河野太郎氏のツィッターによると「内閣府に競争的資金に関する問題に対応するチームが設営され、科研費の申請書及び科研費をはじめとする競争的資金に関する問題提起が内閣府の窓口に寄せられると、実現可能なものについては対応し、対応できないものについてはその理由が明記されることになっています」ということなので、私の提起をしてみたい。

 

1.競争的資金の統一

 バイオ系の研究費は文科省科研費以外にもAMED、科学技術振興機構(CRESTERATO、さきがけ等)、厚労省科研費等から資金が得られるようになっているが、これらのソースから比較的大型の研究費(年間500万円以上)を複数獲得している研究者がいる。プロジェクトが本当に異なればまだ理解できるが(実際には、大きく異なるプロジェクトを一人の人が主導するのは不可能に近い)、実質的に同じ研究で複数の大型予算を獲得している場合があると思われ、また複数の報告書に記載される発表論文は「使い回し」されていると思われる。米国におけるNIHのように、バイオ系の研究費は統一し、限られた予算を効率的に分配する仕組みを作るべきである。すぐにできる策としては、すべての競争的資金獲得について統一したデータベース作り(現在は文科省科研費と厚労省科研費はあるが、他のものはないと思われる)、一人の研究者が獲得している研究費の総額がどのくらいかを第三者がわかるようにすれば研究費集中への抑制効果が期待できる。

 

2.比較的大型の研究費(年間500万円以上)申請における引用論文の使用について

 有名雑誌に発表された一つの論文を、複数の申請者が「業績」として引用して複数の比較的大型の研究費を獲得している例が見られる(例えば、第一著者の助教・講師が若手研究Aを申請し、責任著者である教授が基盤ASの申請にその論文を引用)。年間500万円以上の研究費を申請する時には、発表論文は一人しか使えない(つまり、第一著者が論文を引用したら責任著者は引用できない、あるいはその逆)ようにすべきである。

 

3.比較的大型の研究費(年間500万円以上)に対する事後評価

 文科省科研費申請においては多くの研究者が審査員として評価を行っているが、事後評価は限られた大型研究費でしか行われておらず、またその事後評価はまったく活かされていないと言っても過言ではない。実際事後評価で、指導者としての資質について厳しい批判がされ、研究成果についても投下した金額の大きさに比べて見劣りがあったとまで酷評された人が、再度同じ大型研究費を獲得した例がある。比較的大型の研究費については、申請と同様に複数の審査員で事後評価を行い、成果が出ていないと評価された場合には、次の研究費申請に反映させたり、獲得した研究費の減額(事後評価の段階では既に次の研究を獲得していることが多い)等を行うべきである。