東海道本線を走るEF66
 私たちの世代にとってEF66は特別な機関車でした。EF65F形が重連で牽引していた高速貨物列車を単機で牽引するために誕生したこの機関車は、狭軌では当時世界最高の3900kWの出力を誇り、その洗練されたフォルムもあいまって、昭和のガキ鉄にとって憧れの対象でした。そんな彼らが活躍していたのは当然、東海道線、山陽線といった大幹線で、EF13やEF15といった旧型の機関車がのそのそ走っていた、当時の山手貨物線や武蔵野線とは別世界の住人でした。

 そして私が鉄道に興味を示しはじめたころ、親にねだってカツミ製のEF66の模型を買ってもらって、悦に入っていたのを懐かしく思い出します。しかし、東海道線、山陽線で高速貨物列車を牽引していた当時のEF66を撮影する機会はほとんどなく、1985年にブルートレインの牽引に抜擢されてからも、その格好良さにに憧れるばかりで、実際にその姿にカメラを向けたのは数えるほどしかなかったことが悔やまれます。

 そしてついに、EF66登場時の姿を現在に伝える27号機に会いに、東海道線を代表する撮影地にでかけることができました。富士山、新緑にEF66 27号機と、名舞台に名役者が立てば、おのずとシャッターを押す指にも気合いが入ろうというものです。かつて東海道線を走ったレサ10000系の鮮魚列車、グリーンのコンテナを連ねたフレートライナーや14系、24系客車のブルートレインたち、かつて撮れなかった名列車たちの面影を偲びながら帰途につきました。

(2014.5.8 東海道本線 沼津-三島 Tokaido line Numazu - Mishima)