写会人日記

2019年05月04日

憲法記念日#4 憲法集会での永田浩三氏、高山佳奈子氏、湯川れい子氏の素晴らしいスピーチ全文を掲載した産経新聞(長!)


 3日東京有明防災公園での憲法集会で発言した永田浩三氏、高山佳奈子氏、湯川れい子氏のスピーチ全文をなんと産経新聞が掲載しています。なんかあったのでしょうか。快挙、てことで。

 憲法記念日の3日、東京都内で開かれた護憲派集会で、元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三氏がマイクを握った。安倍晋三首相と同じ1954年生まれであることを明かした上で、「大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい」などと強調した。発言の詳報は以下の通り。
元NHK・永田浩三氏「安倍君、憲法をいじるのはやめろ」

 「皆さん、こんにちは。32年間、NHKでプロデューサー、ディレクターをしていました。今は大学の教員として若者とともにドキュメンタリーを作ったりしています。今日は、総理の仕事をしている安倍晋三君について話したいと思います。知らない人は、あの嘘つきといえば思い出されるかもしれません」
 「私と安倍君は同じ1954年生まれです。同じ学年には(共産党委員長の)志位和夫君、(元文部科学事務次官の)前川喜平君、ドイツの首相、メルケルさんがいます。安倍君は福島(第1)原発事故の後、すぐに原発をやめると決めたメルケルさんとは相性が良くないみたいですし、加計学園の獣医学部を作るのが、いかに無理筋だったかを証拠立てて語る前川君が苦手なようです。あと志位和夫君も苦手みたいです」
 「私たち1954年生まれは、皆、戦後民主主義教育の申し子です。日本国憲法の3つの柱、『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』がどれほど大事なのか、小学校や中学校でしっかり学んだんです。先生たちも熱心でした」
 「小学校4年生のとき、東京五輪がありました。オリンピックは参加することにこそ意義がある。日の丸が上がるかどうかは関係ない。優れた競技やすごい記録に拍手を送るんだ。アベベ、チャフラフスカ、ショランダー…。柔道(無差別級)で神永(昭夫)が(オランダの)ヘーシンクに負けたときも、ショックはなくて、ヘーシンクに私は拍手を送りました」

 「『日本を、取り戻す。』『がんばれ! ニッポン!』。その旗を振る安倍君、少し了見が狭すぎませんか」
 「大学を卒業し、安倍君はサラリーマンを経て、政治家になり、私はNHKのディレクターになりました。ある時、思いがけない接点ができました。2001年のことです。私は、日本軍の慰安婦として被害に遭った女性たちを扱ったNHKの番組の編集長でした。一方、その時、安倍君は内閣官房副長官。君は放送の直前にNHK幹部たちにちょっかいを出し、番組が劇的に変わってしまいました。永田町でどんなやりとりがあったのか。その後、朝日新聞の取材で輪郭が明らかになっています」 「私は抵抗しましたが、敗れました。体験したことを世の中に語ることができず、孤立し、長い間、沈黙を続けました。悔しく、また恥ずかしいことです。あのとき君はそれなりの権力者でした。放送前に番組を変えさせるなんて、憲法21条の言論の自由、検閲の禁止を犯すことになり、そのことが世の中にさらされれば、君は今のような総理大臣になっていなかったことでしょう」

 「今、官邸記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が菅(義偉)官房長官からさまざまな圧力を受け、質問が十分にできない中、それでも、われわれの知る権利の代行者であろうと必死で頑張っています。私には人ごととは思えません。でも、私と大きく違うのは、望月さん自身が勇気を出してSNSや集会で状況を発信し、市民とともに事態を共有することで、ジャーナリストを含めた連帯の輪が広がっていることです。市民とジャーナリストの連帯、メディアを市民の手に取り戻す。希望の光がわずかに見える思いです」
 「安倍君の話に戻ります。君が以前アメリカを訪問したとき、キャロルキングの『You’ve Got a Friend』という曲が好きだと言いましたね。『どんなに苦しいときでも友達でいようよ』。僕も大好きですし、その感覚はわかります。でも、残念だけど、君とトランプ米大統領は友達なんかじゃない。欠陥だらけの高額な兵器を買わされるカモにされているだけです。君には戦争の中で傷ついた人、声を上げられない弱い人を思いやる気持ちが欠けています。君の『You’ve Got a Friend』は友達にえこひいきをし、国の仕組みを私物化することです。それは友情ではない!」
 「友情とはもっと気高く素晴らしいものです。君は実力以上に大事にされました。これ以上、何を望むことがあるでしょうか。同い年、同じ学年として忠告します。『これ以上、日本社会を壊すことはやめなさい! これ以上、沖縄をいじめるのはやめなさい! 大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい!」
 「歴史から学ぶことが嫌いで、不得意の安倍君、戦争の道を断じて進んではなりません。30年前にベルリンの壁が壊れたとき、私は東欧各地の取材をしていました。そのとき、人々が何より大事だと考えたのは、言論の自由と連帯、そして多様性です。憲法21条に明記された言論・表現の自由、一方、放送法第1条には『放送は健全な民主主義に資すること』とあります。健全な民主主義というのは少数者の意見を大事にし、多様性を認め、不埒な政府の横暴にあらがい、連帯することです」
 「今日は5月3日、32年前、朝日新聞阪神支局で小尻知博記者が銃弾に倒れました。言論の自由が脅かされる社会なんてあってはなりません。ここにお集まりの皆さんが思っておられるのは多分、こうだと思います。リセットすべきなのは、元号ではなく、今の政権なのだと」
 「『All governments  lie』 今の政権は嘘をつく、今の政権は嘘をついているのです。嘘にまみれた安倍政権こそ終わりにすべきです。心あるジャーナリストとの連帯で、安倍政権を今年中に終わりにさせましょう。ありがとうございました」




 憲法記念日の3日、東京都内で開かれた護憲派集会で、京都大教授の高山佳奈子氏がマイクを握
り、「今変えるべきは憲法ではなく安倍晋三政権だ」と訴えた。発言の詳細は以下の通り。

高山佳奈子京大教授「変えるべきは憲法ではなく安倍政権」

「昨年3月の自民党大会で出された改憲4項目は、どれもこれも百害あって一利なしです。このことはもう皆さんよく知っていると思います。今日は民主主義について考えてみたいと思います」

 「2017年の衆院選では、自民党が2672万票を獲得し、得票率は48%ぐらいだった。ただ、大きな問題は棄権された人の数が4914万だったということです。もちろんこの中には身体的、精神的な状態によって、そもそも投票に行くことが困難という方も少しは混じっているかもしれませんが、それでも改憲勢力を支持する人たちよりも多くの数の人たちが棄権という結果になっています。実際には、この人たちが今の政権を支えることになっているという点に気付かないといけないと思っています」
 「よく若い人たちの間に『投票には興味がない』『政治には失望しているから』と言って、かっこつけているような感じで棄権をする方がいらっしゃいます。しかし、この行動は、単に何もしないということではありません。単なる政治に対する皮肉ではありません。民主主義を自分の行動でもって否定しているということです。投票に行かないということは、誰が政権の座に就こうがそれに従うという意思を自分の行動で示しているということでありますから、まさに独裁制を支持するという考え方。自分は人間としてではなく、奴隷として生きるという意思の表明であります。このことに気づいてほしいです」

 「なかなか若い方々は政治の問題、自分のこととして考える機会もないかもしれませんが、若い方に限らず投票に行かないということが、民主主義への攻撃だということを知ってほしいと思っています」
 「(自民党の)改憲案の問題を簡単におさらいしてみたいと思います。今日のこの集会の広告のスローガン『今変えるべきは憲法でしょうか』。とてもいいスローガンだと思いました。今変えるべきは憲法ではありません。今変えるべきは政権です」
 「改憲項目で示されたものは、本当にもう変えるべきでないものばかり。例えば、教育の充実ということについては、すでに憲法26条1項が次のように定めています。『すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する』。これでいいじゃないですか。具体的なことは教育基本法や学校教育法などの法律できちんと決めればいいことです」
 「次に参院の合区解消。これも憲法47条で『選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める』とあります。公職選挙法で選挙制度は決めています。これでいいじゃないですか」

 「緊急事態条項は憲法にはもちろん既定がないわけですし、つくることも想定されていませんが、災害対策基本法105条1項に『緊急事態布告』という制度を定めています。『非常災害が発生し、かつ当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について、災害緊急事態の布告を発することができる』。これでいいじゃないですか」
 「最後の9条ですが、憲法の第2章『戦争の放棄』という章で、戦争放棄しか書いていないところに自衛隊を入れますと、第1章『天皇』、第2章『自衛隊』、第3章『国民の権利及び義務』、第4章『国会』、第5章『内閣』、第6章『司法』というようになって、天皇と自衛隊が並び、(立法、行政、司法の)三権から独立する存在になってしまいます。このような荒唐無稽な改憲は許すことはできないと思います。皆さん、おかしいということをどんどん広めていきましょう」




 憲法記念日の3日、東京都内で開かれた護憲派集会で、音楽評論家で作詞家の湯川れい子氏がマイクを握り、「憲法9条は世界の宝だ」と訴えた。発言の詳細は以下の通り。

湯川れい子氏「9条に自衛隊書き込むインチキ許すな」

「私は憲法9条を守るために残りの時間をかけたいと思っています。1966年、ビートルズが武道館を使うというときに、今日のように右翼の街宣カーが走り回りました。『薄汚い西洋こじきは出ていけ』『神聖な武道館を使うな』。しかし当時、若かった私は、そんなバカな話はない。彼らの音楽は『言葉は違っても、肌(の色)が違っても、みんな楽しく生きようよ』と言っている。そのことが、若かった私には理屈を超えて分かりました」

 「考えてみてください。戦争をしているところに音楽はありません。右翼の街宣カーもマーチを流しているし、ヒトラーも演説の前にワーグナーを流した。でもそういう意図的に使われる音楽ではなく、私たちがこうして楽しく集まってみんなで歌い踊るところには殺し合いなどありません。対立があるところに平和はないのです」
 「私が『憲法9条』と言うと、『そんなもので平和は守れない。自分の国の女や子供をどうやって武器がなくて守れるんだ』と言われます。違います。人間が人間を殺すことを恥じないといけないのです。本当に心から恥じないといけないのです。他の動物がそんなことをしていますか? 自分の餌のために、自分の権利のために、自分の名誉のために殺しますか? 恥ずかしいことに、知性がある人間だけがそのようなことをしています」
 「憲法9条はあらゆる意味で、あらゆる理屈を超えて日本の宝です。世界の宝です。9条は変えないけれど、そこに自衛隊を書き込むなどというインチキは絶対に許してはいけません。どうぞ皆さん誇りを持って、恥ずかしいなどと思わないで、人を愛してください。語り合うことを信じてください。そして未来の自分がつくる平和な世界を信じてください。心から信じましょう」