大切な生活

よくみえた 十七年忌 ハスの寺

            閑栖
自分で電話され、「姉の十七年忌」
に見えた。
このご夫人の中に「仏さま」が見
えた。
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寺はハスが毎朝咲いていた。
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早朝五時過ぎに、私の携帯が鳴っ
た。
かわいがっていた「ボーダーコリ
ー」が亡くなって、一夜眠られな
かったようである。
朝早くから引き受けることにした。
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「禅の修行」をしてから、「禅僧」
である。
禅僧として六十年間。

禅僧は利用できるものは、何で
も使わせてもらうし、今は自由
に生きている。
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「これはしない」というものは、
もうとっくにしない生活になっ
た。

今やっているものが、これから
もやり続けるであろう。
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こうして一歩歩くごとに、自覚
を新たにする。
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素晴らしいものは、すべてこの
体も含めた自己の内側にあるの
である。
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一生を退屈しないよう生きる

生き抜いて 今年も土用 迎えけり

             閑栖
一生を退屈しないよう生きるのが、
この世を生きることである。
七月二十日は「土用入り」である


私が草を払うと、お客さんの需要
がある。
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もう、梅雨明けから雨が降って
いない。
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庭の「砂苔」さえ、横に広がろ
うとしない。

少し「砂苔」を補充した。
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「ハス」に、ほんの少し肥料を
施して、散水した。
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「卵サンド」に「ツナサンド」
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それに「サラダ」
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トコロテン、私の昼食。
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体が欲しがるものを補充して生
きていると、これもまた楽しい。
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迂回し旋回し回帰し飛翔する

横に生き 正面に生き わが青春

            閑栖
「禅の修行」は頭を剃って、横に
歩くように思ったが、次第に正面
に向かって進む方法を教えてもら
った。
IMG_7833 - コピーすぐ僧にはならないで、教師
     になったけれど、「禅僧へのあ
     こがれ」は強かった。
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「湛堂老師」から、僧としての
清らかさを教わり、老師のとこ
ろまでたどり着けないで生きて
いる。
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作務を続けて六十余年間。
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「煩悩は渋柿の渋」である。

「干し柿」は甘いが、渋そのも
のが甘くなったものだ。
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最初から「甘柿」よりも、はる
かに、はるかに甘味や滋養が増
しているようにおもうけれど・
・・?

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和を重んじて

思っても いなかった方 この夏も

            閑栖
亡くなった「ボストンティリア」を
抱えてご夫人が見えた。
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「私は実家が橘町の釈迦寺です」
と言って、武雄町から見えた。
いつまで「ペットが亡くなると、
この寺」と言っていただけるだ
ろうか。
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いつの間にか「和」を重んじて、
お客さんと暮らすことになった。
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「和え物」を見れば明らかなように、
人は他人と接することで、思っても
いなかった味をだせる生き物な
のである。

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一日の予定がびっしり詰まってい
て、「もうゆっくり電話で話す余裕
はあるもんね」と思った。
夕方から散水を続けている。
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寒蘭に「花芽」も見え始めた。
これは「新芽」
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「紅花ウバユリ」は
もうこの色でよいとしよう。
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我が身に起こること

文月に 咲く花みなが 文ひろげ

           閑栖
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七月のことを「文月」という。
大学の頃に読みあさった小説が、
その後の人生に展開していった。

禅の修行のとき、「湛堂老師」は
「禅を俳句で説く老師」であっ
た。

私は俳句を詠むこともなく、小
説を書くこともなく、過ごして
きた。
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そして、「今まで身に起こるこ
とはすべて自分を学ばせ、深め
るために起こる」という、揺る
ぎない「信」を持つようになっ
た。


この「信」によって、どんな
災難も苦渋も味わい深い旨味
と、大きな流れに身を委ねる
人生のはじまりである。
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みんな不完全

今降りた 車のタイヤ 蝉のぼる

             閑栖
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仕事が終わって、買い物に出かけた。
帰ってきて、散水を終えて、プール
に出かけようとした。
タイヤに「蝉の抜け殻」と思った。
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いや、動いていた。
蝉は生きていた。
「この車には乗れない」と思った。
別の車にした。

プールから帰って、「脱皮」がど
こまで進んでいるのか、見えなか
った。
今、写真で確かめた。
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「全ては変化」し続けている。
「不完全」だから変化する。
私も宇宙も「不完全」だから
「縁起」によって変化し続けて
いる。


「我も空」
「我は固定的実体はない」
パーソナリティーなど、仏教は
認めない。
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私はいっときオシッコが出過ぎて
困っていた。薬をもらって、夜間
の尿の回数が減った。
いつの間にか、まったく尿が出
なくなった。
二日間苦しんで、「腎不全」とな
り、終わりかと観念した。
それが、今は回復している。
意識している以上に「変化」し
続けている。
これが「生きている」というこ
であった。
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「固定的な自己」というのは、
仏教的にはナンセンスというこ
とである。


「紅花ウバユリ」色が薄くなっ
た。
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どうしたことか、寺の「自然の
白ウバユリ」に少しだけ紅が
見えた。
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「原始ハス」が、紅が濃くなっ
たように思う。
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寒蘭も、長い期間かかって、
色は変化していく。
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我も宇宙も不完全。
「空」である。
「縁起」によって、変化し続け
ている。

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すべての命に平等な価値

咲く蓮は 目立つよう色 工夫して

             閑栖
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植物には「眼 耳 鼻 舌 身 意」
という六根に分かれる以前の、総合
的で根源的な感覚があるという。
「ダーウィン」は、このことを
最後まで捨てていない。
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動物は、中枢神経の末端を肥大化
して脳を作っている。
その感覚を器官によって分化した
動物は、植物より退化したのかも
しれない。
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花は虫が気に入るような匂いを
発し、感触まで作り出すと云わ
れる。
花の色は環境の中で目立つよ
う決まってくる。
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ふたりで迎えに行った。
特急電車が追い越して行った。
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あちこちで樹木が枯れかけてい
た。
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樹木や寒蘭に散水した。
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夕方七時過ぎから仕事が入った。
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「すべての命に平等な価値」を
お感じになった世尊について、
「空」を「空」のまま感じる
能力かもしれない。
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自己の拡張

運転す 道の両脇 青田波

          閑栖
夏の青空の中を運転していた。
青田の中に風が吹いてきて、稲
はうねうねと揺れて、緑の海に
波が立ったように見えた。
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剪定が終わった、寺の庭の間
の「参道」を帰ってくる。
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「一日為す」ことができると、
私の心は穏やかである。
「新しいことに、毎日チャレン
ジすることで、能力も目覚める。
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もう三ヵ月間、月に一回、総合
病院に通って、まだ私の身体は
回復していることを知った。
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自分で自分をみくびらないで、
挑戦すれば、新しい世界が拓け
てきた。

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終着のない道

一日の 今を楽しみ ハス開く

           閑栖
朝起きて、開いている蓮の花を
見ることを楽しみにしている。
白蓮の一重が開いた。
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ウバユリの花芽が三つに分か
れた。
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「穂の舞」という米を作って
います。この品種は売ってい
ません。和尚さん、持ってき
ます」
ということで、いただいた。
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かみがいのあるご飯を、夕食
でいただいた。ちょっともち
米に近い。
おいしい。
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「禅とは、終着のない道」で
ある。


家族と、住職と私で、「今を
味わい尽くしている」
私が、毎日やっていることも
多い。
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趣味(私で終わるもの)
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寺の境内の管理、これはずっ
と続いていくものである。

「涅槃の管理」
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草を払い、散水、消毒と、
夕焼けを見つめながらも
続いていく。
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「我慢して時を過ごすのは、
重大な時間の殺生である」
と、つくづく思う。

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人の歩むべき道

歩む道 自らと法 賞味せよ

         閑栖
人として歩んでみて、「あくまで
尊重しなくてはいけないのは「自
分を信じることと、世界を通貫す
る法則」である。
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当寺の「方丈」を畳を変えて整え
た。床の間の書は「碧巌録」から、
「湛堂老師」に懇願して書いてい
ただいた。もう58年前である。
「禅の修行」を引くときである。
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一日の仕事をすすめ、区切りがつ
いたので、「梅雨明け後」の樹木
に薬剤を散布しようと思った。
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車を運転することは、私は「大
きな車」で、ちょっと緊張した
ほうがよかった。
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助手席には、必ず住職が乗り、
アイサイトが付いている車に
乗る。
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「樹木に薬剤散布」数時間。
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これで今日の仕事は終わりに
するつもりだった。
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それが、8時から仕事が入り、
終わったのは10時を過ぎた。

自分をとことん信じて生き抜
きたい。
「自燈明 法燈明 じとうみ
ょう ほうとうみょう」とい
う言葉、人が「こうしたがよ
いですよ」では、もうない。
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