写会人日記

2021年09月11日

山口智子1988

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山口智子道頓堀02-2

 東梅田の喫茶店。アシスタントの尾上くんとファッション雑誌ViViをみていた。夏前の水着特集ページで何人かのモデルのなかに、とりたてて美人ではないが好みド真ん中のかわいい子がいた。「この子いいよね。撮りたいね」なぜか江戸弁。尾上くんは「牛ましょ、じゃなくて鳥ましょ」ノリよく賛同する。いいコンビでした。ページをめくってモデル名を確認する。そうしてこの日われわれは山口智子を発見することに成功したのだった。
 撮りたいといっても手立てがあるわけでもなくそのまま忘れていた。次にその名前を見るのは翌1988年。NHKの朝ドラ「純ちゃんの応援歌」のヒロインに山口智子という新聞記事だった。「尾上くん、これ、あのときの山口智子やな」「そうですそうです。ViViの、水着の、丸顔の」「わしらすごいね」「すごいです。去年から見つけてましたから」「NHKより先に見つけてたからな、文句ゆうてもええくらいや。先にわたしらが見てけてたんですいうて、ハハハ」。盛り上がるのには理由があった。この朝ドラは大阪放送局JOBK制作。2年前の「はっさい先生」で若村麻由美を撮影させてもらっていて、NHKの広報の人とは繋がりがある。「撮りたいね」がにわかに現実味を帯びてきた。
 大阪、道頓堀、法善寺、たこ焼き、自転車というなにわアイテムを並べて企画を通す。いまでこそ山口智子といえば知らん人はいないほどだが、当時は全くの新人女優、紹介しながらのロケ撮影となる。たしか法善寺の正弁丹吾亭、ここでは着替えの場所を借りるのに「今回のNHKの朝ドラのヒロインの山口智子さんで…」と紹介し終わらないうちに「へ、どうぞ使ておくれやっしゃ。ま、かいらしい子」と、いつもながらの大阪のノリの良さに助けられるロケ隊なのでありました。大たこで買ったたこ焼きをほうばってもらったり、「顔もたこ焼きとよう似てるし(ええ意味で)」(心の声)と思ったり、念願の山口智子撮影はえべっさんと天神祭がいっぺんに来たかのような幸せな時間なのでした。
 このあと複数のメディアでも山口智子を撮影させてもらった。旧NHK大阪放送局、これがまたええ味の建物で増築がかさなって迷路みたいになってて、大好きだったのだが、そこの地下の購買部で撮影したり、食堂では共演者の松本友里と仲良くランチしているシーンを撮ったり、この年はまさに山口智子イヤーとも言うべきで、わたしにとってはハッピーイヤーとなったのでした。めでたしめでたし。


psharuky at 23:57 │