2008年11月27日

White v. Samsung Electronics America, Inc.

IP Lawの分野はかなり広がっていて、伝統的なProperty Lawのカバーする範囲以外は、ほとんどの財産権がIPじゃないかと思うくらい範囲が広いんです。

今回のケースは、「Right of Publicity」と呼ばれる権利について争われた判例で、これが非常に面白い、判例そのものが面白いというか、Kozinski判事の反対意見がとても面白いのです。

Right of Publicityというのは、個人の市場性のあるイメージであるとか人格であるとかを保護する権利で、カリフォルニア州では、州法で立法化されている権利でもあります。

要件が細かいので、ご興味ある方は、California Civil Code sec. 3344をご覧いただきたいと思います。

今回のWhiteのケースでは、Samsungが、とあるテレビショーのアシスタントであるWhiteさんの番組での一場面を想起させるようなロボット(ただし、かつらをかぶったC3POのような容姿)を登場させた広告が、WhiteさんのRight of Publicityを侵害したのではないかが争われました。

で、判決としては、Whiteさんの権利を認めたのですが、これに対して、Kozinski判事が猛然と反対意見を書いたのです。で、ケースブックの中にはこの反対意見だけが掲載されています。

Kozinski判事の問題意識は、(1)今回の判例が認めたWhiteさんの権利は州法で定められた要件には合致しないもので、全く新しい権利を創設してしまった。(2)このような権利を認めてしまっては、過保護であって、知的創造のための障害になってしまう。(3)憲法上認められているFree Speechの権利に対する重大な障害になる、といったところが主なポイントになると思います。

難しそうなお話に感じますが、内容は極めて面白いというか、意見文の書きぶりがとても面白いのです。
たとえば、自分の気に入らない論調について書いた上で、「So What?」と続けているのです。日本語訳をすれば、「だから、なんだって言うの?」ですかね。できる限り丁寧に意訳したとして、「だからと言って、その論調が正しいとは思えない」になると思いますが、まあ、口語英語でも相当フランクな表現だと思うんですよね。このような表現が頻発している反対意見なので、相当感情的に書いたんだなあと思います。

日本の裁判官が反対意見を書いてもこうはならないよなと感心しながら読みました。

ご興味ある方は、989 F.2d 1512というサイテーションで検索できると思いますので、ご一読ください。



qingye1112 at 04:56│Comments(1)TrackBack(0)Intro to IP 

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この記事へのコメント

1. Posted by wow gold kaufen   2013年02月07日 09:58
日本の裁判官が反対意見を書いてもこうはならないよなと感心しながら読みました。

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