2007年01月10日

企業改革法 5

△02年に法案を提出した2人の米国会議員、サーベンス氏とオクスリー氏の名を冠した「SOX(米企業改革)法」。今この財務諸表に対する経営責任を明確にしたソックス法が重荷となり、米国の企業や資本市場の競争力が落ちたのではないかといった議論が盛り上がっています。「ソックス法」は、不正会計などに対する禁固刑の期間を倍の最大20年に延長、ホイッスル・ブロワー(警笛を吹いたもの)と呼ばれる内部告発者の保護など、ITバブルが崩壊した01年以降に社会問題化した企業スキャンダルへの反省から、02年7月に米議会で可決され翌年から施行されました。

△こうした不正会計への厳罰化に伴い、エンロン:71億ドル、ワールドコム:61億ドル、AOLタイム・ワーナー:26億ドルと、法令を遵守しなかった企業に対しては、株主が損害賠償を求めて民事訴訟を起こし、その賠償額の更新が続いています。そのため、訴訟自体がビジネスになったと揶揄されています。この流れは海外にまで及び、不正会計が発覚したオランダの小売大手は米国で訴訟を起こした株主に対して11億ドル支払いました。

△このような厳罰化は米資本市場の地盤沈下を引き起こしているといわれています。例えば、米国内外で株式公開した企業が米国で得た金額は、00年は世界全体の50%を占めていたのに対し、05年は5%と10分の1まで落ち込みました。また、先進国10カ国のうち米国で企業が株式で調達した金額のシェアが、95年の41%から05年は28%と低下するなど、米国離れが進んでいます。

△もっとも、米国内では「ソックス法有用論」も多く、株価が史上最高値圏で推移していることもあり、経営者を監視する企業統治ブーム相変わらずです。例えば、5年前に破綻したエンロンのCEOに対し禁固20年4月を言い渡した判決は、「厳罰(他にも詐欺やインサイダー取引など19の法令違反で有罪となり、制裁金や集団訴訟で1億ドル払う可能性が残っています)が市場の透明性を増し、投資家からの信任を得られる」と支持されています。米国離れが進み「ソックス法」を緩めるのではとささやかれていますが、株価が最高値圏で推移している間は、市場の透明性を確保するための厳罰化の流れは続いていくと思います。


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