高熱や発疹(はっしん)などの症状が現れる麻しん(はしか)のワクチン接種率が伸び悩んでいる。2006年度からの予防接種対策強化で患者数は激減、国際的目標である「排除」(流行のない状態)の実現へ一歩踏み出した。しかし、今年度は新型インフルエンザの影響もあり、接種が進まず、「このままではまた増える恐れがある」と関係者は危機感を強めている。
 はしかは重い感染症で、脳炎や肺炎を併発して死亡することもあり、感染力は非常に強い。ワクチン接種率95%以上で排除が可能とされ、先進国の多くは達成済みだ。
 しかし、接種率の低い日本では散発的に流行が続き、海外で感染させた例もあり、「はしか輸出国」として批判を浴びた。
 厚生労働省は12年までの排除を目標に、1回だった定期予防接種を06年度から1歳時(第1期)と小学校入学前(第2期)の2回に変更。その後、若者の間で流行が起きたため、経過措置として12年度まで中学1年(第3期)、高校3年(第4期)も定期接種の対象とした。
 この結果、国立感染症研究所の調査による09年の患者数は741人で、08年の1万1015人から大幅に減少した。
 しかし、昨年12月末時点で、年度末集計の第1期を除く三つの時期の接種率は、前年同時期と同水準かやや低い。特に、9月以降の伸びが停滞している。感染研の担当者は「現場が新型インフル対策に追われた影響があるのでは」と話す。 

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