写会人日記

2019年02月05日

恐れイリヤのクリアキン。大坂なおみはすごいです

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 恐れ入りました、というときに関東地方のおもにテキ屋や講談師などがよく使うセリフに「恐れ入谷の鬼子母神」というのがある。ちょっと粋な言い回し。だが関西の中学生だったわたしら(2〜3人?)はもっと粋でしたね。こう言ってた。「恐れイリヤのクリアキン」。当時テレビ映画で「 0011ナポレオン・ソロ」 ('64〜)という人気のスパイドラマがあった。主人公はロバート・ボーン扮するナポレオン・ソロだが、彼を追い越すほどの人気だったのがデビッド・マッカラムが演じた同僚スパイ、イリヤ・クリアキンだったのだ。流行りものは廃れるのも早い。わたしも忘れていた。今回の全豪優勝。連続グランドスラム優勝。ランキング世界1位。「すごい、大坂なおみ。恐れ入りました!」で、思い出したほど。え〜と、なんでしたか。
 そう、大坂なおみはすごいってこと。テニスの実力はいわずもがな、感心するのはその所作と言葉だ。全豪優勝の翌日にこう語っていた。
「記者の方にクビトバ選手の強さについて日本語で答えてほしいと言われた時、私の日本語のバリエーションだと“つよかった”と言うしかありません。彼女の強さについて“つよかった”だけではどう強いのか聞いている人にもインタビューを見ている人にも失礼だと思いました。彼女は2016年に(強盗に襲われて)利き手を負傷しました。テニスをする人にとって利き手を負傷する事は引退を覚悟しなければならない事です。私の推測ですが彼女が頑張れたのは彼女がもう一度センターコートに立ちたいという気持ちです。いつ復活できるかもわからない中でリハビリを毎日する。投げ出したくなる事もあったと思います。彼女のコーチ、スタッフ、家族、彼女を信じている全ての人の想いがあったから彼女は辛いリハビリを耐えて今日私は対戦相手として対戦する事ができました。
彼女は“つよいひと”ではなく“真の強い人”です。お互いベストを尽くして戦えた事を誇りに思います。ありがとうクビトバ」
 日本語でお願いしますとしつこくすがる日本メディアの記者たちにきっぱりと英語で喋りますと伝え、しかもその記者たちへのエクスキューズも忘れない。そして対戦相手をリスペクトしたその内容がまたすばらしい。わたしはプレーよりもこうした大坂なおみという21歳の人間に感心したのだった。

つづく
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psharuky at 08:57 │