働く主婦の独り言

自閉症合併のダウン症(DS-ASD)の娘を育てています。

最近の娘のことばと言語評価

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東京のSTの先生に指導をいただいて、動画にもアップしたように、娘の発音がとてもよくなってきた。
タ行が出るようになった動画 

ガ行が出るようになった動画
 
カ行が出るようになった動画

(現在は、ツの練習をしている。たまに出せるようになってきた)

学校の先生やデイの先生にも、聞き取ってもらえることが多くなってきた。

それに伴って娘に大きな変化が見えてきた。
それは、話し言葉への自信がみなぎってきたことだ。(笑)

これまで、発音が悪すぎたので母の私も何言ってるかわからないことが多く、そういうときは文字盤を指したり書いたりしてもらうことで、最終的には100%言ってることをわかってやれた。

しかしこのごろでは、言ってることがわからなくて「ちょっと文字で書いて」といっても、拒否するようになったのである!

これまでは「ハイハイ、どーせ私の発音は悪いもんね。書かなきゃわかんないんでしょ」という感じだったのだろう。
それが、このごろは「いやいや、私、話し言葉でもいける人なんで」という風になってきたのだろう、何度でも言い直してあくまでも音声で伝えようとするのだ。

そして、動画では私のあとにリピートしているから話すテンポはちょうどよくなっているが、普段自分からしゃべることばはくちゃくちゃっと縮まっていて、それも聞き取りにくさの原因になっている。

例えていえば、「ありがとうございます」が「あざーす」になるようなものだ。
「トイレに行ってきまーす」が「とまーす」くらいにくっついている。
「ゆっくりはっきりしゃべらないと、わからないよ」とくどく言っていたので、最近では、「と、い、れ、に、い、って、き、ま、す」と一文字一文字区切って言うようになった。

(全然自然な会話ではないが確かにその方がこちらも聞き取りやすい)

問題は、まだ不明瞭な、出せない音がいくつかあること。
娘「い」
私「い?」
娘「ぬ」(
私「ぬ?」
娘「が」
私「が?」
・・・という感じで、一文字一文字確認しながら会話が進む。
途中まだ出せない音が含まれていると面倒である。
聞き間違うと「ちがう!」「ちがう!」といって正解するまで次の文字に進めない。全体像がわからないので推測もできず、はなはだめんどくさいことになってきている。^^;

(特に人名当てクイズは大変。
娘は現在4カ所のデイに日替わりで通っているが、それぞれの場所のお友達の名前をフルネームでよく覚えていて、名前を教えてくれるのだが、文脈関係ないので聞き取るのは難しいのだ)

STの先生のお話によると、リピートしたり音読したりのときと、自発語(自分で考えてしゃべること)のときとは、使う脳の容量が全然違うらしい
自発語では言う内容を考えたり文を組み立てたり順番に音を送り出したりということに脳の容量をたくさん使ってしまうのでしゃべることばのスピードまで気を回す余裕がない?(ちょっと自己流に解釈してるかもですが)ということのようだ。

*            *           *

さて、STでは、言語評価というものをして今後の学習に生かせるようにしてくれる。

私は他県から通っていて時間がないので、家で言語評価をしてその結果を先生にもっていく、という形をとっている。

言語評価の本は自分で買いました。
●LCスケール

アマゾンで買えたので、STなどが受けられないご家庭では、(ちょっと高いけど)我が子にやってみるのもいいかもしれない。

言語評価をすると、娘の弱点がよくわかる。
LCスケールでは、言語の発達を
ことば芽生え期
一語文期
語連鎖移行・前期
語連鎖移行・後期
語操作期
発展・前期
発展・後期


と分けている。
我が子が上のうちどの段階なのかが分かるのだ。

娘の場合、しゃべるのは一語文がほとんどだったりあまり外ではしゃべらなかったりだが、言語評価をすると発展・前期には到達していたようだ。

ただ、まだまだ言語の理解があやふやなので、この結果を参考に学習していきたいと思っている。

詳しい検査結果は限定記事で公開するが、特に娘は疑問詞がほぼ全滅状態だった。
だから質問をはぐらかしてばかりいるのか。(笑)

「だれ」「いつ」「どこ」はわかっていると思っていたが、たいていの質問では、
「花子さんはきのうお父さんと動物園に行きました。」
Q「花子さんはきのうお父さんとどこに行きましたか?」という感じで、「どこ」そのものの意味がわかっていなくても、抜けている単語を答えると正解してしまう、という側面がある

この評価では
「花子さんはきのうお父さんと動物園に行きました。」という文なら
「だれが行きましたか?」「どこへ行きましたか?」「いつ行きましたか?」という感じで、質問文がヒントにならないように工夫されているのである。

ともあれ、その後家庭学習でも疑問詞を集中的にやったところ、半年以上経ってもう一度やってみたら今度は疑問詞は全問正解だった。
やりとりもずいぶんできるようになった。

こうして、我が子の弱点を知ってそれを補強していく形で学習を重ねていくことで、コミュニケーション力を伸ばしていけると思う。

(疑問詞を学ぶために作った手作り教材は別記事としてシェアしたいと思う)

今は、やはり助詞が弱点なので、いつ、どこ、だれがわかっても、「だれが」「だれに」「だれと」というような、助詞つきの疑問詞になると弱いことを指摘していただいた。
(やはり「が」「に」「を」あたりが弱い。)

これを学習する助詞カードを新たに作った。受け身文の理解とかはまだまだその先につけるべき力だな〜と思うので、ちょっと早かったかな。

他にも「〇〇したらどうしますか?」的な問題は質問の意味そのものが全然わかっておらず、これも今後学習したいところだ。

だいたい娘の場合、質問文と答えの文をセットで何度もパターン学習することで質問の意味と答え方を理解していく。
以前からずっと「どうして?」の質問に答える練習をしていたのだが、このごろになってようやく「どうして猫がすきなの?」「ほえないからです」など、自分の言葉で答えられるようになってきた。

これからは他の質問にも慣れていけるといいと思う。

●語彙テスト
もうひとつ、語彙テストというのもやった。

これはリストだけもらってきて家でネットの写真を集めてカードを作った。
(見たい方はメールくださればお見せできます)
写真を見せて、「これなに?」と聞いてことばで答えてもらうテストである。

アイロン あさがお  あひる いか いぬ いのしし うし うちわ えび   おの  おまめ おいも 
か かさ  かたつむり かぶとむし かめ  カラス  カンガルー きりん きんぎょ   くま  くも くり 
サイ さくら  ざぶとん サメ  サル しか   シーソー  じてんしゃ   しまうま   スイカ セミ せんぬき ぞう
  だいこん  たけのこ だちょう たぬき ちりとり  ツバメ ツル  手 テレビ トンボ
 なす にしきごい  にわとり   のこぎり
 はさみ はと ひつじ  ひよこ   ふぐ ぶどう  ヘリコプター ペンギン ピアノ 
 まくら  まつ(松) めがね  みみ むかで
やかん やぎ やま      ゆみや ゆり  ヨット
ライオン  らくだ れいぞうこ ろうそく
 ワニ
 
これについては、
●できたもの
ぶどう かさ  だいこん
ちりとり  えび  あひる だちょう
アイロン ふぐ  はさみ  はと  ヘリコプター
ひつじ ひよこ いか
おいも  いぬ じてんしゃ  か  かぶとむし
かめ  カンガルー  カラス  かたつむり
きんぎょ  きりん  にしきごい  くま  くも
くり  まくら  おまめ めがね  みみ
なす  にわとり  のこぎり ペンギン ピアノ
ライオン れいぞうこ  ろうそく  サイ
さくら  サメ  サル  セミ  シーソー
しか   スイカ   手 テレビ トンボ ツバメ ツル  
うちわ  うし  ワニ   やま    ゆみや  

●すぐ言い換えてできたもの
しまうま(うま、と言ってすぐ言い直した)
ヨット(ふね、と言ってすぐ言い直した)
たけのこ(最初植物の竹の写真を見て「ささのは」と言ったので食べるたけのこの写真を見せたら言えた)
 
●ヒントを出してわかったもの
「あさがお」(「あ」とヒントを出してわかった)
「まつ」(「ま」とヒントを出してわかった)
「らくだ」(はじめ「うま」といい、「せなかにこぶがふたつあるね」とヒントを出すとわかった)
「たぬき」(はじめリアルな写真を見て「あらいぐま」といい、漫画を見せるとわかった)
「ゆり」(「ゆ」とヒントを出してわかった)

●間違えたもの
いのしし→(迷って「ぶた」と言った)
むかで→(「むし」と言った)
せんぬき→(「ネクタイ」(形が似ていた))
やぎ→(「ひつじ」と言った。)
やかん→(「ポット」と言った。間違いではない?)

生き物が好きで図鑑などよく眺めていることもあり、動物や鳥や魚の名前などはわりと語彙が多いと思う。もっとマイナーな生き物の名前もわかる。
が、植物や虫は好きではないのであまり詳しくない。(笑)

*          *         *

他にも、視覚優位の娘は聴覚が弱いということでもあり、聴覚処理の力が上がってくればもっと聞いたことばを記憶にとどめてアウトプットする力にもなるということで、STでいただいた宿題として聞き取りの練習をしている。

以前紹介した「きくきくドリル」というもの。(過去記事

これを実施してみて、娘はいかに聴く力が弱いかがよくわかった。
そして普段、いかに本人の理解を超えた話しかけをしていたかがわかり、反省した。(^^;
娘は3語文あたりは復唱したり書き取ったりはけっこうできる。
(例:「だれが花瓶をわったのですか?」 「泣きながら走っているのはだれですか?」「りすが木から降りようとしています」くらいの長さの文)
ところが、もうひとつ要素が加わって4語文になると途端に崩れてきて、一語くらいしか復唱できなかったりするのである。
容量オーバーでプチパニックという感じだろう。

こんなに短い文章でも一度に記憶にとどめておくことが難しいのなら、普段容量オーバーが続くと心のシャッターを降ろして周りに対してスルーを決め込むことになるのだと思う。

この結果を得て、学校の懇談会でも、「なるべく3語文くらいの短さで、ゆっくり、はっきり話しかけてください」とお願いした。

家でも、話しかけ方を変えるように心がけている。
このごろ言葉が伸びてきたように思うのは、そのためかな?と思う。

*             *       *

先日コミュニケーションの講演会に出てきて、講師の言語聴覚士の先生もおっしゃっていた。

ことばのシャワー(もとは「ことばのお風呂」)という表現を今は誤解して理解している人が多いと。
ことばにどっぷり浸かり、たくさんのことばを浴びる環境にいればことばが育つという意味に理解している人がいるかもしれないが、それは間違いだそうだ。
「ことばのお風呂」の本来の意味は、本人がリラックスしてあったかい、心地よいと感じられる言語環境のことを指すのであって、それは本人がどの発達段階かによって変わってくるそうだ。

たとえば、クレーン(親の手をとってほしいものを取らせる)の前期の段階にいる子供(先生は「うっすら三項関係」と呼んでいる、まだ本人と物の間に第三者の(親の)存在があまり入ってきておらず、母親の目を見ない段階)に、パラレルトークと呼ばれる、子供の行動をことばにして実況中継したり(「くつをはいたね、ぼうしもかぶったね」)本人の気持ちを言語化したり(おいしいね、あったかいね)という話しかけをしても、無駄な努力に終わるのだそうだ。
実際そのような話しかけを療育センターのクレーン前期の子供たちにしても、全然伸びていかなかったと。
なぜならまだ親など第三者の存在が本人の眼中に入ってきていないからだそうだ。
その段階の子には別のアプローチをしなければならないのだ。

話は飛ぶが、娘が大勢の中にいるとき、こちらが話しかけてもまったく無視しているのは、やはり容量の関係があるのかなと思う。

イメージ図を作ってみた。

静かな環境では、娘の受容器はことばをキャッチできる。
shigeki


しかし騒がしい環境や刺激の多い環境では、娘の受容器は飽和状態で、そこにことばをかぶせかけても、キャッチできない。
shigeki2

だから耳が聞こえていないかのように、言葉がけに反応しなくなってしまうのかなと思う。
ことばの長さやスピード、内容についても、娘が全くキャッチできなければいくら浴びせても仕方がないので、キャッチできるようなボールを投げてやることを心掛けたいと思う。

以下は限定記事。
障害児を育てている親御さんか支援者の方、限定記事の申請方法はこちらです。続きを読む

成長記録(9歳11ヶ月〜10歳0か月)(小4・4月〜5月)

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ようやく10歳に追いつきました。

10歳のお誕生日。プレゼントは鍵盤ハーモニカでした。
IMG_3246

お料理始めました。猫柄エプロンでテンションアップ!?
料理は興味津々です。
IMG_2903

毎朝母子でバス通学をしています。(乗り換えあり)2台目のバスを降りたらお母さんに報告メールを送るお約束。(キッズケータイを使っています。過去記事
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お友達とのからみ。
お友達親子とランチしたり、ブロ友さん親子と上野動物園に行ったり、障害児ママ友親子と人形劇を観に行ったり。
(人形劇の結果はさんざんでしたが・・・過去記事

学校やデイではお友達とボードゲームやカルタを楽しむ姿が見られました!
お友達とゲームする日が来るなんて!うれしいです。
1745d

生き物とのからみ。
相変わらずの生き物好き。猫カフェで猫におやつをあげたり、
池の鯉にえさをあげたり、公園でハトを追いかけたり。
1745a

支援学校では絵本の世界を体験しながら楽しむ学習をすることがあります。
今回は11ぴきのねこ。猫になりきってダンスをしたり、魚つりをしたり、いかだに乗って大きな魚をつかまえに行ったり・・・。
さいごは絵本の通り、魚を食べすぎてたぬきのお腹になっています。(笑)
1745b

図工の時間。農園の看板を作ったり、こいのぼりを作ったり。
IMG_3244

バイオリンの演奏を聴きました。
電車に乗ろう!の学習では毎日駅員さんから切符を買って電車に乗りました。
教室での読み聞かせも喜んで聴いているようです。
1745e


4年生は何かと節目の年。
幼児体型だった身体つきも変わってきました。
(このあたりのことはプライベート記事に)
父親とお風呂に入るのをやめ、母と入るようになりました。
おこづかい制をはじめたり、お料理をはじめたり、毎日路線バスを使っての通学を始めたり(母同伴だけど)、東京まで言語療法に通い始めたり・・・といろいろな試みをスタートしました。
デイサービスも一カ所しか使っていなかったのを3つに増やしました。
そのひとつはお料理クラブです。

・・・と新しいスタートを切ったのですが、過去記事にも書いたように、週4日使っていたデイサービスがまさかの突然の閉鎖。
月曜に電話が来て「明日から閉鎖になります」と。
その前の週には、「また来週ね〜!」とお別れしたばかりだというのに・・・。
スタッフの方も何も知らされていなかったようです。

というわけでこの時期はいろいろあたふた。(^^;

職場に一時間早く行って早退して娘を3時に迎えに行く日々。
実父が入退院を繰り返しているので、お休みをもらったと思えば?と旦那などは言ってくれました。
まあ、職場には迷惑かけて肩身が狭いしでなかなかメンタル的にハードモードでしたが朝のバス通学練習は続けていました。
仕事の開始時間が早まったので娘が寝坊すると帰りにタクシーを使わなければならない日も多かったですが・・・。

10歳の誕生日の様子は過去記事に。

<できるようになったこと>


・バス通学練習は順調。私は尾行するだけで、ひとりで全部できる。
ただ、降りるとき乗客全員にバイバイしてから降りるようになり^^;バスを待たせるのが問題。(注意したら今はしなくなりました)
・バスから降りたら母にメールすることになっている。
はじめ「おかあさんちゃんとおりたよ」と打っていたのが
→「おかあさんバスちゃんとおりたよ」になり
→「おかあさんバスからちゃんとおりたよ」に進化した。
乗り過ごしたときは「おかあさんバスすごしちゃった」と打てた。

・カラオケに姉ちゃんと3人で行ったとき、末娘がトイレに行って私がついていくと姉ちゃんがひとりで寂しく歌っていないといけない。そこで「終わったら〇〇番のお部屋にきてね」といって帰ってきたらちゃんと戻ってきた。
飲み物もひとりで取りに行ってひとりでもどってこれた。(ただし「スカッシュ」の意味がわからず炭酸を入れてきてしまったが)
・デイで人生ゲームをやったそう。
それまで見ていることが多かったが、実際に参加できたというのでうれしかった。
人生ゲームて!!うちでも買おうかな、人生ゲーム(笑)

<学習>


●タイピング練習スタート。
目標はパソコンで日記が書けるようになること。
(高等部卒業くらいまでには・・・)
まずは中段のキーを、
10本の指全部を使って打っている。(訂正…8本指です。親指はスペースキーですね)(ここのサイトで練習しています)
http://pokedebi.com/game/cocoflash/quickcocoa+.html

ピアノも習ったことがないし不器用なので、中指と薬指の使い分けが難しい。(笑)

●算数

そろばんをはじめた。
(繰り上がりのある足し算とない足し算と引き算が混乱しているため。
また別途記事に書く予定)
5のスキップカウントとあと何分?を教え始めた。
過去記事

●発音練習
ガ行がきれいに出せるようになってきた。
(音声動画はこちら)
https://youtu.be/bqMwf5c5lUU
カ行の練習を始めた。

<ことば>


東京の言語療法で宿題を出され、LCスケールという言語コミュニケーション評価をやってみた。
(別記事で書く予定)

・疑問詞の「どこ?」を応用できるようになった。
語録は限定記事で。

<読書>


とうとうゾロリにハマった!!
『かいけつゾロリのきょうふのゆうえんち』
『かいけつゾロリぜったいぜつめい』
このふたつはわかりやすくてよかった。
ゲラゲラ笑っている。

ただゾロリは基本「男の子向け」で、なかなかピンとくるテーマのゾロリ本が見つからない。
(いつもほぼ貸し出し中だし)

<音楽>


カラオケ大好き。学校でカラオケをするとクラスで一番大きいくらいの声で歌うこともあるそうでびっくり。
家で行ったカラオケで娘が選んで歌った曲は全22曲。
(そこはかとなく昭和の香りが)

ハナミズキ
つばさをください
恋のアメリカンフットボール(フィンガー5)
ぽいぽいぽい
春の小川(童謡)
ファッションモンスター(ぱみゅぱみゅ)
PONPONPON(ぱみゅぱみゅ)
危険なふたり(沢田研二)
LIFE IS SHOW TIME
あしたてんきになーれ
勝手にしやがれ(沢田研二)
プリン賛歌(おじゃる丸)
ふりそでーしょん(ぱみゅぱみゅ)
恋の大予言(フィンガー5)
きみに100パーセント(ぱみゅぱみゅ)
CANDY CANDY(ぱみゅぱみゅ)
恋をいたしましょう(おじゃる丸の電ボ)
恋のダイヤル6700(フィンガー5)
TOKIO(沢田研二)
Let it go ありのままに
つけまつける(ぱみゅぱみゅ)
ノンタンといっしょ

語録と日記の記録は限定記事で。
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「いつか楽になれますか?」

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先週末は去年も行った一泊二日の「療育キャンプ」に行って来たので、ブログ更新はおしゃべりです。

私のブログにはたまにメッセージをいただくことがあるのだが、メッセージ機能ではこちらから返信ができないため、ブログ記事にさせていただく。
(匿名なので概要のみ公開することをお許しいただくとして)

(メール経由ならこちらから返信ができます。パソコン表示でブログを見ると左上にメルアドがあります。)

さて、最近いただいたメッセージが、タイトルの内容のものだ。

まだ小さいダウン症のあるお子さんを育てていて、いつも心の中に重苦しいものがつかえているような気持ちなのだけど、いつか楽になれますか、というような内容のメッセージだった。

この問いに対する先輩母(一応)としての模範解答は、「全然大丈夫!これからもっともっと楽しくなるよ!」なのだろうけど(笑)、まあせっかく私個人宛にメッセージをくださったのだから、そういう定番の答えではなく個人的な見解を書いてみる。

*        *          *

(メンタルが)楽になれるかどうかは、やはり人それぞれかなと思う。
それはお子さんの発達の程度に個人差があるからじゃない。
同じ事実をどう受け止めるかに個人差があるからだ。

つまり、「楽になれる」人は、もう今すでに楽になれているということ。

同じ事実をどう受け止めるかは、経験や考え方次第で変わってくるものだと思う。

だとすれば、これから障害児母としての経験を積んでもっと楽になっていったりもするし、考え方を見直すことで今すぐ楽になれますよ、というのが私なりの答えだ。

万人向けかどうかはわからないが、私の場合を書いてみよう。

*        *        *

私も、今でこそ心臓に毛の生えたようなおばちゃんになってしまったが、若いころはもっと繊細だった。
気分の浮き沈みがもっと激しかったというか。(←若者の特徴)

気分がものすごく落ち込んだとき、私はとにかく考えるタチである。
10代の頃は何かもやもやがあるとひたすら大学ノートに書きまくっていた。
書くことで問題を整理するためである。

気分が落ち込んだとき、問題を整理することはとても役に立つ

今流行りのアドラー心理学でいうところの「課題の分離」もそうである。

つまり、いろいろなことがごちゃまぜになってこんがらがって全体で重苦しく見える問題も、整理してよくよく見るとその根本にあるのがちっぽけな自分の嫉妬とか見栄だった、(笑)なんてこともよくあるのである。

そうして最終的に自分の「課題」だけを切り取ってきて、それを認める。
そうするだけでも、すっと楽になれるということがよくあるのである。

*           *         *

ひとつ例をあげると、ネットでダウン症のある人に対する中傷を見つけて読んでしまった。
一気に苦しくなってしまった、というような場合。

まずするのは、
・それは自分の課題か、相手の課題か
・それは自分ががんばってどうにかなるものなのか、ならないものなのか
・自分が苦しいと思うその気持ちは、大我なのか、小我なのか。
(これは江原さんがよく使う表現だが、聖書で言えば「隣人愛」なのか、「自己愛」なのか、と言っても同じ)


・・・みたいな基準で仕分けをするのである。

アドラー心理学でいうところの「悪いあの人」でも「かわいそうな私」でもなく、「これからどうするか」に焦点を絞っていくためでもある。

この場合、明らかにネットの中傷は相手の課題であり、自分の課題ではない
(自分に落ち度があるわけではない)
自分の課題と言えるのは、その中傷の中に何か自分が反省すべき真実がいくぶんでも混じっている場合だけである。
よって、相手の課題には首を突っ込まないことに決めるのである。
(その書き込みに反応して無駄なエネルギーを使わず、もっと建設的なことに向ける)

そして他人からの中傷を気にする自分の苦しさは、誰かを思いやる大我ではなく、自分のプライドが傷ついたというような小我だったりする。
その小我があることを認めてやるだけでも、けっこうすっきりしたりする。

*           *        *

上の方の場合も、まず苦しさの内容をはっきり分析してみたらいいかもしれないと思う。
年子育児で大変なことが理由なのか。
旦那さんが育児で思うように協力してくれないことへのもやもやなのか。
療育に通うことが大変なのか。
そこで感じた感情が負担なのか。
療育でどこまで向上するのかわからないのが原因なのか。
それとも、単刀直入に言って、「ダウン症」が嫌なのか。
もしそうなら、それはなぜなのか。
将来への不安なのか、きょうだいがどうなるか心配なのか。
単に人より遅れているのが嫌なのか。
「見た目」が嫌なのか。
あるいは、そう思ってしまう自分への自己嫌悪なのか。

まあ、特に初めてのお子さんの場合は、子育てそのものが初めてのことの連続で大変だと思うので、その苦しさが「子育ての大変さ」なのか「障害児育児にまつわる大変さなのか」がわかるだけでも、またそれが「リアルな(物理的な)大変さなのか」「それとも気持ちの(感情の)上での大変さなのか」を見極めるだけでも、見えてくるものがあるのではないかと思う。

そもそも、「ダウン症がいや」だとか「障害児がいや」とかいう場合は、ひとつにはダウン症育児や障害児育児そのものよりも、マイノリティであること自体がいやだったりするのではないかと思う。
「自分だけ割り食ってる」という思いに浸食されるからだ。

ちょうど、私が義母との同居で一番いやなのは、具体的な義母との同居によるあれこれよりも、「周りにあまりいない」という事実そのものだったりするのと同じなのではないかと想像するのだ。
義母と同居している人がいても、それで家賃を払わずに済んでいるとか、食費を入れてもらっているとか、そんなメリットゆえに同居しているのに、うちはそういうメリットはまったくなく、むしろ毎月おこずかいを渡さねばならないという、「自分ちがレアである」という思いが一番自分を侵食する

だから、ダウン症の親の会に出ると気持ちが楽になったりするのだと思うし、うちも「無年金義母との同居の会」があったら参加したい。(爆)
(あるいは「親の介護に直面したきょうだい児の会」とかね)

でも、「そのものではなく、少数派ということがいやなだけだったんだ」ということに気づくだけでも、少し冷静になれるものだ。
そうすれば、親の会とつながったり、ダウン症児ママ友を作ったりしているうち、「うちだけ」みたいな特別感がなくなるし、「ダウン症児を育てていていい点」みたいなものを自分なりに見つけられれば、気持ちに折り合いをつけることができる。

私も、今は義母に洗い物などをやってもらっているので、「私は同居ストレスと引き換えに時間をもらっているのだ」と思うことで、気持ちに折り合いがついている。
(以前義母が働いていたときは、それさえなかったので、かなりもんもんとしていたけど^^;)

・・・全然的はずれかもしれないけど、言いたいことは、考え方を変えるだけで苦しさって嘘のように消えていくものだということである。
それを50過ぎの今まで、何度も体験してきているので。

職場の上司のパワハラもしかり、同僚のおばちゃんのいじわるもしかり。
私たちは外の世界を、自分というフィルターを通して見ているので、そのフィルターにちょっと色をつけるだけで、外の世界がバラ色になったりもするものだと思う。(笑)

*          *          *

まあ、おそらくカウンセラーと呼ばれる人たちは、そうやって感情の整理や課題の仕分けを手伝ってくれるのではないかと思う。

金銭的に余裕があればお金を払ってそういうものを受けにいくもよし、私の時は主に10代だったのでお金もなく、高い金額を払ってどこか遠くまでカウンセラーに会いに行くこともできなかったので、身近な近所の教会が私のカウンセリングの場であった。

教会でのお話は特定の人に向けたものではなく、聖書のことばを中心に一般論を語っているだけである。
でも、聞いている人には、「まさに自分のことだ」を感じられるという不思議がある。
おそらく人間の心理なんて、普遍的なものがけっこうあるからなのではないかと思うけど。
何かを得ようとして聞いている人には、毎回何かしら得るもののあるお話ではあると思う。

*          *          *

メッセージをくださった方も、年子育児で疲れていることの物理的な大変さというのは確実にあるだろうと思う。
正直、年子の子育てはダウン症があってもなくても大変なので。
(うちは年子じゃなくて2歳差だったけど、核家族だったのでやはり大変でした。
二人目出産のときは、実家も義母もあてにできなかったので、日当5000円+交通費払って子供のいない友人に手伝いに来てもらったくらい、笑)

また子育ての大変さは、大きくなって手がかからなければなくなるというものでもない
これまた障害のあるなしにかかわらず共通するものである。
確かに身の回りのことは自分でできるから、食べさせたり着替えさせたりお風呂に入れたり、といった物理的な大変さは減るだろう。
でも、問題の質が変わるだけで、なくなるわけではないのだ。

19歳と17歳の健常の上の子たちの子育てでさえ、課題は常にある。
学校を休んでばかりの姉ちゃん、大学に入れるかわからない兄ちゃん(笑)、障害があってもなくても、生きていくことは悩みの連続で、大変なのだ。

ただ、大変だからといって、苦しいことばかりではないのが子育て。
自分以外に守るべき存在があるというのが生きる力になっていたりもする。
子どもがいるからこその喜びもある。
子どもがいると、大変なことと嬉しいことの振りが大きいのである。
障害児だと、健常児に比べ、上下の振り幅がもうちょっと広いのかもしれない。
上ふたりだけの子育てだったら、大変なことも今よりずっと減るだろうけど、喜びも今より減ったかもなあと思う。
それはそれで、私は生まれたときから今に至るまで、それなりに楽しんでいると言えるかも。

*            *           *

もし物理的に疲れていることが原因なら、旦那さんがお休みの日に2時間くらい子供たちをみててもらって自分の時間をもてたら気分が変わるかもしれない。
(そうしたら旦那さんも、日ごろ奥さんもどれだけがんばっているかわかってくれるかも、笑)
身体の疲れが精神に影響することも、あなどれないので。
・・・と、結局は平凡な結論に落ち着いたりする。(笑)
ご自愛くださいませ。

アルジャーノン追加情報

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ダウン症関連論文目次はこちら

先日アルジャーノンについての記事をアップしたところ、見てくださった方のご厚意で元の論文を入手することができました。ありがとうございます!

論文の結論としては以前書いた記事と同じなので、興味のある人だけ読んでみてください。

有料なものなのでこと細かに書くことはせず、読んでみて私が関心のあった追加情報をざっと書きたいと思います。

<アルジャーノンは自然界に存在する物質なのか?-発見までの経緯ー>


アルジャーノンは、どうも自然界に存在する物質ではないようです。
(つまり何かの食べ物に含まれるとかいうものではない)

京都大学の医学研究支援センターというところには、「化合物ライブラリー」というのがあるそうです。
これは、新しく薬を開発するための、化合物のデータベースのようなもので、すでにある薬や、薬としては使われていないけれど作用のしくみがわかっている化合物をストックしてあるそうです。
東大などとも情報を共有しており、合わせると20万を超える化合物があるとか。

で、前回の記事にも書いた通り、ダウン症では21番染色体の上にのっかっているDYRK1Aという酵素を作る遺伝子が1.5倍になっていることが原因で脳神経幹細胞が増えることが妨げられているようです。
(つまりDYRK1Aが悪もん。それがすべてではないですが)
このDYRK1Aというのは酵素の一種で、その中でもキナーゼと呼ばれる仲間のひとつです。
そこでキナーゼの働きを抑えることが予想される化合物を、このライブラリーから717種類拾ってきて、片っ端から試験したということのようです。

最初は、まず生き物は使わず、試験管の中で行います。
ダウン症モデルマウスから、神経幹細胞という、将来脳神経に育つ可能性のある細胞をもってきます。

●ダウン症モデルマウスとは?
余談ですが、染色体の数は生き物によって違います。
ヒトの染色体は通常合計46本、マウスは40本。
本数は大きく違いますが、染色体にのっかっている遺伝子の数はヒトとほぼ同じ3万個で、その99%はヒトにも存在する遺伝子なんだそうです。
(なので人間の薬の開発にマウスが使われているんですね)
そしてダウン症の21番染色体に相当するマウスの染色体は16番で、16番染色体が3本あるマウスが、ダウン症モデルマウスということになるようです。


で、ダウン症モデルマウスからとってきた神経幹細胞は、試験管の中でもやっぱり成長が遅い。(´・ω・`)
ここに上の化合物ライブラリーからもってきた(キナーゼと呼ばれるグループの酵素の働きを抑えることが予想される)717の化合物をひとつひとつ入れてみて、細胞の成長を見るという研究が行われたようです。
イメージ図
test

その結果、通し番号679番、688番、690番の化合物が、ダウン症モデルマウスからの神経幹細胞をぐんと増やしていったことがわかりました

この3つの化合物は、キナーゼというグループの酵素(DYRK1Aもそのひとつ)を邪魔することがわかっているのですが、ほしいのはDYRK1Aという酵素だけを邪魔するものです。
(他の酵素も邪魔してしまうと困るので)
そこで309種類のキナーゼにこの3つの化合物を加えて確かめたところ、688番だけがDYRK1Aとその親戚に限定して邪魔することがわかりました
panel


688番の働きですが、アルツハイマー患者の脳の中では大きくふたつの変化が起こっていて、
(1)アミロイドがたまってプラークと呼ばれる塊を作っている
(2)タウと呼ばれるたんぱく質がリン酸化されて神経の変性を引き起こしている


ということですが、688番は(2)の「タウのリン酸化」を邪魔する働きがあるようでした。

ともあれ、この有望な物質、688番に「アルジャーノン」という名前が付けられたわけです。

<他にDYRK1Aの働きを邪魔するものはないの?>


いくつかわかっている物質があるようです。
(1)緑茶成分EGCG
以前ニュースにもなり、このブログでも書いたこの物質ですが、アルジャーノンと同様にDYRK1Aの邪魔をする働きをもっています。

ただ、この物質は非常に作用が強く、他の多くの神経伝達経路にも影響を与えてしまう力をもっているということです。
また最近(2015年、2016年)出されたふたつの研究では、EGCGの効果に疑問を呈しています。

(a)低用量(体重1キロにつきEGCG20咫砲3−7週間投与したところ、効果がなかったもの。1)

(b)脳が成長してしまってからでは、EGCGの投与をやめると元に戻ってしまうが、脳の成長期だったら途中でEGCG投与をやめても効果が持続するのかを調べたもの。
その結果、脳の成長期であっても、持続効果がないことがわかった。2)


つまり、緑茶に含まれるEGCGは、たくさんとらないと効果がなく、また脳が成長してからとっても効果がなく、脳の成長期でさえも、途中でとることをやめるともとに戻ってしまうことがわかっています。

(2)ハルミン
ハルミンもDYRK1Aを邪魔することが知られている物質で、自然界に広く存在するそうです。
しかしモノアミン酸化酵素という酵素の働きも邪魔してしまい、幻覚などの強い副作用があることがわかっています。
アルジャーノンも同じくモノアミン酸化酵素という酵素の働きを邪魔してしまいますが、DYRK1Aを邪魔できる量投与しても副作用が出ないため、こちらの方が有望だということです。
harumin

イメージ図。
ハルミンの場合、DYRK1Aが邪魔できる量まで増やすとモノアミン酸化酵素も邪魔してしまい、副作用が大きく出てしまう。アルジャーノンの場合、必要な量では副作用が出ない。

つまり、アルジャーノンはEGCGのように他の経路に影響を与えないし、ハルミンのような副作用もないということでした。

<ふたつの壁も突破>


アルジャーノンの実用化に向けて、さしあたりふたつの壁がありました。
(1)アルジャーノンはいろんな物質に働きかけるため、脳の発達期に多くの細胞が成長していく上で影響をおよぼすおそれがある

しかし試験したところ、アルジャーノンを投与した赤ちゃんマウスは体重、体温、立ち直り反射、などの行動に影響が出ませんでした。(人間の場合わかりませんけどね^^;)

(2)DYRK1Aは細胞を分化(目的の細胞に成長)させる働きがあるため、DYRK1Aの邪魔をすると神経細胞が増えても目的の細胞に成長していかない可能性がある

しかし、生き物の体の中では、アルジャーノンは神経細胞を増やしたあと代謝されてしまうため、増えた神経細胞の成長を邪魔しないことがわかりました。

要するに、アルジャーノンは今まで見つかった物質の中では一番有望だということです。

ところで、ジカ熱という病気に感染すると小頭症の赤ちゃんが生まれる確率があがることがわかっていますが、ジカウイルスに感染するとDYRK1Aが増えているということです。
そのメカニズムはまだわかっていませんが、このアルジャーノンには将来そうしたものの治療にも使えるかもしれません。

また、大人でも、脳神経細胞は新しく作られていて、新しいものを学ぶなど外からの刺激によって新しい神経回路ができていきます。そこで、アルジャーノンは胎内にいるダウン症のある赤ちゃんの治療というだけでなく、大人になってから脳にダメージを受けたり脳神経が変性したり(アルツハイマーなどで)した場合の治療にも使えるかもしれないとのことでした。

*        *          *

ということで追加情報でした。
大人になってからの脳神経回路を増やすことにも使えるかもしれないということで、アルツハイマーの薬にも使えるようになるかもしれないということですね。
ともあれ、ここでも、新しいものを学ぶことが認知症予防になりそうなことが出てきました。
勉強が楽しいと思わせること、大事にしていきたいと思いました。(←そこかよ)

<注>


参考サイト

http://support-center.med.kyoto-u.ac.jp/SupportCenter/room03

http://www.abcam.co.jp/neuroscience/tau-in-alzheimers-disease-1

参考論文
1)Stringer M, et al.Low dose EGCG treatment beginning in adolescence does not improve cognitive impairment in a Down syndrome mouse model.Pharmacol Biochem Behav. 2015 Nov;138:70-9.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26363314


2) Stagnia F, et al. Short- and long-term effects of neonatal pharmacotherapy with epigallocatechin-3-gallate on hippocampal development in the Ts65Dn mouse model of Down syndrome. Neuroscience Volume 333, 1 October 2016, Pages 277-301
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306452216303360

特別支援学校高等部を見学してきました

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親の会のイベントで、地元特別支援学校(名前は養護学校)の高等部(と中学部もちょっと)を見学してきた。
娘が今通っている支援学校は分校で小学部しかないため、将来はここに通うことになる可能性が高い。

生徒数は、全体で200名弱、それに対して先生の数が160名以上。
今の娘の学校は全校生徒10名ちょいなので、中学部で急に大きな学校に移ることになり、それも心配のひとつである。^^;

でも見学してみて、けっこうここに入るのが(母は)楽しみになったかな

まあ生徒数のうち、半数以上が高等部だそうだが。
生徒数の半分が高等部というのは、どこの支援学校もだいたい同じらしい。

seitosuu


通学方法は、高等部では半分が付き添いなしの自力通学、寄宿舎から通う生徒もいて、残りは親が送り迎えだそうだ。(スクールバスは小学部中心。余分があれば中学部も乗せてくれる)

高等部では、やはり卒業後のことを考え、働く学習が多くなる。
うちの支援学校では6つの班(作業班)に分かれており、製品を作り、販売活動をしたり(農協や文化祭などで)それで得たお金でお楽しみ会など楽しいことをする、ということになっている。
(日課的には、週3日間の午前中が作業学習にあてられている)
イメージ図。
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(気になる教科学習時間だが、青い部分が個々に合わせた課題学習の時間である。
国語・社会・数学・理科・英語・情報等各教科、自立活動の内容を合わせた授業を保護者と相談の上取り入れているということで、生徒さんによって学習時間に差があるということだった。)

また、実際の会社に行って働く「現場実習」は高等部の大事な活動で、6月と11月にそれぞれ3週間ずつ、1年生は校内、2・3年生は実際の会社で働く。

障害の程度により、事業所での生活体験をする人もいるようだ。
そして3年生の三学期には特別現場実習といって、4月から行くところに行って働く実習もあるということだ。

今回は、作業学習の様子を見せてもらった。

<作業学習の見学>


学校によっていろいろだと思うが、うちの学校には農耕園芸班、木工班、紙すき班、手芸班、陶芸班、クッキー班の6つの班がある。

農耕園芸班は校外でやっているため見られなかったが、その他は見学できた。

全体的な感想としては、支援学校だからな〜、と想像していたのとは違い、どこもレベルが高かった
実際にホテルやカフェで使うものを注文を受けて販売しており、生産が注文においつかない、というものまであった。
高度な技術を要するものもあり、その技術を指導できる先生もいるようだ。

また代表の生徒さんが説明してくれたのだが、みなしっかりしていて説明もうまく、「何か質問はありますか?」と聞かれたのでこちらから質問するとちゃんと答えが返ってきた。
(もちろん、できるお子さんなのだろうけど)

なんというか、黙々と目の前の作業に集中している生徒さんたちの姿は、高校教員の経験がある私から見ても、ちゃらんぽらんで授業なんか聞いておらず、むしろ妨害ばかりする高校生たちのお手本にさせたいくらいで(笑)まさに「職人の卵」といった風情であった。
(先生たちはそばに張り付いておらず、みな自分のやるべきことがわかっていて黙々とやっていた)

見学したのは小学部のお子さんの親がほとんどだったが、「あと6年後にうちの子がこうなるのか心配だ」と言い合ったくらいであった。(笑)

(まあ中学部でも、高等部に向けての作業学習を開始するようだが)

私たちだったら、一週間交代くらいで別の班を渡り歩きたいと思ってしまうのだが、この生徒さんたちは一度選んだものを卒業まで極めることになるのだ。
「飽きないの?」と思ってしまうのだが、やはり黙々と単純作業を根気よくできるのが知的障害のある方の強みなのだろう。

うちも確かに「飽きない」という特性があるが、それは動物園や水族館での話で(笑)(同じ生き物をずーーーーっと見ていても飽きない)この特性が、作業などにも生かされるとよいのだが、と思う。
(あと娘はほとんとしゃべらないので、「黙々と」という部分だけは今もできていると思うが、(爆)

●クッキー班
正直、娘は(自分で選ばせたら)クッキー班一択だろうな、と思い(笑)、毎日クッキー食べてたら太るから、別のことにも興味を向けないと、と思って手芸なども家でやらせはじめていたところだ。
が、けっこう想像していたのとは違った。

まず調理実習などとは違い、自分たちが食べられるのではなかった。(笑)
材料を量って生地を作って型作り、冷凍するまでの作業をするのだ。
(パウンドケーキのみ、焼いてから冷凍していた)
分担制の流れ作業ではなく担当者は最初から最後まで自分で作る。
また当然ながら、ここでは非常に衛生面に気を遣っているということだった。

●紙すき班
紙すき班は牛乳パックを使って紙を作ってプレスし、ハガキや名刺・封筒用の紙を作っていた。(色もつける)
プレスするときれいな紙になる。
プレス機などの機器があるのが他の高校にはない支援学校高等部の特徴だと思う。

(そういえば娘の小学部でも図工の時間に紙すきの作業は何度かしたことがあり、娘も喜んでやっていた)

●手芸班
手芸班はミシンを使うところ、ビーズや皮細工をするところ、さをり織りをするところ、など分かれており、ピアスなどはすごくセンスがよくてほしい!との声がお母さんたちからあがっていた。
(私はこういうもののセンスはさっぱりわからないが、よくできているということだけはわかった)
先生がデザインしてひとつひとつ指示しているのか、と思ったらそうではなくて、自分たちで考えるそうだ。ネットを参考にもするが同じものは作らず、お客さんを想定して作るという。
ただ手先の作業がとても細かい。
鉛筆もちゃんと持てない娘にはどうかな・・・これも向き不向きがあるだろう。

●陶芸班
すごく味のある食器を作っていた。
陶芸は委託販売しているということで、実際にホテルやカフェに納品しているとのことだった。
大きな窯もあり、微妙な調整が必要なものらしいが生徒さんがやっていた。
器の底をやすりで平らにしている生徒さんもいた。

●木工班
これも大型の機器があり、椅子などの大きな家具を作る人から、木片をくりぬいて根気よくやすりで磨き、スプーンやフォーク、バターナイフなどの木製カトラリーを作っている生徒さんもいた。
触るととってもなめらかで、くまのプーさんに出てくるようなかわいいものである。
気が遠くなるような作業だが、生徒さんたちはコツコツとやっていた。

<卒業後の進路>



ちなみに高等部卒業の進路だが、
去年はだいたいこんな感じだったようだ。
shinro

一般企業にはパートも含まれている。
進学はゼロ。

一番多いのが就労移行支援で、一般企業に入る生徒さんも生活介護の生徒さんも同じくらいいた。
要は、障害の程度はさまざまで、個々に合った進路を選んでいるということだろう。

*          *       *

特別支援学校のいいところは、普通学校ではチャンスの少なかった生徒さんたちが、リーダーシップをとったり責任ある立場になったりという経験ができるところだと思う。

娘も意外なことに当番になりたがり屋で(笑)はりきってみんなの前で朝の会の進行をしたりもするらしい。(←言う言葉は決まっているけど)

高等部は生徒会活動などもやっており、保険給食委員会、エコ委員会、整美委員会、放送委員会、体育委員会、図書委員会、代表委員会の7つがあるそうだ。

生徒会長や委員長などの仕事も、普通学校ではチャンスがもてなかった生徒さんたちが、自信と誇りをもって取り組めるだろう。

きっとどの作業班のお子さんも、自分の作った製品を誇りをもって売っているのだろうと思う。

あと生活に即した授業も行っており、たとえば18歳で選挙権が得られるようになってからは、模擬投票や、補助投票体験(障害者は投票のとき補助をしてもらえるが、どこまで補助してもらえるかを体験する)などのこともやっているそうだ。

特別支援学校は、まあ言ってみれば小中高一貫のエスカレーター式の学校である。
文化祭では小学部のうちは中高生のお兄さんお姉さんにもてなしてもらう側。
中学部からは模擬店などでの参加が始まる。
いろいろと学ぶのに時間のかかる子であるが、小学部から中学部・高等部の生徒さんたちの姿に触れ、それを目標に学校生活を積み重ねていけばいつかああなれるのかな(?)

娘には学習面でも学び続けてほしいとは思っているけれど、早く社会に出した方がいいとも思っている(過去記事
働くことの姿勢、仕事で求められること、上の子たちは全然身についておらずきっとこれから苦労するだろう。^^;
娘には、働くことを早くから意識して、その喜びを知ってほしいなあ、と思う。

余談だが、授業を見て生徒さんの姿にはひたすら感心したのだけど、校舎はすごく老朽化していた
壁ははがれ、今どき鉄枠の重い窓(昔の建物によくあった)で網戸もなく、夏は閉めきりか虫にさされるかの二択である。

娘は蚊に刺されるとかなり腫れてしまうのよね。
県知事さん、まずは網戸を入れてください
よろしくお願いします。(笑)←毎年お願いしても買ってもらえないらしい
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