写会人日記

2010年07月19日

秋刀魚の味

DSCN2904-2DSCN2930-2小津安二郎監督の遺作となった「秋刀魚の味」。ローアングルと見事ななカットの繋ぎと丁寧な人物の描き方は小津ワールドの真骨頂で、なんといってもデビューしたての岩下志麻さんがとんでもなくかわいい。小津監督は次作の主演にも、お気に入りの岩下志麻さんを予定していたそうですが、それは叶うことなく翌年亡くなります。その憧れの映画にわが先輩であり友人の吉田輝雄さんが出てたのですからね。ほんとうらやましい。わたしが出たかった。そう、長〜いこと思い違いしていたっていうことはあるものです。この映画、小さな時に劇場で見ただけだったので、吉田輝雄さんと志麻さんが一緒になったものだと思っていて、輝雄さんに聞いたことがあった。そうすると結婚はしてないよ。結果的にぼくがふったわけよ。という返事。ええ〜、そーなの? 彼女の気持ちに応えないなんて、何というひどいことをしたのであるか。許せません。確認してみると、たしかにそうでした。志麻さん泣いてました。別の男(登場しない)との婚礼シーンがありました。吉田輝雄さんも若い。すこぶるいい男です。DSCN2899-2彼と志麻さんが心を通わせるかどうかの微妙なシーンが、一緒にお兄さん夫婦(佐田啓二、岡田茉莉子)の家から帰るところ。東急池上線石川台駅のホームでの二人の印象的なシーン。距離のとり方がいいんです。「あ、電車…」と志麻さん。電車を待っているわけだから別に驚くことはないのですが、その言葉で気持ちをちょっと隠します。志麻ちゃんいいよ。おそらく小津監督はそう言ったと思います。名匠小津監督が撮る岩下志麻さん、もっと見たかったですね。それにしても輝雄さん、志麻さんをふるとはもったいないです。お似合いやったのにね。

psharuky at 22:47 │この記事をクリップ!