救急ダウンタウン

ハーイ、ボク、ニコラスです。 大阪の、とある中規模病院で働いている外科医です。 これまでのエピソードをキンドルの電子書籍で出版しています。全5巻です。 そちらのほうもご覧ください。

母は強し、いや強すぎる

こんなことを書くと

一部の看護師からクレームが来るかもしれないが、

まあ、決して間違った情報ではないので、

事実を伝えるために書いておこう。

 

大学病院の看護師は、採血や点滴、その他の処置などは、

医者がすべき仕事だと割り切っているから、原則行わない。

だから大学病院では、採血や点滴はすべて医者が行っている。

しかも上の医者もそんな雑用はしないから、

結局研修医や若い医者たちがやっている。

 

じゃあ、大学病院の看護師は何をするかというと、

患者の看護や病態の観察といった看護学的な仕事がメインだ。

そのため看護学としての知識や臨床は強い。

だから、これもクレームが来ることをあえて承知で言うと、

大学病院の看護師は頭でっかちだ。

 

ところが、採血や点滴に慣れていないので、

大学病院を辞めて市中の病院で働こうとしても、

そこでは使い物にならないことが多い。

 

一方、市中病院の看護師は、採血に、点滴に、とよく働く。

ボクたち医者よりも採血や点滴がうまいヒトも多いのだ。

 

この現象を逆に医者の立場から見ると、

大学病院で研修をした研修医は、

採血や点滴ばかりさせられているので、

そういった処置の技術がどんどんうまくなっていく。

 

一方、市中病院の研修医は全部看護師がやってくれるので、

採血や点滴が下手だ。

いざというとき使い物にならない。

結局どっちもどっちもだ、ということになる。

 

ボクは、研修医のころ、救急をバリバリやっている

チェロメフスカ病院によく当直バイトに行っていた。

毎晩、毎晩、重症も軽症も関係なく

バンバン救急患者がやってくる。

 

しかも同時に三人、四人運ばれてくることもザラだ。

さらに、救急外来で患者を診ていても、

病棟からは患者が急変したといって呼ばれる。

 

まだまだヒヨコの研修医であったが、

そんなこともお構いなしで患者がドンドン来るから、

外来で走り回って病棟でも走り回って、

しんどくても根を上げている暇もない。

一晩中カンテツ(完全徹夜)なんてことも

しょっちゅうだった。

 

でもそんな荒行のような修行を繰り返してきたおかげで

結構度胸も付いたし、

少々のことではへこたれない根性も付いたと思う。

 

看護師さんだって

毎日そんな環境で鍛えられているので、

救急医療の知識は豊富で技量も高かった。

 

当直に来る医者といえば、

ボクと同じような若い奴らばかりだったので、

そんなぺーぺーの医者をうまく使いこなさないと

仕事にならない。

 

「先生、次、この患者を診て!」

「ハイハイ」

「先生、この患者をCTに連れて行くよ!」

「ハイハイ、お願いします」

「先生、この患者は、もう入院させておくよ」

「ハイハイ、わかりました」

 てな具合だった。

「えーっと、この腹痛の患者には、

何の薬を使いましょうかね」

「イレウスでもないんやったら、

ブスコパンでいいんとちゃう」

「ああ、そうですね。

じゃあ、ブスコパン1アン(1アンプル)を

静注しておいてください」

 

「この脳挫傷の患者、どうしましょうかね」

「あ、それはもう、今日の脳外(脳神経外科)の

当直の先生を呼んでおいたから、

あとはグリセ(グリセオール)の点滴だけ

オーダーしておいて。

あの先生は、必ずグリセを使うから」

 

どっちが医者かわからない。

でもヒヨコ医者のボクとしては

そんな看護師さんたちのアドバイスに助けられていた。

 

看護師さんたちはみんな病院の近所に住んでいて、

オペ(手術)など緊急の呼び出しがあったら

夜中でもすぐに駆けつけてきていた。

 

妊娠してもお産ギリギリまで働いていた。

おなかがパンパンになってフーフー言いながらも、

救急患者の処置に当たっていた。

 

すべての仕事を

他の看護師さんと同じようにこなしていたから

徹夜の夜勤も多い。

 

おなかの中の赤ちゃんからしたら、

夜中にお母さんが起きて働いていると

睡眠のパターンもバラバラで、

ゆっくり寝ていられないだろう。

 

そんな生活は胎教には良くないとは思うが、

下町の救急病院で働いている看護師さんは

みんな生活がかかっている。

 

そこの病院では、仕事のない旦那を家に残して

一家の大黒柱として稼がなければならないヒトも

多かったから、

妊娠くらいで休んでいられない。

臨月になってどんなにきつくても

弱音は吐いていられない。

 

でもそんな環境でもみんな、

仕事は楽しんでいるように見えた。

ボクはそんな看護師さんたちとは

仕事の合間に少し世間話をする程度だから、

彼女たちの本音の部分はわからないが、

表面的には楽しそうに仕事をしていた。

 

どんなにきつくても仕事を楽しくすること。

ボクのワーカホリックなところも、

その当時の看護師さんたちの前向きな仕事ぶりを見て

育った影響が大きいかもしれない。

 

そんな看護師さんたちの中でも、

一際存在感のあったのが藤堂さんだった。

藤堂さんはその当時は四十代前半くらいで、

当時二十代だったボクからしたら十分おばさんだったが、

救急の仕事のことは藤堂さんに聞けば

何でも見事に教えてくれて頼りになった。

 

点滴も神業レベルで、

乳幼児や細い血管でも一発で入れる技術を持っていた。

「藤堂さん、あっちの患者、

点滴を二回失敗しちゃって怒っているんだけど、

ちょっと代わってくれる?」

「ハイヨ」

と言ってヒョイと一発で入れる。

「す、すごい! どこに血管があったの? 

点滴が入りそうな血管が全然見つからなかったのに・・・」

毎回、脱帽だった。

 

藤堂さんは一度離婚していて、今の夫は二人目だ。
前の旦那との間の子が二人いて、今の旦那の子供が一人いる。
そして、さらに四人目を妊娠していた。


「藤堂さんはすごいねえ。その歳で救急当直をやりながら、
家族も養って、子供をボンボン産んで」

「そうかなあ、こんなん普通でしょ。
みんなこうやって子供を育てているよ」

「まだ小さい子供さんがいるでしょ。その子はどうしているの」

「旦那が主夫しているから、夜勤の時には任せてるねん」


しばらくして無事男の子を出産した。
そして出産して一ヶ月も経たないうちにもう仕事に復帰していた。
そして以前にも増して仕事に育児に精を出していた。

 

ところが、その四人目の子供が生まれて六ヶ月ほど経った頃だ。


夜の十一時過ぎ、藤堂さんが子供の添い寝をしていたとき、
気が付いたら子供の息が止まりかけていた。
藤堂さんは子供の名前を呼び、
泣き叫びながら息の止まった子を抱きかかえて
家から病院まで走って連れてきた。

その夜、当直していたボクは、
救急室の扉をバタンと押し開けて
子供を抱えて駆け込んできた藤堂さんにビックリした。


「先生! うちの子が! うちの子の息が止まっている!!

「アワワワワ、アワワワ」


藤堂さんのあまりの形相に、若いボクはオロオロするばかりだった。

「先生、乳児用のアンビューマスク出して! 
アンビュー換気して!!


ボクは言われるままに
アンビューマスクを息子の口に当てて、酸素を肺に送り込んだ。

子供の顔は血の気は無く真っ白だった。
心臓のモニターで波形は平坦(フラット)だ。
呼吸だけでなく心臓も止まっていた。


「ミエちゃん、心マ(心臓マッサージ)して!! 
点滴は私が取るから!!


そのとき救急当直していた看護師のミエちゃんに
叫びながら指示した。

藤堂さんはすばやく息子の小さな腕に駆血帯を巻き、
見事一発で点滴の留置針を入れたのだ。


「ミエちゃん、ボスミン、入れて!!


ボクももうオロオロしている場合じゃない。

「挿管しよう」


この子が誰の子であろうが関係ない。
いつもの救急患者のときのように、
普段通りにべストな救急処置を
確実に進めていかなければならない。

小さなマッキントッシュ喉頭鏡を口に突っ込み、
喉頭を広げて(喉頭展開して)、
直径5ミリの気管挿管のチューブを気管に入れた。
そして人工呼吸器をつなぎ心マを続けた。

乳児の心マは、大人と違って体が小さいので、
片手の人差し指と中指二本で胸をペコペコと押し続けるだけだ。
ボクは心マと強心剤の投与を続けていた。


そこに藤堂さんの夫と六歳になる長男が駆けつけてきた。
二人とも立ちすくんで呆然とするだけだ。
涙も出ていない。


三十分以上は心マを続けたが心臓は全く動かなかった。
藤堂さんは心マを続けていたボクに低い声で話しかけた。


「先生、もうええよ。アカンわ。もう無理や」

「でも、まだ、わからんよ」


ボクは諦めきれずに心臓マッサージを続けた。


「先生、もう、ええよ。私だって救急の看護師や。
これ以上続けてもアカンことはわかる。
ええから、もう心マはもうやめて!」

「・・・」


藤堂さんの気迫に圧されてボクは心マを止めた。

藤堂さんは病院に駆け込んできて処置を始めた時、
母親から看護師へ気持ちを切り替えたのだろう。
母親の感情を押し殺して、看護師としての冷静さを保ち続けた。

藤堂さんの夫と長男は「ワーッ」と泣き叫んで
横たわる子供にすがり付いていたが、
藤堂さんは取り乱すことなく気丈に振舞っていた。


「ありがとう、先生」

「あ、いや・・・」


普段は、赤の他人の心肺停止の患者には、
感情を抜いて淡々と心肺蘇生法を行って
ダメなときには冷静に死亡確認も行っているボクだが、
一緒に働いている看護師さんの子供となると、
何を言っていいのか言葉も出なかった。

その子の直接の死因はわからないが、
いわゆる乳児突然死症候群というものだった。
乳児がある日突然心肺停止に陥って亡くなる恐い病気だが、
未だに死亡に至る確実な原因は解明されていない。


病院の外で心肺停止に陥って病院で死亡した患者については、
司法警察官や検視官が体の状況を確認する検視を行い、
場合によっては解剖に回される。

藤堂さんの子供も行政解剖が行われることになった。
藤堂さんと夫は一緒に警察についていった。

 

ボクと看護師のミエちゃんは
夜中の救急室で椅子にベタッと座り込んだ。


「それにしても藤堂さんってスゴイよな。
自分の子供が心肺停止になっているというのに、
自分で点滴を取るなんて。
普通のヒトにはなかなか出来ることじゃないよな。
しかも一発で取ってたよな」


「そうやねえ。看護師やから、
自分の出来る限りのことはやってあげたいという気持ちも
わからなくはないけど、
でも普通は無理やね。私なんか、あんなこと絶対にでけへんわ」

「母は強し、なんてレベルではないよな。強すぎるよ」


どこの病院にも、救急の修羅場で日々揉まれている
度胸満点のツワモノ看護師たちがいる。
しかもそんな看護師が子供を産んで母親になると、
強さがさらに増していくようだ。


救急の現場に逞しいツワモノになっている看護師さんがいると、
若いへなちょこ医者たちは頼りがいがあって本当に安心できるのだ。


 

 

 

酔っ払いはアッチ系

午前九時、朝から救急要請のホットラインだ。


「二十七歳、男性、昨日から酒を飲み続けて

不穏状態(わけのわからないことを言ってうめきながら

手足をバタバタさせている状態)に陥っています」


「ハイ、来てください」
「えー? 先生、それ、ただの酔っ払いちゃうの? 
朝一番から酔っ払いか、テンション下がるなあ」

 

看護師は鬱陶しそうな顔をしてブツブツと言った。


救急車が到着したが、その車内からすでに

大きな叫び声が聞こえてきた。


ハッハッハッハッハッハッ、オオオオオーー

ハッハッハッ、ワワワワワーーーー、バタバタ、バタバタ

オオオオオーー


救急車の中のストレッチャーの上で、

細身のスーツ姿の男が

苦しそうに首に両手を当てて大声で叫んでいた。


その男の両脇に付き添いの男が二人、

救急車からついて降りてきた。

一人は派手な赤いラメ入りの生地のシャツと

真っ白のスラックス姿で、叫んでいる患者の手を

握りしめている。


「ウチのスナックの子なんやけどね。

お客さんに勧められて昨日の夜の十一時ごろからね、

ずっとお酒を飲み続けててしんどそうにしてたんやけどね。

さっきから急に叫びだして店で暴れていたんよ」


「名前は言えますかー?」

ボクは患者の顔を覗き込んで尋ねた。

すると付き添いの男がすかさず「杉山です」と答えたのだ。

「あ、いや、患者さんが話ができるかどうか

本人に確認したかったので、
あなたが答えなくていいんです」


「ああ、ごめんなさいね・・・・・」


ハッハッハッ、オオオー


「呼びかけても、しっかり受け応えせず、

ストレッチャーに乗せても暴れまわっているんです。

力が強くて押さえつけるのが大変で・・・」


救急隊は額に玉の汗をかきながら報告した。

「どれくらい飲んだんですかね?」

「テキーラを十杯ほど飲んだと店の同僚は言ってましたけど」

「ふーん、ずっとこんなに息が荒くて過換気状態でしたか」

「そうですね、ずっと過呼吸でした」

「杉山さーん、わかりますかー」


ハッハッハッ、オオッオッオッオッ、ハッハッハッ


「じゃあ、看護師さん、点滴と採血をしましょ」

点滴をしようとするものの、

ストレッチャーの上で四つん這いになって

頭を抱え込んだり膝を立てて起き上がって叫んだりと、

看護師も処置なしの状態だ。


「杉山さん。立ち上がったら危ないって。

ストレッチャーから落ちるよ。

先生、これじゃ点滴できません!」

「ハイハイ、じゃあ、鎮静剤で落ち着かせよう」


1アンプル筋注(筋肉注射)、チュー


ストレッチャーの上で、起きたり寝たり大声で叫んだり、

両手両足をブンブン振り回したり暴れまわっていたが、

鎮静剤を投与して数分後杉山さんは

ようやく落ち着いて寝始めた。


お酒を飲みすぎて体がしんどくなり、

それがきっかけになって、

ハッハッハッと過換気が始まったようだ。

出来上がってきたカルテを確認した。


杉山マサル、二十七歳、住所は・・・奈良県か。

急性アルコール中毒は呼吸が弱くなったり

血圧が下がったりさえしなければ、

点滴で水分を補給するだけで数時間後には目を覚ます。


付き添いのヒトに病状の説明をしようとして、

待合室に出て行くと男が二人いた。

二人とも派手にデコレーションを施した携帯電話の画面を

凝視している。


メールを打っているようだ。

近づいていって話しかけるとびっくりしたようにこっちを見た。

ボクの話を礼儀正しく聞こうとして、

長いすに座ったままだが両手を膝にあてて

背筋をピンと伸ばしていた。

ただ両足はフニャと内股になっている。


「杉山さんは急性のアルコール中毒なので、

アルコールを抜くために何時間か点滴が必要です。

病院に来てることを
御家族か身内の方に連絡をしたいのですが、

連絡先はわかりますか? 住所は奈良のようですね」


「そうらしいんですけど、細かいことはあまり知りません。

カズさん、マサルの家族のこと知ってる?」

「ウチも知らんわ、マサルの携帯、
お店に帰ったらあると思うけど」


「マサルの実家の電話はわかるかなあ?」

「ウチ、何も聞いてへんわ」

カズさんはアゴに手を当てて、どうしたものかと考えていた。


あ~あ、やっぱり。なにかおかしいと思ってたが、

みんなオネエ系キャラだ。そのスジの店の仲間か。

服装は普通の男の格好だったので、

見た目だけではわかりにくかったが、

元々その空気は持っていた。


カズさんという男は杉山さんのことを
「ウチの子」と言っていたから、

兄貴分か店長なのかな?

「先生、マサル危ないの?」


カズさんはボクの左腕を掴んで、

ボクの顔を下から見上げながら聞いてきた。


「いや、そういうわけではないけれど、

一応家族には連絡をとっておかないとね」

「タダシ、家に行ってきてよ。ウチは病院で待ってるわ」

「マサルが何かあったらコウジが心配するやろな」

「コイジにはゴウちゃんから連絡しておいてもらおうかな」


なんで君らは仲間を下の名前で呼び合うのかねえ。

マサルかコウジか知らんけど、

早く家族の連絡先を探してきてよ、
と心の中でブツブツぼやいた。

ボクは忙しいんだよ。

他の患者もいるしアンタらばかりに
時間を取っていられないんだよ。


まあしばらく点滴をして
体内のアルコールを抜けばそのうち目が覚める。

ナースステーションに戻ってフーッとため息をついて

看護師さんに彼らの素性を教えてあげようと話しかけた。


「知ってるか、あの子らみんなオネエキャラやったぞ」

「えー、そんなの救急車から降りたときから判ってたよ。

だって、みんな小指立ってたモン」

「はあ? 知ってたの? それを早く言ってよ」

「そんなの治療と関係ないから、
先生に言っても仕方ないでしょ。

で、マサルはどうするの?」

「マサルはね、点滴が終われば起こして、
そのまま帰ってもらっていいよ。

あ、ボクも名前で呼んじゃった」


ボーイズラブにはほど遠い

「昨日の腹痛の患者、どう?」

 朝からナースステーションに行って、

昨日、入院した患者の状態を聞いた。



患者は五十七歳の男性、吉冨さん。

昨日、腹痛と発熱で外来に来た患者だ。

外来の検査で、肝臓の中に膿が溜まる病気、

肝膿瘍(かんのうよう)が見つかった。



血液検査でCRPや白血球が上昇していたので、

入院して抗生物質の点滴を開始した。

抗生物質で叩ければ(抗生物質で菌を押さえ込むこと)

病状は改善するが、

抗生物質が充分に効かなければ、

肝臓の膿瘍に細いチューブを入れて

ドレナージ(膿を外に出すこと)をしなければならない。



「まだ、熱は三十九度もあって、痛がってるよ」

担当のナースの久光さんが答えた。

「そうか、じゃあ、今日はドレナージをしないといけないかな」

「それはいいけど、先生。

昨日から付き添っているあの同居人とかいう男、何とかしてよ」



「何とかって?」

「結局、昨日は吉富さんが心配やからって泊り込んだのよ。

最初は家族控え室の長椅子で寝てたのに

夜中に見回りに行ったら、

吉冨さんのベッドで二人で一緒に寝てたのんよ」



「はぁ~、何、それ。

あの付き添いのおっちゃんとそういう関係やったんか」



吉冨さんは身長170センチくらいだが体重は90キロ。

腹はでっぷりしていて頭は薄くアゴも肉がついてブヨブヨ。

顔じゅう硬そうな無精ひげがボーボーだ。

そしてその同居人というおっちゃんは、

背の低いやせた体型、

髪の毛はスポーツ刈り、

出っ歯で前歯が一本抜けている。



二人とも、いかつい体格のマッチョな逞しさもないし、

ニューハーフのような妖艶さもない。

なよっとした中性的な耽美さも、もちろんない。



元々、男同士で同居しているというのは怪しいとは思っていたが、

男同士の付き合いとしてもボクの持っている

一般的なイメージとはかけ離れているので、

まさかそれはないだろうと思っていた。

甘かった。



男同士が付き合っていようが、

今の時代、まったく抵抗も違和感もない。

好きにやってくれ、という感じでボクは見ているが、

いくらなんでも見た目の汚いこのオッサン二人の愛だけは

想像できない、したくない。



でもそれだけ、ホモの世界は奥が深いということか。



「夜中の巡視のときに、

ここは患者さんのベッドですから

二人で寝ないでくださいって注意したら、

しぶしぶ起きて出て行ったけど、

朝の行くともうベッドの横の椅子に座っていたのよ。

先生、ここは付き添いは出来ないって言って、

あの同居人を追い出してよ」



「まいったなあ、朝一番の仕事がそれかよ」

吉冨さんのベッドに行くと確かに同居人が横の椅子に座っていた。



「吉冨さん、どうですか、痛みはまだありますか?」

「へい、右の脇腹が、まだズキズキ痛みます」

「そうですか」

椅子に座っていた同居人に

「すみませんが、ここは原則的に付き添いは

していただかないことになっているんですが。

今日は、朝からお仕事ですか?」



「ワイは仕事はしとらんよ。別に今日は用はないで」

「あ、そうですか。今日はまだ吉冨さんは発熱が続いているので、

昼から肝臓の中の膿を抜く処置をする予定にしています。

朝は病棟も忙しいので、今はいったんお帰りください」



「え、たっちゃん、そんなことせなあかんのですか。

先生、大丈夫ですか」

「いや、もちろん、ちゃんとしますよ。

ですから今日はとにかくお引取りください。

また夕方、処置が終わればその説明はしますから」



「ガンちゃん、帰ってええよ。オレ、一人で頑張るし」

(ワオ、気持ち悪いー。

いい歳をしたオッチャンが一人で頑張るとか言うか)



「たっちゃん、ほんまに大丈夫か。

ワイ、ここにおったってもええで」

「あ、イヤイヤ、それは困ります。

今は一旦帰って自宅で待機していて下さい」

「そうですか。ほな、たっちゃん。

ワイ、一旦帰るわ。また、夕方、来るさかい」

「すまんな、ガンちゃん」



二人の会話には、

男同士の友情だけではない確かな「愛」が感じられた。



「やっぱり、おかしいでしょ、あの二人」

「そうだよな。二人だけの世界があるな。

でも別にいいでしょ。他人に迷惑をかけているわけでもないし」

「あの雰囲気自体が周りに気分の悪さを与えているから、

充分迷惑行為でしょ。

今、流行のボーイズラブやったら、

きれいな世界だからまだ許せるけどねえ」



ボクはどっちにしてもゴメンだが、

ヒトの性癖だからどうでもいい。



昼の三時から、テレビ室(レントゲン透視を行う検査室)で

処置をおこなった。



エコーで肝臓の膿瘍(膿の溜まっている部分)を確認し、

そこに向かって皮膚からブツッ太い針を刺す。

針先が膿瘍にまで達したら、

その針の中に径が一ミリ程度のドレナージチューブを進めていって、

膿瘍内にチューブを留置(りゅうち)する。



そのあと針だけを抜くと

ドレナージチューブから膿がドロドロと出てくるという仕組みだ。



一時間あまりで処置が終わり病棟に戻っていくと

もうすでにガンちゃんが来ていた。



「先生、吉富さんはどうですか?」

「無事、終わりましたよ」

とドレナージチューブから膿がドンドン出てきているのを見せた。

「たっちゃん、よかったな」

「おお、ガンちゃん、おおきに」



吉冨さんはドレナージチューブが

皮膚から肝臓に入っているので自由に動けない。



そのチューブが完全に抜けるまで、

一週間程度はベッド上で安静にしてもらわなければならない。



ガンちゃんにはそれからも何度か、

面会時間は守ってくださいと注意したが一向に守らない。

朝も夜も、チョコチョコと面会に来る。

「あの二人、何をして生計を立てているのかな。

二人とも仕事は無職となっているし」

「さあね、ガンちゃんは朝から酒くさいし、

なんぼ言っても言うことを聞かないわ。

昨日も夜中に知らない間にガンちゃんがベッドに入っていて

二人でスヤスヤと寝ていたんやから」



「アチャー、アカンね。そりゃいくら言ってもダメだね。

でももうあと二、三日で

ドレナージチューブを抜いて退院できるから放っておいてよ」

「二人は一緒に寝ていても、

ほとんどしゃべらずにじっと静かにしているから、

周りの入院患者には迷惑はかからないけどね」



「ええ? そうなの? そのほうがよっぽど気持ち悪いなあ」



吉冨さんは十日間の入院で帰ることができた。

しかしその間、吉富さんはシャワーも浴びなかったので

毎日どんどん体が臭くなっていった。

看護師は二人が一緒にいることよりも

二人の体が臭いことのほうが耐えられなかったようだ。



「二人ともあんなに臭いのに、

よくまあ平気であんな狭いベッドで

寄り添っていられるなあ。オエオエ」



男同士のお付き合いは不潔な行為が多く、

HIV感染(エイズ)だけでなく、

普通はめったに感染しないような特殊な病気にかかることがある。

吉冨さんには

「手や体は常に清潔にしておいてくださいよ。

そうでないと、これからもエイズや

その他の命にかかわる怖い病気にかかてしまいますよ」

とアドバイスはしたが、

シャワーもまともに浴びないのなら、

もうこれはエイズ以前の問題である。

 


こっそりと・・ボクは元気です。皆さんはいかが?

こっそりと、ブログ、久しぶりに書いております。
昔の皆さんはお変わりありませんか。
ボクは相変わらずですが、
バタバタ生活も以前のままです。

先日、私の友人が、自分のブログで
「救急ダウンタウン」を紹介してやるよ、と言ってもらったので、
とりあえずは、当分、古い記事ばかりですが、
再投稿することにしました。

新しい記事もいつかは書くつもりですが。

では、またお付き合いくださいね。

ビーな患者

コンビニのコンセントで自分の携帯を充電したとして、
二十一歳の若者が逮捕されたってニュースがあった。
電気代は何銭の実害なんだ?
でも、窃盗は窃盗である。
神社でお賽銭を二円盗んで逮捕された。
これも窃盗は窃盗である。

金額の高い低いではない。罪は罪だ。


ところが、病院では、
治療費を払わずに帰ってしまう患者が後を絶たない。
食堂なら一円でも足りなければ無銭飲食で捕まるのに、
なんで、病院では、金も払わず帰ってしまう患者を
警察に通報したり訴えたりする空気がないんだ? 
いや、病院側は訴えてやりたい気はあるんだが、
警察を含め、司法の側が甘々なのだ。


病院に治療費を払わなかった患者が、
全国に指名手配されたなんて話は聞いたことがない。
何万円ものお金を踏み倒しても警察は何もしない。
病院はそんなにお金のことを細かく言うな、ってこと?
そんなことをされても、
じっと我慢して治療は
ボランティアでやっておけ、ということ?


これって不公平すぎる。
病院の収入が下がれば経営にも影響するし
こっちの生活にも関わる話だ。
しかも、前回、金を払わずに帰った患者が、
いけしゃーしゃーとまた診察を受けに来る。
で、また、治療費を踏み倒す。

普通の感覚なら
治療費を払わずに帰ったら後ろめたい気持ちになって、
あそこの病院には二度と行けないなあ、
と思うはずなんだが、
きっとそんな後ろめたさすらないんだろう。


しかしそんなことがさすがに三回、四回となってくれば、
医事課は家に電話をして
治療費を支払ってもらわなければ診療はできません、
と注意はする。

そんな患者が受診に来たら、受付の事務員が
「おたくはここ数回、
治療費をお支払いいただいておりません。
今日はお支払いください」という。


ところが、それでも患者の中には、
オレは今度、生活保護の金が入ったら払うつもりや。
今は金がないんや。
それより、オレがこんなに頭を痛がってんのに、
患者の診察をせえへんってゆうんか、
この病院は患者を殺す気か! コラッ! 
とこれぞまさしく逆ギレされてしまう。


うちの病院では、こんな金を払わない、
大声を出す、
頻繁にクレームをつけるなど、
問題行動を起こしている
悪質な患者はブラックリストに上げている。

事務に聞いたら、
最近は百人くらいがリストアップされているという。
院内では、そんな患者のことを
ブラックの頭文字で「B(ビー)」
と呼んで警戒している。


医事課のクレーム担当の岡崎課長が
「先生、今から腹痛で救急に来る患者はビーですので、
ちょっと注意してください。
前回の報告では、神経内科の診察中に、
医者に怒鳴って大変だったようです」


「えー!? そんな患者、
救急で見ないといけないのか?」

「入院はお断りしているんですが、
家族がうるさいので診察だけはしているんです」

「救急ならなんとかしてくれるだろうって、
思ってるやろ」

「いや、先生、それだけ先生を
頼りにしてるってことですよ。ヘヘヘ」

「うまいこと言うねえ」


「しかも、今まで五回ほどの診察費を
滞納しているんですわ。
できるだけ、損の出ないように、
あまり高額になる検査はせんといて欲しいんですわ」

「あ、そう、わかったよ」


最近は病院によっては、
ヤクザの借金取立て業者まがいの
危なそうなヒトたちが
自宅まで取り立てに行っているところも
あるらしいが、
ウチではさすがにそこまではしていない。


日本って国は、国民皆保険である上に、
生活保護者は治療費も要らない。
お金を踏み倒しても、
病院が泣き寝入りしろっていうことなのか。
こんな、患者にとってとって天国のような国は、
どう考えても他にはないだろうな。


これじゃ、国民はみんな健康で、
世界一の長寿国になるはずだわな。

ボクはこんなことをブツブツ文句を言いながら、
でもビーな患者の前では、
変に揉めないように神経を使って、
いつも以上に笑顔を振りまいているのだった。

ボズとテリー

ボズバッキンガムです
01


テリーフェルナンデスです

02


ボクの作品ラインナップ、完成しました

救急ダウンタウン
ドクター・ニコラス
文芸社
2011-04-01




文芸社から出版した救急ダウンタウン(定価1470円)が、
紀伊国屋から電子書籍として出版されました。
ドクターニコラスの救急ダウンタウン 
電子書籍は、定価1100円(税込み)です。


















※ この第5巻は、
  これまで、iPad、iPhoneなどでご覧いただけませんでした。
  トラブルの原因がどうしてもわからなかったのですが、
  それが、ようやく、修正することができました。
  ご迷惑をおかけしました。

救急裏ネタ24時 第4巻、第5巻、同時出版!




皆さん、お変わりないですか。

10月に入っても真夏日が続き、

「残暑×残暑」が続いていましたが、

ようやく秋らしくなってきましたね。

ところで、早速、ご報告です。

キンドルから、
「ドクター円堂の救急裏ネタ24時」(電子書籍)の
第4巻、第5巻を、ようやく出しました。

第1巻から第3巻までは今年の2月に出したんですが、

それから、仕事が忙しくなって、

なかなか、続編の編集作業に手がつけられませんでした。


表紙 第4集完成 小サイズ版

残りの原稿は、結構なボリュームがあったので、

3冊に分けようか迷ったんですが、

全部で6冊は、ボクのような素人作家には多すぎるなと思い、

2冊にして作り上げました。


キリのいいところで、

とりあえず、全5巻にして、完結させました。

ブログの場合は、文脈なんか気にせずに、

そのときそのときの思いついたままに、

文章を書き並べていけばいいので、楽なんですが、

本にする文章は、そういうわけには行きません。




文脈、句読点の位置、文法、
話の整合性、各章ごとの内容の並び、等等、

自分でも、何度も読み直して、修正、校正をしなければなりません。

これが、結構、時間がかかるんですよね。



表紙 第5集完成2 小サイズ版


そりゃ、「東野圭吾」だったら、

朝から晩まで、「作文」していても、誰にも怒られませんが、

ボクが、本業の医者の仕事をおろそかにして、
「作文」にうつつを抜かしていたら、怒られちゃいます。

仕事はしっかりしないといけませんから、

そうすると、
「作文」に使える時間は、夜中の1、時間しか取れないんです。

空いている時間を使いながら、

コツコツと修正してきたので、

結局10月になっちゃいました。

表紙のイラストは、

いままで、イラストレーターで書いていたんですが、

手間がかかるので、今回は手書きにしました。

でも、手書きのほうが「線」はまろやかになりますね。

アッと言う間に、今年も秋になって、
一年の締めに入ってきました。


これから年末に向けて、バタバタとあわただしい時期になりますが、

そんなときに、秋の夜長に、

ちょっとした暇つぶしのお供として、

「ドクター円堂の救急裏ネタ24時」を
お楽しみくださいね。



皆さん、お元気ですか?

今年も暑い日が続いていますが、
皆さん、お元気ですか?

突然、皆さんへのご機嫌伺いをしたくなったので、
ブログを開きました。

毎日書いていたブログを止めてから、1年以上経ちました。
でも、いまでも、何人かの方が、ブログに来てくれていています。

たまたま、入ってきちゃったヒトたちなのか、
前から来てくれているヒトなのかわかりませんが、
今でも、増えも減りもせず、
20~30人の方が来てくれています。
ブログを新たにアップしているわけではないので、
なんか、申し訳ない気持ちです。

どちらにしても有り難いことです。
感謝してます。

久しぶりにブログに入ると、コメントをいただいていました。
気づかなくってすみませんでした。

まーこさん、キンドル本を買っていただき、ありがとうございます。

かおりさん、今まで、いろいろと忙しかったので、
少しサボっていましたが、
また今、続編、第4弾以降の原稿を校正中ですので、
秋までにはキンドルに出版できるかなと思っています。
そのときは、また、ブログでお知らせしますので、チェックしてくださいね。


テレビのニュースでは毎日、毎日、
今日も猛暑日でした・・・
熱中症で700人が病院に運ばれました・・・
とレポートしています。
でも、あの数字はちょっと怪しいですね
本当の熱中症は、あのうち1割にもならないでしょう。

ウチの救急でも、毎日、数人、
救急隊が熱中症の疑いの患者です、といって運んできますが、
いままで、本物の熱中症はありませんでした。
みんな、軽い脱水症か、暑気あたりでしんどいか、日射病でバテているか、
そんな状態です。

なのに、ニュースであれだけ煽(あお)るものだから、
暑くってしんどい、と、いうだけで、
みんな熱中症と思い込んでしまっています。

本物の熱中症じゃなくても、
体の水分が減ってしまっている脱水状態ではあるので、
病院に来て点滴をすれば、体はシャキッとします。

だから、もちろん、病院に来ることは悪いことでは無いんですけど、
こんなにしんどいのは、きっと、自分は熱中症だ、熱中症に違いない、
ヤバい、大変だ、と焦ってしまうヒトも多いんです。

周囲のヒトも、ワー大変だ、早く、早く病院へ!
なんて、パニクってしまうことになります。

熱中症の診断方法は、別に譲りますが、
暑くってしんどくなっても、
まずは、涼しい場所に入って、塩をなめながら水分をしっかり摂っていれば、
しばらくすれば、体は落ち着きます。
ほとんどのヒトは病院に来る必要はありません。

本当の熱中症というのは、
そう簡単になるわけではありません。
しんどくなっても、体を、そして頭も冷やして、
慌てず、冷静に、判断してくださいね。

では、皆さん、お体を大切に、
ボクのキンドル続編も期待していてくださいね。

救急裏ネタ24時、第2巻、第3巻、連続発刊!

あっという間に3月です。
今年は、1月から、キンドルへの発刊に悪戦苦闘してきたので、
ホント、時間が経つのが早かったです。

でも、なんとか、
ドクター円堂の救急裏ネタ24時
第2巻、第3巻を発行することができました。

表紙も自分で、イラストレーターで書いたので、
これだけでも、結構時間がかかったんです。

第2集 RGB JPEG




今回は、第1巻よりも少し、ボリュームが少ないですが、
値段を下げて、1冊250円としました。

これなら、コーヒー、3分の2杯分くらいですから、
もし期待はずれになっていたとしても、
許してもらえるんじゃないか、と思ってるんですけど・・・




第3集 RGB JPG


ところで、ボクの新しいペンネーム
円堂斗貴志 えんどうときし ですが、
この「えんどうときし」という名前の由来を、
このブログだけで、ご紹介します。

えんどうときし・・・エンドウトキシ・・・・エンドトキシン!!

このエンドトキシンというのは、医学系、医療系では、よく出てくる言葉で
細菌が体の中でつぶれたときに、細菌の菌体から出てくる毒素のことなんです。
エンドが菌体内、トキシンが毒素という意味です。

えー!?、やな名前だにゃーとのけぞる方もおられるでしょうが、
ボク、この名前、結構気に入ってます。

昔、大学病院で働いていた頃、
同じ病棟の医者や看護師で作っていたロックバンドも、一時
ザ・エンドトキシンズっていう名前にしたこともあります。

これからは、ブログで慣れてもらったニコラスと同様、
円堂斗貴志もよろしくお願いしますね。

キンドル本を作りました、のご報告

みなさん、元気ですかーー?

半年ぶりですね。

ボクは元気です。変わりなくやってます。



コメントでは時々、ご挨拶はしてましたが、

久しぶりの「本文」に緊張してます・・・



ところで、なぜ、今ごろ、再度、登場したかというと、

先日、アマゾンのキンドルから、

「救急ダウンタウン」の続編を出したので、

その報告をしたかったんです。



これまで、ブログを休止したあとも、

これまでに書いた話を原稿にして、

何社かの出版社に送ったんですが、

どこからもいい返事をもらえませんでした。



「そりゃそうでしょ、だって、素人の原稿だもん」



ところが、あるとき、キンドルの記事を見て、

自分でも電子書籍を簡単に出版できると知ったんです。



これだ!!



それから、キンドル出版の勉強をして、

ようやくKDP(Kindle direct publishing)にアップすることができました。

世間では、まだまだ、

電子書籍の購入方法なんてわからんぞ、というヒトも、

おられるでしょうが、

でも、今年は、電子書籍というものが爆発的に普及するような予感です。



というわけで、一足早く、始めてみたんです。

「ドクターニコラス、救急ダウンタウン」の名称は

文芸社から出していることもあるので、

今回はペンネームもタイトルも変えました。



ペンネームは円堂斗貴志(えんどうときし)としました。

タイトルは、ベタですが、救急裏ネタ24時、としました。



というのも、これまでにも、

ドクターニコラスの救急ダウンタウンって、

なんだか? アメリカのダウンタウンの病院の話か?なんて、

言われたりして、誤解を生んでいたんです。



こんな、コテコテの大阪弁の語りなのに、

アメリカって、そんなはずないじゃんか、と、思ったんですが、

やっぱり、もっとわかりやすくしようと、

全部日本語にしました。



円堂斗貴志というペンネームは、

昔から自分ひとりで暖めていた、好きな名前だったんです。



本の「救急ダウンタウン」は1470円もしますが、

キンドルストアでは

発表するときに自分で値段を設定できます。

なかには、800円とか付けてる作家もいれば、

99円と安く付けている本もあります。

ボクは今回、300円の設定にしました。



キンドルというのは、

アマゾンの電子書籍のシステムですが、

その電子書籍を読むiPadみたいな端末も

キンドルといいます。



めったに電車には乗らないんですが、

たまに乗ると、

キンドルで本を読んどる・・・ヒトをポツポツ、見かけますよね。

ボクも、自分の原稿が

どんな具合にアップされるのか興味があったので、

思い切って買いました。



IMG_3223



キンドル本の「救急裏ネタ24時」は、

以前のブログの内容をまとめたものですが、

一度、キンドルストアから探してみてくださいね。



そのページの横には、

無料サンプルのダウンロードのボタンもありますから、

サンプルを読んでみてください。



キンドルの電子書籍は、

キンドルを買わなくても、

iPadでも読めます。

Kindle for iPad という無料ソフトをダウンロードして、

そこから購入することもできるんです。

ね、ボクもいろいろ勉強してるでしょ。



これからは、しばらく、

キンドルに関する情報をいろいろとアップしていきます。

また、たまにお付き合いくださいね。

長い追伸

ウルウルウル、

み、みなさん、そんな優しい言葉をかけていただき、
両親の死んだときにも泣かなかったのに、
泣きそうになりましたよ、ヤバイ。

今更ながら、みなさんのご声援を、心から感謝します。

7月1日のご挨拶を最後に、スっと消えるのもお洒落で、
ボクは、そんな男の後姿に、
男のロマン、ダンディズムを感じて
憧れてはいるんですが、
アカン、アカンわ、
そんな、格好良さって、ボクには似合わないでしょ。

前にも書きましたが、
ボクは、年齢とともに、
「大阪のオバチャン」化しているので、
このまま、黙ってなんかいられません。

て、いうか、
コメントをいただいたみなさんに、
お礼のご挨拶もなしに、放っておくなんて、
そんな失礼なことはできません。
未練がましいヤツだと思われるかもしれませんが、
ここで、もう一度、皆さんにお礼を申し上げます。

コメントをいただいた方々に、
それぞれに返事を書くべきところではありますが、
この場をもって、みなさんへの返事とさせていただきます。
すみません。



やめる本当の理由って何なんだ、との声もありますが、
その大きな一つは、
ブログを書くためにネタを探してしまう
最近の自分がイヤだったんです。

書き始めの頃は、
若い頃の話もドンドン書いて、
たまにインパクトのある患者さんの話を書いていたので、
書くネタに余裕があったんですけど、
最近は、患者さんの治療をしながら、
自分でも無意識に、ブログのネタを探していたんです。

ありゃ、これって、違うでしょ、

患者さんを自分のブログのネタとして見てしまうのは、
医者としては相当、不謹慎です。

そう気づいてしまうと、
ちょっと、心のブレーキを踏んでしまって、
そうすると、ブラックなジョークが書けなくなって、
自分でも面白くなくなってきたんですよ。
なので、ここでは、もう、
患者さんを扱ったネタは書かないでおこうと思ったのです。

でも、皆さんと作ってきたこのブログは、
これまでも、これからも、本当にボクの宝物ですし、
以前の記事には、このまま埋もれさせるには
ボク的にはもったいないと思っている話もあります。

なので、
時々は、昔の記事をまとめて、
再公開していこうと思っています。
今は、2011年1月をあげてますので、
月別アーカイブから入ってください。

これからも不定期に上げていきますので、
また、時々、ネット散歩でのぞきに来てくださいね。

ありがとうございました。




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みなさん、ありがとうございました

実は、訳あって、本日をもって、
このブログを終了することといたしました。

これは先日のエイプリルフールの冗談ではありません。
私が、初めてと言っていいほど、
真剣な顔で、お話しております。

諸般の事情というか、何というか、
いろいろ、ありまして、やめることといたしました。

しかし、決して、
何かで炎上したとか、
問題が起こったとかというものではありません。
職場を追われたとか、
体調を崩したというわけでもありません。

最近、チョー忙しい状態になってきたりしたので、
そんな中で、がんばりきれなくなったことも、
遠因ではありますが、
それだけではありません。

毎日のつぶやき程度のブログなら、やめるやめないなんて、
大層なことをいう必要もないんでしょうが、
多くの方に、見ていただいていたことは、
その分、期待されていた度合いも強く、
いい文章を書きあげなきゃ、なんてプレッシャーもありましたが、
でも、それだけでもありません。

いろんなことが絡み合ってのことですから、
やめる理由そのものは、
そんなに大したことじゃありません。

世の物事はすべて永遠ではありませんし、
いつかは終わりを迎えるものですね。

ま、これまで、ボクのブログを読んできてくれた方々は、
ボクのユルーイ感じを百も承知でしょうから、
ボクがやめるにしても、
そんなに真剣な理由ではないだろう、と、
見透かしていることと思いますが。

これまで、2年間、皆様方には、
本当によくしていただき、感謝の念にたえません。
皆様のお力があったからこそ、
これだけ、長く続けて来れました。

何もしなければ、
ボクの記憶の中からいつかは消えていったであろう、
これまでの医者として経験してきた数々の症例や事件を、
このブログを書くことによって、
記憶にとどめ、記録を残すことができたことは、
価値のあることだったと思います。

それも、皆さんと一緒にワイワイ、ガヤガヤと、
宴会ふうに盛り上がって書いてこれたのだから、
これは最高の経験でした。

コメントをいただいた方も、サイレントな読者の方々も、
ちょっとは、医者の本音を
ご理解いただけたのではないでしょうか。
それこそが、
ボクが、このブログをはじめるきっかけだったのですから、
目的がすこしでもかなったのなら、
それだけでもうれしい限りです。

でも、今までの2年間、記事を書きつづける緊張感も、
ボクのボケ予防には最高だったのですが、
やめてしまうとボケちゃうんじゃないか、と
心配したりします。

なので、いつか、また、どこかで、
こっそりとブログを書いているかもしれません。
どこかのブログでお会いできれば、
それはそれで面白いですね。

皆様に、突然やめるお詫びと、
これまでのお礼の気持ちをこめて、
しばらくは、昔の記事を、時々、再掲載していきます。
まずは、今日は、2011年1月分をあげます。
そのころの記事をご覧にならなかった皆様は、
どうぞ、お立ち寄りください。
これからも、またお暇なときにでも、お越しください。

本当に、本当に、ありがとうございました。
皆様のご健康とご多幸、心よりお祈り申し上げます。


ボクの一番好きな言葉は、
昔のドラマ、「傷だらけの天使」の最終回で、
ショーケンが事務所の女の子との別れ際にかけた言葉です。
その言葉を皆さんにお贈りして、
救急ダウンタウンを終了させていただきます。






みなさん、しあわせになってね






アニバーーサリーー!!2周年

明日、6月18日、
ついに、救急ダウンタウン、ブログ開設2周年を迎えまーーす。

(パチパチパチ)

それでは、皆様全員、ご起立ください。

(ピシーッ)

国歌斉唱です。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

ご着席ください。

(ガサゴソガサゴソ)

ただいまから、ドクターニコラスより、皆様にごあいさつがございます。
ドクターニコラス、壇上へお上がりください。

(ツカツカツカ)

えー、諸君、あ、違った、
えー、皆様、
本日はお日柄もよく、いや、
遠路はるばる、いや、

お忙しいところ、私のブログにご来訪を賜りまして、
誠に有難うございます。
この2年間、いろいろなことがありましたが、
何とか、こうやって、救急病院の裏ネタを
書き続けてくることができました。

これもひとえに皆様方の、ご声援の賜物と、
心より感謝申し上げます。

そして、図に乗って、調子に乗って、
多くの方々のお力をいただき、
本を出したり、新聞に載せてもらったり、
さまざまなことに挑戦もさせていただきました。

現在も、新たな本作りや
タウン誌、企業誌への掲載など、
様々な企画も考えております。

しかし、去年の1周年には、
いろいろと取って置きのネタを
特別企画で1周年記念月間と銘打って
ご披露しましたが、
今年は今、本当に忙しく、
ゆっくりネタを仕込んでいるヒマが
ありませんでしたので、
いつも通り、淡々と、
記事を書くに留まっております。

という具合で、
これから先、いつ、何時、ネタがつき、力がつきて、
終わりを迎えるかわかりませんが、

(ザワザワザワ)

今後とも、ご贔屓の程、(ベンベン)
よろしくお願いいたしまーーーーす。

(ウオーーー、スタンディングオベイション)



111111



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健康 救急車 看護師 

救急の形は千差万別

救急といっても、病院によって救急医療のやり方は千差万別。


小規模の病院なんかは、いくら「救急」を標榜していても、

ほとんどの病院が、たった一人の当直医が救急患者を診る体制。

しかもその医者は内科か外科か整形か耳鼻科かわからない。


そんな危うい状況で日本の救急は成り立っている。


一方、地域の中核病院、基幹病院などは救命センターや救急科を持っているところもある。

救急医療の形としては大きく2つに分けられる。


ひとつは、救命センターみたいに重症の患者(3次救急患者)だけを取って、救急医が自分たちで診察して集中治療して治して退院させる、といった自己完結型の形式を
ICU型救急。

もうひとつは、アメリカドラマの「ER」で見られるような、初療(初期治療)だけは救急医が診て、軽症ならそのまま帰すけど重症ならそれぞれの専門医に預けて入院させる、といった初療専従型のER型救急。


うちの病院は多くの科がある総合病院で、それぞれの科に専門医がいるので、

形としては「ER型救急」でやっている。


救急外来はボクたち救急専門医を中心に、毎日当番を決めて救急患者の診察に当たる。

ただ、担当医が専門の病気じゃなくても、毎日、全ての専門科が救急担当を当てているので、なにか専門外の患者が来たら応援を頼むことができる。


でも、こういった比較的しっかりした救急受け入れ体制を持っている病院は、

日本の救急病院全体から見たら、ほんの一握り、

その恩恵を受けられる患者も一握りということで、

救急フェチのボクとしては、

ちょっとでも質のいい治療を提供しようという思いだけは常に持ち続けている。

 

はじめまして。始めました、ブログ

はじめまして、ニコラスです。
大阪の中規模病院で外科医として働いてマス。
医者になって20年、もう中堅以上の立場にはなってるけど
気分は、まだまだ、仕事を始めた頃のままなんで
現場で走り回ってるのが好きだなあ

医者は全部で150名近くいるけど、
外科の症例がそれほど多くないので、
昔、救命センターで働いていたこともあり、
救急外来を担当することが多い。

救急には、病気やケガもいろいろ来るけど
患者自体、いろんなキャラの人が多いんで
ヒューマンウォッチャーとしても、興味が尽きないし飽きないんだよな。

さあ、今日も、昨日MKの手術をした患者の状態を見に行って
その後は、救急外来で救急車を待ってよっと。

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経歴とブログタイトル

【経歴とブログタイトル】
●研修医時代のおもひで
 1年目大学外科医局入局
 2年目救急診療部の研修
●若手時代ワンダリング
 3年目~8年目
●ケースカードや何やかや
 9年目~最近まで
●救急ポートフォリオ
 その日のライブレポート
●外科医フォン・ド・ボー
 外科医としての仕事やコメント

登場人物と関連病院

【登場人物】
★ブルルンカ病院
 --現在の勤務先
 外科  堀田部長
     旅田先生(8年下)
     元山先生(12年下)
 麻酔科 相馬副院長
     友田先生
 放射線 鹿山先生
 研修医 南川先生
     芦田先生
★ズビズバ大学附属病院
--出身大学
 外科医局      
  佐久間教授
  富田先生(怖い講師)
  森下先生(女好き講師)
  毛利先生(医長12年上)
  石田先生(10年上)
  高山先生(5年上) 
  河野先生(3年上)
  坂口(同級生) 
  迫田(2年下)  
  秘書 ジュディー 
 救急診療部
  福井先生(助教授)
  杉内先生(7年上指導医)
  脳外科 林先生 
  看護師 小宮山さん
      高森さん
      富野さん
★関連病院          
 ボンコビッチ病院(堺市)
 ドゥンガ病院(奈良県)  
 トテカンチョ病院(兵庫県)
重村先生(2年後輩)
 コモエスタ病院(東大阪市)
  矢部先生 救急部部長
  広瀬先生 外科部長
  立花先生 外科医
 シャゲナ病院(岸和田市)
 オテモヤン綜合病院(泉州) 
 ジャンギャバン病院(大阪ミナミ)
 トントロト病院(大阪市南部)
 サマランチ病院(尼崎市)
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2012年3月11日 神戸新聞書評欄で紹介されました
2011年12月11日 読売新聞で紹介されました
2011年4月 書店に並びました
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