社会保険事務所の混雑についてマニフェスト年金部分検討・自民党

2009年08月03日

マニフェスト年金部分検討・民主党

民主党マニフェスト年金部分

16.年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する
【政策目的】
○年金記録問題の被害者の補償を一刻も早く進める。
○年金記録問題の再発を防ぐ。
○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。
【具体策】
○「消えた年金」「消された年金」問題への対応を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間、集中的に取り組む。
○年金記録が誤っている可能性の高い受給者等を対象に、記録訂正手続きを簡略化する。
○コンピューター上の年金記録と紙台帳の記録の全件照合を速やかに開始する。
○年金記録を訂正した人が、本来の年金受給額を回復するまでの期間を大幅に短縮する。
○全ての加入者に「年金通帳」を交付し、いつでも自分の年金記録(報酬月額を含む)を確認できるようにする。
【所要額】
2000 億円程度

17.年金保険料の流用を禁止する
【政策目的】
○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。
○保険料流用を禁止することで、年金給付の水準を少しでも高める。
【具体策】
○年金保険料は年金給付だけに充当することを法律で定める。
【所要額】
2000 億円程度

18.一元化で公平な年金制度へ
【政策目的】
○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。
○雇用の流動化など時代にあった年金制度、透明で分かりやすい年金制度をつくる。
○月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める。
【具体策】
○以下を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる。
<年金制度の骨格>
○全ての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する。
○全ての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。
○消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。

19.年金受給者の税負担を軽減する
【政策目的】
○年金受給者の負担を軽減し、高齢者の生活の安定を図る。
【具体策】
○公的年金控除の最低補償額を140 万円に戻す。
○老年者控除50 万円を復活する。
【所要額】
2400 億円程度

20.歳入庁を創設する
【政策目的】
○年金保険料のムダづかい体質を一掃する。
○年金保険料の未納を減らす。
【具体策】
○社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体的に徴収する。
○所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する。



それぞれにコメントしたいと思います。
まず根本的に、この内容はこの選挙だから作りました、という内容ではないですね。以前のマニフェストにもほぼ同じ内容が書かれています。政権政党ではないですので、実現化ができておらず同じ話の繰り返しになる、というのはわからないではないですが、少し時代遅れな部分もあるように思います。

16.「一括補償」を実施の件
いずれも実現が不可能なことではないでしょう。
ただし「国民の皆様のご協力があれば」という前提で、です。
年金記録の未統合に関しては、どんなに政府(社保庁)サイドが頑張っても、絶対に限界があります。
御自身の過去の記録がわかるのは御自身のみ、と考えるべきです。仮に社保庁が勝手に統合し、それが間違えていた場合、どれほどの騒ぎになるのか?を想像すれば、容易にわかることかと思います。
まずは、国民の皆様に、年金記録は御自身のものとして自分の責任で確認しなければならないものなのだ、という認識を持っていただく必要があるでしょう。
それ以外に大きな問題として、絶対的に作業人数が必要なことですので、その部分をどうされるおつもりなのか?が疑問です。今後公務員の数を減らすのであれば、なんらかの手立てが必要となります。それをどうされるのか?「【所要額】2000 億円程度」の範囲内で賄えるのか?が問題です。
尚、最後の「年金通帳」が疑問です。現在の年金手帳とどう違うのか?また今後、毎年送られる予定のねんきん定期便との関係はどうなるのか?仮にねんきん定期便をそのまま継続して、新たに年金通帳を作成するのであれば、経費の無駄遣いではないのか?という部分が疑問です。また、わざわざ社会保険事務所へ出向いて記帳するのであれば、実行されない方の方が多いでしょう。ねんきん定期便の方が有効です。

17.年金保険料の流用を禁止するの件
正直言いまして、この件に関しては全く経費はいらないでしょう。現在ある年金保険料を流用させるための法律を廃止すれば良いだけの話です。例えばマッサージチェアを買ったとかという話も、そもそもそういう法律があるからこそ起きた問題であって、そういう法律を無くせば済むだけの話です。

18.一元化で公平な年金制度への件
ここまで全てに「公的年金制度に対する国民の信頼を回復する」と入っているところが笑ってしまいますが…。なぜ年金制度に対する信頼が無くなってしまったのか?を考える必要があるのではないでしょうか。
さて、一元化ですが、そもそも昭和61年の改革の時に基礎年金を導入したのは、全年金制度を一元化させることが目的だったのですが、その後20年以上(その時に生まれたお子様がすでに成人されています!)経っても、実現化できていません。それが何故なのか?を考える必要があるでしょう。
例えば、記録が整理できていないのもその一つでしょう。各制度間での成熟度の違いの問題は大きな問題として存在します。また、共済組合側の協力の問題もあるように思います。これらを踏まえた上での公約なのか、少し疑問に思います。
そして「所得比例年金」と「最低保障年金」ですが、この部分はもう随分前から変わっておらず、もう一度検討し直された方が良いように思います。現実問題として、それらの基礎となる収入(保険料であれば保険収入、税金であれば税収)をどうされるのか?が少なくともこのマニフェストでは不明ですので、このままでは納得がしにくいでしょう。
「最低保障年金」は月7万円ということですが、それでは生活ができる額とは言えず、「最低保障」とは言えないでしょう。もっと違う形の年金制度を考え直す必要があるように思います。
また、生活保護費との関係が述べられていないのも不十分です。

19.年金受給者の税負担を軽減するの件
少し、得票対策的な色合いがあるように思います。
高齢者の税負担を軽減するということが今後どういう結果に結びつくのかを考えると、ちょっと甘いように思います。
少なくとも、収入や資産がある方とそうでない方とで分ける必要はあると思います。

20.歳入庁を創設するの件
歳入庁の創設自体は悪くないと思います。
ただ、その前提として社会保障に関する費用をどのようにするのか?の議論がなければ、単純に取り立て屋を変更しただけの話で終わりかねないでしょう。
社会保障に必要な費用のうち、どの程度を税金で賄うのか?、保険料制度を利用し続ける場合、所得との関係をどうするのか?、そもそも保険料制度である必要があるのか?など、もっと議論を重ねないといけないように思います。

マニフェストはどうしても細かいところまで書くことができないのでしょうが、それでも隔靴掻痒の感覚があります。言っていること自体はそんなに悪くはないけど、でも実際はどうするの?というところが、イマイチ見えない感じです。

puugami at 08:49│Comments(2)TrackBack(0) 年金 

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この記事へのコメント

1. Posted by 国造   2010年01月05日 15:09
 初めまして。ちょっと疑問があったので書き込んで見ますが、最低補償年金を(どーせ税金使ってやるんでしょうけど)設けるなら結局今まで払ってきた人たちの年金は目減りしちゃうんじゃないでしょうか・・・?
 なんか今から保険料払うだけ無駄な気がして来ました、払い損というか・・・。
2. Posted by 大神   2010年01月05日 19:00
国造様
民主党の年金制度の具体案はまだ何も示されていません。
民主党は今までの保険料納付との間で不公平が生じないようにするとは言っていますが、現実にどのように調整をとるのか不明です。
ただ、可能性としてすでに保険料を納めている方は新しい年金制度の対象外(新しく20歳になった人だけが対象)という可能性があります。この場合、新しい年金制度導入時にすでに20歳になっている方は現行制度のままということになります。
もしそうであるなら、今の保険料を納めないということは過去に支払われた保険料をドブに捨てることともなりかねません。
国は、国が規定した通りのことをしない国民は守りません。目先の損得だけで判断されないことが結局は賢い選択となります。十分にお考え下さい。

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