2005年07月30日

Psychology: A Self-Teaching Guide

Psychology: A Self-Teaching GuidePsychology: A Self-Teaching Guide
著:Frank Joe Bruno
価格: ¥2,321 (税込)
出版社: John Wiley & Sons Inc ; ISBN: 0471443956 ; (2002/08)

英語がそれほど得意ではない人向けに,もう少しボリュームが軽めで面白そうな概論書はないものかといろいろ徘徊してみたのですが,この”Self-Teaching Guide”シリーズ,なかなか良さそうです。本家アメリカのAmazon.comのページにこの本のサンプル数ページ分が載っているのですが,文章構成がとっても分かりやすいですし,途中に小さな穴埋め問題がちょくちょく挟まっているのでテンポ良く読み進めることができて,Self-Teaching Guideというシリーズ名の通り自分ひとりで勉強するのにとても都合のよい作りになっていると思います。

もちろん,内容やサービスの面ではヒルガードみたいな大きな概論書には及びませんが,ヒルガードの半分以下のページ数のペーパーバックでとてもコンパクトですし,値段もお手ごろなので,「いきなりヒルガードを買うのはちょっと…」という人にはかなりおすすめの一冊です。

ていうかアメリカのAmazon.comの充実ぶりにびっくりしました。この本は電子書籍版が出ているので,おそらくそのデータベースを利用しているのだと思いますが,いろんなサービスがあります。例えばConcordanceのコーナーには,テキストの中の頻出単語をピックアップしてあって,それぞれの単語をクリックするとその単語が使われている文がずらっと出てきたり,なんだかいろいろあって面白いです。日本でも電子書籍が進んできたらAmazonもそういうサービスをしてくれるようになるんでしょうか。  
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2005年07月20日

Psychology (BPS Blackwell)

Psychology (BPS Blackwell)Psychology (BPS Blackwell)
著:Miles Hewstone 他
価格: ¥6,151 (税込)
出版社: Blackwell Pub ; ISBN: 0631206787 ; (2005/04/06)

イギリス心理学会(BPS;the British Psychological Society)とBlackwell出版が共同で企画した新しい心理学概論書。2005年4月発刊。ボリュームや内容的に見てもさしずめイギリス版ヒルガードと言ったところです。Webサイトも充実していて,基本的に購入者IDが必要ですが,学生用QuestionやGlossary(用語辞典)などをフリーで見ることができます。また,出版社の方の紹介ページにはChapter1まるまるをサンプルページとして公開してあります。太っ腹ですね。

サンプルページを見れば大体の構成が分かりますが,
・全ページカラー
・丁寧なイントロダクション
・豊富な図表・写真
・ちょくちょく登場する豆知識ボックス
 (用語解説・人物紹介)
・最新の研究紹介コーナー
そして各章末には
・要約
・復習問題
・文献紹介
と,ヒルガードに負けず劣らず至れり尽くせりなテキストになっています。友達とグループで,ヒルガードとこの本を読み比べしてみる,なんていうのもとても勉強になりそうです。  
Posted by psyc_books at 22:38Comments(2)TrackBack(1)洋書

2005年07月14日

ヒルガードの心理学

ヒルガードの心理学ヒルガードの心理学
著:Rita L. Atkinson 他
訳:内田一成 他
価格: ¥19,950 (税込)
出版社: ブレーン出版 ; ISBN: 4892426814 ; (2002/05)

「Introduction to Psychology」いわゆる「ヒルガード」として有名なアメリカの心理学概論書の,初の日本語版。ただし,これは第13版の翻訳で,原書の方は現在第14版が最新版です。お値段がお値段なので,この本も個人で買うべき本だとは思いませんが,原書を読んでいて分からないときに辞書代わりに利用すると便利です。

第13版から第14版のアップデートに当たっては,もちろんいくつかの変更点があり,原書の14版を読みながらこの日本語版ヒルガードの心理学を参照すると多少の改変に気づきます。例えば,第14版のまえがき(preface)部分には,主な改変点として生物心理学・進化心理学・文化心理学の視点を大幅に取り入れたと記されています。その他にも細かい変更点は結構あります。
しかしながら,あくまでも大筋は13版から変わっていませんので,第14版の原書を買ってしまったけど日本語版ヒルガードは役に立たないのだろうか…などと不安に思うことはないと思います。版が違っても十分参考になりますし,逆にどういった点が改変されたのかを知ることができて勉強にもなります。

ちなみに初版「Introduction to Psychology」は1953年に出ています。手に入る大学の学生さんは,図書館でちょっと覗いてみると面白いと思いますよ。  
Posted by psyc_books at 12:26Comments(0)TrackBack(0)概論書

2005年06月30日

現代心理学理論事典

現代心理学理論事典現代心理学理論事典
編:中島 義明
価格: ¥23,625 (税込)
出版社: 朝倉書店 ; ISBN: 425452014X ; (2001/10)

最近この事典の存在を知ったのですが,もうちょっと早くから見つけていればよかった!と思ってしまうくらいの,充実した理論事典。心理学の理論事典は私が確認している限りこの1冊だけで,その希少さですでに価値ありなのだけど,各分野ごとに主要な理論を紹介していく中で心理学の歩みを辿ることができるようになっており,知識の大枠の整理にとても有用です。ある程度概論書を読み込んだ,学部3年生以上あたりにおすすめ。

まあしかし,これだけの事典なので,相当お高いです。個人で買う本ではありません。図書館で探してみてください。今日の時点ではAmazonのマーケットプレイス(古本が買えるシステム)に,ちょっとだけ安く出品されているみたいですが・・・

「辞典」カテゴリーで紹介している本は「比較のための引用」をつけているのですが,この事典は各理論の解説が数ページにわたって記述されており,ちょっと引用には向かないので,出版元の朝倉書店HPから詳細情報を見てみてください。目次もあります。

ところで,どうでもいいのですが,どうも「だである調」は私には向かないようです。気が向いたらこれまでのエントリも「ですます」調で統一しようかな。  
Posted by psyc_books at 20:08Comments(0)TrackBack(0)辞典

2005年06月28日

エンサイクロペディア心理学研究方法論

エンサイクロペディア心理学研究方法論エンサイクロペディア心理学研究方法論
著:William J. Ray
訳:岡田圭二
価格: ¥5,040 (税込)
出版社: 北大路書房 ; ISBN: 4762823325 ; (2003/09)

心理学の方法論を,上っ面のマニュアル的知識ではなく,考えるためにはどうしたら良いか?といった問いにじっくりと向き合うことによって詳細に解説する。実験法や質問紙法,統計,研究上の倫理,文献検索の方法などが書かれているが,どれも非常に原則的というか,細かなノウハウよりも大元の考え方をおさらいするのに最適である。また,訳者のあとがきにも書かれているが,この本の長所であり,大きな特徴となっているのは,クーンのパラダイム論を始めとする科学哲学の成果が随所で紹介されていることである。

ところで,「心の科学」として発展してきた心理学を学ぶ上で,そのベースとなっている科学の方法論や考え方を理解しておくことは必須であると私は思う。しかしながら,現在の日本の大学では,心理学は「文科系」に位置づけられているために(私も高校時代は文系であったし,今でも数学は大の苦手である),理科系の人々が受けるような科学教育を受ける機会が全くないか,あったとしても圧倒的に少ないように感じる。

また,心理学という学問がすっかりメジャーになった今日において,心理学は「人間の心を研究する学問」として,方法論と言うよりもむしろその研究対象の方が注目されているように思う。たとえば,専門外の人に心理学の話をする時のことを思い起こすと,「どうやって研究しているかはどうでもいいから,とにかく人の心が知りたい」というのが人々の本音であるように感じられる。しかしながら,心理学という学問の成立過程を考えれば,心理学は,同じく人の心について考える学問である哲学から,方法論を異にすることで独立してきた学問であり,そういった意味で(少なくとも20世紀の)心理学の最大の特徴は「科学」という方法論を取ることにある,と言えるだろう。

ここからは私の想像だけれど,今の中堅以上の研究者の人たちは,心理学を学ぼうと思った動機のうちに少なからず科学としての方法論への興味があったのではないか。しかしここ10年くらいの間に学生として心理学を学んだ人たちは,大学に入ってみて初めて「へえ,心理学って思ったより理系っぽい」なんてびっくりするパターンが多いように感じる。

というわけで,この本は結構ボリュームがあるけれど,今の日本で心理学を勉強しようと思う人にとってはかなり重要な意味を持つ本ではないかと思う。私も財布の温度が上がったら是非購入したい本の一つである。
ただ,一つ難を挙げれば,訳が直訳風すぎて少し読みにくい。もちろん日本語訳が出ただけで大きな収穫なのだけど。  
Posted by psyc_books at 23:37Comments(0)TrackBack(0)方法論

2005年06月24日

Atkinson and Hilgard's Introduction to Psychology With Infotrac

Introduction to PsychologyAtkinson and Hilgard's Introduction to Psychology With Infotrac
著:Edward E. Smith 他
価格: ¥6,980 (税込)
出版社: Wadsworth Pub Co ; ISBN: 0155050699 ; 14th Pkg 版 (2002/12/31)

心理系大学院受験生にとっては必読の書となっている,いわゆる「ヒルガード」。全くの初心者にもすんなり入れる導入部分や,大学院受験にも対応できる最新のトピックス,(そこらの日本語よりもよっぽど!)分かりやすい英語,網羅的なコンテンツ,そして読者の自学を促す章末問題やオンライン学習素材などなどなど,至れり尽くせりの概論書である。高校時代に英語を割としっかり勉強してきた人なら,大学1年生でも問題なく読めるだろう。その辺の概論書を読んでいるよりも分かりやすいし面白く読めると思う。

また,大学院受験では,限られた時間の中である程度の分量の英文をざっと掴む力(速読)と,専門用語の訳や文構造,文脈などを正確に捉えて日本語訳する力(精読)の両方が必要となってくる。もちろんこれは大学院において英語の専門論文を効率よく的確に読むことが必須となってくるからである。しかし,いきなり英語論文を読むのは結構きつい。その前段階として,ヒルガードくらいの英語がちょうど良いように思う。このテキストはおそらく先輩の院生も受験時に読んできているはずだから,仲良くなって日本語訳をチェックしてもらったりすると力になるはず。友人と勉強会を開いて一緒に読むのもよいだろう。  
Posted by psyc_books at 08:09Comments(0)TrackBack(0)洋書

2005年06月23日

誠信 心理学辞典

誠信 心理学辞典誠信 心理学辞典
編:外林大作
価格: ¥3,990 (税込)
出版社: 誠信書房 ; ISBN: 4414305063 ; (1981/09)


事項4100項目,人名350項目を収録する中辞典であるが,ほぼ同程度の収録語数である心理学中辞典のスタンダード,有斐閣の心理学辞典と比べてかなりコンパクトになっている。持ち歩きには便利だが,その分どうしても個々の事項の説明の分量が少なくなってしまい,物足りなく感じてしまう。また,1981年に出版された辞書であるために,やはり古くなっている。

個人的な話になるが,この辞書は私が大学1年のときに初めて購入した辞書である。大学に入学して一番最初の心理学概論の授業で,先生(発達心理学が専門)に辞典はどんなものを使えばよいか尋ねたところ,誠心と有斐閣を薦められた。まだ1年生だったので,7000円する辞典を買うほどの勇気はなく,お手軽な誠心の辞典を購入したのだった。
結果から言えば,この時思い切って有斐閣の方を買うべきだった。誠信の辞典は,コンパクトなのは良いが,初学者には簡潔すぎると思う。心理学はただでさえ曖昧な用語の多い学問なのに,用語解説の分量を減らすとどうしても一面的な(しかも少々古い)説明で終わってしまい,知識量の少ないうちはなおさら混乱を招いてしまうように思う。学部4年に上がるときにようやく有斐閣の方を購入して,「辞典ってこんなに面白いんだ!」とびっくりした覚えがある。

否定的なことばかり書いてしまったが,この辞典の面白いところは,人名の項目だけを巻末にまとめているところである。有名な心理学者のかなりプライベートな部分にまでつっこんで書いてあったりして,たまに読むとトリビア的に楽しめる。

以下,比較のための引用です。

------------------(引用開始)------------------

【意識 consciousness 独Bewusstsein 仏conscience】  続きを読む
Posted by psyc_books at 02:26Comments(0)TrackBack(0)辞典