広報委員の皆様へ
こんにちは。皆様方には、お元気でご活躍のことと存じます。
平成21年度府PTA協議会広報紙コンクールの第二次審査は、来る4月17日土曜日の午前10時から、PTA協議会事務局のある大阪府城東庁舎の会議室で行われます。審査に参加してくださるのは、21年度広報委員長・役員の皆様と昨年度選定委員の方々です。
私は16年度のコンクールから、元読売新聞記者の音田昌子先生とご一緒に選定委員として参加しています。
「キラリと光る」広報紙をめざして
第6回広報紙コンクールには、幼稚園15園、小学校120校、中学校55校、合計190校の応募があり、一次審査通過は幼稚園15園・小学校22校・中学校13校でした。
地域的に見れば、北河内地区以北で一次審査通過作品の3分の2を占めます。特に、茨木・三島、箕面・豊能、豊中辺りが、例年多数の学校が通過します。中でも中学校は、豊中の学校がずらりと並ぶことになります。
各地域単位で、広報紙コンクールを開催されていたり、講習会をされているところはやはり、水準が高いように感じます。PTA広報紙の普及のためには、
何よりも交流が大切です。他校の広報紙を一堂に集めて閲覧したり、他校の取り組みを聞いたりすることが、大きな力を発揮するのです。
その意味でも、
ぜひ大阪府PTA協議会広報紙コンクール表彰式・講習会(5/10 10:00〜たかつガーデン・上六)にご参加ください。きっと何かのヒントが得られると思います。
私はこんな感じです
ほかの委員さんと採点についての打ち合わせはしません。例年、内容・レイアウト・企画の3項目ごとに各3点の持ち点(合計9点満点)ですが、私は積極的に0.5点をつけています。2次審査に進んでくる作品だと標準的には、各項目2.5点・合計7.5点が、私の場合基準になります。
この水準からさらに充実している紙面だと8.0点・8.5点がつくことになります。逆に到達が足らないと、6.5点・6.0点ということもあります。
採点の結果を集計をして各賞を決めていきます。例年、点数通り金・銀・銅各一校が選ばれ、それに次ぐ作品を部門賞に選定します。
今年のテーマは「目からウロコ」
一昨年の5月29日に、箕面市PTA連絡協議会主催「広報委員会【交流学習会】」にお招きいただきました。箕面市PTA連絡協議会に結集するすべての幼稚園、小・中学校PTA広報委員会から参加してくださり、熱気あふれる学習会になりました。最近、その折の参加者の皆様が書いて下さった感想に改めて目を通したのですが、その中に、「PTA広報紙について、こんなに熱く語る人は初めて見ました」「広報紙がこんなに奥が深いなんて、目から鱗です」というのがありました。
昨年の第5回大阪府PTA協議会広報紙コンクール表彰式・講習会の感想にも「PTA広報紙の奥深さに感心しました。皆さんが色々と工夫され、紙面作りに意欲的に取り組まれている様子は、紙面を見ると伝わってくるものだとあらためて思い知る感じです」「一言で「めからうろこ」でした。とても勉強になりました。自己満足な広報活動をしていたと思います」と書いてくださっています。
何故そんなに熱く語ってしまうかというと、私にとって広報委員会が教育懇談会であり、広報委員会が確かにPTA活動であることを実証したいと願っているからです。
私の広報体験
私が広報委員会担当を始めた30年近く前のPTA広報紙といえば、B4タブロイド判の縦用紙に一面の右側に大きくPTA会長の挨拶が載り、左側に同じく校長の挨拶が両者ともに写真付きで掲載されているのが普通でした。
その下に各委員会の活動計画やら行事の予定などが詰め込まれていて、「この度○○の大役を…」といった文章に満ち溢れています。裏面はというと、PTA新聞なのに、なぜか子どもたちの作文・感想文がページを占めていて、生徒指導担当教員の「楽しい夏休みの暮らし…」、中学校だと進路指導主事の「夏休みの学習と進路選択」「今春の進路状況一覧」といった記事が定番になっていました。
PTA新聞なんてこんなもの
子どもたちが家庭に持ち帰って、手に取ってみても興味の引く記事もないとなれば、そのまま食卓の上に置かれて、今日の夕刊がその上に乗り、それから広告チラシやその他の紙片と紛れてゴミ箱か資源ゴミに。目に見えるようですね。少しましなのが、台所の冷蔵庫にマグネットでとりあえず止めておく。しかし、しばらくすると、かさ張るもんですから、ドアの開け閉めの度に位置がずれてきて、一度ずり落ちると何度か踏まれて、やはり最後はゴミ箱へ。一番長く保存されたのは、ドレッサーの引き出しの中。化粧品なんかの敷き紙に使われて、これは3年くらい保存されていたとか。
新聞づくり事始め
私は、1981(昭和56)年からPTA広報委員会を担当しています。途中4年程の断続的なブランクはありましたが、勤務校が変わっても担当を続け、通算25年を越えました。
最初の数年は、すべて印刷所に外注。タブロイド判で年3回発行がやっとでした。原稿を素読みし、電卓を傍らに行数計算、割付をして校正といった手順を約一ヶ月かけて行います。見出しに工夫をと考えてもなかなかイメージ通りにいかなくて苦労していたことを思い出します。
当時は、広報委員の保護者も私もまさに「嫌々引き受けた広報委員」で、やりがいは一部に感じながらも、ともかくしなければならない仕事をやっつける状態だったのです。アンケート調査や座談会などをぽつぽつ手がけてみても、なかなか本音が出てこないし、読み物としても満足できません。「PTA新聞なんてこんなもの」とあきらめすら感じたものでした。
変化の兆し−父母との共同に目を開く
それが徐々に変化したのは、私自身が子育てを初めて、不確かながらも保護者との共同に目を開き始めてからです。ともかく広報委員会で、保護者と同じ悩みを抱くものとして十分に話し合い、話題を深めることに力を注ぎだしたのです。そのうち広報委員のお母様方に子育てのアドバイスを受けたり、学校の様子・取り組みの内容などを話し込んでいるうちに委員会の雰囲気が変わってきたのです。
紙面作りの面では、B5版週刊誌型(後にA4変形版)に改めました。ワープロ(パソコン)で版下を作り、簡易オフセット仕上げにして一号あたりのコストを抑え、発行回数を増やそうと考えました。(最近では、PCデータで出稿しています)
分岐点〜お父ちゃんがんばる
次に、東大阪市・K小学校PTA新聞に掲載した約20数年前の囲み記事を引いておきます。本当のところ、これが一番気恥ずかしいのですが、ここが紛れもないTurning Pointなので、避けて通れません。
【子ども百態、親百態】(6)
お父ちゃんがんばる 本校職員 立 石 隆 則
毎朝,目覚ましが鳴ると私の戦争が始まります.身支度,洗顔,食事,娘(1歳)の着替え,離乳食,急ぎに急いでベビーセンターまで自転車で10分,同乗機を取り付け風防で囲った中へ娘を乗せてガニ股で走ります.まるで住民票をぶら下げて走っているようなスタイルにもだいぶ慣れました.彼女は同乗機の上で居眠りを始めることもあって振り落としはしないかとヒヤヒヤです.横合いからミニバイクが飛び出し,後ろから大型車に迫られて,冷や汗かいてやっと到着します.
ここでもひと騒動.保母さんに彼女を預けるのに,うまくやり過ごせればよろしいが抱かれたとたん「フギャー」と泣き声.親の甘やかしが原因かとは思うものの情が動くところです.しかし決意を固めて,泣き声を背中で聞いてドアを閉めます.外まで響く大音響!自転車にまたがり職場に向かうペダルの重いこと.ここから学校まで約20分.職場に着けばその瞬間から目まぐるしい一日が待っています.
夕方,ようやくの思いで帰り着くと「お帰りなさい」のかわりに「ああ,お助けマンが帰ってきた」というわが奥サンの声.ジャンパーを着たまま夕食の支度を手伝い,風呂の用意,娘の相手と,どうかすると夕食後まで1本のタバコも吸えません.これが共働きの生活でしょう.夫婦が仕事を持っている事実より以上にこんな多忙な生活のありさまこそが「共働き」そのものなのかもしれません.
ところが,外での仕事を持たないお母さんだって,家事育児一切を引き受けるとなると多忙に違いありますまい.つまり「共働き」とは夫婦がそれぞれの役割を担って子育てに力を注ぐ時代のありさまを言うのかもしれないですね.私の場合,妻が職を持つことは,経済的理由がないとは言えないものの,彼女の働く動機,意味付けの問題なのだと考えています.彼女なりに社会に対して,仕事を通じて役割を持ち,自らを耕しつづけているのだと思っています.
とは言うものの,やはりこの忙しさはたまらない.生活のシンドサは子育てのシンドサに直結します.いろんな悩みがあり,様々な心配事が生まれます.残念なのは,それらを吐き出して展望を見つけられるようなチャンスに乏しいことです.
「はちす」の読者であるお父ちゃん,お母ちゃんは私より先輩の「子育てプロ」なのです.私はそんな人たちに悩みを聞いてもらったり,お互いに励ましあったりする機会が欲しいと思います.
親も子も職員も,今の暮らしのシンドサを見つめながら,共に育ちあってゆく.PTA活動がその渦を作り出す場になるといいなあと思っています.親も職員も立場の違いこそあれ「子育て」の実質に立ち向かっている者として,共に語り合い,共に育ち合える.そんな暖かさを求めつつ,無駄話の幕を下ろすことにします.
(「はちす」第9号1983.3 所収)
いかがでしたか。ここで述べていることは、まだ漠然とした思いにすぎないのですが、以後継続して広報委員会に関わり、PTA活動や地域・保護者の方々との連携に力を注いできた「きっかけ(動機)」になっています。
また、この頃から「読みやすく、読みたいものを 手作りで」というモットーを一貫して掲げてきました。この内、「読みやすく」と「手作りで」をまず実行したわけです。
あとは、表彰式・講習会で、お会いしましょう
それでは、5月10日(月)10時 たかつガーデン(大阪府教育会館・上本町下車)8階でお会いしましょう。
当日は私も参加して、ワンポイントアドバイスをお話しします。皆様方等の交流を本当に楽しみしています。なにとぞよろしくお願いします。