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親の会のイベントで、地元特別支援学校(名前は養護学校)の高等部(と中学部もちょっと)を見学してきた。
娘が今通っている支援学校は分校で小学部しかないため、将来はここに通うことになる可能性が高い。

生徒数は、全体で200名弱、それに対して先生の数が160名以上。
今の娘の学校は全校生徒10名ちょいなので、中学部で急に大きな学校に移ることになり、それも心配のひとつである。^^;

でも見学してみて、けっこうここに入るのが(母は)楽しみになったかな

まあ生徒数のうち、半数以上が高等部だそうだが。
生徒数の半分が高等部というのは、どこの支援学校もだいたい同じらしい。

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通学方法は、高等部では半分が付き添いなしの自力通学、寄宿舎から通う生徒もいて、残りは親が送り迎えだそうだ。(スクールバスは小学部中心。余分があれば中学部も乗せてくれる)

高等部では、やはり卒業後のことを考え、働く学習が多くなる。
うちの支援学校では6つの班(作業班)に分かれており、製品を作り、販売活動をしたり(農協や文化祭などで)それで得たお金でお楽しみ会など楽しいことをする、ということになっている。
(日課的には、週3日間の午前中が作業学習にあてられている)
イメージ図。
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(気になる教科学習時間だが、青い部分が個々に合わせた課題学習の時間である。
国語・社会・数学・理科・英語・情報等各教科、自立活動の内容を合わせた授業を保護者と相談の上取り入れているということで、生徒さんによって学習時間に差があるということだった。)

また、実際の会社に行って働く「現場実習」は高等部の大事な活動で、6月と11月にそれぞれ3週間ずつ、1年生は校内、2・3年生は実際の会社で働く。

障害の程度により、事業所での生活体験をする人もいるようだ。
そして3年生の三学期には特別現場実習といって、4月から行くところに行って働く実習もあるということだ。

今回は、作業学習の様子を見せてもらった。

<作業学習の見学>


学校によっていろいろだと思うが、うちの学校には農耕園芸班、木工班、紙すき班、手芸班、陶芸班、クッキー班の6つの班がある。

農耕園芸班は校外でやっているため見られなかったが、その他は見学できた。

全体的な感想としては、支援学校だからな〜、と想像していたのとは違い、どこもレベルが高かった
実際にホテルやカフェで使うものを注文を受けて販売しており、生産が注文においつかない、というものまであった。
高度な技術を要するものもあり、その技術を指導できる先生もいるようだ。

また代表の生徒さんが説明してくれたのだが、みなしっかりしていて説明もうまく、「何か質問はありますか?」と聞かれたのでこちらから質問するとちゃんと答えが返ってきた。
(もちろん、できるお子さんなのだろうけど)

なんというか、黙々と目の前の作業に集中している生徒さんたちの姿は、高校教員の経験がある私から見ても、ちゃらんぽらんで授業なんか聞いておらず、むしろ妨害ばかりする高校生たちのお手本にさせたいくらいで(笑)まさに「職人の卵」といった風情であった。
(先生たちはそばに張り付いておらず、みな自分のやるべきことがわかっていて黙々とやっていた)

見学したのは小学部のお子さんの親がほとんどだったが、「あと6年後にうちの子がこうなるのか心配だ」と言い合ったくらいであった。(笑)

(まあ中学部でも、高等部に向けての作業学習を開始するようだが)

私たちだったら、一週間交代くらいで別の班を渡り歩きたいと思ってしまうのだが、この生徒さんたちは一度選んだものを卒業まで極めることになるのだ。
「飽きないの?」と思ってしまうのだが、やはり黙々と単純作業を根気よくできるのが知的障害のある方の強みなのだろう。

うちも確かに「飽きない」という特性があるが、それは動物園や水族館での話で(笑)(同じ生き物をずーーーーっと見ていても飽きない)この特性が、作業などにも生かされるとよいのだが、と思う。
(あと娘はほとんとしゃべらないので、「黙々と」という部分だけは今もできていると思うが、(爆)

●クッキー班
正直、娘は(自分で選ばせたら)クッキー班一択だろうな、と思い(笑)、毎日クッキー食べてたら太るから、別のことにも興味を向けないと、と思って手芸なども家でやらせはじめていたところだ。
が、けっこう想像していたのとは違った。

まず調理実習などとは違い、自分たちが食べられるのではなかった。(笑)
材料を量って生地を作って型作り、冷凍するまでの作業をするのだ。
(パウンドケーキのみ、焼いてから冷凍していた)
分担制の流れ作業ではなく担当者は最初から最後まで自分で作る。
また当然ながら、ここでは非常に衛生面に気を遣っているということだった。

●紙すき班
紙すき班は牛乳パックを使って紙を作ってプレスし、ハガキや名刺・封筒用の紙を作っていた。(色もつける)
プレスするときれいな紙になる。
プレス機などの機器があるのが他の高校にはない支援学校高等部の特徴だと思う。

(そういえば娘の小学部でも図工の時間に紙すきの作業は何度かしたことがあり、娘も喜んでやっていた)

●手芸班
手芸班はミシンを使うところ、ビーズや皮細工をするところ、さをり織りをするところ、など分かれており、ピアスなどはすごくセンスがよくてほしい!との声がお母さんたちからあがっていた。
(私はこういうもののセンスはさっぱりわからないが、よくできているということだけはわかった)
先生がデザインしてひとつひとつ指示しているのか、と思ったらそうではなくて、自分たちで考えるそうだ。ネットを参考にもするが同じものは作らず、お客さんを想定して作るという。
ただ手先の作業がとても細かい。
鉛筆もちゃんと持てない娘にはどうかな・・・これも向き不向きがあるだろう。

●陶芸班
すごく味のある食器を作っていた。
陶芸は委託販売しているということで、実際にホテルやカフェに納品しているとのことだった。
大きな窯もあり、微妙な調整が必要なものらしいが生徒さんがやっていた。
器の底をやすりで平らにしている生徒さんもいた。

●木工班
これも大型の機器があり、椅子などの大きな家具を作る人から、木片をくりぬいて根気よくやすりで磨き、スプーンやフォーク、バターナイフなどの木製カトラリーを作っている生徒さんもいた。
触るととってもなめらかで、くまのプーさんに出てくるようなかわいいものである。
気が遠くなるような作業だが、生徒さんたちはコツコツとやっていた。

<卒業後の進路>



ちなみに高等部卒業の進路だが、
去年はだいたいこんな感じだったようだ。
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一般企業にはパートも含まれている。
進学はゼロ。

一番多いのが就労移行支援で、一般企業に入る生徒さんも生活介護の生徒さんも同じくらいいた。
要は、障害の程度はさまざまで、個々に合った進路を選んでいるということだろう。

*          *       *

特別支援学校のいいところは、普通学校ではチャンスの少なかった生徒さんたちが、リーダーシップをとったり責任ある立場になったりという経験ができるところだと思う。

娘も意外なことに当番になりたがり屋で(笑)はりきってみんなの前で朝の会の進行をしたりもするらしい。(←言う言葉は決まっているけど)

高等部は生徒会活動などもやっており、保険給食委員会、エコ委員会、整美委員会、放送委員会、体育委員会、図書委員会、代表委員会の7つがあるそうだ。

生徒会長や委員長などの仕事も、普通学校ではチャンスがもてなかった生徒さんたちが、自信と誇りをもって取り組めるだろう。

きっとどの作業班のお子さんも、自分の作った製品を誇りをもって売っているのだろうと思う。

あと生活に即した授業も行っており、たとえば18歳で選挙権が得られるようになってからは、模擬投票や、補助投票体験(障害者は投票のとき補助をしてもらえるが、どこまで補助してもらえるかを体験する)などのこともやっているそうだ。

特別支援学校は、まあ言ってみれば小中高一貫のエスカレーター式の学校である。
文化祭では小学部のうちは中高生のお兄さんお姉さんにもてなしてもらう側。
中学部からは模擬店などでの参加が始まる。
いろいろと学ぶのに時間のかかる子であるが、小学部から中学部・高等部の生徒さんたちの姿に触れ、それを目標に学校生活を積み重ねていけばいつかああなれるのかな(?)

娘には学習面でも学び続けてほしいとは思っているけれど、早く社会に出した方がいいとも思っている(過去記事
働くことの姿勢、仕事で求められること、上の子たちは全然身についておらずきっとこれから苦労するだろう。^^;
娘には、働くことを早くから意識して、その喜びを知ってほしいなあ、と思う。

余談だが、授業を見て生徒さんの姿にはひたすら感心したのだけど、校舎はすごく老朽化していた
壁ははがれ、今どき鉄枠の重い窓(昔の建物によくあった)で網戸もなく、夏は閉めきりか虫にさされるかの二択である。

娘は蚊に刺されるとかなり腫れてしまうのよね。
県知事さん、まずは網戸を入れてください
よろしくお願いします。(笑)←毎年お願いしても買ってもらえないらしい