コスト削減全般

2018年10月10日

コスト削減とマーケティングの類似性

 日経の記事が興味深かったのでシェアします。 

ヒットのクスリ インスタ映え、女子会… 「新しい記号」 需要つくる(2018/6/15 日本経済新聞

ここから。要約です。

モノだけでなく、一緒に言葉を売れというマーケティングの金言がある。売れるためにはキーワードが伴う(社会記号)。

インスタ映え、女子会、コスパ、加齢臭、おひとりさま、婚活など。

「中高年のおじさんは何か臭う」と思っていた個々の現象が世間に認知されると「自分は加齢臭?」と急に気になる。対象商品が登場し、大きな市場に変身する。

おひとりさまも認知されれば女性一人でも周囲を気にせず、外食や旅行ができる。

ひそかに活動していた結婚の相手探しが「婚活」として認知されたとたん成長市場になる。

というように「言葉にできずにいる欲望を言語化することはマーケティングの武器になる

ここまで。

 売り上げを上げるマーケティング、費用を下げるコスト削減。まったく逆の活動なのに、同じようなアプローチをとることを発見したのが嬉しかったです。

コスト削減も言葉にできずにいる損失を言語化することは改善の第一歩です。何となく、あれムダだなと思う損失に名前をつけて認識します。

名前の付け方は読めば「あ!あの損失だな」と工場関係者なら推定できるようなつけ方が良いです。

さらにその損失を改善する手段を考えて改善テーマとします。

 ちなみに損失をどう見つけるか? マーケティングでは市場調査が第一だそうです。工場のコスト削減も同じで現場の実態調査です。

どう調査するか? これは知恵の出しどころ。コンサルタントは現場の実態調査に有効なツールを持っています。

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2018年06月15日

謙虚なコンサルティング

書籍「謙虚なコンサルティング」を読んだので気付きをまとめておきます。

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2017/5/17 エドガー・H・シャイン (著), 金井壽宏 (監修), 野津智子 (翻訳)

 問題が明白で、支援者にはっきり伝えられ、解決に必要なスキルを支援者が持っている場合、クライアントとコンサルタントはほどほどの距離感で良い(レベル1の関係)。

相互依存の関係が存在しない場合には、多くの関係がレベル1のままで極めてうまくいく。

しかし、今日の問題はきわめて複雑で、何が問題なのかを昔のように明らかにできなくなっている。そのため、クライアントとコンサルタントで力を合わせる必要がある。

それには、もっと個人的で、信頼しあえる、認められる関係を築く必要がある(レベル2の関係)。

 レベル2の関係におけるコンサルティングはプロセスコンサルテーションで。クライアント自身が、自ら探っていけるよう支援する事である。自分が手助けすることによって、相手に改善策を気づかせる。

コンサルタントの姿勢は3つのCで。
 commitment:力になりたいという積極的な気持ち。全力で相手の役に立とうとし続けること。
 caring:クライアントに対する思いやり。
 curiosity:好奇心。

特定の問題を解決するために、新たなプロセスと新たな構造を作り出す必要がある。それが、うまく解決できたら、その方法が当たり前になり、いつどこで考え出されたかをグループの人々は忘れてしまう。しかし、そのプロセスこそがとても大事である(これを形式知にすること)。

組織は、その組織の文化と調和することしか実行できない。組織の文化を踏まえた改善策が必要である。

プロセス指向の問いかけとは。
1.問題に対する自分なりの分析を説明しようとするクライアントの話について、その焦点を変える。
2.支援のプロセスでクライアントがコンサルタントにして欲しいと思っていることを変える。
3.そして今この場でのクライアントのやりとりに集中する。

 活動スタートと同時に全員に自己紹介してもらうとよい。組織の一員になった理由を率直に話してもらうことで、どれくらい熱心に取り組むかを推し量ることができる。

コンサルティング会合とは個人的な感情や動機や価値観が共有される集まりである。気持ちのつながりを呼び覚ます。

ここまで。

 コンサルティングに必要な姿勢がまとめられていますが、問題解決の本ともいえます。プロジェクト会合に関係者を集める理由について、明快な解があったが良かったです。

コンサルタントだけでなく、プロジェクトメンバーや管理監督者にもお勧めです。



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2016年07月21日

セミナー案内■製造リードタイムの短縮セミナー

 弊社主催のセミナーを開催します。

 製造リードタイム(L/T)は放っておけば長くなってしまいがちです。
(ここでのL/Tとは受注(生産計画時点)から材料や部品の発注、自社工場内で製造して出荷するまでです。)
L/Tが長くなる要因は製造や生産管理面において数多くあります。

・ラインが組まれていない。工程系列が長い。バッチ処理工程がある。
・協力工場や調達のロットサイズが大きい。
・最適生産計画を組むためのペーパーL/Tが長い。
・原材料在庫や仕掛り等の管理情報の精度が悪い(欠品や作り過ぎ)。
・品質保証のために長い手番を必要とする。
・歩留りが大きく変動する。

L/Tは 要因が多くあり、複雑な上、全部門にまたがる課題ですから、改革者のリーダーシップと進め方がとても大切になります。
改革者の活動をより確かなものにするために、このセミナーでは次の事項について解説します。

【内容】
1.製造L/Tのモデルを設定する
 モノの置場、生産・在庫・運搬の基準と実態、基準日程など。
2.製造L/Tを決める自社の実力を確認する
 サプライヤーへの影響力、カストマー情報の収集力、工程の安定度、
 計画達成率など。
3.改革モデル構築と課題抽出
 L/Tが1/2の姿、モノの流れの改善、工程能力の改善、ボトルネック工
 程の能力アップ、部材供給方式の改革、検査方式のレベルアップなど。
4.計画系の改善
 在庫販売からの脱却、見込み生産からの脱却、見越し生産の活用、
 月間計画から週間生産へ、サプライヤーとの協働など。

担当講師:石塚健志

【日時】
2016年9月2日(金) 10:00〜12:00/14:00〜16:00
*いずれの回も2時間、同じ内容のセミナーとなります。

開催場所:東京都千代田区永田町2-14-2 山王グランドビル(弊社)
     案内図→ http://www.jbic.co.jp/about.html

費用:1名のご参加につき 10,000円 当日現地支払(費用改定しました)

お申込方法:セミナータイトルとご希望の日付・時刻をご連絡ください。
 メール(info◆hinkai.com ◆は@)、またはお電話で承ります。
 03-3519-7337 荒柴までお願いします。

申込期限:8月26日 24時まで。
※参加人数により会議室を変更しますので事前申込は必ずお願いします。
※午前・午後ともに最少催行人数は3名様です。満たない場合には
 開催を取りやめる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

多くの方のご参加をお待ち申し上げております

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2013年01月18日

危うくムダなお金を払うところでした

 個人の女性向け、お金の本だから、あまり関係ないかな〜と思いつつ、読みましたがとても参考になりました。

危うくムダなお金を払うところでした
知らなきゃ大損! 家計の新ジョーシキ

前野彩 産経新聞出版 2012/9/28

 著者の前野さんは独立FP、学校の保健室の先生、事実婚と・・・何か強そうなイメージでした。

そこへ、旦那のへそくりを見抜いた話がきたので爆笑でした。

 年金、社会保険の話がわかりやすかったです。

特に個人賠償責任保険(通称:個人賠)は私の中から抜けていました。

個人賠とは「他人に損害を与えた」時の費用を負担してくれる保険です。

子供が他人の車を傷つけたなんて起こりえますからね。

本書を読んで、費用が安くて保険料が高い、良い保険だと再認識しました。

そういえば、昔は入っていたんだけど、今は止めています。

 そんなわけで早速、行動しました。

まずは昔、個人賠に加入していたK保険に電話しました。

こちらは加入資格がないと断られました(昔勤めていた関連会社だったので、退職者は不可とのこと)。

もう1社、火災/地震保険でお世話になっているH保険。

「火災保険に付帯されるのが一般的で、個人賠だけ扱っている保険会社はない」とのこと。

その後、再度連絡がきて「よく探したらありました!」と初めて聞く保険会社を紹介され、加入しました。

保険金1億円、費用は2年で3,800円の個人賠です。

 行動を起こすきっかけをくれた前野さんの本に感謝です!



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2009年07月26日

最強のコスト削減

 メーカーの方に参考になる本を紹介します。コンサルティング会社であるATカーニーのコンサルタントが書いています。

最強のコスト削減―いかなる経営環境でも利益を創出する経営体質への変革
栗谷 仁(著) 東洋経済新報社 2009/04/16 2,520円

本書は間接費(コピー費、広告費、委託費など)にスポットを当てて、そのコスト削減方法を説明しています。

なぜ間接費なのかというと、

・責任の所在があいまい。
・一度購入し始めると、固定費化(いつも同じ値段で購入)する。
・ベンチマークしやすい(他社と比較可能)。

など、コスト削減代(しろ)の大きい領域だからです。目の付けどころがいいですね。

 取組み方法は、基本に忠実です。

まず現状購入している間接費を経理上の費目から購入レベルまで細分化します。

そして費目ごとに、量、単価、取引方法を把握します。現状を把握するだけでも、10年前から同じ取引方法(単価)であるとかわかります。

比較可能な項目は他社から見積りをとったり、他部門から聞いたりして、現状の購入単価と比較します。

例えば、コピー費であれば、現状キャ○ンから購入しているのであれば、ゼ○ックスから見積りをとってみよう。他の部門に保守費はいくらか聞いてみようということです。

一般的に間接費は5年経つと、技術革新や競争激化などの理由で金額は下がります。見直しすれば、コスト削減は可能です。

 私も間接費のコスト削減のコンサルティングをします。特に化学メーカーが多く、外注委託費や、フレコン・紙袋などの資材費、パレット、廃棄物などのコスト削減をしてきました。

本書を読んで、同じようにやるんだなと感じました。やはり基本に忠実なのが王道ですね。

そういう意味で、本書は良書だと思います。ただし、部門横断的にやるほど成果が出ますから、一人で取組むのは難しく(効果が少ない)、トップダウンでの決断が必要です。

購入は今すぐ → 最強のコスト削減

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2008年09月12日

セミナーの資料作成

 2008年9月19日に「外注委託・請負作業のコストダウン手法」のセミナーを開催します。今週はコンサルの合間にセミナーの資料作りをしました。

全部で70ページを6時間かけて説明します。演習問題も作りましたので、このセミナーを聞けば、自社に帰って、すぐに実行できる!はずです。

 最近は原料高の影響や景気の悪化で、製造会社はコストダウンが急務になっていますね。いろいろな会社を回っているので、全体的に経営が悪化しているという実感があります。

コストダウンの切り口はいろいろありますが、請負会社に膨大な費用を支払っているならば、適切は単価の設定は、必要不可欠です。前年実績で決めている会社は、必要以上に支払っている可能性ありますよ!

セミナーは1週間後。お申し込みは今すぐ! → eBRAIN

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2008年08月04日

セミナーやります■外注委託・請負作業のコストダウン手法

 工場の外注委託先・請負作業先に支払う単価は適正か!?コストダウン出来ないか!?

⇒現状実態分析,作業効率の算出,適正な生産数量の把握による単価見直し法など,実際のコンサルティングで使っている実践的なコストダウン手法について,実習を含め即実務に役立つよう詳解します。

大幅な円高と原材料の高騰が進む中、景気は踊り場を迎えています。確実な利益確保を目指すためには外注委託・請負業者のコストを見直すことが必須です。外注委託先の企業体質改善・生産性向上にメスを入れ,共倒れにならない堅固なパートナーシップを築くことが肝要です。

本セミナーでは,実践的な外注委託先の業務改善手法を伝授致します。「実際に相手側でこれだけの費用が発生する(した)ので、それだけ支払おう」という実績主義や,「この地域では○○円が相場だからそれだけ支払おう」という考え方に陥りがちな請負作業費用の適正な算出法を詳細に説明致します。

 『ムダ取り後の正確な作業時間の測定』『努力すれば達成可能な稼働率の算出』『職務別・技能ランク別賃金基準による作業の質の評価』これらの視点を中心に,実際にコンサルティングで使っている実績ある請負作業のコストダウン手法を,演習を織り交ぜて解説していきます。

■日時 9月19日(金)10:00〜17:00
■会場 かすがビルB1(東京・飯田橋)
■受講料 1名49,350円、2名以上1名44,100円

講師紹介割引があります。

ネットでの申し込みの場合、連絡事項欄に「羽根田紹介」と書くだけで、5000円引きになります! 電話申込でも、同様に「羽根田紹介」とお伝えください。割引価格が適用されます。

申し込みは今すぐ! → eBRAIN

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2005年12月20日

個別原価解析のコンサルティング終了!

 化学品を対象に、800品種毎の原価計算を把握するというコンサルティングをしました。

原価計算の考え方や計算方法さえきちんと理解すれば、それほど難しくありません。

むしろ、データを集めるためにマンパワーを割かなければならないのが大変です。

多くのデータを集めるほど個別原価の精度は上がりますが、6ヶ月間というコンサルティング期間だけでは、集めきれないデータもあります。

それでも、個別原価の参考実績値と比べて、そこそこの数値を算出することができました。

個別原価がわかると、どこにムダがあるか明白になりますから、改善の方向性がわかります。

実際、1ヶ月で生産性2倍という改善案が抽出できました(改善案の精度はまだまだですが)。

メンバーは日常の作業に取り組みながらも、プロジェクトでは活発に議論していましたから、私としても気持ちよくコンサルティングできました。

このクライアントでは、まず個別原価を把握して、問題点を抽出してから、生産性の向上(品質問題も含めて)をはかろうと考えています。正道ですね。


親サイト「品質改善.com」でカウンターを設置しました。トップページのアクセスは思ったより少ないです(涙)。


ブログランキング34位です。最近は30位代だな〜。

2005年05月24日

原価計算2

前回の続きです。

製品別のコスト戦略は、個別原価計算をして現状を把握した上で、目標原価を設定し、このギャップに問題意識を持つことです。

私の考えているレベルは下記の通りですので、御社のコスト構造の把握がどの程度か自主点検してください。


レベル1:製造コストは成り行き任せか、どんぶり勘定に近い管理でしかない。

レベル2:材料費、加工費、作業ランク、出来高管理などの計算はできるが、粗く信頼性は非常に低い。

レベル3:原価資料が把握され、工場の管理運営(採算管理、生産効率向上など)に活用されている。ただし、運営や精度に問題がある。

レベル4:原価計算・把握の仕組みが製造工程内で必要機能として確立され、個別原価まで把握できている。

レベル5:目標原価が設定され、製品別コスト戦略の強力な推進・実施ができている。


ブログランキング28位。むむむ、内容か!?

2005年05月19日

原価計算1

品質改善のコンサルティングをしている時に悩ましい問題が発生する時があります。

通常、モデル製品を決めて品質改善のプロジェクトを発足させるのですが、例えば不良率が1%改善した時に、いったいいくらの効果金額が出るかわからないというのです。

製造コストは成り行き任せか、どんぶり勘定で、製品個別の原価がわかっていないのです。

ある会社では100万円単位の商品にもかかわらずわかっていないとか、別の会社では製品数が数百種類あってわからないとかありました。

品質改善以前の問題ですよ。工場管理上、ある程度製造原価を把握してないと、経営戦略上も困るでしょうに。

利益率の高い製品はバンバン売りたいし、赤字の製品はコストダウンしなければなりません。しかし、個別原価計算ができていないと、何をどうしたらいいのかわかりません。

値段交渉においても、自社製品をどれくらいまで値引きできるかわかりませんしね。


ブログランキング18位。うろうろしています