おそとで映画'08

2009年07月10日

レスラー THE WRESTLER(2008/米・仏)4

かつて一世を風靡したプロレスラー、ランディ・ラム。
今はトレーラー・ハウスに独り暮らし
アルバイトをしながら週末だけリングに立っている。
しかし長い間酷使した身体が悲鳴をあげ引退を決意。
突然強い寂しさを感じた彼は
馴染みのストリッパーのアドバイスで
疎遠にしていた娘に連絡をとり、仕事を得て
新しい生活をはじめようとする。

告白しますが
「ナイン・ハーフ」の頃のミッキー・ロークの大ファンだったんです〜!
初めてのアメリカ旅行のお土産にビデオ買ってきちゃったり…。う。恥ずかしい。
あれからン十年、
ぜんぜん面影ない!と思っていたけれど(整形に失敗したといううわさも)
口角のきゅっとあがるあの笑いかた、あれが好きだったのを思い出しました。
まさかこんな彼の姿を拝むことになるとはねー。あー、生きててよかった。

いい作品なのですが、正直、脚本に微妙な甘さがあるような気がするんです。
しかし、もう、このミッキー・ローク!というだけでぶっちぎり倒す映画なんです。
このミッキー・ロークだからこそできるこの役、
ほかの誰もこの役にこれほどの命を込めることはできないでしょう。
胸が苦しくなるようなストーリーなのに、不思議と悲しくない。
孤独を選ぶことは悪いことじゃない。
ランディがそう教えてくれるからでしょうか。

「80年代の曲はよかった。ニルヴァーナの登場でダメになった」のセリフには笑ったね!

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ローク
   マリサ・トメイ
   エヴァン・レイチェルウッド

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2008年09月15日

イントゥ・ザ・ワイルド INTO THE WILD(2007/米)5

優秀な成績で学業を終えたクリスは
両親の期待とは裏腹に放浪の旅に出る。
車、IDカード、そしてわずかな所持金さえも捨て
ヒッチハイクでアラスカをめざす。

両親との確執から放浪の旅に出ちゃうなんて
ほんとはあんまり共感できないシチュエ−ションなんだけど
最低限のわずかな持ち物だけで続ける旅がとても魅力的で
あああ、バックパックをかついで明日私も出発したいいい〜。
私なんか立場も年齢もどちらかというと
クリスのお母さんのほうに近いっていうのに
心情的にはすっかりクリス。
ずうずうしいかしら〜。
でもいいの、大自然のなかにひとりでぽつんと立っていたら
年とか関係ないももんね。

様々な出会いに恵まれながら
居場所を定めることを拒みさらに極限の生活を求めて
アラスカの高野にひとり暮らすようになるクリス。
生きることはつまり食べることであり
一日の大半を食料調達のために活動するクリス。
ある日大きなヘラジカをしとめるが、さばききれずに無駄にしてしまう。
ああ〜、生きるってやっぱりほかの命をいただくことなんだ。
それが肉であれ野菜であれ…。
感謝してだいじにおいしくいただかなくちゃ。

フランソワ・オゾンの「ぼくを葬る」には
ひとりでいいんだよ、と教えられて気持ちがとても軽くなった。
この作品にもすごく勇気付けられたー。
いい意味で、人間ってひとりなんだ。それでいいんだ。

監督:ショーン・ペン
出演:エミール・ハーシュ(若いときのプリオに姿や声がそっくり)
   ウィリアム・ハート
   マーシャ・ゲイ・ハーデン

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2008年05月18日

ハンティング・パーティー THE HUNTING PARTY(2007/米)3

TVの生中継オンエア中にブチ切れたことから業界を干された
ジャーナリストのサイモン。
かたやコンビを組んでいたカメラマンのダックは
人気ニュース・ショーのスタッフとしてリッチな生活を送っている。
かつてのようにカメラをかついで戦場を駆け回ることもなくなったダックの前に
落ちぶれたサイモンが現れた。
民族浄化の名の下にボスニアでの大虐殺を引き起こし
500万ドルの懸賞金のかかる男「フォックス」へのインタビューをものにして
第一線への返り咲きを狙おうというのだ。

いまだ逃走中の戦争犯罪人ラドヴァン・カラジッチを追跡した
アメリカ人ジャーナリストの実話をもとに映画化。
戦争やジャーナリズムなどのなかなか答えの出にくい問題を扱いながら
あえてチープな演出で娯楽アクションに徹したところが印象◎。
はっきり言ってB級なんでしょうが、100分間ぜんぜん退屈させないし。
破天荒なサイモン(…でもR・ギアなのであんまりそう見えない)と
彼に振り回されながらも放っておけないダックと
そしてもうひとり、強力なコネで入社したらしい新米プロデューサー・ベンの
たよりなくて飄々としたキャラがとってもいいかんじ。
男たちの友情もの、ともカテゴリー分けできる作品です。
主演はふたり、と感じるほどにダックに魅力を吹き込んだのは
「クラッシュ」とはうってかわったテレンス・ハワード。
ものすごく足が長いんです。ほれぼれします。

監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア
   テレンス・ハワード
   ジェシー・アイゼンバーグ
   ダイアン・クルーガー
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こいつが「フォックス」。


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2008年05月15日

ノーカントリー NO COUNTORY FOR OLDMEN(2007/米)5

テキサスの荒野で
大量の麻薬と銃撃戦のあとの死体、
そして200万ドルのはいった鞄を偶然に発見したルウェリン。
黙って鞄だけを持ち帰るが
そのときから冷酷で大胆・正確な殺し屋アントン・シガーに
命を狙われることになる。

こっわー!純粋に、怖いー!ひたすら、怖いー!
「激突!」「ヒッチャー」「ターミネーター」など
感情のない殺人鬼が有無を言わさず追っかけてくる映画は
いくつか思い浮かぶけど、これは最上級に怖いです!
老保安官の無力感なども描かれてはいるけれど
ただもう「怖い」ということだけをテーマにした
非常にピュア度の高い作品と思います。
コーエン兄弟の演出も冴えまくりニクいシーンの連発です。
今年のアカデミー賞作品賞受賞、文句なしです。
…でもアカデミー賞っぽくない作品のような気もします。
どちらかというとカンヌっぽいような。
素晴らしい映画なんですが
号泣したい人とか世界の中心で愛を叫びたい人にはお勧めしませ〜ん。

「海を飛ぶ夢」で理知的な身体障害者を演じたハビエル・バルデムが
180度ちがうキャラの殺し屋を不気味に不気味に演じています。
このテの登場人物はこういうとこでは死なない、といった
観客の、ある種心地よくもある予測の定石を次々ぶち壊していくとこが
ほんとーに怖いんです。
「え〜っ、ここでこの人死ぬんだ、
うっわ〜、次の予測つかねーじゃん!」的恐怖。
寡黙ながら男らしいやさしさを垣間見せるルウェリンには
悪役顔のジョシュ・ブローリン。
ついこのあいだ「アメリカン・ギャング・スター」で
犯罪者からショバ代をまきあげる悪徳刑事をやってましたねー。
今回は男の中の男です。
荒野の老保安官トミー・リーは
「メルキアデス・エストラーダの三度の埋葬」と
キャラかぶってました。

監督:ジョエル&イーサン・コーエン
出演:ハビエル・バルデム
   ジョシュ・ブローリン
   トミー・リー・ジョーンズ
   ウッディ・ハレルソン


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凶器は酸素ボンベ!


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2008年03月13日

エリザベス:ゴールデン・エイジ ELIZABETH:THE GOLDEN AGE (2007/英)4

25歳でイングランドの王位についたエリザベス1世のその後。
ヨーロッパ全土をカトリックで支配しようとするスペイン王が
プロテスタントのエリザベスに罠を仕掛ける。

なんとなく態度がでかくなって劇場を出たpumiwo(笑)。
素晴らしい衣装と美術、照明やカメラを堪能しましたー。
劇場で観ることを強く強くおすすめする作品です。
今作でエリザベスが心を寄せるローリー卿という人物が
前作のロバートに比べて人間性が高く信頼に足る味方なので
全体的にエグ味が薄らいだ印象。
もちっと陰謀がうずまいてほしかったような気もするかな。
ケイト・ブランシェットの演技はどんなシーンも安心して見ていられる。
スコットランド女王メアリーを演じるサマンサ・モートンが
エリザベスへの反逆罪を通告されるシーンの演技もすごかったよ。

監督:シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット
   ジェフリー・ラッシュ
   クライヴ・オーウェン
   サマンサ・モートン
   アビー・コーニッシュ

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2008年02月08日

アメリカン・ギャングスター AMERICAN GANGSTER(2007/米)5

60年代終わりのニューヨーク。
街を仕切ってきたマフィアのボス・バンピー亡きあと
それまでのものとはまったく異なる品質のヘロインが大量に出回るようになった。
従来の麻薬ビジネスの縄張りの地図を大きく塗り変えたのは
15年以上バンピーの運転手兼用心棒をつとめ
いちばん近くでその商売のやり方を学んできたアフリカ系アメリカ人
フランク・ルーカスだった。

一方、捜査中に発見した100万ドルを着服せずに署に届けたことから
リッチー・ロバーツは警察の同僚たちから疎まれるようになっていた。
賄賂をとらないことを見込まれて特別麻薬捜査班のリーダーに任命されるが
純度100パーセントのヘロイン「BLUE MAGIC」をさばいて
急速に力を得ているはずの大物をなかなか特定できない。
家族と過ごすことを好み、目立つことを嫌う慎重なフランクは
一部の世界をのぞいてはまったく無名の存在だったのだ。
美しい妻を得て暗黒街のビジネスも順調、
しかしたった一度の気のゆるみから、リッチーのみならず
ギャングと癒着し当然のように賄賂を要求してくる汚職刑事からも
目をつけられてしまう。
実話をベースに映画化。

映像がきれい、好きな俳優が出ている、音楽がいい、
ストーリーが面白い、お気に入りの監督、大笑いできる、あるいは泣ける…
その映画が好きな理由はいろいろあるけれど
思うに、好きなシチュエーションが一ヶ所でもあれば
その作品はその人にとって印象深いものになる。
映画は、シチュエーションの娯楽。
そういうふうに考えると
リドリー・スコット作品はpumiwoのツボ押しまくりなんですね。
フミヲ的に言うと、リドリー萌え。
今作もあちこちで謎のスモークがモクモクする中(笑)、
正反対の世界に生きる、共に自分の美学に頑固すぎる二人の男が
それゆえに傷つきながら戦っていくという。あーかっこいい。
そういえば「エイリアン2」のリプリーなんかも
男の美学を生きていたよなぁ。うっとり。
細かいシチュエーションでは、やっぱり食いもんが気になるんですけど
フランクがコーヒーに心配なくらい砂糖を入れてたり
司法試験の試験場でのリッチーのちょっと余裕の「へへっ」っていう表情とか
そうそう、感謝祭の日のふたりのご馳走の対比も面白かったですね。
一族と豪華なターキーを囲むフランク、
かたやアパートでひとり中身のあふれるターキー・サンドを作るリッチー。
それがどちらもとっても楽しそうなんですよ!
(pumiwoの好みはもちろんリッチー・サンドです!
セロリの小口切りがたくさん入っていたのがポイント高いです!食べた〜い!)
みんなやたらかけてるレイバンのサングラスやアフロなど70年代小道具もキュート。
そうだ、「バガボンド」映画化はリドリー・スコットにお願いしたいですね〜。

監督:リドリー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウェテル・イジョフォー、キューバ・グッディング・Jr


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pumiwo at 15:12|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加