2009年11月18日

出遅れた新型インフル予防接種

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新型インフルエンザ感染が広がっている。

末娘はこれまで重い風邪にかかったこともなく助かっているのだが、たまたまウィルス感染がなかっただけで、実際インフルにかかったらどんなに重くなるか予想がつかない。

同じ園のダウン症の子はこれといって合併症もないのに普通の風邪でさえ何度も入院したりしているのだ。

そこで毎年一家全員で季節性のインフルエンザ予防接種は受けている。(6人家族だから2万円越えるけど・・・^^;)

新型インフルのワクチンも打って欲しいものなのだが、ダウン症というだけで合併症もなくては(一応心臓の穴はふさがっているし)優先接種の対象にはならないだろうと思っていた。

しかし知人の話を聞くと、同じく何も合併症がなく入院歴もないダウン症の子に、病院側から「予防接種予約しますよね?」というお誘いの電話がかかってきたというのだ!

そしてそれを聞いた園のダウン症の子もダメもとで行ったところ接種をしてもらえたという。
(この子も合併症はなし)

それを聞いて「うちの子も!」と思い、近所の町医者に問い合わせたところ、「日赤で優先接種の対象者ですという証明書をもらってきてください。そうすればうちで打ちますよ(ワクチンが残っていればね)」ということだった。

ここのところ(というか1歳になってからは)病気で医者にかかったことがないので、近所なのにぜんぜんかかりつけじゃないんだよね。
それが裏目に出た感じ。

予約をとって日赤に行くと、新型のワクチンを優先的に打ってもらえるということだった。

優先対象の条件はご存じのように9つのカテゴリーの疾患に分かれているが1)、そのうち

9. 小児科領域の慢性疾患

にあたるのだそうな。


そこの注には
※9 染色体異常症、重症心身障害児・者を含む。

となっており、ここにあてはまるわけである。
実際、同じ風邪をひいても重症化しやすい体質なのだから仕方がない。
うちの子も主治医からは「風邪ひいて入院とか、普通にありますから、覚悟しといてください」と言われているしね。

で、そうこうしているうちに近所の町医者ではあちこちで季節性インフルのワクチンが品切れになっており、「また入ったらご連絡します」と言われているので、季節性インフルの2回目接種と新型の1回目を同じ日にできるように日赤で予約してきた(同じ日にできるみたい)。

*  *  *
ところで上の子たちの通う小学校ではインフルが猛威をふるっており、すでに姉ちゃんのクラスは今週いっぱい学級閉鎖、他の学年でもいくつか学級閉鎖や早帰りなどの措置がとられている。

いよいよ身近にやってきた!・・・と思っていたら、なっちゃいましたよ、姉ちゃんがインフルに。

いちおう隔離しているのだけど、どうなることか。
予防接種が早いか、末娘への感染が早いか、ビミョ〜なところである。

注1)1. 慢性呼吸器疾患
2. 慢性心疾患
3. 慢性腎疾患
4. 慢性肝疾患
5. 神経疾患・神経筋疾患
6. 血液疾患
7. 糖尿病
8. 疾患や治療に伴う免疫抑制状態
9. 小児科領域の慢性疾患
の9カテゴリー。
http://www.cminc.ne.jp/pub/H1N1vaccine091005b.htm


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2009年11月11日

ダウン症者の活躍7【結婚】ダウン症者のカップル

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*厳密には「活躍」ってわけではないかもしれませんが、親にとってはグッドニュースってことで・・・。

PaulとAndreaはイギリスで初めてのダウン症者同士の夫婦である。

「朝、彼が仕事に出かけるとき、私はキスして『アイラブユー、ポール』って言うの。そうすると彼も『アイラブユー、アンドレア』って言ってくれる。そして、彼の姿が見えなくなるまで見送るの。私たちが結婚すべきじゃなかったって言う人がいるのも知ってるけど、でもどうしていけないのかしら。私たちはとっても愛し合っているし、お互いを気にかけているのよ。」

<なれそめ>
Andreaは施設で育ち、家庭生活の味を知らない。
Paulは里親のもとで育てられたが、養父が亡くなったことを機に13歳のとき施設にやってきた。

Paulは自分が育った家庭のことを覚えている。養父母はとても夫婦仲がよかった。この家庭生活の記憶が、後に結婚して家庭を築きたいという気持ちのもとになったのかもしれない。

初めて施設で出会ったとき、Andreaは3歳、Paulは13歳だった。
年の差にもかかわらずふたりは仲良しになり、AndreaはPaulの後をくっついて回った。Paulは保護者のようだった。
ふたりの様子を見て施設の職員は微笑ましく思ったものだった。だがふたりの仲は一時的なものではなかった。ふたりの友情は続き、そして深まっていったのである。

Paulは音楽が好きで、ふたりはレコードを聴きながらよく一緒に踊った。
PaulはいつもAndreaを笑わせた。Andreaが悲しみに沈んでいるとき、Paulはジョークをいい、おかしな顔をしてみせる。Paulはコメディアンのようだ、とAndreaは言う。

しかしやがてふたりに別れがやってくる。
大きくなるとAndreaはコミュニティハウス(障害がある人に住居を提供し、地域で自立した生活を営むことができるように援助をするところ)に移り、ホテルで働き始めた。Paulは施設に残った。

AndreaはPaulがいないのを寂しく思い、介護職員に頼んでPaulをお茶に招待した。
久しぶりに再会したときのふたりの喜びよう!ふたりはお互いがいると生き生きとした。
ソーシャルワーカーは、Paulが定期的にAndreaを訪問することを認めた。

<結婚への意志>
そして1996年、Andreaはソーシャルワーカーに相談したいことがあるといい、結婚したいことを打ち明ける。
子どものような単純さで、ふたりは愛し合っているから、夫婦になりたいのだと説明した。

しかしそれに対する反応は複雑なものだった。Andreaはダウン症による、重い心臓の病気をもっている。それにダウン症者同士の結婚というのはこれまでに例がないことだった。

Andreaの申し出を検討するといろいろな問題が出てきた。住む場所はどうするのか。施設のときのような住み込みの介護職員がいなくてもやっていけるのか?

18歳を超えたふたりには双方の合意があれば、介護職員に結婚をとめる権限はない。しかし介護職員らの影響力は大きく、その時点で職員たちは、「ふたりの結婚は賢明ではない」との結論に達した。

施設側は、ふたりが本当には結婚の意味とか誓いの意味をわかっていないのではないかと考え、ふたりを説得して控えめな祝福式を行うことで満足させようとした。
ふたりにきれいなスーツを着せ、施設のロビーで地元の牧師による祝福式を行い、写真をとった。
そのあとふたりのためにちょっとしたパーティを行った。
ソーシャルワーカーたちはこれで一件落着、と胸をなでおろし、またそれまでとは変わらない生活が始まった。

しかし1週間もたたないうちに、AndreaとPaulは、「ほかの愛し合っている人たちのように結婚したい」と申し出た。

Andreaはホテルのクリーニングアシスタントとして週に20ポンド稼いでおり、Paulもポーターとして同じくらい稼いでいた。
ふたりは結婚指輪その他、夢見る日に向けてわずかな稼ぎの中からありったけのお金を貯金し始めた。(注:20ポンドは本日の相場では日本円にして3005円。イギリスでは食費は週に10ポンドくらいで生活できるらしい)

年月がたつにつれ、ふたりの結婚したいと気持ちはますます強まり、はじめ反対していた周囲の人たちも徐々に考えを変え始めるようになった。
「ふたりが愛し合っていることは傍目にも明らかでした。結婚って、それがすべてじゃなかったかしら?」

「Paulにも個別に話をしました。彼も結婚したいと思っていました。ふたりとも毎週教会に通っており、熱心なクリスチャンでした。私たちは、もうふたりが結婚してはいけないとする理由はないと結論したのです」

医者やソーシャルワーカーたちは、Andreaの弱い心臓のことを心配していた。Andreaの心臓は妊娠には耐えられないのだ。結婚して、性的な関係をもつということは命とりになるかもしれない。
しかしAndreaはリスクについて理解し、妊娠のリスクがないようにいくつかの避妊注射をを受けることに同意した。
(注:プロベラ注射液(3ヶ月に一度の注射で避妊成功率99.7%)などがあるらしい)

ついに地域の牧師が呼ばれ、Paulと面談をした。
なぜ結婚したいのかと聞かれ、Paulは答えた。
「僕はAndreaをとても愛しています。ふたりで一緒にいると幸せだからです。Andreaといると僕の心は足りないものは何もなくなります。Andreaがいると歌ったり踊ったりしたくなるのです。」

牧師は部屋を出るとき、「ふたりはいい夫婦になるでしょうな」といった。介護職員が「それはつまりふたりは結婚できるってことですよ」といったとき、ふたりは飛び上がって喜んだ。

<結婚そして現在>
ふたりはコツコツと準備を重ね、2004年9月25日、結婚式が行われた。
Paulは何度も幸せの涙を流した。

ふたりが住むベッドルームがひとつきりのアパートには結婚式の写真が飾られている。ワードローブにはウェディングドレスがかかっており、ふたりがたてた誓いを常に思い出させてくれる。

AndreaはPaulに夕食を作り、並んでソファに座り、一緒にお気に入りのテレビ番組を見る。
ふたりは毎日結婚式のアルバムを見ているという。見ると自然にほほえみが浮かんでくる。
天気がよければ手をつないで散歩に出かける。
あるいはPaulが音楽をかけ、ふたりでダンスをしたり冗談を言いあったりする。

ふたりは口論したことがないという。
「お互いにつっけんどんになったことはない。結婚したら、相手を幸せにするんだ。
愛し合っている人というのは、そうするものなのさ」

ふたりは、結婚2周年記念をお祝いした。(注:2006年の記事らしい)
ふたりの写真はこちら
*  *  *
微笑ましい記事ですな。^^

お互いに愛し合っていること、それが結婚のすべて。
結婚したら、相手を幸せにしようとする、それが愛し合っている者同士の結婚というもの。

はあ〜、そうだっけ。
すっかり忘れていましたな。(笑)

結婚生活がうまくいくかどうかに、IQは関係ない。
IQが高くてもうまくいかないカップルはいくらでもいる。
問題は生活が成り立つかどうかなんだけど、それは支援の範疇でもある。確かに、お互いに愛し合っていること、これこそが結婚の基本であって、それ以外のことは後からついてくるのかもね。

以前書いた記事にもあった通り、ダウン症者の結婚はあってもダウン症者同士の結婚というものはEdwardsの調査ではなかった。(アメリカ)
相手は他の発達障害をもつ人がほとんどだったが、ダウン症ではなかった。
実はこの記事を見て私は意外だと思ったものだ。

ダウン症の子はダウン症の子に対し、すぐに近づいていくという印象があったからだ。
養護学校などでは、ダウン症の子はお互い仲良しで固まる傾向にあると聞いた(読んだ)ことがある。
だったら、ダウン症者の男女が恋におちることって、よくあることなんじゃないかと思っていた。

でも、知的障害者同士の結婚というのはうまくいかない例が多いともどこかで読んだことがあり、たぶんそれが理由でこれまで例がなかったのだろう。
(周りの人による反対とか、説得とか)

また、障害のある人というのは何かお膳立てしてもらうことに慣れてしまっていて受け身な人が多く、お互い好きでもなかなか恋愛が進展しないとも読んだ。

Paulの場合、一般家庭に育ち、そこの義父母が仲のよい夫婦だったということが結婚への願いをかき立てたと言えなくもない。
とすると、一般家庭で育つことが多くなった現代では、ダウン症者は好きな人がいたら結婚を望むというのが自然な流れになっていくのかもしれないと思う。

それにしても、育った環境というのはやはり子どもに対する影響力が強いんだな。
うちの子たちは、将来結婚生活に対する憧れをもってくれるでしょうかね。(笑)←苦笑か?


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2009年11月04日

ダウン症関連論文11 ダウン症児の歯ぎしりに対する薬物療法:予備レポート

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原文タイトル:Drug Therapies of Bruxism in Down Children: Preliminary Report1)

<内容紹介>
イタリアの家庭で育てられているダウン症児408名のうち、初診または(初診が1歳未満のときだった場合は)それ以降の検診で歯ぎしりが認められた134名について薬物療法を行った。
(平均年齢:5歳11ヶ月)

用いた薬物は主にストレス反応を軽減することを目的としたもので、9種類の治療的枠組みにまとめられる。2)

薬物療法を8ヶ月〜22ヶ月間行ったところ、そのうち62.68%の歯ぎしりが消失し、さらに29.85%は症状が緩和した。

*  *  *
ダウン症児の歯ぎしりについての記事。

実は最近、うちの末娘が昼間(夜間ではなく)歯ぎしりをするようになったので、原因は何かとか、治す方法はないかと思い、調べてみたのである。

<原因について>
この研究者によると、歯軋りは病気ではなく症状なので、歯軋りのためだけに薬物療法はしないそうだ。
ただ、たまたまストレス軽減の必要のあるダウン症児たちに薬物療法をしたところ、結果的に歯軋りも治ったということなのだろう。
ここで言えるのは、歯軋りというのはストレスを軽減する薬で消失する、つまり主にストレスが原因ということだと思う(もちろん、他の原因の可能性もあるが。歯のかみ合わせ、歯が抜けている、歯が曲がって生えている、など)。

ストレスというのは何も人間関係で悩んでいるとかいうことだけを指すのではなく、代謝性ストレスとかいうものもあるらしい。
上記論文には、ダウン症児は代謝を調節する酵素が2個ではなく3個の染色体にのっているため(つまり酵素が一般より多いため)、代謝が促進されることによる内因性の代謝性ストレスにさらされているのだそうだ。代謝性ストレスと言われてもイメージしにくいのだけど。^^;

<歯軋りするとどんな悪いことが?>

歯軋りをするとどんな悪いことがあるか。
ギリギリ音がしていてみっともない、くらいなら別にいいのだが、やはり長期的に行われているとデメリットがありそうだ。

まず、長期的に歯軋りしていると歯の表面のエナメル質部分がすり減って知覚過敏(熱いものや冷たいものを食べると歯が沁みたりする)になったりするそうだ。
また支持組織(骨格を作る組織)に影響を及ぼし、あごが痛くなったり噛み合わせがおかしくなる。咬筋や側頭筋が肥大する。
睡眠時の歯ぎしりは頭痛、顎関節機能不全、 あごの痛み、噛むと痛みを感じる、などの症状が出てくることがあると書かれていた。

<ダウン症の子に多いのか?>

実は知人の小学生のダウン症の女の子もしょっちゅう歯軋りをしていたため、ダウン症の子には多いのかなとなんとなく思っていた。

ダウン症の子に歯軋りが多いのかということについては、いくつかの研究ではダウン症児の方が多いという結果が出ている(特に昼間の歯軋り)。
しかしその割合というのが研究者によりまちまちらしい。18%とも70%とも言われている。・・・って、18%と70%じゃ全然違うんですけど。^^;

こんなにも割合が違うことについては、どうやら調査する人が年齢などをいっしょくたにしていたことが原因らしい。
歯軋りする子の割合は年齢によって大きく変わり、就学前の子供には少なく、一番多いのは(健常の子でも)6歳-8歳のグループで、9歳を過ぎると減っていくのだそうだ。
これは乳歯と永久歯が混じっている「混合歯列期」と呼ばれる時期の子どもたちに一番多いということだ。

あるメキシコのダウン症児(57人3歳ー14歳)を対象とした研究では3)、全体で42%の子が歯ぎしりをしており、年齢によって差があるが、男女差はなく、知的障害の程度による差はなかったということである。(ただし、男の子に多いという研究も一部ある)4)
歯ぎしりの割合や年齢差のパターンは健常児と変わらないということだった。

ただしモザイク型のダウン症児は他のダウン症児(標準型21トリソミーや転座型)と比べ歯ぎしりの割合が優位に高かった(5倍)ということである。(その理由はわかっていない)。

要するに、年齢などの要素できちんと区別して調べると、ダウン症児だからって健常児に比べて歯軋りが多いということはない、ということになるようだ。

<歯軋りを治すには?>
ネットで調べたところ、一般的な歯軋りについての話がのっていた。5)

原因:ストレス、不安、睡眠時無呼吸、噛みあわせの悪さ、水分不足、カルシウム不足、マグネシウム不足、パントテン酸不足、抗うつ薬の副作用など

歯軋りを悪化させる要因:カフェイン飲料、アルコール、喫煙(←末娘には関係ありません)

対策:身体をリラックスさせること。ウォーキング、ヨガ教室、マッサージ、ストレッチ体操などは効果あり。
不足している栄養素の補給(水分補給、カルシウム不足なら乳製品を増やすなど)
堅いもの(ペンなど)を噛むクセをなくす
あごの関節をリラックスさせる(唇を閉じて口の中で歯を開ける練習、歯の間にちょっと舌をはさむ練習、暖かいタオルを耳たぶの前あたりの頬にあてる、など)

通常就学前の子どもには治療は必要なしとのこと。
ある程度の年齢で、長期に渡って続く場合には歯科医に相談。就寝時にマウスガードをくわえて歯軋りを防ぐ方法もある。

*   *   *
うちの子の歯軋りの原因は、よくわからない。
最近になって始まったので、寒くなってきたからかもしれないし(暑さ寒さというストレスも原因になるそう)、手話教室に通う日に単独で通園施設に預けているからかもしれない(これは前からだけど)。このところ兄ちゃん姉ちゃんに関わりあっていてダンナに預けることが多く、ゆっくり遊んであげられる日があまりないこともあるかもしれない。
しかしそうしたストレスとは関係なく、内因性の代謝性のストレス(どんなものかわからないけど)というもともと持っているものもあるのかも。
あるいはもうじき奥歯が生えてくるとか?

いずれにせよ、もちろん薬物療法などをする年齢でも程度でもないので、上に書かれているようなことをやってみようかなと思っている。
あごをさすってあげるだけでも歯軋りは減るというようなこともネットで見たので、それに加えてマッサージとかストレッチ体操なんかをしてリラックスさせること、暖かいタオルを頬にあてること、くらいならすぐに出来そうだ。

こういう「クセ」が出てくると、親としては気になるのだ。
特にストレス症状と聞くと、愛情が足りないんじゃないかとか、日常無理をさせているのではないか、とか。
実は上の兄ちゃんは、小学生の頃一時期「服噛み」のクセがあって悩んだことがある。
洋服の袖とか襟とかを噛んで服をすぐにボロボロにしてしまうのである。
服はまあ買えばいいのだけど、いつでもどこでも服を噛んでいるのが気になり、一種のチック症状ではないか、何かストレスがあるんじゃないかといろいろな人に相談したりもした。
ちょうど末娘の妊娠時だったので、下の子が生まれることによるストレスではないかと思ったり。

でも、結局何も手立てはしなかったのに、時期が来ると自然と消えていった。
歯軋りも、上の話を読むと(2歳で歯軋りというのは早い気がしなくもないが)ピークの年齢があり、自然に減っていくもののようなので、気長に待とうかな、と思う。

1)
Achille Lamma, MD & Renato Cocchi M.D., Ph.D. (Sociology) Drug Therapies of Bruxism in Down Children: Preliminary Report. Italian Journal of Intellective Impairment 1 (1): 19-24 (1988)
*二重盲検試験とかではなく、対照もなく、療法のパターンもさまざまであるため、試験とはいえず記述的論文の域を出ないと断り書きがある。

2)9つの治療の枠組みとは、以下の通り。
 1.基本的な抗ストレス療法(BAT)
  LグルタミンまたはIグルタミン+ペモリン、ピリドキシンまたはピリドキシン+チアミンまたはピリドキシン+チアミン+シアノコバラミン、時にアルファ・トコフェロールをプラス、ベンゾジアゼピン
・・・治癒例の約4分の1を占める
 2.上記BAT&5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)
3. BAT & カルバマゼピン(CBZ)
4. BAT & 5-HTP & CBZ
 5. BATに5-HTPを後続的に追加
 6. BATにCBZを後続的に追加
 7. BATに5-HTPとCBZを後続的に追加 
 8. BAT & CBZに5-HTPを後続的に追加
 9. BAT & 5-HTPにCBZを後続的に追加

なお、5-HTP単独では歯軋りは減らなかったという結果が出ており、もし5-HTPに作用があるとすれば内因性ニコチンアミド合成を高めることではないかと著者は述べている。
著者がベストと考えているのはBATプラスCBZ。

3)Lopez-Perez R, Lopez-Morales, Borges-Yanez SA, Maupome G, Pares-Vidrio G. Prevalence of bruxism among Mexican children with Down syndrome. Down Syndrome Research and Practice. 2007;12(1);45-49.

4)SR Shetty, AK Munshi. Oral habits in children--a prevalence study.Journal of Indian Society of Pedodontics and Preventive Dentistry. 1998;16(2) ;61-6.

5)
http://hubpages.com/hub/Bruxism-Causes-and-Treatments

http://www.webmd.com/oral-health/guide/teeth-grinding-bruxism

http://ezinearticles.com/?Teeth-Grinding-(Bruxism)-Causes-and-Treatments&id=1919670

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2009年10月28日

成長記録(2歳4ヶ月〜2歳5ヶ月)

やはり振り返ってみると写真が少ない・・・。
今度はちゃんと写真を撮ろう。^^;





すねる

すねています。(笑)

くるっと背中を向け、両足を投げ出します。

さらにお怒りのときは、足を床にどんどんと打ちつけます。

笑っちゃいます。
大プール

障害者スポーツ施設の大プールで。

水が大好き。そのうちスイミングやらせようかな。
BlogPaint

地区の秋祭りに参加。

ミニハッピを着せられるときは抵抗していましたが、スイカをもらって満足満足。
ぶどうがり

ぶどう狩りにて。ぶどうは写ってませんが。

おいしい巨峰に大満足。



動画
1)ノリノリ・歌ってます

「アイアイ」手話を交えて体を動かしてます。
「パジャマでおじゃま」歌ってます!
(「パ」だけ発音できればほとんどが歌える歌、笑)
(「まだまだ・・・」のところで手をひらひらさせているのは、「まだまだ」の手話です、一応)



2)パズル(2ピース)
パズルが大好き。今は3ピース、4ピースのパズルも喜んでやってます。




3)おままごと
ざくっと切って、うさぎのパペットに食べさせています。そのあと、包丁とまな板を差し出して「包丁は、食べられないよ」などと言ってもらうのがお約束。


*  *  *
2ヶ月に一度の成長記録更新ですが、この時期の2ヶ月間は大きく、できることが増えているなあと感心します。

まだまだできないだろうと思っていたら、おしっこを教えるようになりました。
手話で「ちっち、行く」と表現して教えます。
まだ毎回必ず教えるというわけではないので時間で連れていっていることもあり、トレーニングパンツにしていても失敗しない日が増えてきました。

ただこのところ寒くなってきて、本人もトイレに行くのが億劫になったり、遊びに熱中しているときは「ちっち行く」と知らせても途中で戻ってきてしまったりと、別の面が出てきました。
トイレを絵で飾って魅力的な場所にし、ほめほめ作戦で継続していこうと思います。

(なにしろ目標は小学校入学までの排泄自立なので、なんとかなるかなという気はしています)

それから、最近大人のマネをよくするので面白いです。
ある日突然、自分の食べたお皿とお茶碗を重ねて台所まで運んできたのにはびっくりしました。(これはその後もちょくちょくやっています)
足の痛いおばあちゃんに薬を塗ってあげるマネもします。(薬のフタをつけたまま、足をこする)
こないだは台ふきんでテーブルを拭いていました。
今度は何をし始めるか、楽しみです。

<通院・検診など>
遠方の訓練施設 PT2回  OT2回
日赤リハ診 日赤のリハビリは卒業(歩行が安定してきたので、もうこなくてよいと言われる)
3ヶ月に1度の歯科検診(フッ素塗布) 虫歯なし
障害者スポーツ施設の大きいプールでの水泳 1回
通園施設のST(言語療法)1回
障害児通園施設 15回(うち単独預かり6回←手話・講演会の日・夏祭り1回)
療育手帳の更新判定 (遠城寺式発達検査 B2判定)
手話教室 3回
施設で行っている公立保育園との交流保育 2回
(一緒に遊び、給食も一緒に食べてくる)
近所の保育園の公開園庭 1回

体重 10kg  身長 80cm ようやく大台に!! 

<できるようになったこと>
・「ちっち(おしっこ)、行く」と2語文(手話)でおしっこを教えるようになった。
昼間はほとんどトレーニングパンツを濡らさない日が増えた。
・便座を降ろし(男子の後はあがっているので)、自分の補助便座を自分で乗せる。
終わった後は自分で水を流し、手洗い場に歩いていく。いっちょまえです。
・ご飯は茶碗をもってやればスプーンで上手に食べられるが、できるようになったら逆に人にやってもらいたがるようになった。
・大の方は、相変わらず出てから教えるが、トイレではもう出ないのか、まだ出るのかを手話で教えてくれるので助かる。
・パンツやズボンを掲げると自分から片方ずつ足を入れ、立ってパンツやズボンを腰まで引き上げることができる。
・段差を、手をつながなくても立ったまま上れるようになった(1段)
・手をつなげば下りの段差も立ったまま降りられるようになった(1段)
・家の階段を、いつの間にかひとりで頂上までのぼるようになった(ハイハイで)。
・玄関のドアを、自分で開けて出入りするように。
・ふーっと息が吹けるようになった。
(以前は誕生日ケーキのろうそくを吹き消せなかった)
・おままごとの切れる野菜をおもちゃの包丁で切ることができる。
・ひも通しができるようになった。
・色がわかるのに加え、同じ色同士に分類できるようになった。(赤、青、黄、緑。白と黒はまだやっていない)
・前、後ろ、上、下がわかっているもよう(「大型バス」などの歌の影響と思われる)
・2ピースのジグソーパズルができるようになった。
(はめこみパズルと違い、いったんピースを持ち上げないとはまらないため、意外と難しい)
・ブロックは壊す専門だったのが、たくさんつなげて高い塔が作れるようになった。

<ことば>
手話
「○○を食べる」「おしっこ行く」「○○を飲む」などの2語文。
これまで名詞がメインだったが動詞の語彙が増えてきた。
・童謡の多くは歌詞を聴いて手話ができる。
(自転車に乗っている時など、私が見せていない時でも正確に再現している)

話し言葉
・「いないいないばー」の「ばー」だけ言う。
・「こんにちはー」を「うーわー」と言っている。
(言ってるんだと思う。親ばかかもしらんけど、母の確信)
・発音できる音の種類はあれ以来増えていないが、なんごが増えてきた。
・なぜか「声なしことば」が増えてきた気がする。
(「バイバイ」などと手を振りながら、口がバイバイと言っている。「まんま(ご飯のこと)」と口だけ動かしている、など。)
・歌を歌っていても、一緒に口を動かしていることがある。
(声はでていないが、口の形はなんとなく合っている)

絵カード
カードを増やした。(身の回りの人物、食べ物、おもちゃ、行く場所、日用品、身に着けるもの、動詞)
動詞は「行く」「帰る」「食べる」「飲む」「読む」「歌う」「遊ぶ」「ほしい」「いらない」の10語。
*動詞は他の名詞と区別するように、カードをまるっぽくしてみた。

本人のカードも作り、「○○ちゃん」「なっとうごはん」「食べる」
とか、「○○ちゃん」「(園の名前)」「行く」
などの文を場面場面でカードで示すようにしている。
自分から「チップ(おもちゃ)」「ほしい」と2枚のカードをもってきたときは感動した。

<気をつけたこと・やってみたこと>
・階段を上ってしまうので登り口にゲートをとりつけた。
・玄関のドアをあけて出ていってしまうので昼間でも目を離すときは施錠するようにした。
・階段練習用のミニ階段を作成(うちの階段は急なので)
ポイントは段差が小さいことと段の面積が広いこと。
ホームセンターで園芸用の発泡スチロール製れんがを購入してきてガムテープでつなげた。
(牛乳パックでもできると思うが)
材料

階段


・読み終わった本を投げ捨てて困っていたので、「そーっとそーっと」と身振りで教えたら、本はそーっと降ろすようになった。
・お風呂であたまを洗うのが嫌いで、お風呂嫌いになりかけた。お風呂に張り付ける絵を買ってきて、お風呂場を華やかに。^^;
(紙おむつのパッケージについている絵を切り取ったものも、濡らすと壁にはりつきます。プーさんとかミッキーさん)

<遊び>
・砂遊び大好き。
・ストローチップも大好き。外に遊びに行けない日に。
・あんぱんまんブロック。ふつうのブロックよりもつなげやすい。
・おままごと。野菜を切ってうさぎに食べさせる。
・ボールも相変わらず好き。
・お絵かき。ちょんちょんと描いている。
・ひも通し遊び。
・ジグソーパズル。はめ込み式のパズルは初めてのものでもすぐに出来るようになったので、ジグソーパズルに挑戦してみた。
ボーネルンド社の『2ピースパズル ジャングルアニマル
パズル


・歌と絵本は、毎日。
・日替わりで子育て支援センターや子育て応援広場などに連れていき、そこのおもちゃで遊ばせる。
どこへ行ってもやはりお気に入りはボールと絵本とパズル。

<訓練でやったこと>
PT
階段の練習

OT
せんたくばさみで遊ぶ(箸をもつ練習につながる。力を入れるところと作用点が異なる道具)
ひも通し(ひもを通して反対側から引き出すことが、ボタンの練習につながる)

<読み聞かせた本>
私がなかなか図書館に行けなくて、最近はダンナの選書。

・『はじめてのあかちゃんえほん せいかつ1』 荒川 静恵絵・古藤 ゆず文  学研 (図書館)
・『ころころおむすび』 真木 文絵 (著), 石倉 ヒロユキ (イラスト) 岩崎書店 ★★★(図書館)
・『ぶうぶう (ぎせいごのえほん)』ふじかわ ひでゆき/ 佼成出版社 ★★(図書館)
 穴の中から覗いてるっていうブタの立場、末娘にわかったのかは疑問。^^;
・『あかちゃんのたべもの』 ながお ひろすけ (著) PHP研究所 ★★★(図書館)
これは私が大好きなシリーズ。
・『よしよし』 三浦 太郎  講談社 ★★★(図書館)
すごく気に入って、何度も何度もせがんだ本。
・『ももちゃん・はなちゃんシリ−ズ なかよしえほん』 土田義晴 リ−ブル★★★(図書館)
・『ぼくとパパのえほん パパねてる』 アラン・ル・ソ− 山下明生  ほるぷ出版 ★(図書館)
・『ママといっしょ』 やまだ うたこ ブロンズ新社 ★★(図書館)
・『すきすきかいじゅうシリーズ なまずのホイホイ』 ふくだ すぐる ベネッセコーポレーション ★★(図書館)
ひげをむすんでりぼんにするとかいうシュールな本。ダンナはこういうの好きなんだから・・・
・『しろくまひこうき』 たしろたくポプラ社 ★★(図書館)
・『赤ちゃんのためのかたちの絵本』 桑原伸之さく あすなろ書房 ★★(図書館)
・『まるまるころころ』 得田 之久 ぶん 織茂恭子 え 童心社 ★★★(図書館)
・『色(いろ)はじめての発見』 リブリオ出版(図書館)
・『赤ちゃん ずかん 0.1.2さい』 桑原伸之さく あすなろ出版 ★(図書館)
・『あかちゃんのりものえほんブップーバス』とよたかずひこアリス館★★★(図書館)
・『かえるのがっしょう』 岡本敏明 ねんど絵いしはらきん チャイルド本社(図書館)
・『ウ〜ッ!』 レオ・ティマースさく え ひしきあきらこ やく(図書館)
・『りんごがころん』 中川ひろたか 奥田高文★★★(図書館)
最後のろうそくが消えるところがお気に入り。兄ちゃんたちにもウケていた本。
・『うさこちゃんおとまりにいく』 ディック・ブルーナ 松岡享子やく福音館書店★★★(図書館)
お友達の家にお泊りに行く本なんだけど、とても気に入って何度も読まされました。こんなお友達ができるといいね。
・『おはなつんつん』 武内裕人 くもん出版(図書館)
・『ゆらゆらパンダ』 いりやまさとし 講談社★★(図書館)
・『こぐまのボリス』 ディック・ブルーナ かどのえいこ やく 講談社★(図書館)
たきぎを取りに行くとかいうのがどうもしっくりこなかったみたい。
・『あかちゃんのための絵本 トイレいけるかな』 わらべきみか ひさかたチャイルド★★★(図書館)
トイレのしつけ絵本。これはかなり何度も読まされました。自分の今の状況とマッチしているからかな。おまるも、和式も、洋式も出てきて便利。
・『きいろいことり』 ディック。ブルーナ 石井桃子やく 福音館書店★(図書館)
・『ママとあそぼ しかけブック もういいかいまぁだだよ』 きむらゆういち さく いそみゆき え  ポプラ社★★★(図書館)
しかけ絵本は大好きなんだけど、いじって図書館の本なのに壊してしまうので、早々に切り上げ。^^;
・『ママとあそぼ しかけブック こんにちはどきどき』 きむらゆういち さく いそみゆき え ポプラ社★★★(図書館)
上に同じ。
・『0。1。2。えほん かさ さしてあげるね』 はせがわせつこ ぶん にしまきかやこ え 福音館書店★★★(図書館)
これも気に入った本。
・『くまさんのたのしいまいにち くまさんのびょうき』 森山京 さく yokovcoco え ポプラ社(図書館)
なぜか嫌がった。びょうきの本だから?
・『こりゃまてまて』 中脇初枝 ぶん 酒井駒子 え 福音館書店★★★(図書館)
最近はとぽっぽを追いかけて遊ぶことが多い。今の生活にマッチした本。
・『0。1。2えほん よくきたね』 松野正子 ぶん 鎌田 暢子 え  福音館書店★★(図書館)
「よくきたね、いいこいいこ」の場面で自分も母にくっついてくるところがかわいい。
・『くだものなんだ』 きうちかつ さくえ 福音館書店★★(図書館)
・こどものとも0.1.2『すずめ ちゅん』あらかわかおる文 /あらかわみつる絵 福音館書店★★★
すごくお気に入り。すずめがお水飲んでる、のところで自分もお茶を取りにいく。(笑)
・こどものとも0.1.2『ごろん ごろん ころん』おおともやすお作 福音館書店★

あとは毎月届く、ベネッセのこどもチャレンジの絵本。(じつはしまじろう絵本が一番のリピーター)


pumpkin1205 at 08:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ!成長記録 

2009年10月21日

ダウン症者の活躍6 【勉強】大学を卒業

ダウン症者の活躍目次はこちら


【追記】ネットサーフィンしていたらもうおふた方、4年制大卒者のダウン症者の記事を見つけたので追加しました。(太字部分)

ダウン症をもつ男性が、トルコの大学を卒業した。

2008年8月、Olcayto Tunc,elは彼の最大の夢であった大学の卒業を果たした。
彼が卒業したのはトルコアナドル大学(エスキシェヒールにある世界で4番目に学生数の多い公立大学)の局経営・秘書学部である。

彼の次の目標は、もうひとつの別の大学に通って歴史を学ぶことであるという。
「僕は仲間たちと毎日一生懸命勉強し、試験はすべて上出来でバスしました。自分の卒業証書を受け取ったときは、本当に興奮しました。」
両親は彼を誇りに思い、仲間たちからはひとり残らずお祝いの電話がかかってきた。

彼は障害のある人たちに、自分の夢をあきらめないで、とアドバイスする。
「ダウン症の若者として、僕の卒業証書は大きな意味があると思います。勉強を続けていきたいということが、ほかの障害のある人々にもひとつの例として示せればいいなと思います。
誰でも一生懸命勉強したり仕事をしたりすれば、きっと成功すると僕は確信しています。」

卒業証書を受け取るとすぐにいろいろな会社から仕事のオファーが来たという。
「僕はそのうちひとつのオファーについて検討しているところです」

母親のHu"lya Tunc,elは息子の成功についてこう語る。
「息子が大学を卒業したことは、私たちにとって言い表しがたいほど誇らしく、また嬉しいことです。我が家にはダウン症のお子さんをもつ親御さんからたくさんの電話がかかってきます。みんなお祝いしてくれ、私はOlcaytoを育てたときのことをいろいろお話します」
(トルコToday's Zaman紙、2009年1月1日の記事より)
ご本人の写真も見られます

*    *    *
日本でも四年制大学(鹿児島女子大学(現・志学館大学)英語英文学科)を卒業された岩元さんという方がいるが1)、これは外国でのお話。

岩元さんは確か初めて四年制大学を卒業したダウン症者だということだったと思う。
他にはいるのだろうかとネットで調べてみると、彼女に続く人たちがいた。

2009年8月にはダウン症の女性がシカゴのナショナルールイス・ユニバーシティ(National Louis University)を卒業している。2)

韓国初のダウン症の俳優、カン・ミンフィさんは天安(チョンアン)ナサレット大学(4年制大学)を卒業されたそうだ。3)

2009年3月には小林さんという男性の方が石巻専修大経営学部経営学科を卒業されている。6)

また、ヨーロッパでダウン症者として初めて大学を卒業したのはスペインの俳優Pablo Pinedaだということだ。彼は教育心理学の学士号を取得した。7)
(2009年映画「Yo Tambien」で自分と同じく大学を卒業したダウン症者の役を演じ、サンセバスチャン国際映画祭にてシルバーシェル賞受賞)
ご本人の写真はこちら


2年制大学(カレッジ・短大)では2001年3月にKaren Gaffneyさんがオレゴン州ポートランドのポートランド・コミュニティ・カレッジを卒業され、科学の準学士と補助教員の資格を取得したという記事があった。4)

また2005年6月、米国マサチューセッツ州のJen Perryはブリストル・コミュニティ・カレッジ(Bristol Community College)を卒業した。(スピーチや心理学のクラスでAの成績をとったと記事にあった)8)
(彼女の言葉「大事なのは勝つことじゃなく、何を成し遂げたかでもなく、自分の中でベストを尽くすことです」)


いつも引用している「Common Threads」にも、ケイプ・コド・コミュニティ・カレッジ(2年制大学)で勉強しているJonathanという青年の話が出てくる。
8人の同級生と寮生活を送り、資金運用論と消費学を学んでいる。5)

アメリカでは日本と違い、入学よりも卒業の方が厳しいため、聴講生のような形で授業に出て学んでいる人も含めれば2年制大学に通って学んでいるダウン症者は実はそう稀な存在ではないのかもしれない。

また、公にされることを好まない人もいると思うので、実際にはダウン症者の大卒者は世界に一桁以上はいるのかもしれない。

おそらく、小さい頃からの療育環境とかが昔に比べてとてもよくなっていることも無関係ではないのだろう。
そうすると、これから先、後に続く人がさらに出てくる可能性は十分にある。

(以前書いた、普通高校に通っているダウン症の青年は今大学進学を目指して勉強中。)

*   *   *
私は学歴信仰者ではないけれど、「知的障害」ということの対極にあるものとして高等教育(大学)というものがあると思うので、こうしたことはダウン症者の可能性を示す象徴的な出来事だと思う。

ここで言えるのは、ダウン症といっても個人差が大きく、その子に何が合っているか、将来何ができるようになるかということは、ひとくくりにはできない、まあ育ってみなければわからないということだ。

そう思うにつけ、小学校入学前、つまり6歳の時点での能力でその後のコースが決まってしまい、途中から(養護学校から普通小学校への)コース変更はできないという今のシステムは、困るなあと思う。

健常児たちは、人生のコースの分かれ目がくるのはたいてい15歳だ。(うちの地域は中学受験は無関係)
彼らがもし入学時のIQで将来のコースが振り分けられたとしたら(しかも下のクラスから上のクラスへの変更が不可であったら、そしてコース間の子どもたちとの交流が希薄だったら)、不満ではないだろうか。
いくら「授業についていけない子を出さないため」だとしても。
早期のコース分けは、大器晩成型や努力型の子たち(上のダウン症者のほとんどがそうだと思う)には向かないのである。

うちの子が大学に行けるかも、なんて言っているわけではない。(笑)ただ、普通学級で途中までやっていけるかどうかというのは、やってみなければわからないと思うのである。

せめて、特別支援学校(養護学校)に行って、身の回りのことがきちんとできて、普通小学校で学ぶ準備ができた子には、普通小学校の特別支援学級に移行できるようなシステムがあったらよいのに。

また、飛び級の反対の就学猶予という形で、1・2年遅れて普通学級に入れてもらえるような柔軟なシステムがあったらよいのに。

前述の岩元さんは、確か合併症のため1年遅れて入学したのではなかったかと記憶している。
私の知人(県外)の娘さんも、1年遅れで入学して、普通学級で十分やっていけている。

人より成長がゆっくりなのだから、人より遅れて入学、というパターンがあってもいい。
社会にでるのが1・2年遅れたって、たいした違いはないだろう。
人よりゆっくりなダウン症児だからこそ、将来のコース選択は急がなくていいように思うのである。

今の就学制度は、そういう点で困る。
親御さんたちが、就学前にものすごく悩むのも無理はない。
それはどちらかというと、システムを柔軟にすることで軽くできる類の悩みではないかと思うのだが・・・。

(最近の講演会で、初めて「入学時の能力判定に従ったところへ行くべき」という考えの強いタイプの先生にお話を聞いたため、そんなことを考えたのでした)

<参照サイト>
1)http://publications.asahi.com/original/zasshi/asapaso/free/20050401.shtml

2)http://www.aboutspecialkids.org/News.aspx?Id=568

3)http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=68901&servcode=700§code=

4)http://www.karengaffneyfoundation.com/moreabout.shtml

5)Common Threads: Celebrating Life with Down Syndrome
by Cynthia S Kidder & Brian G Skotko

6)http://www.sanriku-kahoku.com/news/2009_03/i/090321i-down.html

7)http://en.wikipedia.org/wiki/Pablo_Pineda

8)http://www.mdsc.org/index2.php?option=com_content&do_pdf=1&id=64


pumpkin1205 at 08:42|PermalinkComments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ!ダウン症者の活躍