8/31発売のLaplacian最新作、「未来ラジオと人工鳩」をクリアしましたので感想書いてみたいと思います
未来ラジオ01
本作はラプラシアンの第3作目、昨年の「ニュートンと林檎の樹」に続く作品、発売延期をしつつもそれを全力でネタにしていくバイタリティにいつもながらの童貞いじりと、ブレないメーカーですねぇw

今回の感想はのっけからネタバレ込みでいきますので、未プレイの方は申し訳ありませんがブラウザバックをお願いします

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さて本作の総評を先に述べてしまうと、って感じで、中盤までの盛り上げが凄く良くできており、それだけに中盤以降がちょっと惜しい作品でしたね
この「起承」の部分がまさに体験版部分だけに、販売戦術的には大当たりだと思います
とは言え、「転結」がダメダメかというとそういう訳ではなく、各ルートによってグランドルートであるかぐやルートへの伏線に絡みが多いシナリオと、あまり関係ないシナリオとの差が結構あるので、体験版で続きが気になっていたユーザーにはその辺の評価が分かれやすいところかと思います

本作で一番のギミックはまさに「未来の放送を受信するラジオ」で、そのラジオが受信した未来の情報に対して、どう物語が動いていくかってのが核なんだと思います
実際、体験版部分は7/11の23:59に受信したオオゾラ落下によるソラの死っていう衝撃と、その運命の回避こそを目的としてるわけですから

そして7月の間にソラが出会った椿姫や秋奈、そして水雪やイシマルとともにラジオを作り、人工鳩の包囲網を破って運命を変えようとする
同時に1タミで出会ったかぐやへの想いから、ソラは彼女を助けようとする
でも結果として、オオゾラの落下は防げずかぐやは死亡し、そして目覚めたソラの目の前からは放送するための無線機ごと消えてしまう・・・・・・ソラの記憶と声とともに

かぐやの命を犠牲にしてまで止めようとしたオオゾラも落ちてしまい、電波喰いは終わらなかったり、EDロールが流れながらも、それも途中で途切れる
目覚めたソラの記憶が7/10の放送開始時点の状態になっていることからも、この体験版の終わり方全体が、変えられなかった運命を否定し、失われたものを取り戻すための新たなスタートラインを感じさせる作りになってます

ここまでの見事なお膳立てから、望まれるのはやはり可能性を探るための新しいスタートであり、物語の前半を使ってまで達成できなかった目標のクリアだと思いました
では、各ルートごとの「転結」がどのようなものだったかを見てみると・・・・・・

○秋奈ルート、水雪ルート
秋奈と水雪の両名のルートは、記憶を失ったソラと二人が、それぞれに記憶を取り戻そうとしつつも新たな関係性を築いていくルートです
秋奈のルートは、二人でラジオの放送を続けたり、一日の記憶すら保つことができない秋奈と父の関係性など、事故によって失われたものを描いていきます
未来ラジオ02
水雪のルートは、ソラの記憶を取り戻すため、ということで二人が旅行に行くことになりますが、茶魂くんのふるさとに行ったりとここまでの物語の主軸からかなり外れて二人の物語になります
未来ラジオ03
この2つのルートはプレイしててかなり短く感じたのですが、その理由の1つは体験版で盛り上がった謎を解明するルートではなく、早々に各ヒロインとの関係を描く流れに入ってしまうこと、そしてもう1つが、2人とも体験版の段階でソラに気があったのはわかりますし、ソラがかぐやへの想いを記憶ごと失っていたとは言え、結構あっさりと二人と繋がってしまう展開の速さかと思います
ナニを入れて3ピストンでMAXぐらいのスピード感ですかねw

○椿姫ルート
前述の2人のルートに比べると、椿姫のルートはグランドルートであるかぐやルートの前準備として、物語の謎解き・核心に迫る部分が多く、体験版で色々盛り上がったものを一番継承するルートです
未来ラジオ04
オオゾラ落下の日に電波喰いが終わらなかった理由、未来ラジオの特性を使い、過去のソラに対して、人工鳩のアップデートを1分の電波に乗せて送るなど、7月には謎だった部分が明らかになっていく展開は良かったです
敢えてこのルートで思ったのは、大凡恋愛ごとに興味のなさそうだった椿姫とソラがくっつくまでの流れもやっぱり早かったなぁ・・・とw

○かぐやルート
未来ラジオ05
椿姫ルートクリアにより、様々な謎が解けた状態で始まる物語の収束へ向かうグランドルート
ルートの分岐が体験版部分のかなり早い段階にあり、実質7月末までの物語ですが、体験版部分で果たせなかった目的を果たし、かぐやとイチャコラできるというのは当然に良いところですが、グランドルートとしての盛り上がりにあと一歩欠けてしまったところがある様にも思いました、原因は多分、物語の最大の謎を解くのが椿姫ルートだってところですね
かぐやルートは椿姫ルートで得た答えにより、オオゾラ落下をどう食い止めるのか、ソラとかぐやが生きている限り、補助脳として人工鳩を使っている限り、電波喰いが終わらないという問題をどう解決するか、それこそがこのルートの主な展開です
この点についてかぐやルートに入るまでプレイヤーが考える余地があまり無く、その割にはグランドルートの展開の中では、物語の展開が結構速いのもあり、プレイヤーが色々と想像を巡らす余白があまりないのが惜しいところ


完成された物語のルートに個人的な好みをあーだこーだというのは非礼だと承知の上で言えば、8月以降の秋奈と父、事故によって失われたものを描くこと、水雪との旅行、ソラの記憶を取り戻そうとすること、椿姫とともに物語の謎を解くこと、これらは纏めて1つの物語の「転」として3人のヒロイン達とソラとの物語を描きながら、最終的には誰かと結ばれるっていう流れの方が好きかもしれないです
各ヒロインルート部分が相当短くなりますが、どちらかと言えばアフター中心で描く感じでしょうか

ということで、本作は体験版までの盛り上げ、謎の散りばめ方、本編に期待させる高揚と色々な意味で最初が上手すぎましたw
また、荒廃した空港等の空気感、魅力的なキャラクター、ネタをしっかり忘れない茶魂、場面に合わせたBGMや楽曲と全体的にはニュートンと林檎の樹より更に進化したラプラシアンを感じられる作品でした
特に「Wish You Were There」がとても好きですね

ということで、未来ラジオと人工鳩の感想でした