ぷよぱぱの雑記帖

もろもろ、それなこと。

November 2004

タイトル_ピンク

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最初から読む方は、こちら。2回目はこちら。3回目はこちら


 『ビーッ!ビーッ!ビーッ!』
 富士樹海の機密発射口から発進した「オーブクローラー」の艦内に、再び緊急ブザーが鳴り響く。
 ただちに、秘書ロボット『タンタン』が状況を伝達する。
『サテライトZ ヨリ 緊急連絡!
 衛星軌道上ニ 重力波ヲ 検出!
 何カ 巨大ナ 物体ガ 亜空間カラ ダイブ・アウト シテキマス!!』


 虎ケン司令が問い返す。
「幻魔城ではないのか?」
『タンタン』が否定する。
『幻魔城ノ 数百倍ノ 質量ガ アリマス。
 侵入物体ノ 実体化ヲ 確認シマシタ。
 サテライトZ 高性能スコープ 展開シマス。
 物体ヲ 映像ニテ 捕捉。
 映像 ハイリマス。
 スクリーンヘ 接続・・・ 出マス!』


 タンタンの声と同時に、スクリーンに映像が出る。
 下の方には、青い地球が写し出されている。
 スクリーンの上方から何かが実像を結びながら映りこんでくる。
 段々と鮮明になるその物体は・・・幅が数十キロあろうかという・・・銀色に輝く・・・巨大な円盤母船!!

「な、なんだこれは!」
 思わず、絶句する虎ケン司令。
 そこにタンタンの声が入る。
『物体ガ コノ通信ニ 介入シテイマス!
 防壁 破ラレマシタ!
 映像 デマス!!』


 画像が突然乱れ、人影のようなものが像を結ぶ。
 そして全く感情が感じられない声が流れ出す。

 「息子ヲ 返シテ モラオウ!」
母船・改





★このgifアニメーションは、YORODUYA.BOXさんの許可を得て借用しています。
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タイトル ブルー

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最初から読む方は、こちら。前回、見逃した方は、こちら


 『ビーッ!ビーッ!ビーッ!』
 緊急ブザーが鳴り響く。
 秘書ロボット『タンタン』の声が、「オーブクローラー」の艦内に響く。
「高出力 エネルギー波ヲ 検出 シマシタ。
 検出座標 22,13,15,10。
 玉猫町 三丁目付近 デス。」


 すでに、「オーブクローラー」の指揮台に陣取っていた虎ケン司令叫ぶ。
「ネズロンか?」
『タンタン』が即答する。
「ネズロン反応 認メラレマセン。
 オーブ ノ 波動 ニ 酷似シテイマス ガ、当方ノ モノトハ 一致シマセン。
 解析中デスガ 亜空間ヘノ 通信 ノ 様デス。」


「了解!
 亜空間へ通信したとなると、ネズロンが絡んでいるかも知れんな。」
 虎ケン司令は、少し考え、次の指示出す。
「戦闘状況 レベル3へ移行!オーブファイブ緊急召集!
 玉猫町に直行せよ!
 オーブクローラー、発進して玉猫町上空にて待機!」
格納庫内のオーブクローラー
「了解。
 オーブクローラ、緊急発進準備。」

 オーブクローラーが格納されている巨大な地下格納庫に、照明が灯り整備員が駆け出す。
 発進の指示に続き、『タンタン』は、オーブファイブの召集を開始する。
「オーブファイブ 各員。コチラハ タンタンデス。
 戦闘状況 レベル3。
 玉猫町ニ 急行 シテクダサイ。
 座標ハ 22,13,15,10。」


『タンタン』の召集に対して、次々と返事が返る。
『オーブレッド、ラジャー!』
『オーブブルー、ラジャー!』
『オーブピンク、ラジャー!』
『オーブイエロー、ラジャー!』
『・・・・・・・・・・』

 パープルからの回答が無い。
『タンタン』が、もう一度呼びかける。
「オーブパープル。
 指令ヲ 確認シタラ 返答願イマス。
 コチラハ タンタン デス。」

『・・・・・・・・・・』
『タンタン』が、虎ケン司令を振り返る。
「オーブパープル カラ 応答 アリマセン。
 パープルのオーブ反応モ 微弱デス。」

「オーブクローラ、発艦急げ!
 イエローに指示し、パープルの所に・・・」
『もう、向かってるだよ!』
 マルの声が飛び込んでくる。
「マル!反応があるので大丈夫だとは思うが、急いでくれ!
 ネズロン反応の件もあるから、気をつけるんだぞ!!」
『ラジャー!』

 マルに指示を出し終わると同時に、発進準備が出来た事を『タンタン』が伝える。
「外部ゲート、開放完了。
 付近 ニ 障害物 ナシ。
 発進 デキマス。」

「よしっ!オーブクローラー、発進!」
「オーブクローラー 発進。」続きを読む

タイトル イエロー

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最初から読む方は、ここ


 再び、舞台は亜空間に浮かぶ幻魔城。

「ドウイウ事ダ!ソレハ!」
 機械的な響きにも関わらず、明らかに怒気が感じられる声が、スクリーンから発せられた。
 そのスクリーンに向かっているのは、当然、淑大僧正である。
「い、いや、必死で交渉をしているのだ。
 しかし、地球の奴らもしぶとくてなぁ」
 平静を装っているが、明らかにその声には、焦りがある。

「シブトイモ、何モ、先日マデハ、息子ハ、無事ダト、言ッテイタデハナイカ!
 ソノ言葉ヲ信ジ、我々ニトッテモ、貴重ナ『タマテクト』ノ準備ヲ進メテイタト言ウノニ。
 今日ニナッテ、マダ、連絡ガツカントハ!
 コンナ事デハ、『タマテクト』モ、オマエタチニハ、任セラレンナ!」

「い、いやっ!『タマテクト』が無ければ、交渉できん!!
 是非、是非それを先に・・・!」
 淑大僧正の声に、哀願の響きが混じる。
「ナラン!
 後、1日ダケ、マッテヤル!
 明日マデニ、我ガ息子ノ無事ガ確認デキナケレバ、我等ガ、直接、地球人ヲ
 タタク!
 解ッタナ!!」

 淑大僧正が、有無を言う暇も無く、通信は切れた。
淑大僧正
 淑大僧正の顔が、恐ろしく歪む。
「くそぅ!流れ者の癖に・・・!
 今の通信を秘密回線に切り替えてよかった。
 皇帝陛下に聞こえたら、大変なことだ。
 わしの企みも・・・。」
 ぶつぶつ呟きながら、淑大僧正は、手元の杖に仕込まれた通信機のスイッチを入れる。

「サターンネズー!」
『ハッ! 淑大僧正さま!』
「状況を報告せい!!」
『はい。何とか逃げ出した小僧の痕跡を捕まえました。
 どうも、日本に下りたようなのですが、どうにも不鮮明で・・・。』
「ぐぅぅっ!よりによって、オーブの連中のソバに行くとは。
 兎に角、そこへ行って探すのだ!!」
『ははっ!仰せのままに。』
「急げ!時間は無いぞ!!」
 淑大僧正は、スイッチを切り、押し殺した声で言う。

「どうしても、どうしても小僧を手に入れ、『タマテクト』を奪わねばならん。
 そうせぬと、ワシが・・・。」続きを読む

 折角、金曜の夜時間が空いたのに、こんな日に限って誰もいない。

 一人で飲みに出るのも癪なので、たまには自炊することにした。
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タイトル_パープル

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 亜空間に浮かぶ幻魔城。
 ネズロン帝国の全てが、この浮かぶ巨大要塞の中にある。
 その中の一室で、ネズロン地球侵略の全権指揮官である淑大僧正が、何者かとスクリーン越しに話している。
 亜空間内で受信しているためか、スクリーンにはぼやけたシルエットしか映っていない。

亜空間の幻魔城「・・・ソレヲ 準備 スレバ 良イノダナ。」
 スクリーンの向こうから聞こえる声も、機械的で抑揚の無い声だ。
「そうして頂けるとありがたい。
 わしらでは、そんなに大量に準備するのは大変じゃ。
 準備さえしてもらえれば、ご子息は、必ず我々が取り戻して差し上げる。」
「本当ニ ソノ連中ガ 連レ去ッタ ノカ?」
「もちろん、間違いはない!
 われらの監視網が、偶然、貴殿の船とそれから飛び出されたご子息のボートをキャッチしたのじゃ。
 急いでお知らせし様としていた矢先に、奴らに捕獲されてしまったのじゃ。
 全く、非道な事をする連中じゃで。」

「ソイツラ ト 直接 話ヲ スルノハ・・・。」
「おお、止めなされ、止めなされ。
 確かに、貴殿の方が武力でも勝っておろうが、何分、こんな事を仕出かす非道の連中じゃ。
 ご子息の身を案じなさるなら、連中と長年渡り合ってきた、我等に任せたほうが間違いない。」
「・・・ワカッタ。デハ 息子ヲ タノム。」
「お任せくだされ。その代わり・・・。」
「心配スルナ。 間違イナク ”タマテクト” ハ 届ケル。」
「よろしくお願いしますぞ。
 明後日の夕刻までに。」
 淑大僧正は、そういい残すと、通信を切った。

 そこに、不気味な声が鳴り響いた。
『大丈夫なのであろうな?
 淑大僧正!
 あのような、流れ者を引き込んでも』

 淑大僧正はひれ付する。
「これは!邪魔皇帝陛下。
 大丈夫でございます。
 奴らの力を利用し、タマテクトをせしめ、あわよくばオーブファイブに戦いを仕掛けさせる手はずにございます。」
『解った。
 抜かりの無い様にな。』

「ははっ!」

 辺りから、皇帝の気配が消えると、淑大僧正が呟く。
「ぬかる筈など無いわ。
 やつらの息子は、こっちが押さえておるのだからな。」
 そこへ、一人のネズロン兵が走りこんできた。
「淑大僧正様!大変です。ちょっとお耳を・・・。」
「どうした!」
 ネズロン兵に耳を傾け、なにやら話を聞いていたが、やがて顔色が変わった。
「なにっ!」
 今にも、怒鳴りそうな形相になりながら、淑大僧正は急に怒りを押し殺した小さな声で、ネズロン兵に告げた。
「この事は、内密に処理せい。
 余計な者には話す出ないぞ。
 もちろん、皇帝陛下のお耳に入るような事があってはならん。
 解ったな!」
「チュチュー!」
「よし、わかったら、さっさと探しに行け。
 急いでみつけんと、大変な事になるぞ・・・。
 それから、サターンネズーにわしの所へ来るように伝えろ!」
「チュチュー!!」
 走って出てゆくネズロン兵を見ながら、淑大僧正は苦々しい顔で呟いた。
「全く・・・どうしてこうも、役にたたん連中ばかりなのだ!!」
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最初から読みたい方は、ここ


 その頃、竹輪島の桟橋には、迎えのクルーザーが到着し、残った撮影クルーたちが、撤収の準備を進めていた。
 また、ベーステントの前には、オーブスカイが着陸しており、テントの中でオーブレッド・ミキが謎野、馬場と話している。

「カオリちゃんから緊急ビーコンが入ったのが、30分前なんですね。」
「いや、正確には、『駆動静香初号機』が自動的に発進した緊急ビーコンなんで、カオリちゃんが直接送ったんではないんですわ。」
「・・・工藤・・・?」
 ミキがキョトンとした顔で馬場を見る。
 慌てて謎野が割って入る。
「いえ、気にしないでいいっす。
 カオリさんの使っていた水中スクーターは、そのまま2時間放置された場合に、操縦者に異常が起こったと判断して自動的に緊急ビーコンを送って来るんです。
 ですから、ビーコンを受けたときから2時間以上前に、カオリさんの身に何か起こったと思われます。」
「じゃあ、急いで空から付近を捜索して・・・。」
「いや、下手に動くと逆にネズロンを刺激しかねないっす。
 幸い、水中スクーターに損傷が無い様なので、自動帰還モードに切り替えましたから、まもなく帰ってきます。
 自動的に行動中に周囲の画像や音声、会話を記録する仕組みなので、それを見れば何が起こったか解るっすよ。」
 その時、謎野が見ていたノートPCが「ポーン」と軽快な音をたてて、アナウンスが流れる。
『オーブクローラーより、入電。回線、開きます。』
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ead3046a.jpgより、抜粋・・・

『さて、次に紹介するのは、「オーブブルー 猫澤 ユウカ」を演じる神宮寺みすず (17)
 ちゃんだ。 

 みすずちゃんが、去年の「美少女探せ!コンテスト」の優勝者だというのは、
 「ザ・テレビログ」の読者の諸君は知っているよね?
 コンテストの優勝特典として撮影された映画「日本の辺境で恋に落ちる」の繊細な
 演技で各界からの賞賛を浴びて、一時期は雑誌にもテレビにもみすずちゃんの出ない
 日は無かったんだけど、ある日突然、「構わないで下さい。」のコメントを残して、
 一切のメディアに出なくなり、もう、引退したのか?ともささやかれていた。
 今回は、その噂を吹き飛ばす形での出演で、1年半ぶりのテレビ復帰である。』

 神宮寺みすず。

 本名 神宮寺 美鈴。
  彼女は才能に満ち溢れていた。
  その彼女に、映画、テレビ、雑誌のつわものが群がり、彼女の才能を貪るように
  吸い出そうとしていた。
   しかし、彼女の精神は、そんな変化に悲鳴をあげ、彼女は全てを捨てて引き
  こもった。

   しかし、世間が彼女を忘れ果てたと思われた頃、一冊の台本(ホン)を持って、
  一人の男が彼女の前に現れる。
   男は言った。
   「こんどは、ちゃんと自分自身で勝負してみないか?」続きを読む




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最初から読む方は、こちら。 【その2】を読んでないよぉという方は、こちら


「それにしても、このウェットスーツ、変わってるわね。
 こんなに薄くて、大丈夫なの?」
 カオリの言葉どおり、謎野から渡されたウェットスーツは、通常のものに比べて極めて薄く、体に密着していた。
 色も黒いし、顔の部分だけぽっかりと出ているので、まるでコントで使用される「もじもじ君」型の全身タイツの様である。
 謎野が笑いながら答える。

「強度は問題ないっすよ。
 むしろ、普通のウェットより強い位です。
 色は、ステルス性を高める塗料を練りこんでいるので、きれいな色は出ないんす。
 ちょっと、格好悪いですけど、勘弁してください。
 虎ケン司令は気に入って、2着も持って帰ったらしいっすよ。」
「ふーん、そうなんだ。
 虎ケン司令がスキューバやるって話は、聞いたこと無いけどなぁ。
 ま、いいか。
 で、水中スクーターは?」
「こっちっす。」
 謎野が桟橋の下に止めてある、これも黒塗りのマシンのところに案内した。
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