前回の記事(みんなのクレジット)に引き続き、更に大手(「累計調達額」150億円以上)といわれているラッキーバンク・インベストメント(株)にも、証券取引等監視委員会の勧告よる金融庁の行政処分が行われました。
 このような一連のソーシャル・レンディングの問題点は、どこにあるのでしょうか?

 少なくない人たちが、「もともとソーシャルレンディングは、ネットで集めたお金を、恣意的に運用しているが、そんな高利で運用する以上、リスクがあるのは当たり前で、それを信じて出資して損失を出しても、それは投資家の自己責任・・・」程度の認識ではないでしょうか?
 確かに、そのような一面もあることは否定できません。しかし、現行法制度上の大きな問題点があるように思えます。

 そもそも、不特定多数の投資家から資金を集めて、その資金を不特定多数の事業者に貸し付ける業務は、「業務の公共性にかんがみ」「信用を維持し」「預貯金者の保護・金融の円滑」にするために、厳しく銀行法で規制された「銀行」のみに許されている業務です。銀行法上、①不特定多数からの資金の調達である「預金又は定期積金の受け入れ」と②不特定多数への貸付けとなる「資金の貸付け又は手形の割引」とを「併せ行う」と定義されている業務なのです。
 そのため、銀行以外の金融機関は、②貸金業法上の登録をうけ、消費者金融等を行う従来のローン会社等や、新しい金融形態として①金商法上の金融商品取引業者として、ファンドの設定等で多数の投資家から資金を集める会社等に、分かれている・・・はずでした。
 ところが、現在問題を起こしているソーシャル・レンディングの業務形態は、この①ファンド設定業務を行う第二種金融商品取引業者と②貸金業者との登録を「併せ」もっているのです。その結果、本来であれば銀行業務であるはずの、不特定多数の投資家から資金を集めて、その資金を不特定多数の事業者に貸し付ける業務が野放し状態になってしまったのです。

 もちろん、過去には銀行にしか許されなかった③為替取引(決済取引)も、FX業者(金商法)や仮想通貨交換業者(資金決済法)の参入を許してきた時代の流れがあります。ただ、それらは想定の範囲内でした。
 しかし、今回のような 貸金業 + 二種業 ≒ 銀行業という当たり前の想定が、監督官庁によってどこまでなされていたのか、とても疑問です。これも時代の要請として、金融庁が強調するルール以上のプリンシパルに基づく各金融機関の顧客本位経営で克服できる問題なのか(克服の限度を超える問題は刑法上の詐欺等の問題といえるのか)・・・しばらく混乱が続きそうです。