国内唯一の弥生時代専門の博物館ながら、大阪府の橋下徹知事による改革で一時は廃止方針が打ち出された府立弥生文化博物館(和泉市)で、「大阪の20世紀」をテーマにした企画展が開かれている。同様に存続が危ぶまれた府立狭山池博物館(大阪狭山市)では24日から、鉄道模型展が開幕。それぞれ、古代史の殿堂のイメージを打ち破る“門外漢”のユニーク企画で集客を図り、生き残りへ懸命に知恵を絞っている。

 弥生文化博物館では22日まで、「大大阪」といわれた大正以降の大阪の移り変わりを当時の写真などで紹介。昭和45年3月に開幕した大阪万博の記念メダルなども展示している。

 同館は、国内最大級の弥生遺跡、池上曽根遺跡近くに平成3年2月にオープン。邪馬台国の女王・卑弥呼にまつわる特別展などを通じて弥生文化の情報発信拠点となってきた。

 しかし、橋下知事が20年2月に打ち出した府営施設の見直しで「廃止も含めたゼロベースの検討」を指示し、府立近つ飛鳥博物館(河南町)への統合が持ち上がった。その後「当面存続」となったものの、入館者数アップが至上命題に。入館者数は3年度の約11万6千人をピークに激減したが、21年度は4万9千人程度になる見込みで持ち直し傾向にある。

 同館は今回、入館者のすそ野を広げようと近現代の大阪に着目。太平洋戦争のコーナーでは、豊中市内で発掘された米戦闘機のプロペラなどを展示しており、「この戦闘機に追い回された」と懐かしげに語る高齢の来館者も。大阪万博の記念メダルの前で思い出話に花を咲かせる人も多く、古代史の展示会とは違った雰囲気に包まれている。

 金関恕(ひろし)館長は「弥生時代は国としての骨格が形成された時代。日本のアイデンティティーを考える上で博物館の役割は大きい」と強調。一方で「博物館は存続が完全に決まったわけではなく、身近に感じてもらうため工夫を凝らしたい」と話す。

 また、狭山池博物館は建築家、安藤忠雄さんの設計で、平成13年3月にオープン。ダム式ため池として国内最古の狭山池の歴史や土木技術を紹介している。入館者は17年度に6万8千人に落ち込んだが、昨年4月から府と大阪狭山市、市民団体との共同運営に転換し、世界の昆虫展など多彩な企画を展開。21年度は過去最高の9万3千人(3月16日現在)に上っている。

 24日~4月4日には「鉄道模型ワールドin博物館」を催し、約2千の鉄道模型を展示。楠喜博副館長は「子供の来館が少なかっただけに、鉄道を通じて春休みに足を運んでもらい、博物館の魅力を知ってほしい」と期待を込めている。

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