「三都を追うものは一都も得ず」の予想通り、「希望の党」は東京でも惨敗した。「緑の狸」は、「私自身におごりがあった」と、あたかも反省の弁を述べているかのようであるが、「希望の党」から排除されて立憲民主党から立候補した人には刺客を立たわけであるから、これは「おごり」ではない。「本音」なのだ。

 

 マスコミは「自民党大勝」、「自民と公明で2/3」、「立憲民主党躍進」、「希望惨敗」等とかき立てているが、今回の選挙の最も重要なポイントは公明党が改選前の34議席を5議席も減らしたことである。小選挙区では神奈川6区で上田氏が立憲民主の青柳氏に約3,500票差で敗北した。小選挙区で落としたのはこの区だけであるが、北海道10区では稲津氏が当選したとはいえ、次点の立憲民主の神谷氏とはたったの500票差である。比例でも4議席を減らした。公明党が20議席台になるのは民主党が圧勝した平成21年の第45回衆議院選挙の時以来である(https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2017/ kisochishiki/history.html)。この時は投票率が69.28%にもなったので、「創価学会」の固定票に依存する政党としては議席減は当然のことであった。その後の選挙では31議席(投票率59.32%)、前回は35議席(投票率52.66%)と、投票率が落ちれば相対的に公明党の票の割合は多くなり、議席を取れてきた。ところが、今回は台風が来て投票率が53.6%と前回選挙に次に低い投票率であったにもかかわらず議席を減らしたのである。

 

 公明党が後退した理由は何か?やはり安保法制や秘密保護法等、宗教人の観点からは問題である自民党の強行政策にどんどん賛成していったためであろう。お膝元の創価大学においてすら、その政策に公然と反旗を翻すものも現れている。安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会」(http://sokauniv-nowar.strikingly.com/)。大阪の婦人部のおばちゃんはさておき、創価学会の中でもインテリ層は、政権の座にしがみつく公明党の政治を嫌う人たちが現れているのだ。

 

 安倍総理を忖度する輩は多いが、それ以上に公明党を忖度する「ハイエナ」も多い。「緑の狸」しかり。「しがらみのない政治」を標榜している「維新の会」も例外ではない。大阪選挙区を見ればそれがよくわかる。大阪選挙区は「維新の会」の地元(「地元」というより、今となっては「そこだけが地盤」)であるが、公明党が立候補している大阪3区、5区、6区、16区では「維新の会」からの立候補者はいない。兵庫2区、8区も公明党が立候補しているが、維新からの立候補はない。

 

 この選挙の結果を受け、公明党(創価学会)内ではかなりの議論が起こっていることだろう。自民党が大勝したので、憲法9条の改訂に向うように言われているが、公明党が難色を示す可能性は極めて高くなっていると私は考えている。

 

 選挙で自民党が大勝しても、憲法9条改訂を止める方法はある。公明党をターゲットにすべきなのだ。

 各社の世論調査から、希望の党の失速は明白となってきた。「三都物語」からは、愛知県の大村知事が抜け、代わりに河村名古屋市長が入ったようだ。そもそもこれらの都と府と県では規模も、抱えている問題も大きく違うし、都知事と府知事は国政レベルの政党の党首であるが、愛知県知事は政党を持っていないのだ。話が合うはずもない。

 

 小泉氏が「郵政選挙」に勝ったのは、第一に目的が「郵政民営化」の一つであったこと、第二に「覚悟」があったことだ。それに比べて小池氏は「安倍一強を倒す」という目的に絞ることができず、「憲法改正」や「安保法制」へ「色気」を出してしまい、争点を「反安倍」一本でなくしてしまった。そして、衆議院選挙に出馬するかしないかについても、都民の反応を見てしまった。「最初から出馬する気はないと言っている」と言いはっても誰も信じないだろう。都民から非難されても、自分は信じる道を進んで討ち死にしてもかまわないという小泉氏のような「覚悟」はなかった。

 

 衆議院選挙が終われば、小池氏と前原氏が「戦犯」として批判されることだろう。そして小池都政への批判はますます強まるだろう。結局、小池氏は国政政治家としてはほぼ終わってしまった。

 

 私は、小林よしのりは嫌いなのだが、どうも同じことを言っているようだ。右翼の小林氏と同じ意見に到達するということは、これがアウフヘーベンということか。

 政治的な話はこのブログのタイトルには合わないので、今まで触れることはほとんどなかったが、今はある面では戦後民主主義の最大の危機であるようにも思えるので意見を載せることにした。

 

 森友学園と加計問題で窮地に陥っていた安倍首相が「大義無き解散」を行った。「弱虫な右翼」である安倍氏であるが、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法、安全保障関連法案と、続々と強面路線を押し進めてきた。この安倍氏のタカ派路線に最大に貢献したのは公明党であろう。私は、創価学会という宗教を母体にしている政党なので、安倍氏のタカ派路線にはむしろ反対し、歯止めとなってくれることを期待していた。しかしながら実情はまったくその逆だ。まるで駄目男にすがりつく女のように、自分のプライドを捨て、殴られても蹴られても、ただ単に捨てられない(権力の座に残る)ためだけにしがみついている。公明党と創価学会の人たちに尋ねたい。あなた方の心の中には本当に「仏様」はいるのですか?あなた方の頭の中には「現世利益」しかないのですか?宗教を信じる者として「恥を知れ」と言いたい。

 

 解散によって、安倍氏のタカ派路線を修正してくれる政党の躍進を期待したが、それは「緑の狸」の小池氏と、「言うだけ番長」の前原氏によって、もろくも崩れ去った感がある。小池氏は安倍氏よりもタカ派であり、さらに「忖度」どころではなく、「独裁者」である。通常、独裁者は自分の利益のためだけでなく、それなりの「目的」があるのだが、彼女はタカ派思想以外に「ビジョン」や「目的」など持ち合わせていない。唯一の目的は総理大臣となることだけだ。彼女が語る「ビジョン」や「目的」は、彼女が目指しているものではなく、単に「大衆受け」するから言っているに過ぎない。「緑の狸」は究極のポピュリストだ。

 

 小池氏は都知事となる時に、都庁の意思決定の「ブラックボックス」を批判し、「情報公開」を売りにしたが、それが単なる「人気取り」であったことは、当初から小池氏を支援してきた音喜多氏や上田氏が「言論統制をされた」「都議としての活動を制限される」という理由で都民ファーストの会を離党することからも明白であろう。小池氏の語る「しがらみの無い」とは、単に「自分に逆らったら、どんなに助けたくれた人でも平気で手のひらを返す」という意味に過ぎない。逆らった前議員には刺客を立ててとにかく潰す。彼女自身も小泉氏の「郵政解散」の時の刺客となったわけであるが、それは単に自分の名前を売り、評価をあげるためだけだった。そこには、「信念」や「信条」といったものは存在しない。

 

 「緑の狸」は非常に危険である。東京都民の皆さん、もう騙されないようにしませんか。国民の皆さんも。

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