ジャズ理論

ジャズで使う音楽理論
タイトルバックはリサージュ図形

ダブル・ドミナント

付け焼刃なので正式に勉強されたい方は専門書を読まれたほうが・・・。

コードとスケールの関係とは?(その2)

リディアン・スケールやリディアン・♭7・スケールの練習をしてみます。



key=Cのコード進行

||: Cmaj7 | Fmaj7 | F7 | E7 |
| Am7 | D7 | Dm7 | G7 :||

各コードで使用したスケール

◎Cmaj7(トニック)
Cアイオニアン・スケール
◎Fmaj7(サブドミナント)
Fリディアン・スケール
◎F7(Eコードにドミナント・モーションするB7の裏コード)
Fリディアン・♭7・スケール
◎E7(key=Amから借りてきたドミナント)
Eハーモニックマイナースケール・パーフェクト5th・ベロー

◎Am7(key=Gのサブドミナントの代理コード)

※次のD7コードとセットで

Am7→D7

と、ツーファイブになるのでドリアン・スケールを使います。
ツーファイブのツーには「いつも」ドリアン・スケールを使います。ということは、このコードも他のキーからの借り物(借用和音)です。

Aドリアン・スケール

A,B,C,D,E,(F#),G,A

key=G(ト長調)のメイジャー・スケールのA音から並べ替えたスケールだから、長6度のF#音となる。以前はこの音はアボイドとされていたんですが、最近はアボイド扱いしないみたい。
しかし、使いにくい音ではあります。

※録画した動画に書き込んだスケールは間違ってました。

◎D7(ダブル・ドミナント)
Dリディアン・♭7・スケール
◎Dm7(サブドミナントの代理コード)
Dドリアン・スケール
◎G7(本来のドミナント)
Gミクソリディアン・スケール

なるべく簡単なアルペジオだけにしようと作ったつもりが、面白みがないと感じると

ナインスや
♭ナインス
ビバップ・スケール
ブルー・ノート等をつかっている箇所があります。

※なお、画面上20小節目のFmaj7でEb音を使用しているのは「ワザと」です。
ミス・トーンではありません。

※ちなみに、F7コードは

key=Cmのメロディック・マイナー・スケール上にできるコードです。

◎Cメロディック・マイナー・スケール

C,D,Eb,F,G,A,B,C(上行形)

4番目のF音から並べ替えると

F,G,A,B,C,D,Eb,F

これがリディアン・♭7・スケールです。
B音から並べたBスーパー・ロクリアン・スケール
別名オルタード・スケールの裏スケールになります。

※B音とF音は増4度または減5度の関係にあります。

B音が低くF音が高い位置の場合は
B,C,D,Eb,F
と5段階ありますが完全5度より半音狭い音程だから「減5度」

F音が低くB音が高い位置の場合は
F,G,A,B
と4段階ありますが完全4度より半音広い音程だから「増4度」

となります。
各音の音程を瞬時に度数で認識できるようでないと、アドリブなんて到底ムリじゃないかと思うので

楽典

をしっかり身につける事をオススメします。



長調の曲の中に短調がちょっとだけ入り込む

去年作った練習曲を一部修正したものです。

ハ長調(key=C)の曲の中に、同主短調のハ短調(key=Cm)や、ニ短調(key=Dm)のコードを一時的に借りて来る(借用和音)を使った練習です。

※ファイル更新(タイトル変更)



key=C(一応ハ長調のつもり)

||: C | Cmaj7 on B | Bb7 | A7 |
| Ab7 | G7 | Dm7 | Em7→Fmaj7→G7 :||

ハ長調の曲が始めから終わりまでず~っとハ長調のまんまでは、サウンドが安定しすぎて退屈してきます。そのため殆どの曲では曲の途中で転調したり、一時的に他の調からコードを借りて来てサウンドに変化を持たせています。

音楽は「緊張と弛緩」の繰り返しで作られています。「弛緩」したサウンドは安定感はありますが、落ち着きすぎているために退屈してきます。適度に「緊張」したサウンドが混じりこむことで、サウンドがより多彩に変化して躍動感が感じられるようになります。かと言って「緊張」の連続では疲れてしまうので、「緊張と弛緩」を適度に繰り返しながら、最終的にはエンディングで「弛緩」させて安定したサウンドで終わりにします。なかには「不安定」なまんま放り出してしまう終わり方をする曲もありますが。

演奏中突然ブレイクさせて、リスナーに「ん? 放送事故? 」と一瞬の緊張感を与えるのも、テンションを使うのも、曲の一部でポリリズムを使うのも、他のキーからコードを借りてくるのと同様にサウンドが単調になるのを防ぐ方法です。

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◎Bb7
同主短調Cmのサブドミナント・マイナーFm7の代理コード。

Cメイジャー・スケール上にはない音が根音となるセブンス・コードなので

Bbリディアン・フラット・セブンス・スケール

を使っています。

◎A7
key=Dmのドミナントを一時的に借りてきたので、セカンダリー・ドミナントとなるコード。

key=Dmのドミナント・コードであるA7コードなので、Dハーモニック・マイナー・スケールから派生する

Aハーモニック・マイナー・スケール・パーフェクト・フィフス・ベロー

を使っています。

◎Ab7
key=Gから借りて来たD7が、本来のドミナントG7にドミナント・モーションするダブル・ドミナントで、そのD7の「裏コード」がこのAb7。
Ab7にすると結局key=Dbのドミナントを借りてきた事になる。

このコードも、Cメイジャー・スケール上にはない音が根音となるセブンス・コードなので

Abリディアン・フラット・セブンス・スケール

を使っています。

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借用和音については、下記サイトさんの説明が分かりやすいかも。

YAMAHA
第4回 カデンツとコード進行の基礎


「ハ長調の曲なのに、どうしてDmやEm,Amが出て来るんだ? 」という疑問を持つ人はまさかいないとは思いますが、「ハ長調にはC,F,Gコードしか使わないハズ」ともしも思っている人がいたら、上記サイトさんでハ長調には元々固有の和音である7つのコードがあるんだ、という基本的な知識を勉強してください。ハ長調の曲の中にDm,Em,Amが出てきたからといって、短調から借りてきた訳ではありません。

◎長調の音階上にできるコード
◎短調の音階上にできるコード

は最低限の知識として覚えておかないと、曲中で転調しているのか、それとも一時的に借りてきた借用和音なのかの区別を付ける事ができません。

各コードの機能が分からないと、コードで使う音階(スケール)は何が妥当なのかの判断が付きません。各コードで使えるスケールを決められないと、テンションは何を使うのが妥当なのかの判断も当然できませんから、長調(メイジャー・キー)短調(マイナー・キー)の基本的なカデンツ(終止形、英語ではケーデンス)はしっかりと覚えてください。

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2017.06.03追記

上記練習曲と似たようなコード進行で、去年の「たなばた」が近いこの時期にいろいろ作ってました。



key=F(ヘ長調)のコード進行
||: Fmaj7 | Bbmaj7 | Bbm7 | Eb7 |
| Am7 | D7 | Gm7 | C7 :||

各コードの機能、コードにはそれぞれ「主役」や「脇役」に相当するような役割があります。

◎Fmaj7
key=Fの主和音でトニック・コード

◎Bbmaj7
key=Fの下属和音でサブドミナント・コード

◎Bbm7
同主短調key=Fm(ヘ短調)の下属和音、サブドミナント・マイナー・コードと言います。
同主短調からはいつでもコードを借りて来られるので、key=Fの「準固有和音」と言うそうです。

準固有和音 -ポップス・ロック作曲のための実践音楽理論/ヒット曲分析

「涙がちょちょぎれる」ような曲を作りたかったら、欠かせないテクニックみたいですよ「準固有和音」は。

◎Eb7
Bbm7→Eb7でツーファイブを形成しているので、このEb7はkey=Abのドミナントと解釈もできるんですが(key=Abはkey=Fmの平行調)、key=Fから見るとVIIb7(7度フラットのセブンス・コード)になります。このEb7コードもkey=Fから見るとサブドミナント・マイナーの代理コードと解釈できるんです。ヤヤコシイですね。

◎Am7
key=Fの主和音であるトニックFコードの代理コード。

◎D7
key=Gmから一時的に借りてきた借用和音で、セカンダリー・ドミナント(副属七)と言います。
前のAm7コードとセットになって、Am7→D7でツーファイブを形成している。

Am7をFコードの代理だと考えた場合はAフリジアン・スケールを使うんですが、フリジアン・スケールでは「ナインス」のテンションが使えなくて不便だし、key=Fのメイジャー・スケールと同じ音使いなので面白味に欠けます。

Am7→D7でツーファイブを形成していると解釈すればAドリアン・スケールを使うことが出来、「ナインス」のB音が使える。このB音はkey=Fにない音なので、ちょっとした「緊張感」が出ます。「緊張と弛緩」の繰り返しが音楽には必要ですから、Aドリアン・スケールを使うほうがいいと考えます。

◎Gm7→C7
key=F本来のツーファイブ。

Gm7はkey=Fの下属和音である、サブドミナントBbmaj7コードの代理コード。
C7はkey=Fの属和音で、これが本来のドミナント・コード。

ドミナント・コードはツーファイブに分割することが出来るし、逆にツーファイブを元のドミナント・コードだけに戻す事ができます。
Gm7コードでベース奏者がC音を弾くこともある。

Gm7 on C

となる訳ですが、全体の構成音C,G,Bb,D,Fを並べ替えると

C,F,G,Bb,D

となり、C9 sus4 (シー・ナインス・サス・フォー)と同じ事になります。

C9 sus4→C7

ツーファイブのツーであるGm7コードで、いつもかつもベースがG音を出さないといけないんではベース奏者が退屈するデショ?

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key=Cで作っていたものを、key=Fに移調した際に微修正したものです。



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蛇足

最近はヴィヴァルディばかり探してます。

RV 523とありますが、曲の出だしはその下のRV 356と似ています。
※RVはヴィヴァルディ作品の整理番号に付く記号。

A. Vivaldi: RV 523 / Concerto for 2 violins, strings & b.c. in A minor / L'Arte dell'Arco

こちらがRV 356

Vivaldi: Violin Concerto A minor, Allegro - Largo - Presto

整理番号RV 356は馴染みやすいメロディーだからか、お子さん向けのの練習曲となってるようです。

Vivaldi - Violin Concerto in A Minor 1st Movement RV 356 Op 3 No 6

後ろで伴奏している人が弾いているピアノベーゼンドルファーのようですね。ジャズではピアノと言えばスタインウェイが定番ですが、クラシックではベーゼンドルファーが好まれるとか。しかし、ベーゼンドルファーのピアノはお高いのでは?

  世界3大ピアノ弾き比べ (後悔しないピアノ選び)

余計なお世話ですが...

こちらはRV 522。

Vivaldi, Antonio L. (1678-1741) violin concerto for 2 violins in A minor opus 3 no. 8, RV 522



ドミナント(セカンダリーを含む)スケール練習

ドミナント(属七)・コードと、他のキーから一時的に借りてくる借用和音のセカンダリー(副属七)・コードで使うスケール練習をしてみます。
メイジャー・キーでは、5種類のセカンダリー・ドミナントが使えますが今回は

key=Cの場合

◎I7(1度セブンス)のC7
key=Fから借りてきたドミナント

◎II7(2度セブンス、ダブル・ドミナント)のD7
key=Gから借りてきたドミナント

◎III7(3度セブンス)のE7
key=Amから借りてきたドミナント

の3種類のセカンダリーを含んだコード進行を作って、スケール練習をしてみます。



key=C
||: Cmaj7 | C7 | Bm7-5 | E7 alt. |
| Am7 | D7 | Dm7 | G7,b9th :||

※Bm7-5コードにドミナント・モーションするコードはF#7ですが、key=Cのセカンダリーではないので、F#7の裏コードのC7からBm7-5へ進行させることにしています。多少コジツケっぽいコード進行では有りますが...

◎Cmaj7
Cアイオニアン・スケール

◎C7
Cリディアン・フラット・セブンス・スケール
「ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ♭・ファ」と考えながら、C音から並べれば間違えないはず...

C,D,E,F#,G,A,Bb,C

ノー・アボイド。9thのD音、#11thのF#音、13thのA音がテンション。

◎Bm7-5
Bロクリアン・スケール

◎E7 alt.
Eオルタード・スケール

E,F,G,G#,Bb,C,D,E

ノー・アボイド。b9thのF音、#9thのG音、#11thのBb音、b13thのC音がテンション。

◎Am7
Aドリアン・スケール

◎D7
Dリディアン・フラット・セブンス・スケール

D,E,F#,G#,A,B,C,D

ノー・アボイド。9thのE音、#11thのG#音、13thのB音がテンション。

◎Dm7
Dドリアン・スケール

◎G7,b9th
Gコンディミ・スケール

G,Ab,A#,B,C#,D,E,F,G

ノー・アボイド。b9thのAb音、#9thのA#音、#11thのC#音、13thのE音がテンション。
オルタード・スケールとの違いは、完全5度を含んでいることと、13thのテンションがトニックCコードの長3度のE音と同じ、ナチュラル・テンションである点です。


※ドミナント、あるいはセカンダリー・ドミナント・コードには上に書いた以外にも

1.ミクソリディアン・スケール
2.オルタード・スケール
3.ホールトーン・スケール
4.コンディミ・スケール
5.ハーモニックマイナースケール・パーフェクト・フィフス・ベロー
6.ミクソリディアン・フラット・シックス・スケール

等と、いろいろあります。

通常よく使われるスケールを選択するのが無難です。まずはやさしいスケールから練習して、だんだんと難しいスケールに慣れるようにしたらいいと思います。

key=Cのセカンダリー・ドミナントには、他にA7とB7 があります。A7は循環コードで頻繁に使うので馴染みがあると思いますが、B7はツーファイブに分割すると

F#m7-5→B7

※F#m7としないのは、フラット・ファイブにしたほうがコードの構成音が

F#,A,C,E

となり、key=Cとの共通音が増えるため。

しかし、共通音を増やしてもF#m7-5がkey=Cのダイアトニック・コードではないため、あまり使われないようです。

C7もツーファイブに分割すると

Gm7→C7

となり、Gm7がkey=Cのダイアトニック・コードではないので、ブルースで使う例はよく有りますが、歌モノではあまり使われないんじゃないかと思います。


ゴセックの「ガヴォット」にブルーノートやテンションを加えてみる

この曲、どこかで聞いたことあるなあ~、何処だったか?
と一所懸命(一生懸命は「一所」と書くのが本来の書き方)というほど大袈裟な訳じゃありませんが、すぐには思い出せなかったもので。

ガヴォット ピアノ楽譜 ゴセック / Gavotte Piano Sheet Music Gossec

ああ、そうか。テレビのBGMでよく聞く曲ですね~♪ この曲。
と一生懸命(最近はこちらの書き方が一般的みたい)考えるまでもなく、思い出しました。

閑話休題

そのまんま、楽譜通りに打ち込んだのでは面白味がないので、ブルーノートやテンションをチョッピリ加味してみました。



※ツーファイブやダブル・ドミナント(ドッペル・ドミナント)だと解釈できる音使いがあるので

| Am7→D7 | Dm7→G7 |

としてアドリブ練習できるかも...

※楽譜には元々前打音が有りますが、ブルージーには聞こえませんね。後から加えた半音下からアプローチした音、はブルージーに聞こえませんか? 例えば

Eb→E

Ab→A

コードの根音との音程を度数で考えれば、どうしてブルージーに聞こえるのか、理由が分かるはず。

※ブルーノートは

1.b3度と3度の間にある。
2.b5度と5度の間にある。
3.b7度はズバリb7度がブルーノートに聞こえると思います。

※各音を度数で考える癖を付けることが、どれだけ重要かが分かると思うんですが。

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クラシック・ピアノ初心者向け、というよりオコチャマ向け? かもしれない副教材から、面白そうな曲を探し出しては打ち込んでますが、楽譜を見ながら打ち込む作業はホントに面倒くさくて、途中で飽きてしまいます。どうも最近集中できない、何をしたいのか気持ちが定まらない...デス。

アドリブ・フレーズ作りばかりやっていると楽譜を見ながら打ち込むなんてことはしないので、ピアノロール画面から楽譜を見るたびに、どうやら集中力が途切れてしまうようです。かと言って、自分の頭の中に浮かんでくるフレーズがマンネリになってくると、どうしても「ネタ」を仕入れないといけないので、当分辛抱するしかないかな...と思っている今日此の頃。

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ゴセックとはどんな人だったのか?

フランソワ=ジョセフ・ゴセック

「フランス交響曲の父」だと書いてあります。偉大な人だったようです。



Cダイアトニック&ダブルドミナント練習2017

key=Cの

◎ダイアトニック・コードと

◎セカンダリー・ドミナントの一種の

ダブル・ドミナントを使ったスケール&アルペジオ練習です。



key=Cのコード進行
||: Cmaj7 | Fmaj7 | Bm7-5 | Em7 |
| Am7 | D7 | Dm7 on F | G7 :||
エンディング
| C69 | C69 ||

各コードで使用したスケール。

◎Cmaj7
Cアイオニアン・スケール
アボイドは11thのF音、テンションは9thのD音と13thのA音。

◎Fmaj7
Fリディアン・スケール
ノー・アボイドなので、9thのG音と#11thのB音と13thのD音がすべて使える。

◎Bm7-5
Bロクリアン・スケール
アボイドは♭9thのC音、安全に使えるテンションは11thのE音のみ、♭13thのG音は要注意のケア・ノート。

◎Em7
Eフリジアン・スケール
アボイドは♭9thのF音、安全に使えるテンションは11thのA音のみ、♭13thのC音は要注意のケア・ノート。

◎Am7
Aエオリアン・スケール
アボイドは♭13thのF音、テンションは9thのB音と11thのD音。

◎D7
Dリディアン・♭7・スケール(※)
下の方で別記します。

◎Dm7
Dドリアン・スケール
13thのB音は最近ではアボイド扱いではない、と言われますが扱いにくい音です。安心して使えるテンションは9thのE音と11thのG音。

◎G7
Gミクソリディアン・スケール
アボイドは11thのC音、テンションは9thのA音と13thのE音。

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(※)
D7はメイジャー・キーで使える5つのセカンダリー・ドミナントの一種で、本来のドミナントであるG7にドミナント・モーションするドミナント。ドミナントにドミナント・モーションするコードなのでダブル・ドミナント(ドッペル・ドミナント)と言います。ただし、三全音の解決はせずG7コードの新たな三全音に半音下行する点で、他のセカンダリー・ドミナントとは性格が違います。

他の4つのセカンダリー・ドミナントは、次のコードに進行することで「三全音の反進行」をして、三全音(トライ・トーン)の不安定な響きを解消します。

◎D7で使用したスケールは
Dリディアン・フラット・セブンス・スケール
ノー・アボイドで、9thのE音と#11thのG#音と13thのB音、すべて使えます。

このスケールは頭の中で
「ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ♭・ファ」
と考えながらD音から並べていけば得られます。何故そうなるのか?

このスケールはkey=AmのAメロディックマイナー・スケールの4番目のD音から並べ替えた音階だからです。

※なんでkey=Amが出て来るんかいな???

理由は私も知りません。ジャズではそれが常識らしいんです。
オルタード・スケール(別名スーパー・ロクリアン・スケール)の裏スケールに相当するので、ジャズ・ミュージシャンが好んで使っていたから?

Aメロディックマイナー・スケール(上行形)

A,B,C,D,E,F#,G#,A

Aメロディックマイナー・スケール上には5番目のE音上にE7のドミナント・コードができるのはもちろんなんですが、実は4番目のD音上にもD7というドミナント・コードらしきものができるんです。D音から並べ替えてみると

D , E , F# , G# , A , B , C , D , E , F# , G# , A

赤文字がコード・トーン。青文字がテンション。

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◎Fmaj7では
Fリディアン・スケールを使うのでノー・アボイドだから
Fmaj7コードの上にGコードが乗っかるアッパー・ストラクチャーができるため、4度フレーズが自在に使えます。上記動画でも一部で4度フレーズにしています。

◎D7では
Dリディアン・♭7・スケールを使うのでノー・アボイドだから
D7コードの上にEコードが乗っかるアッパー・ストラクチャーが、やっぱり出来ます。

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key=Cmajからkey=Cmに移調してメドレーに。
マイナー・キーのコード進行はダイアトニックという訳にはいかないので、ダイアトニックもどきにしています。

2018.10.13.
4小節単位で区切りよく表示されるように、メイジャー・キーからマイナー・キーへつなぐための間奏部分を修正してファイル更新。


key=Cmのコード進行
||: Cm7 | Fm7 | Bb7 | Ebmaj7 |
| Abmaj7 | D7,b9th | Dm7-5 on F | G7,b9th :||
エンディング
| Cm69 | Cm69 ||

まだ使用スケールをどうするか迷っている最中です。もっと吟味する予定...

簡単な音使いにしようとすると面白味のないものになるし、面白くしようとすると、難解な音使いをせざるを得なくなるしで迷うところです。



Fメイジャーツーファイブを拡張したダブルドミナントの練習2017

key=Fmにしたものを、再びkey=Fmajに戻してみました。



key=F
||: Fmaj7 | Bbmaj7 | Em7-5 | A7,b9th |
| Dm7 | G9 | Gm7 | C9 :||

※A7はIII7のセカンダリー・ドミナント
※G7がダブル・ドミナントまたはドッペル・ドミナント
※C7がkey=Fの本来のドミナント

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ボヤキ

マイナー・キーでいい感じにできたと思っても、ほぼその形を維持したままメイジャー・キーに移植すると、ちょっと間が抜けた感じに聞こえるような気がしないでもないです。どうやら、マイナー・キーのほうが「良さげ」に聞こえ、メイジャー・キーに対しては無意識のうちに耳がシビアになるのかも知れません。ホントはメイジャー・キーで曲を作るほうがムツカシイんじゃないかと思う今日この頃。

一見マイナー・キーでは音使いが難解なので難しそうですが、以外に耳はマイナー・キーに対して寛容な聞き方をしているのかも。無意識のうちにバイアスがかかっている気がする...

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セカンダリー・ドミナントの中でもダブル・ドミナントは特殊なコードで、ドミナント・モーションしてトライトーン(三全音)が解決しません。ダブル・ドミナント以外のセカンダリー・ドミナントは、次のコードの根音と3度の音に進行することによって不安定な響きの三全音が解決します。
例えば

A7→Dm7

ではA7コードのA#音とG音の三全音、次のDm7コードのD音とF音に「三全音の反進行」をすることによって解決します。
しかし

G7→Gm7→C7

G7コードの三全音であるB音とF音の解決先が、次のGm7コードにはありません。C7コードまで進行してB音がBb音へ、F音がE音へと半音下行することによって、新たな三全音になってしまいます。次のトニックであるFコードの、F音とA音にE音とBb音が「三全音の反進行」をすることによって、やっとこさ三全音の不安定な響きが解決されるのです。つまり解決の先送りで、アドリブ・フレーズ作りで使う「ディレイド・リゾルブ」「遅延解決」に似た事を、コード進行でやってしまう仕組みです。



Fマイナーツーファイブを拡張したダブルドミナントの練習



去年、七夕様のイメージで作っていた曲をマイナー・バージョンに移植してみました。

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去年のメイジャー・バージョンがこちら



Fメイジャーツーファイブを拡張したダブルドミナントの練習

key=F
||: FM9 |BbM9 |Em7-5 |A7,b9th |
| Dm9 |G9,#11th |Gm9 on Bb |C9 :||

-------------------------------------------

Fマイナー・ツーファイブを拡張したダブルドミナントの練習2017

key=Fm
||: Fm7 | Bbm7 | Edim7 | Abmaj7 |
| Dbmaj7 | G9 | Gm7-5 | C7,b9th :||

まだ腑に落ちない箇所もあるので、ボチボチと推敲する予定...

アチコチ不自然に感じる部分を修正してみたけど、まだまだ納得いかない...
こりゃ~、マイナー・キーのセカンダリー・ドミナントをマジメに勉強しないと...デス。



2018.08.21.追記




「枯葉」をAmに移調してアルペジオ練習(その2)

テーマの最後の部分を使用した短いイントロとテーマを追加。
重音部分、8小節単位でモチーフが纏まるように修正後テーマの後に続けて、アドリブ予備練習のアルペジオへと続けています。
まだ、「ヘン」なところがアチコチあるので推敲継続中。




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イントロ変更。
以前はストリングの音色は好きではなかったんですが、嗜好が変わったのかな?



イントロ
||: Bm7-5 | E7 | Am→AmM7 | Am7→Am6 :||
枯葉Am2016No4イントロ

各コーラス共通(多分)の伴奏パート
[A]
|Dm7|G7|Cmaj7|Fmaj7|Bm7-5|E7|Am|Am||
枯葉Am2016No4伴奏1

[A']
|Dm7|G7|Cmaj7|Fmaj7|Bm7-5|E7|Am|Am||
枯葉Am2016No4伴奏2

[B]
|Bm7-5|E7|Am|Am||Bm7-5|E7|Am|Am||
枯葉Am2016No4伴奏3

[C]
|Bm7-5|E7|Am→AmM7|Am7→Am6|F7|E7|Am|Am||
枯葉Am2016No4伴奏4

※F7コードは、Bm7-5をダブル・ドミナントである2度セブンスのB7に変更し、さらにそのB7の裏コードがF7で、次のE7にドミナント・モーションするコード。

-------------------------------------------

枯葉AmNo4-5

枯葉AmNo4-6

枯葉AmNo4-7

枯葉AmNo4-8

枯葉AmNo4-1

枯葉AmNo4-2

枯葉AmNo4-3

枯葉AmNo4-4






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