沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題で、普天間飛行場が米側から返還された後も防衛省・自衛隊が管理する案が政府内で検討されていることが5日、明らかになった。台湾海峡や朝鮮半島で有事が発生した際には米軍の緊急時使用を認めることで、抑止力の維持を図る狙いがある。ただ、平成8年の普天間返還に関する日米合意以来の協議を根底から覆すことにつながりかねず、地元などから反発がでることも予想される。

 複数の政府関係者によると、普天間飛行場について平成26年を目標にする代替施設完成後も閉鎖せずに、防衛省・自衛隊の管理下に置くことで滑走路を使用可能にしておく方策が検討されている。

 また、自衛隊が使用している那覇空港(那覇市)は民間機との共用空港のため手狭になっていることなどから、同空港から海上自衛隊のP3C哨戒機部隊などを普天間に移駐させる案も浮上している。

 政府は現在、現行案の米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)沿岸部ではなく、内陸部に移設することを軸に最終調整を進めている。1500メートル規模の滑走路を建設する案や、500メートル級のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を建設することが検討されている。併せて県内外の離島などに訓練を移転させる考えだ。

 ただ、現在の普天間飛行場には緊急時の航空機受け入れ機能があり、離着陸帯などでは代替機能が果たせない可能性がある。このため政府関係者は「米軍のプレゼンスを保つためにも、防衛省が管理し、緊急時に使えるようにしておくことが大事だ」としている。

 もっとも平成18年に日米合意した在日米軍再編のロードマップ(行程表)に基づく普天間飛行場の全面返還をにらんで、地元では跡地利用などの協議が進められている。しかも、ロードマップには普天間移設にあたり、航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)と築城(ついき)基地(福岡県)への緊急時使用機能の移転が明記されている。返還後も国が管理することになると周辺住民の反発が強まりそうだ。

 一方、平野博文官房長官は5日の参院予算委員会で、普天間問題をめぐり、政府が5月末までに取り付けるとしている「地元との合意」の意味について、「行政の長の理解を得るということだ。知事が必要な場合もあるし、市町村の首長ということになる」と述べた。

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