公明党は2日、今夏の参院選比例代表で太田昭宏前代表(64)の擁立を見送る方針を固めた。太田氏は昨年の衆院選で落選した後、「任期中に66歳を超えない」という党の定年制の例外として昨年12月に比例代表で公認されたが、党内で衆院選敗北の責任を問う声が根強く、公認取り消しはやむを得ないと判断した。早ければ4日の中央幹事会で決定する。埼玉選挙区からの撤退方針も見直すなど、同党の参院選戦略はここにきて迷走気味だ。

 公明党は昨年12月、(1)選挙区選挙は東京と大阪に絞り、埼玉から撤退(2)比例代表では候補者の地域割りをせず党名投票に重点--などの方針を決めていた。だが、今年に入って民主党の勢いにかげりが見え始めたと分析、比例代表にくら替えさせた現職の西田実仁氏を埼玉選挙区の候補に戻すことにした。また、地方組織の要望を踏まえて比例代表候補の地域割りも復活し、従来通り個人名投票を呼びかける。

 太田氏の公認見直しについて、公明党幹部は「地域割りで現職と競合し、行き場がなくなった」と解説するが、同党が衆院選小選挙区で全敗したにもかかわらず、同氏を参院選で優遇することへの不満がくすぶり続けていた事情もある。

 一方、連立与党時代に太田氏が自民党と近かったことから、「民主党に接近する布石」との見方もある。太田氏の国会議員復帰が遠のけば自公両党のパイプが一層細るのは確実だ。自民党幹部は「お互い野党だからこれまでとまったく同じとはいかないが、信頼関係という点では影響はなくはない」と語った。

 公明党は方針転換に伴い、当初「10議席を死守」としていた参院選の目標を「改選11議席の維持」に変えた。ただ、参院選まで半年を切っているだけに、党内には「方針があまりに定まらない」(中堅議員)と困惑の声も広がっている。【田所柳子】

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