兵庫県の南西部に位置するたつの市(旧龍野市)。市街地龍野地区は龍野城を中心とする城下町を形成しており、現在でも宿場町の名残り、城跡、武家屋敷、町屋群、醬油蔵など令和の時代にも続く生きた歴史を見ることができます。


さてそんな龍野が舞台となった『男はつらいよ 第17作 寅次郎夕焼け小焼け』が公開されたのが昭和51年7月と言うことですから、今から47年前の映画と言うことで約半世紀前の映像の中の景色が現在どの様な姿で遺っているのでしょうか。さっそく巡っていきたいと思います。
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最初に龍野市街地内で使われるシーン
偶然にも郊外で再会した寅さんと青観、市役所職員と共に車で市役所に乗り付ける。
劇中で使われていた建物では無く建て替わっています。
そして当時からなのかは不明ですがこの建物は市役所ではなく中央公民館です。
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市役所を出た後旅館に移動します。
寅さんと池ノ内青観が泊まっていた宿「梅玉旅館」
撮影中も渥美清さんが泊まられていたとの事。

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市役所から旅館に来た際にこちらは旧館の門が映し出されます。

龍野を発つ朝この門の前に停めたタクシーに乗って出発します。
ここでは寅さんとぼたんとの別れがありました。
撮影は前の細い川の中からされた事と想像します。

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梅玉旅館旧館

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新館には撮影当時の写真、サイン、雑誌、貴重な撮影備品が展示されています。

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こちらはぼたん(太地喜和子さん)がスチール撮影に使用した着物と帯と傘。

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宴会から一夜明け龍野の朝のシーン。
後で気づいたのですが劇中でも女学生が自転車で通り過ぎていた。
映画とは関係ありませんが、龍野の街を歩いていると制服を着た学生さんとすれ違う事が度々あった。
「こんにちは!」と自然に挨拶をしてくれる姿は龍野の旅を和やかにしてくれた。

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 市の観光課長にタクシーで連れて来られた寅さん。龍野橋のたもとに車を停め、観光課長が「ここからの鶏籠山が一番美しいです」と言うシーンで使われました。
撮影時と大きな変化はありませんが、意外に交通量も多く路肩も狭い事から撮影時は大変だったろうと想像できます。

ちなみに龍野橋は揖保乃糸で全国的にも知名度が高い揖保川に架かる橋。
鶏籠山(けいろうさん)はその名の通りとりかごを伏せたような形状をしています。


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観光課長にタクシーで連れてまわされ、
「ここが忠臣蔵で有名な山崎街道です」
「あ!ここが建物青観先生が描かれた・・・」
と言う説明を受けるが全く興味の無い寅さん。



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池ノ内青観が志乃に逢うために龍野を歩く。
右奥に見えるのは龍野城の隅櫓。
撮影当時はありませんでしたが復興されました。

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続いて旧脇坂屋敷前も歩きます。

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夕暮れ時「赤とんぼ」が流れ、子供たちが遊ぶ。
子供の頃、誰もが経験したことがあるような哀愁の風景が映し出されます。

 童謡「赤とんぼ」の作詞をした三木露風は故郷である「たつの」で過ごした子供の頃の郷愁からこの曲を作ったと言われてます。
ちなみに龍野市街地では「赤とんぼ」が17時と22時にスピーカーから流れると言う情報を地元の方から入手しました。17時~18時の間待期していましたが流れませんでした。
「それにしても22時の設定って!」地元の方と一緒に笑ってしまいました。

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子供達が立ち話をしている横を芸者さんが出勤していきます。
夜の街へと変化していく、日中と夜の時間が混じりあう短い時間が表現されていました。

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二日目の夜も市役所職員と芸者を呼び宴会を楽しんだ寅さん。
夜が明け龍野を発つ朝、寅さん青観二人が過ごした対照的な龍野での時間が現れます。
大きな声で遠くから走ってくる「ぼたん」最後は笑顔で寅さんを見送ります。

そして梅玉旅館を出発したタクシーはこの角「菊谷」を写真左の方向へ曲がっていきます。

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対して志乃さんはこの後タクシーが通るであろう場所で、青観以外に気づかれぬようひっそりと見送ります。
青観・寅さんが乗ったタクシーを花束を持った志乃が見送るシーン(ヒガシマル第2工場付近)


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再度龍野を訪れる寅さん。劇中では龍野橋の上でアイスキャンディを食べるシーンがあるが、スチール撮影では如来寺の前で撮影されました。

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伊勢屋の前で氷を切る夏の風情の後ろを寅さんが通り過ぎる。
実はこの時点で東京柴又と龍野とのリンクが始まります。
一つ目のシーンで柴又とらやでは、つねが氷を削り客にかき氷を提供し
龍野では寅さんがアイスキャンディを食べた後、職人が氷を切る姿が映し出される。

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ラストの寅さんが東京に向かって手を合わせるシーンで、ぼたんに「東京はどっちだ?」と聞く。
一つ前のシーン柴又では青観とさくらが参道を歩きながら、青観が方角を気にして「江戸川はどっちですか?・・」と聞く。最後にさくらが東京の方角を伝える。遠く離れた二人が東京を意識し、寅さんの謝罪と感謝の気持ちが伝わったかどうか?は判りませんが、青観に何か伝わるものがあったのでしょう。

 寅さんの事ですから、不意に現れて気さくに感謝の気持ちを伝えるのだろうが、劇中では遠く離れたこの距離感と暴言を吐いてしまった過ちから、すぐにでも伝えたい想いを電話ではなく念で伝える姿が「男はつらいよ」らしい描写でもあり、憎めない寅さんのキャラクターであります。

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龍野『男はつらいよ 第17作 寅次郎夕焼け小焼け』ロケ地巡り

  住所:〒650 兵庫県たつの市龍野町
  電話
  電車:龍野市街地へ JR姫路線 本竜野駅より徒歩約15分
 

駐車場 :