働く主婦の独り言

自閉症合併のダウン症(DS-ASD)の娘を育てています。

離乳食・食事法

【お知らせ】Chewy Tubeが日本で販売されています

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【追記】Chewy Tubeの黄色は、生後5〜9か月くらいから始めると本には書かれていました。
(ダウン症の子を対象とした本ではありませんので、9か月くらいからが妥当でしょうか)
赤は、9か月くらいからとなっています。お子さんのあごの大きさに合わせて使い始めてください。


オーラルプレイスメントセラピーでも、W先生でも、今紹介している本でも、顎のことをとても重視しています。

ダウン症児の舌が出ることも、舌だけの問題ではなく、顎の弱さから来ていることをこれまで学びました。
どうしても舌や唇にばかり目がいきがちですが、顎がしっかりしないと舌も唇も自由に動くことはできないということです。

あごを鍛えるためのツールについて、これまで

6章 よい食事法その4 噛むこと
http://blog.livedoor.jp/pumpkin1205/archives/50767323.html
5章 お口のマッサージとあごの体操など その2
http://blog.livedoor.jp/pumpkin1205/archives/50752689.html

などの記事で紹介してきた、Chewy Tubeが日本で試験的に販売開始しました。
tool01
これがその赤と黄色。
「かむかむTチューブ」として販売されています。
http://shop2.fbird.jp/index.php?main_page=advanced_search_result&search_in_description=1&zenid=ceaa2d8622c65c78e522f937a4bb2f71&keyword=%A4%AB%A4%E0%A4%AB%A4%E0T%A5%C1%A5%E5%A1%


tool02
ARK's Grabberについては、すでに「かむかむナイン」という商品名で同じところで販売しています。
http://shop2.fbird.jp/index.php?main_page=advanced_search_result&keyword=%A4%AB%A4%E0%A4%AB%A4%E0%A5%CA%A5%A4%A5%F3&categories_id=&inc_subcat=1&manufacturers_id=&pfrom=&pto=&dfrom=&dto=&x=0&y=0


赤と黄色は難易度が低いので、赤ちゃんにはまず直径の小さい黄色からお勧めされていました。
でもあご訓練のステップでは赤→黄色→紫→黄緑の順になっています。
詳しい使い方は上の記事をご覧ください。
(訓練としてのあごツール4本の使い方は、メールくださればマニュアルの和訳をお送りします。商品についてくるかもだけど)

使っているところの動画(You tube)
http://youtu.be/n3Gjb2S_5ys
*      *       *

実はここのFLY!BIRDという発達障害サポートショップにメールして、訓練用ストローやラッパ、あご訓練用チューブなどを扱ってくれないかという希望を出したのです。
しばらく音沙汰なかったのでダメだったのかな?と思ったのですが、試験的に販売開始したとのメールをいただきました。

他の商品も扱ってほしいな〜。
(個人て輸入するのはとても大変なことです。購入者がいないと今後は商品を広げてくれないと思うので、欲しい人がいたらどうぞ購入してください。)

6章 よい食事法その4 噛むこと

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間が空いてしまいましたが、『Nobody Ever Told Me (or my Mother) That!』by Diane Bahr, Mr. CCC-SLP(タイトル訳:「誰も教えてくれなかったこと〜ほ乳瓶から呼吸まで、健全な発話のために必要なこと」
を読んでいくシリーズの続き。

今回は噛むこと、についてです。

*      *      *

<よく噛むことの大切さ>


よく噛むことの大切さは言うまでもない。
本書に載っていたものも含め、理由をいくつかあげてみる。

●肥満の防止
ちゃんと噛むことができないと、満腹感が得られない→食べ過ぎる→肥満になりやすい。
・・・というのはよく知られたことである。

科学的には、噛むとヒスタミンという満腹信号になる物質が脳に分泌されることで食欲を抑えるらしい。
また、噛むことで脳のヒスタミン神経系というのが活動し、内臓脂肪の分解を促したり、体温を上げてエネルギー代謝を活発にしたりするらしい。1)

なんと「食前ガムダイエット法」なんてのがあるようだ。
(朝・昼・晩の食事の前に、ガムを10分間噛むだけ)
食事の内容も何も変えずに、それだけで10週間で最大3キロの減量に成功したそうだ。
また、普段口にする食事が硬めの人はやわらかめの人よりもウエストが細いという調査結果もあるという(国立健康栄養研究所による)。
私も明日から食前にガムを噛もうかな。(笑)

●脳細胞を活性化する
あごの関節を動かすことは脳の血流をよくするので、脳細胞の活性化になるといろんな歯医者さんが自分の病院のサイトに書いている。
認知症予防にもなるし、高齢者はガムを噛んでいるときは噛まないときよりも記憶力がよくなるらしい。2)
噛むことで、記憶をつかさどる海馬が活性化するのが、MRIで確認されているようだ。
高齢者になると噛む機能が低下することも、認知機能が低下することの一因になるらしく、逆にしっかり噛めるようにすると認知機能は回復していくという。

そういえば数年前の話だが、「長寿の秘訣?」という記事で昇地三郎さんという103歳の現役教師のことをネタにさせていただいたことがある。(今や105歳)
この方はただ長生きなんじゃなくて、100歳を超えているとは思えないほど頭脳明晰なのがすごい。ラジオで話し方だけを聞いたら全然老人とは思えない。
そしてこの方の長寿の秘訣(元気と頭脳明晰の秘訣)はというと、一口に30回は必ず噛むということを、3歳のときから100年間実践してきたということである。

●健康のため
ダウン症で胃腸疾患を患う人が多いというが2b)、これもよく噛まないことが関係していると思われる。2c)

●ストレスをやわらげる
よくアメリカの野球選手や兵士がガムを噛んでいるというが、これは脳内のセロトニンというストレス緩和物質を増加させ、ストレスが和らげるかららしい。3)

●あごの発達を助ける
噛むことはあごの発達を助けるということだ。
あごの骨は比較的重い骨で、成長するにつれてますます重くなる。あごの筋肉はあごの骨の成長に(重さに)追いついていかなければならない。
噛むことで常に再調整し続けることができる。

●舌・唇・あごが独立した動きをするようになる
これは大人のように洗練された食べ方・飲み方ができるようになるためにも、またよい発音で話すためにも必要なことである。

●歯が生えるのを促す
後述。

<ダウン症児(者)は、噛むこと=咀嚼(そしゃく)の問題をかかえている場合が多い>


このように、噛むことはいいことだらけなので、ぜひ我が子にもしっかり噛む習慣をつけてほしいと思うのだが、ダウン症の子は、そしゃくの問題を抱えている子が多いという。^^;
(丸飲みが多い)
同じものを食べさせても、健常の子に比べて噛む回数が少ないし、それどころかまったく噛まない子もいるという。4)8)
中には固体の導入が難しい子もいて、小学生になってもピューレ状の食べ物しか受け付けない子もいるようだ(固体を食べさせようとするとペッと吐き出してしまう)。

56人のダウン症児を対象とした調査では80%が食事に問題を抱えていた。5)それは大人になっても続き、ダウン症成人の1/4が噛むことに問題をもっていたという調査もある。6)(たとえばりんごの丸かじりができない、肉を適切に噛んで食べることができない、など)

ダウン症者に肥満傾向があるのは、もちろん筋緊張の低下による代謝の問題もあると思うが、食事の習慣がさらに拍車をかけているようだ。

<小さい頃丸飲みの癖をつけないように>


ダウン症児(者)のそしゃくに関する論文を少し読んでみた。
その中にいくつか共通して書かれていたことは、「ダウン症者の噛むスキルは、年齢が上がっても向上することはない」ということだ。4)9)
放っておけば成長しても改善しない。それどころか、より悪化するということだ。
丸飲みの子は大人になっても丸飲みをするのである。

悪い癖はつけないにこしたことはない。
丸飲みは予防できないわけではないようだ。正しい食事法を親に指導して、1歳くらいまでによい習慣を身につけることがよいという。問題があっても小さいうちなら矯正効果がある。

生涯のよい食事習慣は、やはり小さい頃、離乳食でしっかりつけたいものである。

<丸飲みを防ぐには適切な食べ物を選択すること>


以前紹介した長谷川先生のページでは、丸飲みの原因は離乳時期にその子の発達段階にあった適切な食べ物を選択していないことだ、としている。
ではその子にぴったりの食べ物とは何か。
それは、「その子が最も口をよく動かしている(よく噛んでいる)食べ物」ということになるようだ。

確かに、噛む回数は、食べ物によって大きく変わる。8)
うちも、30回は無理としても20回は噛ませようとして、たまに娘のそしゃく回数を一緒にカウントしてみる。^^;
食べ物によっては(きゅうりなど固いもの)、一口20回は軽く越えて30回くらいは噛んでいる。
しかし、ご飯は数回で飲み込む。納豆ご飯は飲み物状態。
・・・丸飲みする食べ物とそうでない食べ物があるのだ。

「その子が最も口をよく動かしている食べ物を選択する」というのはとても難しい。
私はそのことを知らずに、遺伝科の先生に「とにかくゆっくり進めて」といわれてただゆっくり進めていた。
(完了は2歳くらい)
しかしいつまでもドロドロのものばかり食べさせていては、全然噛む習慣がつかない。
離乳食の進め方はゆっくりならいいというものでもなく(軟らかければいいというものではなく)、かといってその子の発達段階を越えてかえって丸飲みになるような固いものを与えてもいけない。
・・・ということで、この時期の食べ物の選択が一番の正念場になるのだろうと思う。

ちなみに長谷川先生のページには、麺類は「口腔機能の発達には最悪の食べ物」として幼児期には食べさせない方がいいと書かれていた。麺は絶対にダメ、という厳しい先生のところでは丸飲みになる子はほとんどいない、ということだ。
(与えるなら、太い面を短く切ってもぐもぐさせる)

<そしゃくの練習>


長谷川先生は、「そしゃくの練習は必要ない」と書いている。
そして「摂食に対して特別な対応や専門的技術もありますが、それを家族がやるのは賛成しません」とも書いている。
それは、「食事は楽しくすることが第一、訓練の場になってはなりません」という考えに基づいているようだ。

気持ちはわかる。
食事が楽しいものであるに越したことはない、その通りである。
しかし、私の個人的な考えでは、誰もが摂食指導を受けられるような地域に住んでいるわけではないし、うちみたいに誰も教えてくれなくて失敗して構音障害も重くなっているような子には、そしゃくを教える技術は必要だと思う。
親がしなければ、他に誰もしてくれないのだから仕方がないのだ。
もしそんな技術があるなら、ぜひともネットで公開してもらいたいものなのだが、企業秘密なのかな?^^;

・・・ということで、なんとかならないかと思って海外の本を読んで勉強しているこの頃なのである。
ちょっとここから、私的な試みの経過を紹介したい。

●オーラルプレイスメントセラピー(OPT)
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OPTには、あご訓練ツールというのがある。(Chewy Tube, Ark's Grabber, 日本では「かむかむナイン」という名称で販売)
左右同じ回数毎日噛み、徐々に回数・ツールをグレードアップしていくことで噛むスキルをマスターするというものだ。


確かに噛むスキルはあがったと思う。
食パンもろくに噛み切れなかった娘が(舌と上唇ではさんでちぎりとっていた)歯型をつけて噛み切れるようになったし、海苔を巻いたおにぎりも海苔巻きもかぶりつけるようになったし(うちの義母は海苔は噛み切れません)、保育園の給食で出される唐揚げだって小さくちぎらなくても食べられるようになった。

しかし問題は、食品でない訓練ツールをよく噛めることが、食品全般をよく噛むことにも移行(一般化)できるかどうか、ということだ。
一般化できる子もいるだろうが、うちの子の場合丸飲みの食品もあり、一度ついた癖はなかなか治らないと感じている。

●するめ(あたりめ)^^
そこで食品であるするめを使ってみた。
先輩お母さんが「するめ(あたりめという固い種類のもの)を噛ませるといいよ」と教えてくれたのだ。
あたりめを与えてみると、2〜3回噛んだだけで飲みこもうとしていた。^^;
慌てて取り出して、端っこを手でもって飲みこめないようにし、訓練ツールのように左右均等に噛ませてみた。
味があるので喜んでやる。
あたりめを飲みこめるようになるまで軟らかくするには、かなりの回数噛まなければならない。
しかしそれをやってもなお、納豆ご飯は、丸飲みである。^^;
(口に入れた瞬間、もう飲みこんでいる)
この場合もやはり、あたりめを噛む行為が、納豆ご飯を噛む行為へと一般化できていないのだ。
食品によって噛む回数が変わるのは上記の通りだが、うちの子はきゅうりや生にんじんなど固いものだとよく噛めるのに、軟らかいものだと丸飲みになる傾向がある。
「この程度ののどごしまでそしゃくしたら飲みこんでもよい」という基準が、これまでの習慣でゆるくなっているのだと思う。

●フィーダーという便利グッズが!!
これは、これから試すところのもの。
この本で知った、「フィーダー」(別名離乳食フォルダー、フードフィーダー、トレーニングマンマなど)という商品がある。
feeder
このようなもので、離乳食時期に赤ちゃんに噛む練習をさせるのによいという便利グッズだ。
(詳しくは後述)

http://juicy-baby.net/?pid=7782235
http://juicy-baby.net/?pid=7841903
folder2
使い方は、メッシュの中に赤ちゃんの一口分くらいの大きさの食べ物を入れ、噛み噛みさせるというものである。

feeder3
輸入品だが、日本にはあのエジソンのお箸シリーズの会社から、「エジソン トレーニングマンマ」という商品名で同様のものが売られている。
(使い方は同じ)

エジソンのトレーニングマンマ オレンジ
エジソンのトレーニングマンマ オレンジ
クチコミを見る

日本では、誤嚥や窒息の心配なく、初期の離乳食が楽ちんに準備できるというので(すりおろしたりする必要がない)使っている人が多いようだが、この本の視点によると、それよりも長い間噛む練習ができるということが大きいようだ。

というのも、誤嚥や窒息の心配がないということは、丸飲みができないということだからである!
長い間よく噛んで細かくして、メッシュの編み目からそしゃくされた食べ物が出てくるまでは飲みこむことができないのだ。

これはもしかして5歳のうちの娘にも使えるかも!?と思った。(対象年齢は5カ月〜2歳となっているが^^;)
よく丸飲みする食品(納豆ご飯とか)を入れて、娘に食べさせてみようかな。
(もちろん、いつもやるとストレスになるだろうから、食事は普通にして、たまにちょっと小腹がすいたような時間にその中に食べ物を入れてあげてみる)
最初は嫌がるだろうから、甘い果物などを入れて。
このツールに慣れてきたら納豆ご飯も入れてみる。
納豆ご飯が細かくなってのどを通るその感覚を覚えてもらいたいのだ。
さあ、どうなるかな?(まだ商品が届いてません。)
またいずれ効果のほどを報告できればと思う。

<離乳食におけるフィーダーの利用>


うちの場合はもう5歳になってからの使用なのでうまくいくかわからないが、本来は離乳食の時期に使えるグッズである。

ダウン症の子に固体の導入は難しいという。オランダの調査ではあるが、健常児は生後1歳くらいでほぼ噛む食事に入るのに対して、ダウン症の子は平均2歳くらいとされている。7)
これは一般的な結果だろうと思う。うちの子も離乳食が完了したのもそのくらいだったし、とにかく専門家には「ゆっくり進めなさい」と言われているからだ。
しかし一方で、噛む練習をスタートできるのが健常の子より倍も遅くなるのは、噛むスキルをマスターする上でさらに不利なのではないかという気もする。
特にダウン症の子は歯が生えてくるのが遅くなる傾向にあるが(うちも1歳すぎてから)、この本によると噛む練習は歯が生えていなくてもできる。歯ぐきで噛むのだからだ。むしろ噛むことで歯ぐきが刺激されて歯が生えてくるのをうながすということだ。

また、この本を見ると最初に赤ちゃんに噛むことを教えるのに、咬反射を利用しているようだ。
(咬反射・・・奥歯が生えてくる部分の歯茎にものがふれると、顎をかみしめる反射)
これはあまり遅くなると消失してしまうので、そうなると固体を噛むことを教えることがもっと困難になる場合があるかもしれない。

早くに固体の離乳食を導入しない理由は、誤嚥(窒息)の心配があることと、丸飲みになることを防ぐことからであった。
だったら、誤嚥の心配がなく、丸飲みにもならない方法で噛む練習のできるフィーダーはよいものではないかと思う。
フィーダーを使ったこの本のやり方なら、もう少し早い時期に噛む練習を導入できそうだ。

フィーダーに入った食べ物をあげるステップ。
(本書にはチーズクロスという目の粗い布巾のようなものも代替えで使えるとあるが、日本では手に入らないので割愛)
1 赤ちゃんの一口サイズの食べ物をフィーダーなどに入れ、赤ちゃんの歯茎の上に置く。
2 赤ちゃんにフィーダーの端を一緒にもたせる。
3 赤ちゃんに噛むことを気づかせるため、やさしく、しかししっかりと袋に入った食べ物を赤ちゃんの上の歯茎や下の歯茎に押しつける。
4 赤ちゃんの前歯が生える部分から奥歯が生える部分に向かって、袋の食べ物を移動させて噛ませる。
5 片側の奥歯の生えるあたりの歯茎で噛ませてからもう片方の奥歯の歯茎でも噛ませる。
6 片方の奥歯でそれぞれフィーダーに入れた食べ物を12〜15回噛むように促す。
しかし赤ちゃんが片側で6回しか噛みたがらなかったら、それでもよい。次は7回噛むかもしれないので、赤ちゃんのリードに従う。
7 もし赤ちゃんがその気になったら、12〜15回ずつ噛むことをもう2セットやってもよい。(全部で3セット)
しかし赤ちゃんの興味や能力をよく観察し、赤ちゃんからのコミュニケーションにアンテナをはること。赤ちゃんが疲れているようだったら(噛むのが弱くなり始めたら)、あるいは噛むリズムが乱れてきたらやめてもう片側に移るか、休憩する。
8 赤ちゃんが片方の方だけで噛みたがることもあるかもしれないが、両側で同じ数だけ噛むようにすること。そうすることであごの動きのバランスがよくなる。

・・・もうおわかりのように、これは5章でやったあごの体操と似ている。

こうした活動は赤ちゃんのあごの筋肉にとってとてもよい体操になるそうだ。赤ちゃんが調節したあごの動きができるようになり、唇と舌の動きをあごの動きから独立させることができる。(成熟した飲食スキルには必要な動き)
赤ちゃんが生後5・6ヶ月で食べ物や適切なおもちゃを噛むことを始めると、おしゃぶりよりも噛むことで気分が落ち着くようになる。この頃になったら、もしおしゃぶりを使っていたら、そろそろやめることを始めてもよい。(おしゃぶりをやめることについては以前書いた)

食べ物が網から出ていったら、もうひとつ一口サイズの食べ物を入れる。こうしたフィーダーを使えば、赤ちゃんせんべい(後述)以外のものをも与えられるということだ。たとえば赤ちゃんの一口サイズの冷ました、柔らかい、蒸した野菜など(人参やかぼちゃ)、冷ました、湯むきした果物(りんご、もも、なしなど)を入れられる。赤ちゃんの噛むスキルがもっと洗練されてくると、こうしたものを袋に入れずに与えることができる。

<一般的には赤ちゃんせんべいで>


健常児なら生後5・6カ月になると赤ちゃんに噛む練習を始めさせることができると書かれている。
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フィーダーを使わない場合、最初はやわらかい赤ちゃんせんべい(アメリカではアロールートクッキーという、クズ粉という良質なでんぷんで作られたクッキー)などで噛む練習をするとよいようだ。


これがよいのは、口の中でふやけて簡単に溶けるので窒息のリスクを減らせるからである。
歯固めビスケットやツビーバック(ラスクのようなもの)など固めのもの、カリカリしたものは6カ月の赤ちゃんには向かない。こうしたものは赤ちゃんの噛むスキルが発達するまであげたくない。
もちろん赤ちゃんには安全ではない添加物を含んだものも。

赤ちゃんせんべいをあげるときは、せんべいをもって唇の方へもっていく。赤ちゃんが持ちたがれば、一緒にせんべいを持つ。
赤ちゃんに安全でやわらかい赤ちゃんせんべいを唇や歯茎で自由に探索させる。歯茎にあたると、反射的に噛むという反射が生まれつき備わっている。噛んで噛んでやわらかくするとせんべいがくずれる。
母親が一口の大きさをよく見ていることが大事だということだ。

*        *        *

とりあえず、食事法については(他にも好き嫌いの話とかがあったが)このくらいに・・・。
今回書ききれなかった論文もあるので、またの機会に紹介できたらと思う。

<注>


1)http://blog-hyg.seesaa.net/article/120388453.html
2)http://blog-hyg.seesaa.net/article/120504865.html
3)http://blog-hyg.seesaa.net/article/120314359.html
1)〜3)のいずれも神奈川歯科大学教授 高次脳・口腔科学研究センターの小野塚実教授によるNHKラジオ番組でのお話から。ご本人は「咀嚼機能と認知症・ストレス疾患」が専門。

2b)L Gale,et al. Down's syndrome is strongly associated with coeliac disease. Gut. 1997 April; 40(4): 492-496.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1027124/
2c)Mercier P, et al. Gastrointestinal symptoms and masticatory dysfunction. J Gastroenterol Hepatol. 1992 Jan-Feb;7(1):61-5.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1543871
4)M Hennequin, et al. Prevalence of oral health problems in a group of individuals with Down syndrome in France
Developmental Medicine & Child Neurology Volume 42, Issue 10, pages 691-698, October 2000
5)Pipes P, et al. Feeding children with Down syndrome. J Am Diet Assoc. 1980; 77:277-282.
6)Hennequin M, et al. Prevalence of oral health problems in a group of individuals with Dwon syndrome in France. Dev Med Child Neurol. 2000a;42:691-698.
7)Hopman E, et,al. Eating habits of young children with Down syndrome in the Netherlands: adequate nutrition intakes but delayed introduction of solid food. J Am Diet Assoc.1998;98: 790-794
8)Gisel EG, et al. Chewing cycles in 4- and 5-year-old Down's syndrome children: a comparison of eating efficacy with normals.
Am J Occup Ther. 1984 Oct;38(10):666-70.
http://ajot.aotapress.net/content/38/10/666.full.pdf
9)Faulks D,et al. Masticatory dysfunction in persons with Down's syndrome. Part 2: management.
J Oral Rehabil. 2008 Nov;35(11):863-9. Epub 2008 Sep 12.

6章 よい食事法その3 ストロー飲み

発音向上のために目次はこちら


【訂正】0.6mmじゃなくて0.6cmです。すいません。0.6mmで飲むって不可能ですよね^^;;;

Nobody Ever Told Me (or my Mother) That!』by Diane Bahr, Mr. CCC-SLP
(タイトル訳:「誰も教えてくれなかったこと〜ほ乳瓶から呼吸まで、健全な発話のために必要なこと」
を読んでいくシリーズ続き。

今回はストロー飲みについてです。

*       *      *

前回、sippyカップという、飲み口の飛び出たマグ(スパウトマグ)で飲むと発音が悪くなる可能性があることを紹介した。
ストローも、深くくわえすぎると飲み口が口の中に入りすぎ、結局sippyカップと同じことになる可能性がある
(飲み口が邪魔して、舌を上の歯の裏の歯ぐきにつけるという本来の飲み込み方をマスターする妨げになる)

つまり、ストロー飲みでは、「深くくわえすぎない」ことがとても大事のようだ。
この本には、1/4インチ(6mm)以上くわえてはいけないと書かれている。
そして同時に、舌がストローの下に来ないように注意する。

この2点を気をつければいいので、この本には特にストロー導入の時期を遅らせるようにとは書かれていない。
逆に言えば、ストローを後から導入したとしても、この2点に気をつけなければ、遅らせた意味がないということである。

<リップブロックについて>


straw05

すでに舌を出して飲む癖がついてしまっている子、または舌を出さずにはなかなか飲めない子にはリップブロックというものをつけるとよい。
これは文字通り唇をブロックするもので、ストローをそれ以上深くくわえることのできないようにするためのものである。

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舌出しの癖をつけてしまった人には、今くわえている長さから、徐々にくわえる部分を短くしていく
まずは図のように普通にストローを飲ませ、口元を指で押さえて抜き、加えている部分の長さをはかる。
その位置にリップブロックをつける。
最短でも一週間はこのままで飲み、うまく飲めるようだったら5mmくらいずつカットしていく。
(本人にストローを切ったことが悟られないように。またはリップブロックをずらす。)

リップブロックは手作りでも作れるし、輸入すれば市販品もある
(日本では売ってません。検索するとリップクリームみたいなのが出てきます^^;)

牛乳瓶のふたにストローが通るくらいの穴をあけて、後ろに輪ゴムをつけてずれないようにする、というのでもよいのだが、壊れやすいものだと窒息のおそれがあるので注意(飲み込んでしまって)、ということで、牛乳瓶のフタはやめといた方がよさそうである。^^;
本にはコルクで手作りする方法が描かれていた。コルク栓などにストローサイズの穴をあければできあがりである。
straw04
我が家では以前、ペットボトルのふたにストロー穴のついたものを探してきて、それを使っていた。(明治の220ml入り飲料)
ストローの太さにフィットするので良かったのだが、今は製造中止だとかで(?)店頭で見かけなくなった・・・。

cup
こちらは我が家にあるリップブロック。talk toolsから輸入したものである。


flipup
図のようなポップアップストローもまた、飲み物をこぼさないので便利である。
(ふたをはずすとポン!とストローが出てくるもの)
通常は2歳くらいから使用となっているが、1歳からでも使えると本に書いてある。
しかし問題は、ポップアップストローは飲み口が長すぎることである。
これも、長さをカットするかリップブロックをつけるとよい。


<ストローを噛んでしまう子は?>


うちの子も、ストローの先を噛んでつぶしてしまっていた。
通園施設にも、すぐにストローを噛みつぶしてしまって困るのよ、ということで、市販のストローではなくチューブのようなものをストロー代わりに(簡単にはつぶれない)使っている子がいた。

しかし今ならわかる。
ストローを噛んでいる子は、ストローの先が口の中に入りすぎなのだ、と。
6mmしかくわえていなければ、ストローを噛めるはずがない。
前歯まで到達しないのだから。
噛んでしまうということは、そんなに奥までストローの先が突っ込まれているということで、噛むことをなんとかするよりも、くわえる長さを短くする工夫(リップブロック)をした方が早い。
うちも、くわえる長さが短くなるにつれ、噛むことはなくなった。

しかしリップブロックを卒業して、リップブロックなしのストローに進んでいる今、家だとちゃんと飲めるのに、保育園用のストローには噛み跡がたくさんついている。^^;
まだ、よく見ていないと、前の癖が出てくるのかなと思う。
手がない中でストロー訓練をするのはなかなか難しいものだ。^^;
小さい頃から保育園に預けている場合も、先生方が忙しくて摂食的なことまできちんと見てもらうことまでは要求できないだろうと思う。
まあ、家にいる間だけでも、コツコツとやっていくつもりだ。確実に進歩しているから。

ストローできちんと飲めると、カップと同様、舌が上の歯の後ろの歯ぐきまでもちあがって飲み込むようになる。
この舌の使い方は口の中から食べ物や飲み物を排出するのに重要だということだ。残っていると口腔衛生上の問題になる。

<ストロー練習用ボトルの作り方>


簡単に手作りできるということで、作り方がのっていた。
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まず、ボトルを用意する。これは先の細い、食品用の容器に限る。
ハニーベアボトル(はちみつ入りのくまの形の容器。あちらではこんな形の容器に入ったはちみつの商品があるらしい)、ソースボトル、ケーキのデコレーション用のボトルなど。

次にストローとなる管を用意する。水道水用や冷蔵庫に使うチューブをカットして使う。
(水槽用のチューブは使わないこと。毒性があるかもしれないので。)
(私は、娘がストローで噛んでいた頃、ホームセンターで売っているポップアップ式ストローの替えストローを使っていました。)
ボトルの底までストローが届くようにしてストローを挿し、上の飲み口をカットしてフィットするようにする。

海外ですが練習用ボトルの市販品もあります。
http://www.talktools.com/honey-bear-w-flex-straw/
(ま、うちは一番最初にストローの練習をするとき、紙パックジュースがいいと教えられました。紙パックをそっと押してやると飲み物が飲み口まで昇ってくるので、同じ原理。)
Nuby ストローボトル用替えストロー
Nuby ストローボトル用替えストロー
クチコミを見る


<ストローの教え方>


1 少しとろみのある液体をボトルに入れる。口の中の感覚情報が多くなるから。
2 少し大きい子にストローを教えるなら、ヨーグルトドリンクや果物ネクターが使える。しかしこうした飲み物は6ヶ月の子には向かない。
3 ストローを差し込み、ボトルを締める。ボトルをちょっと押して、液体をストローの上までのぼらせる。実際に赤ちゃんに飲ませるまでに何回もリハーサルしておくこと。そうすれば赤ちゃんの顔に液体をぴゅっと飛ばすようなことが防げる。
4ストローの先を赤ちゃんの下唇の真ん中に置く。ストローの先を赤ちゃんの口の奥にまでつっこまないこと(6mmくらい)赤ちゃんの舌がストローの下にこないようにすること。これもほ乳瓶の飲み方であるから。
5ストローの先を赤ちゃんの下唇に乗せたら、赤ちゃんが唇を閉じるのを待つ。ストローで一回吸わせたら口から離す。何度も下唇の上にストローの先を乗せ直して、一回吸うごとに離す。
6飲み物を味わいたい子には、少しだけボトルを締めてちょっとだけ多く出してあげる。が、入れすぎないように注意。

こうしていくと、やがて親がボトルを押さなくても自分で吸うようになるのだそうだ。

連続でごくごく飲むスキルは1回飲みよりも難しいが、母乳やほ乳瓶では赤ちゃんはこれをやっている。
忍耐強く継続すると自分でスキルを身につけるようになる。

くどいようだが、
・ストローの先を口の奥に入れすぎると、ほ乳瓶から飲むのと同じ状態になるので注意。
・常に、ストローが下唇の上にあることをチェックする。(舌が下にこないように)
・唇と頬を使って吸わせる(舌を使うのではなく)


生後9ヶ月〜12ヶ月で普通のストローをさしたカップで飲めるようになるという。むせたりせき込んだりせずにストローで飲めるようになったらとろみのない薄い液体にかえてもよいということだ。

<逆流防止弁つきストロー(海外製品)>


ストローを吸うことが難しい子、吸う力が弱かったり、吸い続けることが難しい子、むせてしまう子には、特殊なストローが売っているようである。
straw08
ARK社のone-way strawというもの。
つまり「一方通行の」ストローである。ストローは使い捨てだが、下の方に「逆流防止装置」がついていて、ストローに入った液体がボトルに戻るのを防ぐ弁になっている。

空のストローを吸って上まで液体をのぼらせ続けるのにはある程度の吸引力が必要だが、このストローは逆流しないことで常にストローが上まで飲み物で満たされた状態になる。
(一度吸い上げると、息継ぎをしても飲み物が下まで降りずにストロー内にとどまっている)
よって吸う力の弱い子にも飲みやすく、また液体のコントロールがしやすくなる。
さらに飲みこむときに空気を吸い込みすぎるリスクを減らし、せき込んだりむせたりすることが減るそうだ。

まあ、このストローがあれば、飲み物が食べかすで汚れることは防げそうだ。(笑)
食べさせながらストローで飲ませると、ボトルに浮遊物が見えて濁ってきて、夏場は不衛生なんで。(汗)

輸入ですが、one-way strawで検索するとこんなところから買えます。
http://www.etherapystore.com/physical-occupational-speech-therapy/ark-sip-tip-cup-with-one-way-straws.html
http://products.disabled-world.com/1_464844867/one-way-straw-clip-assembly.html

日本でも売ってないかな?と思って探すと、どうもNubyという会社のストローマグに逆流防止弁がついているらしい。
でも購入者のレビューを見ると、「吸いにくい」とあり、上のものとは別物のようだ。(飲み口に弁がついており、噛むようにして吸わないと飲めないようで、逆に普通のストローより大変みたい)
上のストローのようなものが日本にも売っていたら、教えてください。
Nuby フリップイット・ボトルII/360 355ml (グリーン・オレンジ・パープル・レッド・イエローのうち1色。色はおまかせ。)
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さて、ここでのストローはストロー飲みの練習についてだが、ストローを使って口のスキルを鍛えることができるというのがオーラルプレイスメントセラピーである。
talk03
No.1〜No.8までのストローがあって難易度が上がっていく。
No.1〜No.4まではリップブロック付き。うちは今No.5ストローである。

ストローを使った訓練は離乳食や食事法とはまた別の話なので、興味ある方はこちらへどうぞ。

6章 よい食事法その2 コップ飲み

はじめに・サイトマップはこちら

発音向上のために目次はこちら


Nobody Ever Told Me (or my Mother) That!』by Diane Bahr, Mr. CCC-SLP
(タイトル訳:「誰も教えてくれなかったこと〜ほ乳瓶から呼吸まで、健全な発話のために必要なこと」
を読んでいくシリーズ続き。

【コップ飲み導入用コップ追記しました】


今回はコップ飲みについて。

前回書いたように、うちの子はいつの間にかコップもストローも、舌を出したまま飲む癖がついていた。

これは、この本によれば、母乳・ほ乳瓶時代の名残りで、舌を前後に出して顎と一緒に動かしながら飲む飲み方である。
現在は訓練で改善していて、舌を出したまま飲み込む癖はだいぶ直ってきたが、まだ本来の飲み込みではないようだ。
(本来は、ものを飲み込むときは舌先を上の歯の裏の歯茎のところにつけていなければならない)

うちの子がタ行、ナ行が出せないのも、こうしたところが原因なのかもしれない(食事を通して日常的に舌先をあげる訓練ができていないから)と思った。
かように、食事の仕方は、口の発達を助け、舌・唇・顎が独立した動きができるようになるためには重要なのである。
(口のマッサージは、正しい食事法に代わる(勝る)ものではないと著者は言っている)

<ストローよりコップが先!>


うちの子はストローで飲めるようになったのが早かった。
特に何も考えていなかったので(笑)それで問題ないと思っていた。
で、同じくらいの月齢のダウン症の子のお母さんが、「なかなかストロー飲みができるようにならなくて・・・」と悩んでいたのだけど、最終的にその子はしっかりとした飲み方ができている。
うちの子が早くできたのは、なんのことはない、ほ乳瓶飲みをそのまま移行していただけだったからなのだ。^^;

通園施設のSTの先生も、「ストローよりもコップが先!」を主張している。
それをうちの子が小さいときに教えてくれればよかったのだが、私には言い忘れていたようだ。^^;

なぜコップが先の方がいいのかは、この本を読むとよくわかる。
コップが先の方がいいとははっきり書かれていないものの、ストローの導入には注意点があるのだ。ちゃんと注意して正しく飲ませないと、悪い飲み込みパターンの癖をつけてしまうため、コップが先の方が無難なのである。

舌出しの癖をすでにつけてしまったうちの子は、逆にリップブロックをつけたストロー訓練によって舌出しの癖を少しずつ直した。ストローで舌が出なくなるとコップ飲みも舌が出なくなっていた。
しかしこれからの人にはそんな遠回りをしなくても済むようになってほしいものである。^^;

<正しい飲み込み方が大事>


●正しい飲み込み方
ものを飲み込むとき、私たちの舌はどこにあるか。
実際に飲み込むときにちょっと意識してみるとわかる。
成熟した飲み込み方は、舌の真ん中をくぼませ、カップ状にしてそこに食べ物や飲み物をのせて飲み込む。舌先は上の歯の裏の歯茎のところについて、舌の両端はもちあがって口の天井(硬口蓋)にぴったりくっついて飲み物がこぼれないようになっている。そして舌の残りの部分が前後の動きで液体を後ろへ絞り出すようにして運び、飲み込むのである。

●舌出し嚥下の子はけっこういる!
このパターンを習得していない子が多くいるようだ。ネットで論文を調べたところ、その割合はかなり多い。(唾液の飲み込みに舌が出る子が39%、液体を飲むときは55%、固体を飲み込むときは68%だという)1)
これはダウン症の子のデータではなく健常の子だというから驚きだ。
初期の食べ方の導入に関係しているそうだ。
もちろん、見た目に舌が出ている子がこんなにいるわけではない。
後述するが、見た目に舌が出ているだけが舌出しの嚥下ではないようだ。舌先がちゃんと上の歯の裏の歯茎についていない子はけっこういるのである。

かくいう私自身も、液体を飲むときはちゃんとしているが、唾液を飲み込むときは舌が上の歯の裏に直接当たっていることに気がついた。(上の歯を前に押している)。こういう飲み込み方は、歯並びの悪さにつながるのだという。^^;

成熟した飲みこみパターンのきざしはすでに生後12ヶ月くらいにははっきり見られるそうだ。(舌先を持ち上げて上の歯の裏の歯茎につけ始める時期)。2歳になる頃には成熟した飲み込みパターンを身につけ、3歳では大人と同様に飲み込むことができるという。

●正しい飲み込み方をしない場合の問題点
正しい飲み込み方ができないと、どんな問題があるのかというと・・・
・口腔衛生上の問題
正しい飲み込み方をしないと、一度飲み込んでも口から食べ物や飲み物を効率よく食道の方へ排出できないで、食べ物が残る。すると虫歯などになりやすくなるという。
・噛み合わせ、歯科矯正の問題
噛んだとき上下の歯の間に隙間ができる、出っ歯などになりやすくなるという。
実に歯並びや噛み合わせの問題がある患者の約半数が、舌突出によるものだという。
歯列矯正装置(ブレース)で歯科矯正をしても、好ましくない飲み込みパターンがあると(舌を出したまま飲み込む、口を開けっぱなしにする、舌が低く、前方に出ている、唇を閉じる力が弱い、ゆびしゃぶり、歯ぎしり、不適切な噛む習慣など)、また元通りになってしまい、3度も歯科矯正をするはめになる人もいるそうだ。
これは親にとっても非常に不経済かつ遠回りであり、正しい飲み込み方をマスターした方が早いのである。
・丸飲みになりやすく、消化によくない
・発音によくない

未熟な飲み込み方の人は舌が顎と一緒に動く傾向にある。
舌と唇、あごが独立して動くことができないと発音が明瞭にならない。
舌が上の歯の裏にあがることは、「タ行」「ダ行」「ナ行」の発音(英語のl(エル)の音も)に必要なのだそうだ。
また、舌を出したままの飲み込みはサ行、ザ行、シャシュショ、チャチュチョ、ジャジュジョにも影響する。

<飲み込みに問題があるのは、見た目に舌が出ている子だけではない>


うちのような、見た目明らかに舌を出した飲み込み方はおかしいとわかりやすいのだが、外に舌が見えていなくても、舌だし嚥下(tongue-thrust swallowing)というものはあるのだそうだ。

●舌を出したまま飲み込む子の特徴
1飲み込むとき、舌が歯の間から出てくる
2一度飲み込んでも食べ物が口に残っている
(クラッカーを食べさせ、一回飲み込んだ後に口を開けさせてみると、舌にクラッカーが残っている場合)
3頬をそっと外側にひっぱると、飲み込むときに奥歯の間から舌が少し出てくるのが見える
4飲み込むとき唇の周りが引き締まる
(口腔内圧を高めるのに唇と頬を使っている証拠。本来は舌の動きでそうしなければならない)
5飲み込むときに咬筋(耳たぶの内側、あごのラインと頬骨の間)や顎舌骨筋(あごの下のやわらかい部分)がよく動いていない。そこに指をあててものを飲み込んでみるとわかる。
6 口の中に食べ物をいっぱい入れすぎる
7 食べ物にソース(や汁)をかけすぎる
→飲み込みやすいよう、食べ物がまとまりやすいようにしている可能性がある
8好ましくない口の習慣がある。指しゃぶり、おしゃぶりを使う、指噛み、爪噛み、ストロー噛み、鉛筆噛み、衣服を噛む、その他不適切なものを噛む
これは未熟な飲み込み方を定着してしまうことがある。
9口から呼吸している


<飲み込み方が未熟な場合は?>


ネットで調べたところ、舌出し飲み込みの対処法は大きく分けて2つあるようだ。
ひとつは口腔筋機能療法を受けること。
口腔筋機能療法というのは舌のPTのようなものだそうである。
(たとえばこんなものhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~ohara/muscle/mft.html
日本ではまだ取り入れている歯科医は少ないが、これをやっているところに通い、評価を受け、宿題をもらって家で訓練するというものだ。
一度つけてしまった悪い癖を治すのは根気がいるが、親子の協力と熱意があれば成功率は高く、ほとんどの場合改善するそうだ。
身体や知的発達に障害がなければほぼ直すことができるらしい。

身体の障害というのは、たとえば扁桃腺肥大やアレルギーにより気道がふさがっている場合などだ。
これは医学的に鼻気道の閉塞を治療してもらう必要がある。
(口呼吸を改善)
うちも、風邪で鼻が詰まっているときは口呼吸になり、いつもより舌が出がちになる。
こういうときはまず風邪を治す、ということだろう。^^;

「知的発達に障害」というのはダウン症の子は該当すると思うのだが・・・^^;
まあ、口腔筋機能療法のサイトを見てもわかるように、小さい子向けの訓練でなかったり、やはり本人が口の中の位置を意識して直すということのようなので、ある程度の理解力が必要ということになるんだろうと思う。
OPTのオプションとしてあげられているいくつかの訓練も知的障害があると難しそうなものもあるが、要は舌の位置などを感覚的にわからせるものなので、やっていることは口腔筋機能療法同じようなものが入っているような気がする。

もうひとつは、舌だし対策の器具を口に入れるというものである。
たとえばこんなもの。
(赤ちゃんの写真の下)
http://www.dentaldoc.info/2011/10/20/what-is-tongue-thrust-swallowing-trouble-and-myofunctional-disorder/
だが、私の見たサイトには、器具の方ははずしたとたんまた元のパターンに戻りやすく、あまり効果は期待できないと書かれていた。

いつか一度、県内で口腔筋機能療法をやっていそうな歯科医(2・3軒しかなさそうだが)に相談に行ってみようかな。

<コップ飲み>


さて、コップ飲みである。
著者が言うには、コップ飲みはスプーンより簡単で、未熟児の子などがほ乳瓶を吸えない場合にコップから飲ませることもできるという。
生後5・6ヶ月になるとますます唇と舌が顎とは独立した動きができるようになるのでコップ飲みを教えることができるそうだ。(健常の子の場合)

●導入に適したコップ&飲み物
・飲み口の広い、透き通った、小さめのノージーカップが最適
コップ飲みを教えるのに適しているのはサイズは小さいけれども飲み口のカーブがゆるやかな(飲み口の広い)カップがよい。
特に透き通ったカップだと、親が見やすく、液体のコントロールができるのでおすすめ。
cup
さらに鼻のあたる部分がくり貫いてあるコップはよい(いわゆるノージーカップとかUコップとかいうもの)。これは飲むときに頭を後ろに傾けなくてもよいので、首ののばしすぎを防げる。(むせにくい)
前回述べたように、首を後ろに傾けると気道確保のときと同じ状態になり、気道が開くのでむせやすいことに注意。


camocup2こちらはTalk toolsで新発売のcamo cup。


camocupこんな風に使う。購入はこちらから。
http://www.talktools.com/camocup/


飲む液体は、はじめは少しとろみがあると導入しやすい。
少しとろみがある液体がよいのは、親が分量をコントロールしやすいことと(流し込みすぎた、ということが減る)、子供の方でも口の中に入る感覚情報が多くなるから。はじめからミルクや水や牛乳を飲ませるのではなく、ちょっとお粥のようなものを混ぜてとろみをつけたり、初期のベビーフードを液体で薄めたりしたものからはじめてみる。
なれてきたら、もう少し薄い液体(水とかミルク、ジュースなど)にしてもよい。
いつものtalk toolsなどでも買えるが、日本でも介護用のコップとして販売している。
Uコップ
http://store.shopping.yahoo.co.jp/oasismse/054e-02.html
キティちゃん柄も。
http://heartland.geocities.jp/mjxgx2802000/

ノージーカップ。これが透明だったらもっとよかったのだが・・・
http://www.atomkaigo.com/rehabilitation/selfhelp_device/el4102.html
病院の売店などで普通に買えるところもあるようだ。
くりぬいてはないが、これも鼻にあたりにくいコップ。(でも高い)
介護用コップエルカップ
http://tsuhanclub.jp/tsuhanclub/7.1/lcup/

レボ Uコップ 大
レボ Uコップ 大
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●コップ飲みの注意点
・あごは少し引き気味、耳が肩の真ん前にあるイメージ。
・カップに向かって顔を突き出さない。
また、コップが口の両端に押しつけられていないか注意する。(押しつけられた状態でと飲むことは不可能)
・コップは下唇の上にのせる。
※舌がカップの下にきていないか気をつけること。
コップの下に舌がくるのは、母乳やほ乳瓶を飲むときの舌の動きのなごりがあるからである。
そこで、舌が出てきたらカップを下唇の上に置き直して、悪いパターンが形成されるのを防ぐようにする。
(私は矯正するとき、軽く下唇を抑えて、舌が出てこないようにしてました)
・一口分の量にも注意。(一度に入れすぎるとむせたりがぶがぶしたりする)
・はじめは一度に一回ずつすすらせる。
・生後6〜12ヶ月になって、赤ちゃんの呼吸と飲み込みの協調がうまくなってきたら、ひとすすりではなくごくごく飲むことを始めてもよい。
このころにはすでにとろみのない薄い液体を飲んでいるだろうが、ごくごく飲むことが難しいようなら、慣れるまでまたとろみを少しつけてみる。
(ごくごくの連続飲みをマスターする間は、コップは親がもってあげる。頭は傾かないようにし、あごは少し引いた状態が望ましい。カップに向かって顔を突き出さないように注意。

【sippyカップに注意!!】


この本でも、sippyカップに対する警告が載っていた。
sippy
sippyカップというのは、コップのふたがついており、ふたにはくちばしのような飲み口がついているもので、日本でいう「スパウトカップ」のことだろう。こんな感じのものである。


以前オーラルプレイスメントセラピー講演DVDその2(実践編)の記事でも書いたが、アメリカではこのコップで飲んでいる子どもたちの発音がおかしくなったというので問題になり、歯科医からも警告が出ているという。
このカップは飲み口が飛び出ているため、母乳やほ乳瓶から飲むときと同じパターンで飲むことになり、正しい飲み方は身に付かない。
さらに、コップ飲みはスプーン飲みと同様、唇をよく動かさなくてはならず、あご、唇、舌が独立した動きをすることが要求される。sippyカップはこうしたスキルの発達の妨げになることがあり、いつまでもほ乳瓶の飲み方が残りやすくなるということだ。
というのも、飲み口が口の中に入っていると、飲み口が邪魔して舌が上にあがることができないからである。
sippyカップで飲んでいる子どもの様子を見ると、あごが前後に動いていることがあり、これはコップ飲みの子どもに見られる動きとは違っている。コップ飲みでは、あごがかすかに上下に動いてほしいのである。
飲み込み方が発達しないだけでなく、口の中に液体が飲み込まれずに残る傾向があり、虫歯にもなりやすいということだ。

なぜsippyカップが売れるかというと、こぼさずに飲めるからで、じゅうたんや車を汚されたくない親が買い求めるのである。
が、こぼれにくいコップは他にもある。
recess
talk toolsの、ふたが凹んでいるカップ。(recessed lid cup)
右が上から見たところ。上の2つは空気穴、下の小さな穴から液体が染み出してくるので、こぼれにくい。
コップのように飲み口が広く、凹んでいるので哺乳瓶飲みができないようになっている。


日本では、OXO Totトレーニングカップというのがよく似た構造だ。
http://akasugu.fcart.jp/goods/goods.aspx?goods=016G820401

teteo
コンビのテテオマグカップバルーンも、飲み口が凹んでいて穴があいた状態なので、よさそう。
(上から見ると、飲み口に穴があいている)

http://combimini.jp/CGI/user/shop_sale.cgi?prmshn_cd=39931-113068&shimg_file=113068Z.JPG&back_url=/user/list_new/list399310101.html

成熟した飲み込みパターンを習得し損なった場合は、上にあるように口腔筋機能療法が必要になる。(つづく)

<注>


1)Marvin L., et al. Tongue-thrust in preschool children American Journal of Orthodontics
Volume 56, Issue 1, July 1969, Pages 60-69

6章 よい食事法その1

発音向上のために目次はこちら


【追記】離乳食の開始時期について、補足しました。
【追記2】開発された摂食指導用スプーンを追記しました。

Nobody Ever Told Me (or my Mother) That!』by Diane Bahr, Mr. CCC-SLP
(タイトル訳:「誰も教えてくれなかったこと〜ほ乳瓶から呼吸まで、健全な発話のために必要なこと」
を読んでいくシリーズ続き。

怒涛の年度末で間が空いてしまいましたが^^;今回からは食事法について。

食べることと発音が密接に関係していることは今までも何度か出てきたことである。
うちの子はもう4歳半を過ぎているが、振り返ると・・・離乳食の進め方に失敗したタイプだと思う。(汗)
離乳食開始当時は摂食指導をしてくれる人もおらず、たった一度見てもらったときには「いいですね」と言われただけで、どんなことに気をつけて見てやらなければならないのかもわかっていなかった。

気がついたときには(3歳半過ぎごろ)、悪いパターンをいろいろ身につけてしまっていた
ストローは舌を出して飲むし、コップも舌をコップの下にあてて飲むし、ちゃんと噛めず、舌と上唇ではさんでちぎりとるようにして食べるし(だから海苔や肉はかじれない)、・・・それに遺伝科の先生に「いいですか、ダウン症の子は丸飲みが多いですから、それだけは気をつけてくださいよ」とさんざん言われていたのに、しっかり丸飲みだ。^^;

先生、気をつけるといっても何をどう気をつけたらいいのか、わかるように教えてくれなくちゃ・・・^^;
自分としては言われたことはなんでもやるつもりでいたのに、ただ情報が入ってこなかったのよね。

まあ今はOPTなどで少しずつ改善に向かってはいるが、始めから気をつけていればこんなにも(本人も)苦労せずに済んだのであるし、今もまだ食べ方に問題があるので、一度食事法についてちゃんと学び直したいと思っていたのだ。

この本でも、スプーン、ストロー、コップ、噛むこと、の4つのスキルを適切にマスターすれば口の発達を最大限促すことができるし、将来歯科矯正の必要性を最小限に減らすこともできると書かれている。
よい食事法もスポーツなどと同じく、毎日の練習の繰り返しが必要だが、長い目で見れば将来的には親の手間を省くことになるものだというのだ。(その通りだと実感するこの頃)

<離乳食の開始時期について>


残念ながら、この本はダウン症にターゲットを絞った本ではない。
したがって、「生後5〜6ヶ月で離乳食を始める」と書かれてはいるが、これがダウン症の子にもあてはまるかどうかははっきりしない。

これには、少なくとも「遅らせた方がいい」派と「普通に始めてよい」派の二通りの意見を聞いたことがある。

「遅らせた方がいい派」は、保健所の講習会で聞いた話である。「お座りができてから」だという。うちの場合だったら10か月くらいから?ということになる。
理由としては
・早く始めると食物アレルギーが出やすい
・まだ唇や舌の機能が未熟なうちに始めることで、「丸飲み」のクセがつきやすくなる
・お座りがまだの時期だと、哺乳反射が消えておらず、舌で食べ物を押し出してしまう
【追記】・誤嚥の可能性があり注意が必要

ということであった。
一方「普通に始めてよい」派はネットの長谷川知子先生のダウン症外来というシリーズ記事で読んだ。(6カ月前には始めるという意見)
http://homepage2.nifty.com/shizuoka-d/gairai_top.html(No.3に食事の記事があります)
理由としては
・離乳食を遅く始めると食べ物やスプーンを拒否することがよくある
・ゆっくり進めることができる。(開始が遅いと十分に時間をかけられないことがある)

ということである。
長谷川先生は、丸飲みは離乳食を早く始めたからではなく、そのときどきに適切な食べ物を選択していないことによると述べている。

【追記】離乳食を健常の子と同じように始める、遅く始める、どちらもメリットとデメリットがありそうである。今は少なくとも(健常の子でも)生後6カ月くらいまでは母乳のみでOKという説が有力のようだ。
ダウン症の子の親は一般に離乳食を遅く始める傾向があるが、遅らせることは口の筋力の(オーラルモーターの)発達によくないという説もある
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9664921
誤嚥に関しては、離乳食フォルダーという便利な商品がある。
http://www.garitto.com/product/15226200
これに食品を入れると、むせる心配がなく噛むことができるというもの。

開始時期にはどちらも一長一短があるから、家族のアレルギー歴などや誤嚥しない工夫などを考慮に入れつつ決めていく必要があるのかなと思う。
ゆっくり進めること、離乳食完了の時期が遅くてもよいことは誰もが一致した意見であると思う。(うちは2歳ごろ完了したが、もっと遅くてもよかったのかもしれない)

<食事の環境>


●姿勢
食事のとき、姿勢がとても大事だということである。
生後6カ月より前にスプーンやコップ飲みを始める場合、赤ちゃんはまだひとりでお座りできないのが普通である。(ダウン症の子なら、その期間がもっと長くなる)その場合、幼児用シートにしっかり座らせて始める。

そのとき、赤ちゃんと親が同じ目の高さになるようにし、目と目を合わせることがとても大事なのである。
これでアイコンタクトができ、赤ちゃんとコミュニケーションできるし、同じ高さになることで赤ちゃんの頭と首をよい位置に保つことができるという。

好ましくない例(×)
親の目の高さが赤ちゃんより高い→目と目を合わせるのに赤ちゃんの顔が上向きになり、首を伸ばさなければならなくなる。
人工蘇生法の講習を受けたことのある人ならわかると思うが、気道確保のためにはあごをあげ、気道を開くようにする。食事のときにこれと近い状態になってしまうと、気道が開きすぎてむせたりせき込んだりすることになる。
えんげ(飲み込み)も難しくなり、口もあごを大きくあけなければならなくなり、舌の突出も促すことになる。
こうした動きが習慣化すると後に問題が出てくるのだそうだ。

(そういえばうちのSTの先生は、あごをひいた姿勢になると自然と舌が出にくくなり、あごをあげると自然と舌が出ると教えてくれた)

●椅子 
赤ちゃんがひとりで座れるようになると、ハイチェアを使う。
著者のお気に入りはSTOKKE Tripp Trapp Step Ahead
というものである。(またはEuro II Highchair from One Step Ahead)こうしたいすは姿勢のサポートに優れており、赤ちゃんの成長に合わせて調節できる。

日本だとNEW ハイチェア(アマゾン)が近いものかな。
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市販のハイチェアは多くの赤ちゃんには大きすぎるので調節するためにhigh chair insertsという商品を使うとある。
日本ではこの類の商品かな。
コジット チェアベルト付高さが変わるお食事クッション
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また、姿勢以外にも、食事のときは周囲の気が散るものを最小限にするとよいそうだ。静かな音楽をかけるようにする。テレビは消して、赤ちゃんに話しかける。

<あごのサポート>


はじめにスプーンやコップのみを導入するときは、あごのサポートをすると助けになるそうだ。
親の利き手で食べさせるので、利き手でない方の手であごを支えてやる。

著者はマッサージをダンスにたとえていたが、食事の場合もやはりダンスのように、赤ちゃんがリードし、親がパートナーとしてそれについていくという関係なのだそうだ。
赤ちゃんのあごが自然に動けるように支える。どの方向にも、決して力を込めてあごを押したりしてはいけない。これはあごを痛めるから。
sasae01
あごの支え方その(1)
利き手でない方の手の人差し指で赤ちゃんのあごの骨ばった部分の下に置き、親指をあごに乗せる方法。

sasae02
あごの支え方その(2)。
人差し指と親指を赤ちゃんのあごの骨に沿って添える方法。


<スプーン>


スプーンで食べることは、唇とあごの動きが中心になる。
それまでの母乳や哺乳瓶を吸う動きは、舌を前後に波のように動かす動きが中心になるので、スプーンになるとずいぶん動きが違うことになる。

たいていの親は、おかゆでスプーン食べの練習を始める。

●スプーンを始める前に
・おかゆに水や粉ミルク、母乳などを混ぜ、ピューレ状の濃さになるように加減する(薄すぎず、濃すぎないように)
・清潔な指または手袋をはめた指をおかゆにつけ、それを赤ちゃんになめさせることで、味に慣れさせる。
・赤ちゃんにスプーンを持たせて口で探索させてやる。そうするとスプーンというものの存在に慣れるから。
親がスプーンから食べるところの見本を見せるのをお忘れなく

赤ちゃんというのは他の人の口にとても注目するものらしい。だから親がスプーンで食べるのを見せる方がよいそうだ
また、赤ちゃんと一緒に親も食べるようにするのもよいことのようだ。
赤ちゃんに食べさせたら自分も食べる、と交互にするとよい。(そういえば、食の細いお子さんに食べる意欲を持たせるために、介助しながらわざと自分も一緒に食べ、食べるところを見せているお母さんがいました)

●スプーンの導入
・最初から一口分をスプーンに載せない。
スプーンをおかゆにつっこむとスプーンに少しおかゆがくっつく。そのスプーンの先から赤ちゃんにおかゆの味をみさせる。

●食べさせるペースには要注意
著者は食べさせるペースが非常に大事だということを強調している。
これはダウン症の子には特に言えることだと思う。
ダウン症の子は丸飲み・早食いで満腹感が得られずについ食べ過ぎて将来の肥満につながることもよく言われているから。(もちろん、代謝の悪さも関係あるとは思うが、食べ方の習慣もあるはず)

介助するときに何かで時間に追われていて急ぐあまり、赤ちゃんに食べさせるペースが早すぎると、それが一生のパターンになる可能性もあるから要注意、と著者は書いている。
赤ちゃんの中には、ほ乳瓶や母乳飲みの影響で、立て続けに飲み込もうとして早く次のを食べたがる子もいるそうだ。(早くよこせ、と催促する感じ?)そこで親がスプーン食べを通して食べるペースを教えてあげる必要があるということだ。

うちの子も食べるペースが早い。
保育園の交流保育に行っても、いつもクラスで一番に食べ終わっていた。^^;
好き嫌いがなくなんでも食べることもひとつの理由ではあったのだが、やはりペースが早いのは言えている。

今振り返ると、食べさせるペースについては私は無頓着だったかもしれないと思う。
なかなか食事が進まないことには親は心配するが、その逆はあまり心配しないものなのかもしれない。
まださっき入れたのが口の中にあるうちに、次のをすくって口の前で待っているようなこと、していたかも
そうすると子どもはすぐ次のももらおうとしてまだ口の中に入っていても口をあける。そうやって早いペースを作ってきてしまったかな。^^;

この本にも、親が急いでいるときに子供に食べさせるのは控えた方がよいと書かれている。リラックスする静かなBGMをかけ、話しかけながら食べさせるのがよいのだ。

上の長谷川先生は、自分で食べられるようになることを急ぐ必要はないと述べている。
いつかは自分で食べられるようになるのだから、いつか必ずできるようになることを今訓練する必要はないというのである。
それよりも、親が介助しながら、食べるペースや、一口分の分量を教えてあげるのが大事だということである。

うちも、「お母さん、食べさせて」と甘えてくることがあるが、そういうときは「ひとりで食べれるでしょ」と突っぱねずに、食べ方を教えるチャンスと思って私が食べさせている。ひとりで食べさせておくと口の中に食べ物があるうちにすぐに次のをかき込み、口いっぱいに頬張って、よく噛まずに飲み込む、というパターンもまだ見られるからだ。
むしろ進んで介助しているくらい。

ずいぶん前からひとりでは食べられるし保育園ではひとりで食べているのだから、今はそれよりも、今ある好ましくない食事パターンを修正する方が大事だと思ってのことである。

ゆっくり食べさせることが大事な理由
・食べ物の形、大きさ、舌触りを口の中でゆっくり味わうため
・食道が食べ物を効率よく胃に送り込むには時間がかかるから
・脳が胃の中の食べ物の存在を認識するのには時間がかかるため。急いで食べさせすぎると、満腹感がわからなくなる
・・・ということだそう。

●よいスプーン食べのコツ
よいスプーン食べというのは、赤ちゃんにちゃんと上唇を使わせるような食べさせ方だという。

生後5〜6ヶ月になると、赤ちゃんはたっぷり時間をとってあげれば自分で唇を閉じて食べ物を取り込めるようになる。食べ方が進歩してくると、赤ちゃんは上唇を活発に動かすようになる。生後8ヶ月くらいになると赤ちゃんの唇の動きは成熟した動きに向けて発達を始めるそうだ。(ダウン症の子はもっと遅いかな?)
スプーン食べをしているうちに唇の動きは活発になり、あごとは独立した動きができるようになり、舌は上下に動かせるようになる。これは正しい飲み込み方のパターンの前段階である。

このスキルを習得していない赤ちゃんはスプーンから食べ物を取り込むのが難しかったり、唇から余分な食べ物をとるのが難しい。スプーン食べを始めると口から「マ行」の音が聞こえるようになる。

●食べさせ方
・スプーンが赤ちゃんの口の大きさに合った小さいものであること(赤ちゃんの唇に快適にフィットすること)
・スプーンの一口分が多すぎないこと。スプーンの前方3分の1くらいにのせる。
(一口分が多すぎると赤ちゃんが口の中で食べ物を十分に味わうことができない)
・赤ちゃんの口にスプーンの前の方をまっすぐに入れる。スプーンの底は下唇に触れている。スプーンを口の奥まで入れすぎないこと。自分が食べるときにどのくらいまでスプーンを口に入れるかを確認してみるとよい。
スプーンを下唇の上に置いたら、赤ちゃんが上唇をスプーンの上に降ろすのを待つ。赤ちゃんの上唇がスプーンの上に降りたら、スプーンを口から水平に引き出す。

注意:赤ちゃんは唇とあごの動きで食べ物を取り込むので、スプーンを抜くとき、上に傾けたり赤ちゃんの上唇や上の歯茎になすりつけたりしないようにする。このように食べさせられた赤ちゃんは上唇を使っておらず、後に上唇を適切に使うことが困難になることがある。大人でも、食べるときに上唇を使わずに、食べるときに口をきちんと閉じない人がいる。赤ちゃんには顎と唇を使ってスプーンのところで口を閉じる力が備わっているのでそれを練習させる。
自分がそうしていることに気づいたら、ペースをもっとゆっくりにする。

著者のお気に入りのスプーンはMaroon Spoon というもので、カーブが深すぎず、大きすぎないのがよいという。
http://www.talktools.com/maroon-spoon-small-set-of-5/

これは英国で開発された赤ちゃん用スプーンMothercare Spoonを基にして作ったものである。摂食に特別な支援が必要な世界中の子供たちに使われているそうだ。
日本で同じようなものはこれかな?
ハビナース やわらかい介助スプーン マルーン
http://www.kenko.com/product/item/itm_6915585772.html
これでなくても、ともかく小さめのスプーンで、カーブが深すぎないものならよいようだ。

【追記】赤ちゃんの舌が出にくくなる摂食指導用スプーンが開発されました。


もうひとつのスプーンの食べさせ方は、OPTの創始者、Sara Rosenfeld-JohnsonとLori Overlandが開発した方法である。
★唇を閉じる練習・・・マ行、パ行、バ行のために
spoon01
1 赤ちゃんの唇に真横にスプーンを当て、唇の上に載せる。そちら側の食べ物を取り込ませる。必ず唇が閉じるのを待ってから、また横向きのまま真正面にスプーンを引き抜く。

spoon02
2 親の手を返し、スプーンの反対側を赤ちゃんの口にあて、同様にそちら側の食べ物を取り込ませる。(ちょうど大人がスープを飲むときのように)小さいスプーンを使うこと。


★口をすぼめる練習・・・ワ・ヲ、ウのために
スプーンを唇の真ん中から口に対して直角に入れ(つまり今度は横向きではなく縦に入れ)、直角に引き抜く。
(唇がまるまる)
注意:決して舌を押し込まないこと。(←逆効果)
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働く主婦

3人の子持ちです。
ダウン症をもつ末娘の子育て記事と翻訳関連の記事がごちゃまぜになっています。^^;
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