「光陰箭(や)の如し、時、人を待たず」
まさにこのとおりである。
庫裡の畳が新しくなった。
古い畳20枚を廃棄するために運んでもらった。
住職も一緒した。
「今日はどうしてもきつい.つらかった」
こんな朝ははじめてである。
大型犬を有田まで迎えに行くことも、荼毘に
することも、住職がやってくれた。
やっと座布団を干すことができた。
六十歳から、今日まで早かった。
昼食はソバを食べた。
数年前にペット葬に見えた方から、佐賀県白石町の
「レンコン」をいただいた。
なかなか花が咲かなかった。
今年はどうかな? 多めに固形油粕をやっている。
水は毎日二回はやる。
ミカン「はるか」に実がついた。
「仏手柑」
いくつもの芽が伸びだした。
死んではいなかった。
「 念々に明日を期することなく、当日
当時ばかりと思ふて、只、今日ばかり存命のほど
仏道に隋はんと思ふべきなり」 道元のことば。
この言葉は重い。
「寸陰惜しむ人なし。一銭軽しといへども、
これを重ぬれば、貧しき人を高める人となす。
されば、一銭を惜しむ心切なり。刹那覚えずと
いへども、これを運びて止まざれば、命を終わる
期(ご)忽ちに至る。されば道人は遠く日月を惜しむ
べからず。
唯今の一念、むなしく過ぐることを惜しむべし。
吉田兼好「徒然草」より
こつこつ働いて、働いて、10年間で「ペット霊園」の
設備と「納骨壇」「ペットの墓」数千万円を造れた。
草を刈り、残りの時間、働いて働いて、
本堂再建の、私の寄進額を数千万円作ろうとしている。
「時 人を待たず」
明日 朽ちるとも、当日 当時ばかりと思い
過ごしたいと思う。
つらかった今日も暮れた。
柱にペンキを塗ろうとして、白壁を汚してしまった
あとを見た。