ジャズ理論

ジャズで使う音楽理論
タイトルバックはリサージュ図形

ツーファイブワン

付け焼刃なので正式に勉強されたい方は専門書を読まれたほうが・・・。

key=Cのツーファイブワンでフレーズ作りの練習2018(その3 前半に12小節追加&締めくくりを修正)

key=Cのツーファイブワンをkey=Dmのツーファイブで連結した練習曲の前半に12小節追加し、フレーズの締めくくり方がしっくりしてなかったので修正。

2019.01.05.
追加したフレーズがどうにもダサい感じがしたので、修正後ファイル更新。


key=Cのツーファイブワンのコード進行
※ターンバックをkey=Dmのツーファイブにして連結しています。

||: Dm7 | G7 | Cmaj7 | Em7-5→A7,b9th :||

2019.01.05.追記
フレーズを作る際には、コードの根音(ルート)はなるべく使わないほうがいいみたいです。
伴奏パートにベースが含まれる場合が顕著なんですが、特に小節の頭1拍目で根音を使うと何ともダサいフレーズになる可能性大です。

それは何故か?

各コードの1拍目では原則としてベースが根音(ルート)を弾くので、ベース音とダブルからです。

例えばベースがC音を出した場合、ベース音だから当然低い音には違いないんですが低く聞こえる音はあくまで基音であって、実際にはメロディー・パートが担当する音域まで、基音の2倍、4倍、8倍、16倍、さらに高いC音が鳴っています。

特にベースのような弦楽器には倍音成分が多く含まれているため、低音のC音しか弾いてなくても聞いている人の耳にはかなり高いC音が届いています。すでに聞こえている音を弾いたんでは効果が薄いのは当然ですよね。それに低い音は高い音よりもエネルギーが強いので、高音楽器の音をマスキングする事も考えられます。

マスキング効果について下記のサイトさんが参考になると思います。

低い音の力: 音のソムリエ

アドリブ・フレーズを作るにはどうすればいいのかと悩んでおられる方、菊地康正さんの「旋律学」が特に参考になるのではないかと。

菊地康正のエッセイ

「旋律学」の中にこんな一文があります。

以下引用~

初心者は、コードのルートを吹くのが精一杯だろうが、それはイモなのである。

~引用終わり。

上記の文を読んで「ドキッ! 」とした人はいませんか?

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蛇足

演奏をミスると不機嫌になる猫の動画が面白い。

When miss UKULELE.The cat which makes the feeling bad

上の動画はディズニー・アニメ「ピノキオ」のテーマ曲ですね。

星に願いを(ディズニー「ピノキオ」)~癒しのピアノ~ When You Wish Upon a Star(Disney Piano Instrumental)

まるで子守唄のような曲なので少しでも演奏をミスると猫からすると

「せっかくいいコンコロ持ちで寝てたのに何で不快な音を出すんだよ」(怒・怒・怒)

てな感じなんでしょうか。

こちらの動画では「お猫さま」はいったい何がお気に召さないのか、次第にものすごい形相になっていきます。

The cat looks like GODZILLA.

下記の動画は大バッハ大先生の「平均律クラヴィーア曲集第1番」のピアノ演奏を聞いた盲目の象が、演奏に合わせてダンスしているように見える動画です。こういう動画を観ると何故か涙が出てきてしまう...

【象 ピアノ】盲目の年老いたゾウに音楽を。

下記の動画ではブルースというか、ブギウギ・ピアノに象が演奏に参加したくてしたくて、すごい「ノリノリ」になっているように見えませんか?

12 Bar Blues - Piano Duet with Peter the Elephant - Thailand

その他「キンギョは作曲家の違いがわかる」とか「鳥は音楽に酔いしれる」などが書いてある記事。

犬は人間と同じ、猫はわりと無関心。7種の動物と音楽に関する科学的事実

音楽は人間だけのものではないみたいです。

では人間以外に作曲できる動物はいるのか?

作曲とまでは行かないかも知れませんが、少なくとも「さえずり」のヴァリエーションは出来るみたいですョ。ヴァリエーション豊富な「さえずり」が出来るジュウシマツはメスにモテるそうですから。

ジュウシマツの歌で「言語の起源」にせまる 岡ノ谷 一夫 氏

さえずりの練習をする若十姉妹

ジュウシマツでさえヴァリエーションを作ることが出来るんだから、当然人間様はメロディーのヴァリエーションなんて、チョチョイのチョイのハズですよね~♪

ところがどっこい「メロディーフェイク」とか「ヴァリエーション」作りとかは以外にムツカシイんですョ。

もしかしたら「さえずり」上手なジュウシマツには敵わないかも知れない...

さえずり上手は雌にモテモテ! 鳥の鳴き声の秘密

春先になると野原や広い畑がある場所で聞こえる「さえずり」、ジュウシマツよりもっとすんごい鳥がいます。
ヒバリの「さえずり」、小節があるように聞こえませんか?

野鳥:囀る(鳴く)鳥達/Wild Birds: Twittering and Chirping

譜割りを多彩に変化させていきながら、特に0:41~0:46辺りの「さえずり」の譜割りは3連符を連続しているように聞こえるんですが、私には。

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鳥の鳴き声には「文法」があるのか?

シジュウカラの鳴き声は「文」であることが判明!動物の作文能力確認は初

カラスは100種類くらいの鳴き声を使い分けられるんじゃなかったかな~?

おそらくカラスは鳥の中でも別格で、人間が想像している以上に狡猾かも知れない...



key=Cmのツーファイブワンでフレーズ作りの練習2018(マイナーキーになると途端に難解になる)

key=Cm
ハ短調のツーファイブワンの練習です。
※まだまだ荒削りです。



コード進行
key=Cm
||: Dm7-5 | G7,b9th | Cm | Bb9→Abmaj9 :||

マイナー・キーのツーファイブワンを、サブドミナント・マイナーで連結してみました。

前回、メイジャー・キーのツーファイブワンはマイナー・キーのツーファイブで連結しましたが、今回のマイナー・キーのツーファイブワンの連結は、メイジャー・キーほど簡単にはいきません。

それはなんでなん?

マイナー・キーの「ツー」が問題なのです。
key=Cmの場合だとDm7-5ですが

このコード、ハーフディミニッシュとも呼ばれるサブドミナント・マイナーの代理コード。
このコードにドミナント・モーションするのは、マズいんでしょうね。

※ハーフディミニッシュはトニックの代理はできないという理由からか、例えばCメイジャー・スケール上にできるダイアトニック・コードにはセカンダリー・ドミナントは5つしかありません。
トニックのCコードにドミナント・モーションするG7が本来のドミナント(属七の和音)、それ以外のDm7やEm7等にドミナント・モーションするコードがセカンダリー・ドミナント(副属七)ですが、ハーフディミニッシュのBm7-5にドミナント・モーションするセカンダリー・ドミナントは存在しません。

※ハーフディミニッシュというコードはとても「ヘン」なコードだからか、仲間はずれにされているんですネ。でも、このコードはちょっと「ヘン」だからこそ、独特のサウンドがするんです。上手く使いこなせば印象的なサウンドになるんですが、使いこなすのはチョットばかりムツカシイかも...

「枯葉」のコード進行でも

Am7-5→D7→Gm

と、key=Gmのツーファイブワンの「ツー」のAm7-5の前にあるコードはドミナントではありません。

Ebmaj7→Am7-5

Ebmaj7から増4度上のAm7-5に進行してますネ。

このEbmaj7コードはkey=Bbとして見るとサブドミナント。
key=Gmとして見ると短6度のサブドミナント・マイナー代理コードなんです。

key=Gmのサブドミナント・マイナーはCm7。

Cm9の構成音、C,Eb,G,Bb,Dの根音を省略すると

Eb,G,Bb,DとなりEbmaj7の構成音そのものと同じです。

マイナー・キーの「ツー」、ハーフディミニッシュもサブドミナント・マイナーの代理コード。
そして、その「ツー」へ繋ぐためのコードもサブドミナント・マイナーの代理コードを使うのです。

今回使ったターンバック

Bb7→Abmaj7

上の2つのコードはどちらも、key=Cmのサブドミナント・マイナーである
Fm7の代理コードです。

要するにサブドミナント・マイナーの代理コードの連続にしている訳です。

サブドミナント・マイナーの代理コードに関して、私がいつも参考にさせてもらっているサイトさん。

ソフィアのポピュラー音楽理論
7.サブドミナント・マイナーとその代理コード

代理コード | ギタリストのためのコード理論講座 - a-ki's factory

セカンダリー・ドミナント・コード



key=Cのツーファイブワンでフレーズ作りの練習2018(その2 まずはコードトーンのアルペジオから)

アドリブ・フレーズを自ら作るにはどうすればいいのか?

実のところ私も良くは分かりません。

と言ってしまっては「身も蓋もない」ことになってしまいますが...

本当にこれから書く練習方法が役に立つのかどうか、ホントのところ定かではありませんが、一応コード進行に慣れる事とコード・トーンやアベイラブルノートスケールに慣れること、要するに基本的な曲の仕組みをまずは身に付ける事から始めればいいのではないかと...

そこで、最も基本となる「ツーファイブワン」の練習から。
まずは、コード・トーン3和音のアルペジオから始めて4和音、さらに「ナインス」のテンション・ノートに慣れる事から始めるのがいいのではないかと考えます。

前々回の記事のファイル。



2018.04.18.最終案


key=C(ハ長調)コード進行
||: Dm7 | G7 | Cmaj7 | Em7-5→A7,b9th :||

※セカンダリー・ドミナントやマイナー・キーのツーファイブが良く分からないという初心者の方は、取り敢えず「ターンバック」のマイナー・キーのツーファイブは今は気にしないでください。「ジャズではこんな事をするんだ」くらいに思ってもらえればいいのではないかと。

下記の譜面で示したようにコード・トーンのアルペジオを

1-key=Cツーファイブワン

1.まずは根音・3度・5度
2.次に3度・5度・7度
3.そして5度・7度・9度

※Dm7では3度は短3度に、7度は短7度になる。
※G7では3度は長3度に、7度は短7度になる。
※Cmaj7では3度は長3度に、7度は長7度になる。
※そして、9th「ナインス」のテンションはすべて長9度(長2度と同じ音)になる。

というコードの基本をしっかりと頭に刻み込んでください。

コード進行を見たら、各コードのコード・トーンはどういう構成になっているのか?

短3度なのか長3度なのか?
短7度なのか長7度なのか?

ということが、すぐに分かるようでないと「お話になりません」。

まずは基本的なコード進行を見て、4和音のコード・トーンがどういう構成になっているのかがすぐに分かることが大事です。

アベイラブル・ノート・スケールを覚えて、各コードで使える「スケール」「音階」には複数ある事が分かって来ると、例えば

1.G7コードにミクソリディアン・スケールを使うんであれば、特にテンションの知識は必要ではなく単純に

「ソラシドレミファソ」

で事足りますが

2.G7コードにオルタード・スケールを使うと

途端に

b9th(短9度、短2度と同じAb音)
#9th (増9度、短3度と同じBb音)
#11th (増11度、増4度と同じ、さらに平均律では減5度と同じDb音)
b13th (短13度、短6度と同じ、さらに平均律では増5度と同じEb音)

複雑なテンション・ノートが使用可能となります。使用可能とは言っても、使いこなせるかどうかは練習次第でしょうが。特に#11thをテンションとして使用するのは、ヒジョ~にムツカシイですョ。完全5度に続ける減5度のブルーノートとして使うんであれば、そんなに難しくはありませんが。

※「増5度」なんて言葉が出てきましたが

メイジャー・セブンス・コードに
「オーギュメント・スケール」を使うとか

ドミナント・コードに
「ホールトーンスケール」を使うようになると「増5度」と言う表現が出てきます。

短音程、長音程、減音程、増音程など何のことか分からないようではすぐに困ってしまいますョ。

基本的な音楽用語や楽譜の読み方、カデンツ(ケーデンス、終止形)等は楽典で勉強してください。

参考サイトさん

楽譜について学ぶ

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2018.01.15追記

◎Gオルタード・スケール

G,Ab,Bb,Cb,Db,Eb,F,G

※Cb音とはつまりB音でG7のコード・トーン。
※G7のコード・トーンであるD音は省略される(スケールにないので)。

※テンション表記では#11thと増音程で表現してますが、音名表記ではDb音と減音程で表現します。C#音とは書きません。テンションは9,11,13と統一して表現する事にしているからでしょう。音名をDb音とするのは完全5度のコード・トーンを半音下げた音と表現する習慣なんでしょう。

※ギターを弾く人はC#音と表記するかも。
ギターは開放弦が、E,A,D,G,B,Eなので#系のキーと相性がいいからでしょう。
ジャズでよく使うサックスやトランペットは♭系の移調楽器なので、♭表記を好むようです。

むか~しハモンド・オルガンをちょっとだけ習った時、田代ユリさんが書かれた楽譜にはb10thと表記されていたのを見た覚えがあります。短3度のブルーノートだと考えると#9thとテンション表記するよりも、b10thと表記するほうが適していたと考えられていたんでしょう。今では#9thと表記するようです。

コード表記のルールについて(譜面の書き方)【飲みトーク#37】

ギターのスケールが覚えられない人の共通点 【ギターレッスン】

ロックとジャズ、スケール音使いの違い【ギタースタイル練習】

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蛇足

オペラには殆ど興味はなかったんですが...
ヴェルディのオペラ「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」だけは、何度も観ましたが(ただし舞台で演じるオペラではなく映画で)、最近大バッハ大先生の下記の作品を気に入っています。
※歌入りではあるけれどオペラではなく正確には「教会カンタータ」だそうです。

JS Bach Psalm 51 BWV 1083 Cantatas BWV 170,198,106,136,53

動画のタイトルにシンフォニア・フロム・カンタータとあるので、カンタータの中の器楽演奏のみの曲のようです。
バッハは5年間毎週のようにカンタータを作曲していたそうで、ということは約250曲! その内現存するのは、およそ4年分の約200曲だそうです。

[Helmuth Rilling] Bach: Sinfonia from Cantata BWV 188 (16:9)

作品番号188の中に6曲あるみたいです!
作品番号はBWV 1083というのがあるから、すくなくとも1000曲以上、しかも1つの作品は3曲以上で構成されているので、数千曲は作曲していたことになるんですね~。

J.S. Bach, Kantate BWV 188, Nr. 2 Aria „Ich habe meine Zuversicht" | Kay Johannsen

J.S. Bach, Kantate BWV 188: Nr. 3 Recit. & Nr. 4 Aria „Unerforschlich..." | Kay Johannsen

6曲目のコラールというのが、日本語の「賛美歌」にあたるんでしょうか。

J.S. Bach, Kantate BWV 188: Nr. 5 Recit. & Nr. 6 Choral „Auf meinen lieben Gott“ | Kay Johannsen

その一方でモチベーションを上げるためにソウルも聞いてますが...

Mark Di Meo feat. Rona Ray - All About Love [Soulstice Music]

Salsoul Inspired - House Mix (17 Tracks) - HQ - 90 mins

あれ?
最近ジャズは殆ど聞いてない...
たま~にハービー・ハンコックを聞くくらい...

Alphonse Mouzon - By All Means (Full Album)

しかし、最近は殆どバロック音楽を聞いてます。
特にアルビノーニの作品は明るい曲が多く、爽やかな印象が持続するのでよく聞いてます。

Tomaso Albinoni: 12 Concerti a cinque Op.5

さらに最近はカルロ・テッサリー二をよく聞きます。

C. Tessarini - Overture in D Major from op.4 "La Stravaganza"



key=Cのツーファイブワンでフレーズ作りの練習

基本に立ち返って、ハ長調でツーファイブワンの練習をしてみます。



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2018.01.13追記
Em7-5のスケール表示がEフリジアン・スケールになってました。
正しくはEロクリアン・スケールなのでBb音になります。
E,F,G,A,Bb,C,D,E
key=Fメイジャー・スケールをE音から並べ替えたスケール。

別バージョンの
「key=Cのツーファイブワンでフレーズ作りの練習2018」
では修正してます。

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key=C(ハ長調)コード進行
||: Dm7 | G7 | Cmaj7 | Em7-5→A7,b9th :||

key=Cのツーファイブワンを、ニ短調key=Dmのツーファイブをターンバックにして、始りのDm7コードに戻しています。

各コード使用スケール

◎Dm7
Dドリアン・スケール

◎G7
Gミクソリディアン・スケール

◎Cmaj7
Cアイオニアン・スケール(Cメイジャー・スケール)

※ターンバック部分の使用スケール

◎Em7-5
Eロクリアン・スケール

◎A7,b9th
Aハーモニックマイナー・スケール・パーフェクト・フィフス・ベロー

できるだけ簡単にと思っても、ジャズ・アドリブをしたいとなると、どーしても音使いは複雑になります。そうしないと、ジャズらしく聞こえないもので...

2017.12.31.追記
来年の2018年にはツーファイブワンを基本から練習し直してみる予定...あくまで予定ですが...



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久しぶりにジャズを聞きたくなったので...
マッコイ・タイナーのピアノがいいですね~。

Grant Green - Matador ( Full Album )

ハービー・ハンコックのピアノがカッコイイ!!

Alphonse Mouzon - By All Means (Full Album)

でも、最近はこちらのような音楽を聞くことが殆どですが...

Corrette - Chamber Music (Nouveau Quatuor)

Michel Corrette Musiques utiles aux Mélancoliques

そして、時々はソウルを聞いてモチベーションを上げようとしてます。

Salsoul Inspired - House Mix (17 Tracks) - HQ - 90 mins





2拍フレーズのシーケンス練習

大バッハ大先生の下記の作品を参考に久しぶりに打ち込んでみました。

J.S. Bach - BWV 803 - Duetto No.2 F-dur / F major

上行する2拍フレーズを段々と下行させたり、逆に下行する2拍フレーズを段々と上行させたりするシーケンスが印象的な曲なので、この曲を参考にしてシーケンスの練習をしてみます。

コード・トーンの中から2音を使った2拍フレーズを、1段ずつズラしては模倣するシーケンス。
シーケンスの方法には4通りのパターンが考えられます。

1.上行する2拍フレーズを段々と上行させるシーケンス。
2.上行する2拍フレーズを段々と下行させるシーケンス。
3.下行する2拍フレーズを段々と上行させるシーケンス。
4.下行する2拍フレーズを段々と下行させるシーケンス。

ナインス・コードから2音を選んで2拍フレーズとし、1段ずつズラしていくシーケンス。2.の上行するフレーズを下行させるシーケンスを試しています。



下記の記事で使った伴奏を使用。

ハ長調をニ短調で繋ぐ練習

key=Cのツーファイブワンをkey=Dmのツーファイブで繋いだコード進行。

||: Dm9 | G9,13 | Cmaj9 | Em7-5→A7,b9th :||

上行する2拍フレーズを下行させるシーケンス、枯葉がひらひらと落ちていく感じがしませんか?
紅葉した木の葉がやがては枯葉になって風に舞いながら落ちていく、そんな風景に合いそうだと思うので「枯葉」のアドリブに使えるかも...



ツーファイブの次のコードはトニックである必要はない

ジャズのアドリブにはツーファイブの練習が不可欠とか、ツーファイブでフレーズを作る練習をしておけば他のコード進行にも応用が効くとか、いろいろ言われてますが、ジャズではとにかくツーファイブが大事らしいことは確かなようです。

ところで、ツーファイブとはそもそも何のことでしょうか?
今更何を?
と思われるかも知れませんが、改めてツーファイブを考えてみたいと思います。

クラシック界で基本的なカデンツ、終止形はハ長調の場合

C→F→G7→C

ですが、ジャズでは上行4度(下行5度)の強進行を好むので、サブドミナントのFコードを代理コードのDmに置き換えて

C→Dm→G7→C

とします。さらにジャズでは4和音を基本と考えるので

CM7→Dm7→G7→CM7 or C6

とします。
上記のコード進行で、Dm7→G7→CM7の部分だけ見るとすべて上行4度になっています。
そのため、この進行が特に重要なカデンツ、終止形、ジャズではケーデンスと言いますがツーファイブワンのコード進行となっています。
ドミナント・コードのG7には、F音とB音という三全音、大昔には「悪魔の音程」と呼ばれて忌み嫌われた減5度または増4度音程があり、この音程が不安定なサウンドなので(聞いていて落ち着かない)、トニック・コードにドミナント・モーションすることで、不安定なサウンドを安定させることを解決と言います。トニックに進行することで完全な解決となり、終止形、ケーデンスの基本形です。

ドミナント・コードのF音とB音が、トニック・コードのE音とC音にそれぞれ半音で逆方向に動くために、「三全音の反進行」と呼ばれます。三全音(ジャズではトライ・トーンと言いますが)トニックの根音(1度と)3度の音へ進行する点が最も重要な意味を持っています。つまり、ドミナントにしろトニックにしろ、重要なのはドミナントに三全音、トライ・トーンがあるか、トニックに1度と3度があるか? という点が重要だということです。と言うことは、それ以外の音は何でも良い訳だとなります。←ここが、ヒジョーに重要な点です。

key=Cの場合を考えてみると

基本形
1.G7→CM7 or C6
ドミナントを裏コードに変更
2.Db7→CM7 or C6

G7,Db7のどちらのコードにもF音B音が含まれているのでトライ・トーンの解決、ドミナント・モーションが成り立っています。

最も重要な音は、トライ・トーンのF音とB音の2音と、それを解決する為のE音とC音だから、これらの音を含んでさえいれば上記のコード進行に拘る必要なない、ということになります。例えば

3.Bm7-5→CM7 or C6
4.Bm7-5→Am7
5.Abdim7→CM7 or C6 or Am7

6.G7→F#m7-5

上に上げたコード進行には、すべてF音とB音のトライ・トーンからE音とC音への進行が含まれています。

6.の進行が、前回の記事で書いた「枯葉」の説明動画に書いてある進行です。

Jazz Standard: Autumn Leaves - Harmonic Analysis (Guitar Lesson JA-522)

三全音の反進行

G7に含まれているトライ・トーンのF音とB音が、F#m7-5のE音とC音に半音でF音からE音へ下がる(上がる)、B音からC音へ上がる(下がる)という具合に、トライ・トーンの2音が上下反対方向に動きながら、次のコードの2音に進行することで、安定した響き、サウンドに落ち着くことを、解決、ケーデンス、終止と言います。

ハーモニー的には、2音の不安定な響きが安定した響きの2音に進行しさえすればいい訳ですが、ベースラインの動きも重要なので、G7→CM7 or C6の進行が最も安定したサウンドだと感じるのです。しかし、安定しているだけでは退屈してくるので、いろいろ代理コードを使って違ったサウンドを求め続けるのがジャズですね。

そして、必ずしもすぐに解決しなきゃいけない訳ではない。
例えば偽終止(ぎしゅうし)という見せかけの終止形というものがあります。

上の例のようなG7→F#m7-5の進行では、F,B音の三全音はE,C音に解決されましたが、しかしF#m7-5にはF#音とC音という新たな三全音、減5度(または増4度)音程ができてしまっていて、「この不安定な響きはどうしてくれるんだ? 」となっています。

さらに、見せかけの終止さえしないで解決を先送りにしてしまう。なんてこともしてしまいます。 詳しくはいずれ...




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