写会人日記

2017年09月10日

また再びの藤あや子

IMG_3801明治座で座長公演中の藤あや子をVSS(Very Special Shooting)〜。と書けば簡単そうだが一回公演終了後で撮影時間がない。そのためレコード会社や編集部と入念な撮影リハを行って楽屋前でスタンバイ。ところが直前に彼女の希望で撮影予定の藤色の暖簾を入れ替えることになるという時間を食うハプニングが発生。だがそのおかげで松枝さんのことや20数年前に婦人公論のグラフで撮影したこと、「み・れ・ん」のレコーディングに立ち会ったことなどを話す時間ができた。藤さんも「ひゃ〜懐かしい。その時の新宿コマ公演は何でした?」「……」それに答えられないのがわたしの限界。ク〜。ともあれその後撮影は順調に進み。最後のミッションたる自撮りの時間がやってきて藤さんとくっつく。藤さんわたしに寄り添いながらポツリと「いい匂いがするわ」。それを聞いたわたしが思わずクラッときて倒れそうになったことを付け加えておかなければならない。ん?思わずクラッと…。その感覚は瞬く間に20数年前を連れてくる。レコーディングスタジオでの、そうあの感覚だ。それについては数年前のこのブログの記事を参照してもらうのが早い。再録しておく。
 5755275e忘れもしない18年前(1995年1月)、渋谷のシャングリラスタジオでレコーディング中の藤あや子さんです。以前から彼女のファンだったわたしは婦人誌にグラフ企画「藤あや子密着」を通して東京に通っていたのでした。その時にレコーディングしていた歌が「み・れ・ん」(作詞:吉田旺 作曲:山口ひろし。譜面には「みれん舟」とありましたが、のちに題名が変更になったようです)です。五木寛之描くところの艶歌の竜こと高円寺竜三なら週刊誌を顔に乗せて長椅子で寝ているのですが、わたしはいわゆる金魚鉢の中で譜面をチェックしながら歌う藤あや子をカメラで必死に狙います。わたしはそのときほど歌における歌詞の力と、表現者としての歌い手の力というものを強く感じたことはありません。わたし今夜も ためいき川を 流れ漂うみれん舟 / ひとりゆらゆら 酔待川を 沈みそうですみれん舟 / わたしどこまで 人の世川の 霧にさまようみれん舟… ed514511歌い終えた藤あや子はなにか言いたげにわたしを見つめます。その眼差しにぶっ倒れそうになりながら、わたしは彼女の魅力のすべてを理解したのでした。それはみなさん、彼女に沈みそうですみれん舟 と歌われて見つめられたら倒れないほうがおかしいです。ドラマなら倒れたわたしを彼女が優しく介抱する(妄想中)のでしょうが、幸か不幸か持ちこたえてしまいそんなシーンもなく、彼女との間にLOVE AFFAIRが生ずることもなく、ただ「み・れ・ん」だけが残ったという出来事なのでした。なかなかいいまとめでしたね。
もちろんわたしのこと、藤あや子とのツーショットも撮りましたが、ネガが見当たらずここに出せないのが心残りなのです。現在捜索中。これまた「み・れ・ん」です。人生はみれんの連続なのですね。
2013−2−21