2023年08月02日
1.Markaudio Pluvia7 20L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudio の10cmフルレンジユニットPluvia7をダクトチューニングした20LのZWBRエンクロージャーで計測した特性です。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
黒線がユニット軸上30㎝、青線がユニと軸上近接、赤線がダクト開口部の特性です。
このグラフから第1ダクトの共振周波数が163.9Hz、第2ダクトの共振周波数が39.2Hzになっています。
3.周波数特性比較
他のMarkaudio 10cmフルレンジユニットをこのZWBRに入れた時の特性を参考のために以下に示します。
黒線:Pluvia7、赤線:Alpair7MS、青線:Pluvia7HD、緑線:MAOP7です。
4.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で30cm測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
5.インピーダンス特性
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は68.8Hzですがエンクロージャー内でのf0は74.2Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが172.1Hz、第2ダクトが38.8Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
6.再生音
YouTubeにこのチューニング条件で録音した再生音をアップしました。
以下のURLで視聴できます。
https://youtu.be/aVNu-EGuXhc
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2023年07月24日
1.20L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudioの10㎝フルレンジスピーカーユニットPluvia7のZWBR方式の20リットルのエンクロージャーを検討しました。上の写真は実験用Boxにユニットを取り付けた外観とZWBRの横断面図です。外形寸法は450mmX210mmX335mm(HWD)で、使用板材はMDFの15mm厚です。
斜めの仕切板により、第1室(9.7L)と第2室(10.8L)に仕切られ、第1室のバスレフダクトを第1ダクト、第2室のバスレフダクトを第2ダクトと言います。斜めの仕切板を使用したのは、エンクロージャー内面の平行面を少なくして発生する定在波を減少させるためです。ZWBR方式の特徴は、ダブルバスレフにより低音域の増強を図りながら、第2ダクトの開口部を絞ってダンピングをかけています。
2.L9直交表実験によるダクトのチューニング
ダクトの最適化は、第1ダクト固定で、第2ダクト、開口部面積の2つのパラメータについて、上の水準表のように3水準でL9の直交表による直交実験を以下の割り付け表にしたがって行いチューニングを行いました。
上の表で、SN比は32Hz~200Hzの帯域の音圧特性の平坦度を表していて、SN比の値が大きければ大きいほどフラットな特性になります。感度は、32Hz~200Hzの帯域と200Hz~1KHzの帯域の音圧の比率を表しています。この感度の値が大きいほど32Hz~200Hzの帯域の音圧が大きいことを示して居ます。最適条件はL9の直交実験の実験7の条件の開口面積を2750にした条件です。
L9の直交表の条件でスピーカー軸上30㎝の位置でOmniMicで測定した周波数特性は以下のような特性になります。グラフは1KHzを0dBに基準化しています。
L9の直交実験の組み合わせのうちどの組み合わせがSN比と感度がともに大きくなるかを見るために下のような散布図にSN比(縦軸)と感度(横軸)をプロットしてみました。
その結果、最適の条件(赤丸印)が良い条件になりました。
3.再生周波数特性
ダクトおよび開口部を最適の条件に設定して、OmniMicで計測した結果は以下のグラフのような特性です。
ユニット軸上のバッフルから30㎝の周波数特性(黒色)、第2ダクト開口部(赤色)とユニット近接(青色)の音圧特性になっております。
このグラフから、第1ダクトの共振周波数は164Hz、第2ダクトの共振周波数は39.5Hzになっております。
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2023年06月18日
1.Markaudio Alpair5v3 7L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudio レクタンギュラーボイスコイル採用の5cmフルレンジユニットAlpair5v3をダクトチューニングした7LのZWBRエンクロージャーで計測した特性です。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
黒線がAlpair5v3で、参考のために赤線がAlpair5v2の特性です。
3.Aalpair5v3のダクトの共振周波数特性
スピーカーユニットの軸上(黒線)と第2ダクト開口部(赤線)に近接させてOmniMic測定した結果は以下のグラフです。
上のグラフから、第1ダクトの共振周波数は215Hz、第2ダクトの共振周波数は48Hzになっております。
4.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で30cm測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
5.インピーダンス特性
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は90.7Hzですがエンクロージャー内でのf0は101.2Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが213.2Hz、第2ダクトが47.8Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
6.再生音
YouTubeにこのチューニング条件で録音した再生音をアップしました。
以下のURLで視聴できます。
https://youtu.be/UEQ9B59VoIE
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2023年06月15日

Markaudioのレクタンギュラーボイスコイル採用の5㎝フルレンジスピーカーユニットAlpair5v3のZWBR方式の7リットルのエンクロージャーを検討しました。上の写真は実験用Boxにユニットを取り付けた外観とZWBRの横断面図です。外形寸法は306mmX184mmX222mm(HWD)で、使用板材はMDFの12mm厚です。
斜めの仕切板により、第1室(3.5L)と第2室(3.7L)に仕切られ、第1室のバスレフダクトを第1ダクト、第2室のバスレフダクトを第2ダクトと言います。斜めの仕切板を使用したのは、エンクロージャー内面の平行面を少なくして発生する定在波を減少させるためです。ZWBR方式の特徴は、ダブルバスレフにより低音域の増強を図りながら、第2ダクトの開口部を絞ってダンピングをかけています。
ダクトチューニングの結果として第1ダクトは、内径40φ、深さ12㎜の穴加工を使用し、第2ダクトは30mmx40mmx105mm(HWD)で開口部は20mmx40mm(HW)です。
2.L9直交表実験によるダクトのチューニング

ダクトの最適化は、第1ダクト固定で、第2ダクト、開口部面積の2つのパラメータについて、上の水準表のように3水準でL9の直交表による直交実験を以下の割り付け表にしたがって行いチューニングを行いました。

上の表で、SN比は44Hz~200Hzの帯域の音圧特性の平坦度を表していて、SN比の値が大きければ大きいほどフラットな特性になります。感度は、44Hz~200Hzの帯域と200Hz~1KHzの帯域の音圧の比率を表しています。この感度の値が大きいほど44Hz~200Hzの帯域の音圧が大きいことを示して居ます。最適条件はL9の直交実験の実験4の条件の開口面積を800にした条件です。
L9の直交表の条件でスピーカー軸上30㎝の位置でOmniMicで測定した周波数特性は以下のような特性になります。グラフは1KHzを0dBに基準化しています。

L9の直交実験の組み合わせのうちどの組み合わせがSN比と感度がともに大きくなるかを見るために下のような散布図にSN比(縦軸)と感度(横軸)をプロットしてみました。
その結果、最適の条件(赤丸印)が良い条件になりました。

3.再生周波数特性
ダクトおよび開口部を最適の条件に設定して、OmniMicで計測した結果は以下のグラフのような特性です。

ユニット軸上のバッフルから30㎝の周波数特性(黒色)、第2ダクト開口部(赤色)とユニット近接(青色)の音圧特性になっております。
このグラフから、第1ダクトの共振周波数は212.5Hz、第2ダクトの共振周波数は48Hzになっております。
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2023年06月04日
http://blog.livedoor.jp/machida_offkai/archives/57608100.html
2022年11月15日
1.OM-MF4-MICA 4L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudio/Stereoの6cmフルレンジユニットOM-MF4-MICAをダクトチューニングした4LのZWBRエンクロージャーで計測した特性です。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
3.OM-MF4のダクトの共振周波数特性
スピーカーユニットの軸上(黒線)と第2ダクト開口部(赤線)に近接させてOmniMic測定した結果は以下のグラフです。
上のグラフから、第1ダクトの共振周波数は158Hz、第2ダクトの共振周波数は53Hzになっております。
4.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で30cm測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
5.インピーダンス特性
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は106Hzですがエンクロージャー内でのf0は115Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが171Hz、第2ダクトが53Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
6.再生音
YouTubeにこのチューニング条件で録音した再生音をアップしました。
以下のURLで視聴できます。
https://youtu.be/9AaYtFGrHI0
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2022年10月05日
1.OM-MF4-MICA 14L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudio/Stereoの6cmフルレンジユニットOM-MF4-MICAをダクトチューニングした14LのZWBRエンクロージャーに入れた特性を測定しました。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
3.OM-MF4ーMICAのダクトの共振周波数特性
スピーカーユニットの軸上(青線)と第2ダクト開口部(赤線)に近接させてOmniMic測定した結果は以下のグラフです。
上のグラフから、第1ダクトの共振周波数は177Hz、第2ダクトの共振周波数は44Hzになっております。
4.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で30cm測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
5.インピーダンス特性
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は105.5Hzですがエンクロージャー内でのf0は108Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが179Hz、第2ダクトが47Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
6.再生音
以下のURLのYouTubeで試聴できます。
https://youtu.be/ndEYG9yx5co
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2022年09月19日
1.OM-MF4_MICA 7L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
Markaudioの6cmフルレンジユニットOM-MF4-MICAのZWBR方式の7リットルのエンクロージャーのOM-MF519と同じダクト条件における特性を計測しました。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
3.ダクトの共振周波数特性
スピーカーユニットの軸上(黒線)と第2ダクト開口部(赤線)に近接させてOmniMic測定した結果は以下のグラフです。
上のグラフから、第1ダクトの共振周波数は164Hz、第2ダクトの共振周波数は44Hzになっております。
4.インピーダンス特性
インピーダンス特性をAnalog Discovery とFRAplusで測定した結果は以下のグラフです。
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は105.5Hzですがエンクロージャー内でのf0は108Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが171Hz、第2ダクトが47Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
5.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で30cm測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
6.再生音
YouTubeにこのチューニング条件で録音した再生音をアップしました。以下のURLで視聴できます。
https://youtu.be/V5OR7jPJs34
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2022年02月27日
1.FE108SS-HP 20L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
FOSTEXの10cmフルレンジユニットFE108SS-HPのZWBR方式の20リットルのエンクロージャーの最適ダクト条件における特性を計測しました。
2.周波数特性
周波数特性はスピーカーユニットの30㎝前方にOmniMicを置いて測定した結果は以下のグラフです。
3.ダクトの共振周波数特性
スピーカーユニットの軸上(黒線)と第2ダクト開口部(赤線)に近接させてOmniMic測定した結果は以下のグラフです。
上のグラフから、第1ダクトの共振周波数は167.6Hz、第2ダクトの共振周波数は45Hzになっております。
4.インピーダンス特性
インピーダンス特性をAnalog Discovery とFRAplusで測定した結果は以下のグラフです。
スピーカーユニット単体でのフリーエアーでのf0(実測値)は86.4Hzですがエンクロージャー内でのf0は94.5Hzになっています。電気的な共振周波数は第1ダクトが174.5Hz、第2ダクトが49.1Hzと音響的な共振周波数とずれがあります。
5.歪率特性
周波数特性と同じアンプレベルでスピーカーユニットの軸上で近接させて測定した歪特性の測定結果は以下のグラフです。
6. 再生音
以下のURLからこの条件の再生音を試聴できます。
https://youtu.be/2Xthjftw18o
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1.20L ZWBR方式ダブルバスレフエンクロージャーの構造
FOSTEXの10cmフルレンジユニットFE108SS-HPをZWBR方式の20リットルの実験箱に入れてダクトチューニングを実施してみました。
外形寸法は450mmX210mmX335mm(HWD)で、使用板材はMDFの15mm厚です。 斜めの仕切板により、第1室(9.7L)と第2室(10.8L)に仕切られ、第1室のバスレフダクトを第1ダクト、第2室のバスレフダクトを第2ダクトと言います。
ダクトチューニングは一般的に行われているバスレフダクトの共振周波数を合わせこむ方法は採らずに再生周波数の低域特性の最適化を目的に、第1ダクト固定、第2ダクト3水準、開口部3水準の制御因子をL9直交表に割り付けてOmniMicを使用して周波数特性を測定して最適化実験を行いました。 斜めの仕切板を使用したのは、エンクロージャー内面の平行面を少なくして発生する定在波を減少させるためです。
ZWBR方式の特徴は、ダブルバスレフにより低音域の増強を図りながら、第2ダクトの開口部を絞ってダンピングをかけています。
2.制御因子の設定表
第1ダクトは厚さ15mmMDF材に56Φ穴として固定して、第2ダクトは30×120mmのスリットダクトの長さを20,70,120㎜の3水準に、開口部面積は2750,1380,650mm平方の3水準とする2つのパラメータについて、以下の水準表のように3水準でL9の直交表による直交実験を行いチューニングを行いました。実験の割り付けはL9の直交表に基づき以下の表のように割り付けました。
3.L9直交表への割り付けと実験結果
L9直交表によるダクトと開口部の9通りの実験条件ごとに、OmniMicで周波数特性を測定したデータは以下の通りです。グラフは、1KHzを85dBに基準化しております。
周波数特性データから42Hz~220Hzの帯域の音圧特性の平坦度を品質工学の0望目特性のSN比で表し、SN比の値が大きければ大きいほどフラットな特性になります。42Hz~220Hzの帯域と220Hz~1KHzの帯域の音圧の比率を感度として表しています。この感度の値が大きいほど42Hz~220Hzの帯域の音圧が大きいことを示して居ます。
上の表の右側のSN比と感度が今回の実験の結果です。最適の条件はL9直交表の実験4の組み合わせになります。SN比と感度を考慮して以下の散布図の赤丸の条件になりました。
4.SN比と感度の散布図
SN比と感度を上の図のようなX軸が感度、Y軸がSN比の散布図にプロットする、L9直交表の9通りの実験結果が青いひし形のプロットで、最適条件は赤丸印です
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