や銀行との交渉もできない。」「毎月の資金繰りにいつも苦慮しており、家族も心配している。」というものでした。

 相談の当日に来られたのも、税理士さんに付き添われた経理担当の奥様とお嬢様でした。資料を見せていただくと、大変深刻で、一日でも早めの対策が必要でした。その結果、私が、社長に直接お話しして、このまま放置しておくとどのような状況になるのかという現状認識をしていただき、それを避けるための現実的な手段や選択肢について説明した上で、早急に対処するように説得することになりました。

 やはり、日本の物造りを支える典型的な下町工場でした。「もう、娘のピアノも売ろうかと・・」と社長。「バカなことを言わないでください。これ以上、ご家族に心配かけてどうするんですか!」と私。

 社長と一緒に、取引先の各社を廻ると、日本を代表する大企業の立派なビルのきれいな応接室に通されます。そこで相手の担当者から言われることは、ほぼ同じ「えっ、社長のところに頼めなくなると困りますね。」「私のところでお願いしている部品や材料は、外国ではできないものなんですよ。」「社長のところだからこそ、少数でも、迅速・丁寧(本心は、それに安価要素もあったのだと思います)に納入して貰えたのに・・」
 そこで、根っからの正統派職人である社長が今まで言えなかった言葉を、代理人の私が言います。「だったら、その品質や取引内容に見合う、価格と支払い条件にしてください。」
 それを踏まえて、銀行との交渉に入ります。

 その後も、社長のご家族を含めて、折に触れて、いろいろなご相談をいただくなど、このご一家とのご縁は続いています。

 エピローグ
 
> 先生、その節はお世話になりました。
私は、今、ロシアの音楽院での留学生試験を受けています。
試験の課題は、ラヴィーア曲集、ベートーヴェンソナタ、何らかのエチュード、自由曲1曲だったのだけど、当日、試験官に「バッハと、エチュードだけ弾きなさい」って全員に言われて、みんな2曲弾いてたんだけど、私の場合は、バッハだけで「もういい。ありがとう」って追い出されて、エチュード弾かずに試験終わりました(笑(笑
他の誰に聞いてもみんな2曲弾いたよって言ってて、「そんなに私のバッハ聴くに耐えないほど悪かったんかな…」って合格発表まで絶望してました…試験時間ほんの3分半くらいだったかな… でも合格してて、飛び上がりました(笑
今日も朝から学校行って、練習室並んで、練習してきます!

 社長のお嬢様からのメールです。ちょうど、日経の「私の履歴書」に、バイオリンの前橋汀子さんが、「ロシアの先生から『ロシアの魂をしらないと、本当のロシアの曲を弾くことはできない』といわれ、観劇や美術館に通った」といった内容のことを書かれていたので、その話をお返ししました。

> ありがとうございました!!
学校の近くに、プーシキンが好んで散歩したっていう通りがあるんですよ!ロシア語の先生がミニ遠足で連れてってくれました!今の季節、朝通ると美しい黄金色の葉っぱが舞っててすごく綺麗。冬の街並みも楽しみ!
ロシアのホールや建物、なんでもビッグサイズで壮大なんだけど、細部まで拘ってて、美しいです。音楽とかバレエとかにも通ずるものを感じます!
学校のまわりには美術館、博物館、劇場、コンサートホール、沢山あって学生証がフリーパスみたいに使えたり本当に夢みたいな環境なんです。
学校の大ホールは、チャイコフスキー国際コンクールの舞台で、そこで使われて古くなったピアノが学校のレッスン室で使われてるんだって!あのピアニストも弾いたのかな…とか想像します( ´-` ).。oO

 お父さんにピアノを売られなくて良かったね!!!とは、メールには書きませんでしたが、心から、彼女の未来を祝福したいと思います。


東京の風景

ぼくが、一弁護士として頑張ってる東京の風景。
最後の写真とよく見比べると、最初の2枚の撮影地点が分かりますよ。

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10月のサンマ雲

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 秋の空のイワシ雲、うろこ雲だっけ?、いや、さば雲とも言うらしい。
 しかし、サンマ雲とは聞いたことがない。でも、この雲はサンマ雲に違いない。気象庁のいうさんま雲では、ないけれど。

 何を隠そう、隠す必要もないけど、B級グルメの私としては、鯖も鰯も好きだけど、秋刀魚が一番のお気に入り。秋刀魚とカレーだけは、毎日食べても飽きない。高価なマグロや高級和牛も、たまに食べるかから有難みがあるけれど、(実際にやったことはないけど ^^;)たぶん、毎日だったら嫌になるだろう。

 私の誕生日が秋のせいか、こんな秋空を見ていると「また一年経ってしまった」との思いが強くなる。でも、必ず秋は来る。平凡でも、飽きのこない毎日をおくりたい。

 

8月の夕焼け

今年の夏の暑さは異常ですね
そんな会話が、日常だったこの夏も、ひそかに秋の気配が忍びよってきました。
ただ、まだまだ夏の空。
夕焼けが、綺麗です。
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maneo のご相談について

 今回、みんなのクレジット、ラッキーバンクに続いて、ソーシャルレンデリィング最大手ともいわれるる maneoマーケット についても、この6日に、証券等監視委員会から行政処分の勧告が出されました。

 全国の投資家3084名、貸付残高で約103億円といわれる最大級のファンドで、すでに私のところにも多数のご相談のご依頼がきております。

 現在、内容を調査中で、その取り組み方針を検討しております。もし、ご相談をご希望の方がいらっっしゃいましたら、とりあえず、私へのメール( eishis@tokyofield.jp )で「相談を希望」とお知らせください。この件に関する取り組み方針が決まりましたら、こちらから返信メールで、今後の方針とご相談方法をお知らせいたします。

8月19日追記
このご相談は、8月31日までで、締め切らせていただきます。

外資系時代の経験が生きるとき

 日本の銀行から外資系金融機関に移ったとき、その違いに驚いた。細かいことは、いっぱいあるけれど、弁護士になった今でも生きている経験は、大きくいって3つある。

 ひとつは、初めてコンプライアンスという言葉を聞き、その機能を経験したこと。今でも、コンプライアンスとは法令遵守と漠然と思っている方々も多いと思うけど、弁護士として、その違いを顧客に説明するときには、外資系の時の経験が役に立つ。なぜなら、今までの日本人の発想とは、全く違う考え方哲学が、そこにはあると思えるからだ。

 ふたつ目は、さかんにモチベーションという言葉が重視され、そのための研修も熱心だったこと。私も、そのためだけに、ロンドンの郊外で、世界各地から集まった仲間たちと一緒に一週間も楽しませてもらったよい思い出がある。当時は、なんとなくピンとこなかったが、年齢が進み、自営業となった今、良く分かるようになってきた。

 最後が、そしてこれが主題なのだが、事件のコントロールという概念。私の担当する案件が、難題にぶち当たり大きな問題が明らかになったとき、私のアメリカ人ボスの言葉は、いつも「エイシ(私の名前)は、コントロールできてるのか?」だった。誤解のないように強調しておきたいことは、ここでいうコントロールとは、自分の思う通りに案件を動かすということではなく、最悪のケースも含めて、すべて私がボスに報告してきた想定内で、想定外のサプライズはないよな⁉︎ということだ。そうであれは、たとえ最悪の結果になったとしても、「それが、リアリティ(現実)、オブ ライフ(人生)なんだよ」と諦める。今の私の弁護士の活動も、まさにこの事件のコントロールだ。もし、私の弁護士としての成果が上がっているとすれば、それは私が私の事件のコントロールに成功しているからに他ならない。
 案件をコントロールするためには、案件の把握とその対応の組み立てが大事。今の弁護士の仕事でいえば、事件のご相談を受けたときに、この件における紛争とその解決の本質を的確に把握し、解決に使える武器とその使用プロセスを組み立てる。私に、弁護士としてプロとしての誇りがあるとすれば、この部分に他ならない。

 私が弁護士登録したばかりのころ、先輩弁護士から「鈴木さんが思っているほど、この業界のレベルは高くないから」と、謙遜と励ましを頂いた。その後8年近く経つが、ここまでやってこれたのも、決してこの業界のレベルが低かったからではなく、外資系を含めた今までの経験と知り合った皆様の支えがあったからだと思っている。年を取ることも悪くはない。

売上高以上の銀行借入がある社長様へ

 私が弁護士になってから今までに、北海道から沖縄まで全国200社以上の社長様のご依頼で、各地元金融機関を含め50以上の金融機関と交渉や法的手続きを行ってきました。
 その経験から、次の3点を強調しておきたいと思います。

① 売上高<銀行借入残高 が恒常的になってしまった場合には、抜本的な対策が必要
 いろいろ悩みの多い会社経営ですが、このような状況になってしまった場合、私の経験上、小手先の対策では 問題の根本的な解決は不可能です。ある社長は、「先生、宝くじを買っていますが、当たれば問題は解決しますよね!」と場を和やかにしてくれるのですが、私としては、「宝くじがあたることを祈りましょう」「残念でしたね、では、この方針でゴー!」と対応することになります。
② 人生100年計画に変更の必要
 多くの経営者が、「先生、あと10年もすれば私も70歳、80歳以上の高齢者で、それ以上は、生きているかもわからない(どうせこの世にはいない)」と、本当はそれまでに生きていないとの実感もないのに、会社経営の悩みを解消するために人生70年、80年前提で相談します。「会社経営の悩みを解消するために」と言った理由は、この前提が、本当は間違っているかもと、本人も含めてみんな分かっているからです。①でいう抜本的な対策とは、人生100年計画に基づく社長個人・家族の本当の意味での対策になってなくてはならないのです。そうでないと、元気な80歳,90歳で、今まで以上のとんでもないストレスに悩まされることになります。家族は、本人以上に困ります。もう年齢だからと問題を引き延ばすのではなく、人生100年計画で、できるだけ早く、次の人生への切り替えを決断すべきです。
③ 破産等法的整理は最終最強手段
 中小企業の経営者が、弁護士に相談することを躊躇する理由は、一つに破産はしたくないとの思いかもしれません。しかし、破産は、最終手段であって結論ではありません。そして、それを覚悟すれば、銀行に対して最強の武器になります。また、弁護士(といっても、この分野での専門性がないと困ります、専門性がないといきなり破産前提になりかねません。)だけにしかできないのは、この破産等最強最終手段を余すことなく駆使できることです(弁護士以外だと、銀行と直接交渉すると違法になります。また、この破産等最強最終手段を視野に入れた全体的な戦略を整合的にたてることは難しいと思われます。)大昔にとった社長の個人保証の履行を迫る銀行には、社会的な逆風がますます強くなっている現状もあります。最初から諦める理由はどこにもありません。

 このようなご相談については、初回相談は無料で可能です。また、遠方の場合でも、出張相談も可能です。

ソーシャル・レンディングの本質的問題点

 前回の記事(みんなのクレジット)に引き続き、更に大手(「累計調達額」150億円以上)といわれているラッキーバンク・インベストメント(株)にも、証券取引等監視委員会の勧告よる金融庁の行政処分が行われました。
 このような一連のソーシャル・レンディングの問題点は、どこにあるのでしょうか?

 少なくない人たちが、「もともとソーシャルレンディングは、ネットで集めたお金を、恣意的に運用しているが、そんな高利で運用する以上、リスクがあるのは当たり前で、それを信じて出資して損失を出しても、それは投資家の自己責任・・・」程度の認識ではないでしょうか?
 確かに、そのような一面もあることは否定できません。しかし、現行法制度上の大きな問題点があるように思えます。

 そもそも、不特定多数の投資家から資金を集めて、その資金を不特定多数の事業者に貸し付ける業務は、「業務の公共性にかんがみ」「信用を維持し」「預貯金者の保護・金融の円滑」にするために、厳しく銀行法で規制された「銀行」のみに許されている業務です。銀行法上、①不特定多数からの資金の調達である「預金又は定期積金の受け入れ」と②不特定多数への貸付けとなる「資金の貸付け又は手形の割引」とを「併せ行う」と定義されている業務なのです。
 そのため、銀行以外の金融機関は、②貸金業法上の登録をうけ、消費者金融等を行う従来のローン会社等や、新しい金融形態として①金商法上の金融商品取引業者として、ファンドの設定等で多数の投資家から資金を集める会社等に、分かれている・・・はずでした。
 ところが、現在問題を起こしているソーシャル・レンディングの業務形態は、この①ファンド設定業務を行う第二種金融商品取引業者と②貸金業者との登録を「併せ」もっているのです。その結果、本来であれば銀行業務であるはずの、不特定多数の投資家から資金を集めて、その資金を不特定多数の事業者に貸し付ける業務が野放し状態になってしまったのです。

 もちろん、過去には銀行にしか許されなかった③為替取引(決済取引)も、FX業者(金商法)や仮想通貨交換業者(資金決済法)の参入を許してきた時代の流れがあります。ただ、それらは想定の範囲内でした。
 しかし、今回のような 貸金業 + 二種業 ≒ 銀行業という当たり前の想定が、監督官庁によってどこまでなされていたのか、とても疑問です。これも時代の要請として、金融庁が強調するルール以上のプリンシパルに基づく各金融機関の顧客本位経営で克服できる問題なのか(克服の限度を超える問題は刑法上の詐欺等の問題といえるのか)・・・しばらく混乱が続きそうです。

 

ソーシャルレンディングの事件

 私のコメントが、次週発売の週刊東洋経済(4月14日号)に掲載されます。
 記事にあるとおり、22名のご依頼人による本件は、証拠保全 ➡ 仮差押え ➡ 本訴 のフルコースで、現在、メインの本訴追行中です。
 そのため、本件に関するご照会やご依頼については、先行したご依頼人とのコンフリクトの危険性から、応じられないことをご理解いただくようお願い申し上げます。但し、みんなのクレジットが相手方以外のソーシャルレンディングについてのご相談は、OKです。

 同誌でのコメントは、FX業者に対する訴訟でも掲載されました。
 もちろん、このようなFX事件についても、扱った訴訟の個別の守秘義務に抵触しない限りで、前広に対応可能です。

5月13日追記
 なお、後日のラッキーバンク事件につきましては、私も参加する一般的な意見交換のできるグループが設定されました。
参加ご希望のかたは、
http://blog.livedoor.jp/sukkarak/archives/9234623.html
の管理者にグループ参加登録をお願いしてみてください。
なお、参加にあたっては、gmail address をご準備いただけるとよりスムーズです。

6月1日追記
 この件は、5月31日をもって、ご相談の受付を終了いたしました。


金融庁の方向転換と司法の変化の必要性

 金融庁の森長官が「異例の3期目」を迎えるとの報道もあります。元金融マンで、現在も金融関係の仕事の多い弁護士の目からは、いろいろ頑張っているなと見えます。もっとも、一般の方々、それも現役の銀行・証券の関係者にとってすら、「ルール」か「プリンシパル」かなどの議論はさておき、「良く分からない」どころか、検査局(もちろんその「検査マニュアル」も)の廃止等の方向性は、従来の金融行政を大きく変えるもので、戸惑いや不安も大きいのではないでしょうか。
 私が銀行で働いていた当時(まだ、大蔵省と呼ばれていた時)、MOF検といえば、それこそ銀行にとっての一大行事でした。その対策のために、MOF担と呼ばれる専従のエリート行員(「ノーパンしゃぶしゃぶ接待もできる優秀な能力をもっているとみなされ、出世コースでした。)までいました。エリートでなかった入行したての私も、「こんなことが許されるのかな?」と思いつつ、中身の分からない書類の入った段ボール箱を、地下室の奥に運ばされた記憶があります。
 金融庁の言いたいことは、結局、「銀行といえども、今までのように、手取り足取り指導はしません。ゼロ金利ならゼロ金利という市場環境の中で、自分で工夫してください。」「但し、違法はSESCでちゃんと取り締まりますよ。」「いずれにしても、社内コンプライアンスを機能させて、社会的な意義のある仕事をちゃんとするような態勢を、自分で作りなさい。」・・・といったところでしょうか。

 金融庁の金融行政がカバーする範囲は、大手銀行や大手証券に限りません。信金等の中小の金融機関や、本当に大丈夫かな?と心配になるような実質数名で行っているような第二種金融商品取引業者(現在、1000社ちょっと登録されているようです)、更には、仮想通貨交換業者(平成29年内閣府令第7号)まで、非常に広範囲に及んでいます。
 弁護士である私の仕事も、今までこのブログ等で紹介してきたように、大手金融機関の販売した金融商品の問題にとどまらず、中小企業の債権者である中小金融機関との折衝問題、第二種業者への法的アドバイスの一方で、無法な第二種業者への対応、更には、金融庁の監督の及ばない海外金融機関や登録外詐欺集団対策など、それに対応したものになっています。
 今までのこのような私の弁護士としての活動は、結局は、相手方の「ルール違反」を問題とするものでしたが、根本的には、単なる「ルール違反」にとどまらない、金融機関の社会的な責任の追及するものでした。ここで、「結局は、相手方の『ルール違反』を問題」といいましたが、それは、例えば、裁判所に提訴する場合に、何らかの「ルール違反」がなければ、裁判所は相手にしてくれないからです。どんなに「金融機関がこんなことをやってケシカラン」と騒いだところで、「で、具体的にどの行為が、どの法律に照らして違法なの?」との(たぶん、裁判所にとっては当然の、しかし投資家にとっては冷たい)対応に終始されてしまいます。
 そのため、従来の消費者保護型の弁護士活動では限界があります。例えば、相手が違法・無法の詐欺集団であれば、裁判所を味方にすることは容易です。しかし、銀行等大手金融機関や現状では規制のない業者相手に、「社会的に妥当でない」(つまり、金融庁のいう明確な「ルール」違反というよりも「プリンシパルの問題」とされかねない内容)行為を問題とする場合に、裁判所の適切な助力を得ることは、とても難しいからです。
 もちろん、司法にも、後見的な見地から、司法の適切な介入助力を得られる法的な制度もあります。しかし、こと金融関係事件の場合には、裁判所によほど金融リテラシーがないと、「当事者で解決策を詰めてから持ってきてください」といった窓口制限をされるケースが多いことも事実です。
 今から思えば、金融マンから弁護士になった私の苦労は、このような司法と行政の間で、依頼者と一緒に苦悩することにあったような気がします。

 確かに、金融の問題は非常に難しいと思います。そのため、適切な金融行政を模索しているのは、日本に限らず、世界中どこの国でも同じです。しかし、その模索は、単に、金融庁だけに責任のある問題ではないと思います。立法及び司法にもその重い責任があります。
 最高裁長官も、約1年前の談話 の中で、「社会に生起する紛争の解決を通じて経済の発展,社会の安定に寄与するべく努めてきました。」と司法の果たしてきた役割を再確認するとともに、「その間,我が国社会も,それを取りまく環境も,いくつかの節目を経て変化してきましたが,今世紀に入り,その変化はさらに動きを速めているように見えます。今や,情報技術の目覚ましい発展を背景に,経済や金融など多くの事象が国境を超えて相互に作用し合う複雑な状況を呈していて,その反面で,既存の枠組みや秩序への疑念が,様々な場面で顕在化しつつあります。」との問題意識を明確にしています。
 最初に述べた金融庁の模索に合わせて、最高裁長官のいうように「今世紀に入り,その変化はさらに動きを速めている」中、司法も変わらなければならないと強く思います。
 

ビットコイン等仮想通貨のご相談

 昨年末ごろ、「ビットコインが200万円突破」との報道が、一般紙でもなされました。「ビットコインで大儲け」的な話もよく耳にするようになり、「国税も関心を寄せている」との報道もあります。1年も経たないうちに、10倍以上の価値の増大があったことから、社会的な関心もたかまっているようです。

 私個人も、学生時代、退屈な法律の勉強よりも、心躍る経済の勉強の方が好きでした。そもそもマネーとは?金利とは?外国為替の決定理論?みたいな、どこまで本当に理解していたかは別として、興味をそそる分野でした。その後、銀行員、外資系投資銀行、そして現在の弁護士の仕事をとおして、そのような金融理論はともかく、金融のダイナミックな変化の流れの中で、人生を過ごしてきました。
 そんな私からみても、ビットコインを代表とする仮想通貨が、信認を本質とする通貨として定着するのか大変に興味深く、個人的には、将来的に一般個人の主流の支払い手段になると思っています。そんなに遠くないうちに、Suica や pasmo のチャージも仮想通貨でできるようになると思います。

 ただ、歴史的な事実として、新しい金融取引は、その定着までに越えなければならない陣痛が必ずあります。仮想通貨もその例外ではないでしょう。場合によっては、今まで経験した以上の混乱が何度もあるかもしれません・・・多分、必ず、それも何度もあるでしょう。

 今年に入って、特に、ここ数日のビットコイン等の値動きは激しすぎます。売買スプレッドも大きく開いたり、板も薄かったり、サーキットブレーカーの発動など、正常な取引が困難になっています。大きな損失を被っている方々も多いのではないでしょうか。ただ、仮想通貨は、法的には、「資金決済に関する法律」に定められた支払い手段に過ぎず、いわゆる従来の金商法上の金融商品そのものではありません。また、裁判例等もほとんどないはずです。弁護士としては、参考にできる過去の事例はほとんどなく、これからの調査・検討が必要な分野のため、FX取引等他の紛争事例等を参考に、個別に対応することになると思われます。といっても、業者から追加支払いを求められている方々には、具体的な対応が必要です。お困りの方がいらっしゃいましたらご連絡いただければと思います(但し、電話のみでのご相談には応じることができませんので、この点はご理解ください。なお、弁護士報酬を、ビットコインでお支払いいただくことも可能です、笑いヽ(´▽`))

保釈

 最近では、「検察官は『不相当』と言っていますが、裁判所の判断で許可決定を出そうと思います。」と言って頂けるケースも増えてきたように思えます。でも、検察官の強い反対があれば、なかなか保釈請求もとおりません。
 まだ、20歳になったばかりの若い男性被告人です。彼女の出産も控え、本人も相当に反省し、更生意欲が強く感じられたことから、なんとか保釈を認めてもらって、社会復帰の準備の時間を与えられないかと、何度も保釈請求を出しました。ところが、余罪が出るわ出るわ、1月に逮捕されてから、毎月の公判は、起訴状朗読、罪状認否、弁護人の証拠意見留保、そして次回公判期日の打ち合わせの繰り返しが続きます。
 こんな状況でも、なんとか一区切りついたところで保釈をと、公判のたびに、「捜査側の都合だけで、五月雨式の追起訴を重ねて、(無罪推定の働いているはずの)未決勾留状態をだらだら継続することは許されない」との弁護人意見を述べ、強く裁判所・検察をけん制してきました。もちろん、初公判以降の保釈決定は、東京地裁の場合も同じ刑事部で行うのですが、裁判の担当裁判官とは別の裁判官による判断です。また、東京地検の場合、公判と捜査の担当検事は別で、更に、余罪が他府県にわたると、他府県の検察も関係してきます。公判での意見陳述というよりも、むしろ保釈担当裁判官や捜査の検察官への根回しが当然に必要です。

 「A警察署から、接見希望です。」事務所の事務員からのメッセージ。成年の被告人とはいえ、1年違えば、裁判ではなく少年法に基づく審判だった若者、まだまだ子供です。空腹で餌を持ち帰ってくれる親鳥を待つ雛鳥のように、ピーピーと鳴きながら、相談にのってくれる弁護人の接見を心待ちにしています。
 逮捕勾留が法律で許されているのは、あくまでも罪証隠滅の恐れ、逃亡の恐れを回避するためのもので、決して、犯罪の処罰や反省を促す目的ではありません。しかし、現実問題として、犯罪を行った人々が、一番、後悔し反省するのがこの時期です。そして、若い人々ほど、その時は死ぬほど後悔し反省したはずなのに、すぐに忘れてしまったかのように、同じ過ちを繰り返してしまうことも珍しくありません。
 「こんな末端の子供を捕まえて処分するよりも、子供たちを捨て駒のように利用して悪事を世に広めている大人たち(起訴状では「氏名不詳者」としてしか登場しません。)を、もっと徹底的に捜査・摘発してほしいものだ・・・」と強く思いながらも、被告人の将来を考えると、ちゃんと自らの行ったことを自覚し、これからの長い人生への大きな教訓にしてもらわなくては困ります。
 「反省してます」「立ちなおります」との強い思い(それ自体はウソではなさそう)を述べる一方で、「このままお正月を警察で過ごしたくない」「早く、生まれた子供に会いたい」と自らの思いを全面に押し出してくる被告人。弁護人としての私の仕事は、一日でも早く不必要な身柄拘束を終わらせることだけではなく、せっかくの機会を利用して、彼の人生の大きな収穫にしてもらうことです。
 5度目の保釈請求で、やっと担当裁判官から「検察も反対していない」「保釈金をいくらに設定するか(オレオレ詐欺のような場合、通常の150万円程度の保釈金額もよりも多額の300万円500万円に設定されるのが相場)」との話になったところで、保釈の期待を持たせる前に、お説教に入ります。

 「まだ余罪があるから・・」、それは彼も十分に分かっているとの顔。
 「万一、保釈許可決定が出ても、保釈金が払えるかな・・」、身元引受人で保釈金の支払いは、彼の祖母にお願いしている。彼が可哀そうなのは、彼が小さなときから両親が離婚し、両親の愛情を知らずに、この祖母に育てられてきたことです。もちろん、祖母は、このような彼を不憫に思い、一生懸命に世話をしてきたようです。しかし、両親のいない幼い彼には、他の子供たちが当然のように受ていた両親の愛情が羨ましく映ったのでしょう、接見で「先生、父親の存在って何だと思いますか?」と尋ねられたこともありました。自分にはなかった父親の存在に、自分がもうすぐなる・・そんな状況に対する彼の真剣な考えが感じられた質問でした。
 「考えてくれる? もし、『孫の保釈金300万円をすぐに用意してください』といって、貴方のおばあちゃんに詐欺電話が入って、それに応じてしまったおばあちゃんが、貴方の保釈金を用意できなくなったら、どう思う? 貴方のやったことはそういうことなんだよ。」だんだん彼の顔がひきつってくる。
 「そうなったら、貴方も保釈をあきらめなくてはね。」これは単なる意地悪。
 「父親の存在って、ぼくは『家族に頼られる存在』だと思う。」
 「『家族に頼られる存在』になるためには、家族の立場、他人の立場になれる優しさ。」
 「でも、他人に優しくなるためには、強くなくては優しくなれないよね。」
 「自分のやってきたことを考えてごらん。自分の都合だけで他人のことなんて考えてないよね!」
 「自分の都合だけで、奥さんや子供のことを考えていないと思われると、彼女にも籍をいれてもらえないし、将来、子供にも父親として認めてもらえないよ!!」
 ・・・
 やはり子供だ。最後には、泣き出してしまった。ちょっとやりすぎたかな。
 「でも、明日には保釈許可決定が出せそうだと裁判官と話しているよ。」
 「おばあちゃんが、明後日の午前中に保釈金を支払えば、午後には出れるから。」
 彼の顔がぱっと輝いた。さっき泣いたカラスがもう笑った。

 反省し、被害者に謝罪・弁償して、罪を償えば、若い彼には開かれた未来が待っている。
 せっかくのこれからの人生を輝かせるのも、無駄にするのも君次第だ。
 がんばれ! まぶしい未来は、間違いなく君の手の中にある。
 接見が終わって、今年に入ってから半年以上通ったA警察署の留置係に顔を出して、毎日のように接見希望の電話してくれた警察官の方々に、「長い間お世話になりましたが、あと数日で出れそうです。」と声をかけると、顔なじみの警察官もニッコと笑顔を返してくれました。
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ひたすら明るく、ひたすら前向きに、がモットーの元金融マン弁護士です。

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