なんかこんなの見つけたよ

映画と小説と舞台とドラマの感想ブログ。ときどき映画のロケ地めぐり。

江戸川乱歩と横溝正史3


中川右介さんの「江戸川乱歩と横溝正史」(2017)を読む。

日本の探偵小説の二大巨匠である江戸川乱歩さんと横溝正史さんを対比しながら描く評伝です。

似て非なる作家性ゆえ、結びつけて考えたことがなかった二人。

この本を読んで、同時代に生きていたという事実ですら驚きなのに、一方が作家として執筆するとき、もう一方は編集者として支えるという、太陽と月のような関係を知るに至っては感動してしまいます。
盟友として、またはライバルとしてこれほど影響しあっているとは全く知りませんでした。

全体的にはなじみのない出版界の勃興史となっていてちょっと読みづらいですが、大変面白い本でした。

また、戦時中、乱歩先生は家族と共に福島県保原町に疎開していたということも知りました。
1945年6月から11月まで。
玉音放送も福島で聞いていたのです。
福島市まで出向き、図書館で江ノ島の稚児ヶ淵伝説で知られる美少年・白菊丸を調べていたそう。
白菊丸の聖地が福島市近くで、彼を巡る同性愛伝説がこの地にいろいろあるようです。
乱歩先生と同性愛。
詳しく知りたい気もしますが、これはまた別の話。


DESTINY 鎌倉ものがたり

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ROBOT制作の映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017)を観る。

脚本、監督、VFXは山崎貴さん。
原作は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズと同じ、西岸良平による漫画「鎌倉ものがたり」です。

原作未読のため、内容を全く知らないまま見ましたが、思った以上にファンタジー色が多くてびっくり。

幽霊や魔物も住むという設定の鎌倉が舞台。
心霊捜査にも詳しいミステリー作家が新婚の妻と一緒に、怪事件を解決していく。

ミステリー作家に堺雅人さん。
年の離れた妻に高畑充希さん。

この夫婦が絶妙なコンビネーションで、観ていてとても気持ちよく、楽しく観られました。
家族でも観られるし、デートムービーとしてもいいと思います。

資産家殺害事件はあまり魔物が関係ないので今一つだったけど、後半から展開される妻に関する事件がなかなか面白く、伏線の張り方も良かったかな。
夫婦愛がうまく表現できていたと思います。

後はネタバレ有で。


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舞台「誰か席に着いて」

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シアタークリエにて「誰か席に着いて」を観る。
作・演出は倉持裕さん。
倉持さんの舞台は今年、「お勢登場」と「鎌塚氏、腹におさめる」の2本を観ていますが、見逃している作品もあってすごいペースで活動しています。

出演は田辺誠一さん、木村佳乃さん、片桐仁さん、倉科カナさん。

この4人はとある芸術家支援団体のメンバー。
創設者の孫娘の織江(木村)と夫の哲朗(田辺)、織江の妹の珠子(倉科)と夫の奏平(片桐)という面々。

前半は助成対象者を決める選考会の様子が描かれますが、メンバーは一向に「席に着く」様子がない。
というのもみなそれぞれ問題を抱えていて、それどころではないから。

脇役である家政婦(?)の奈良さん(富山えり子)と、出入り業者の柳(福田転球)はそんな彼らを客観的に見ながら、混ぜっ返していく。

そして、舞台の中盤で主人公たちの心配事が明らかとなり、物語がようやく動き出す。
奏平の使い込み、哲朗の浮気、織江の盗作、珠子の姉への罪悪感と、自分のことで精いっぱい。
未来の芸術家を支援することなんて全くできない状況に。

せめて、自分たちの問題だけでも解決し、「席に着き」たいところ。
果たして、どういう結末を迎えるのか・・・。

約90分という短い舞台ながら、一幕のみでずっと出演者がしゃべりっぱなしという異色作。
そして、衝撃的な結末を迎えます。

「え?これで終わり?」

思わず拍手を忘れるほど、唐突に物語は終わります。
このまま帰るわけにはいかない。
そう思った時、今日と言う日に感謝をしました。

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演者によるトークショーがあったのです!

というわけで、ここから先はネタバレ有の奥の間で。


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R帝国3


中村文則さんの「R帝国」(2017)を読む。

近未来(?)の島国・R帝国を舞台にしたディストピア小説。
R帝国は地政学的には現代の日本のような存在で、全体主義がまかり通っています。
周囲と戦争を始める様が描かれていますが、現在の日本を憂いているかのような物語でした。
しかも、読売新聞の夕刊に連載されたそう。

当初、半径1メートルの世界を書いてきた中村さんが、大新聞で現在の右傾化された社会、あるいは考えることを止め、自分の周りの幸せしか考えない民衆の姿を描くとは・・・。

これまでの中村作品とはまた違った印象を受け、感慨深いものがあります。
世界の歴史を「物語」として描くというアイディアなんかも面白かったなぁ。

それに、なかなか読みにくいのも逆にスゴイ。
ドストエフスキーじゃないけど、とにかく読み進めると見えてくる、あの感じ。
素敵です。

これからも頑張って欲しいなぁと改めて思いました。


ユニバーサル広告社〜あなたの人生、売り込みます!〜


金曜8時のドラマ「ユニバーサル広告社〜あなたの人生、売り込みます!〜」(2017.10.-12.1)を見終わりました。
全7話。

ダメ父ちゃん、ヒーローになる! 崖っぷち!人情広告マン奮闘記」(2016)の続編ってことでいいのかな。ユニバーサル広告社のメンバーは総入れ替えとなっての連ドラ化。
今回は「花のさくら通り」(2012)が原作です。

このドラマで何より良かったのは和久井映美さんだろうな。
寂れた商店街の象徴として、見事に存在していたと思う。
過去に囚われていた人生から、ユニバーサル広告社の人々と出会って希望を見出していく姿が毎回、涙を誘っていたと思います。
特に1話なんか良かったなぁ。

あとは三宅裕司さんの正しい使い方をこのドラマで見たような気がします。


探偵はBARにいる3

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「探偵はBARにいる3」(2017)を観る。

大泉洋さんと松田龍平さんのコンビが活躍するシリーズ。
1」(2011)、「2」(2013)と観てきて、今回は2よりは良かったかな。

今回は高田(松田)の通う大学の友人の依頼で、女子大生・麗子(マエアツ)の失踪事件の真相に迫る。
調査を進めていく中で、モデル事務所の美人オーナー・マリ(北川景子)にたどり着く。

序盤こそいまいちだったけど、探偵がマリに振り回されるうちに魅力的な展開に。
なにより北川さんの美貌が輝いていました。

回想シーンが多いのが安易だけど、コメディタッチの程よい作品です。


舞台「管理人」

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シアタートラムにて「管理人」を観る。

ノーベル文学賞受賞作家ハロルド・ピンターの三人芝居を徐賀世子氏が翻訳。 
演出は森新太郎さんです。

出演は溝端淳平さん、忍成修吾さん、温水洋一さん。

舞台はロンドン西部のとある家。
ガラクタの溢れる殺風景なその部屋に住むのは、そのガラクタを拾い集める男(忍成)。
ある日、男は一人の老人(温水)を“拾って”くる。
老人は職を失い、困っていたのだ。
男は老人がその部屋に住むことを了承するが、2人の関係は徐々に崩れていく。
そして、そこに男の弟(溝端)がやって来て、その関係はさらに複雑になっていく・・・。

というお話。
物語があるかないか分からないほどで、展開もなく観ていて戸惑います。

主人公は老人の寝言で困り果てますが、私は隣に座る見知らぬおじさんのいびきに困りました。
いろいろな意味で不条理でした。

奥行き感のある舞台セットはかなり素晴らしかったことと、溝端さんのまくし立てるベタ演技が印象に残りました。


原田知世 35周年アニバーサリー・ツアー “音楽と私” in 東京 2017

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Bunkamuraオーチャードホールにて「原田知世 35周年アニバーサリー・ツアー “音楽と私” in 東京 2017」を聴く。

大林宣彦監督の映画「時をかける少女」(1983)から34年。
本人も「デビュー作が代表作になるなんて幸せ」と語り、ある世代の男性たちの心をつかんで離さないこの映画は私も大好き。
そこで、原田知世さんのコンサートに行ってきました。

まずはオープニング。
その映画「時をかける少女」の冒頭のシーンが上映!
主題歌「時をかける少女」からスタートしました。
テンションあがります。

なにより声が可愛い!

そして、ドラマ版「ねらわれた学園」の主題歌「ときめきアクシデント」や大林映画から「天国にいちばん近い島」、ちょうどどストライクの「ロマンス」などを聞かせてくれました。
「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」はユーミンのイメージだったけど、知世ちゃんの歌だったんですね。
ほかにも大貫妙子さんの「地下鉄のザジ」とか、キャンディーズの「年下の男の子」を振り付きで歌うなど楽しいひと時でした。

アンコールでは「ハッピーバースディ」でメンバーから祝福を受け、サプライズで2人の足長(胴長?)おじさん、大林宣彦監督と角川春樹さんのビデオメッセージが流されました。
大林監督は病を押してのコメントで、感動したけど切なかったなぁ。
角川さんも随分とお年を召していらっしゃいました。

さらに2度目のアンコールがあり、「時をかける少女」のボサノバ・ヴァージョンが登場。
とてもいい感じで「これが聞きたかった!!」というほど素晴らしかったです。


舞台「三途会〜私の人生は罪ですか?〜」

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東京グローブ座にて舞台「三途会〜私の人生は罪ですか?〜」を観る。
作・演出は鈴木おさむさん。

今田耕司×鈴木おさむの舞台シリーズだそうで、今回が3年ぶり第6弾とのこと。
出演は14年ぶりの本格的な舞台挑戦となるベッキーさんほか、町田マリーさん、加藤啓さん、伊藤修子さん、TKOの木下隆行さん。

三途の川の手前を舞台に、意識不明で死線をさまよっている人間たちの魂が生死をかけて討論するというもの。
名付けて「三途会」。
伊藤修子さん演じる死神(?)のババアの下、5人の男女が自らの人生を語っていきます。

コメディかと思いきやかなりシリアスなドラマで、自殺を扱っていてハード。
鑑賞中は救いがないくらい重かったです。
しかも、それぞれの役者にあて書きしたのか、今田さんが50代の独身男の役だったり、ベッキーさんが不倫女だったりとキワモノ感もある。
ベッキーにそんなこと言わせなくても・・・というほど残酷なセリフもあり、頭を抱えてしまうこともしばしば。
こんなことしたって免罪符にもならないし、ちょっと悪趣味なのでは?と感じてしまいました。

ただ、死や不倫に対する考え方がいろいろな形で示されるので、非常に興味深く観ることが出来ます。
キャストの役者ぶりも良かったと思います。


昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年5


小松政夫さんの「昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年」(2017)を読む。

土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」(2017)でも描かれた小松さんと植木さんの師弟関係をまとめた決定版のような一冊。

子供の頃「雅坊演芸会」を開くほどの芸達者ぶりであったことや月収10万円(現在の価値で100万円!)のトップセールスマン時代のエピソードなども書かれており、これがあっての小松政夫だということを改めて感じました。
これがドラマでちゃんと描かれていたらなぁ。

本書では植木さんを間近で見、尽くしてきたからこそ語れる植木さんの実像や、小松さんの師への想いをしっかりと知ることが出来ます。
小松さんの人間観察の素晴らしさが芸以上に発揮されているのではないでしょうか。

また、植木さんが肺を患い歌を歌わなくなったことや小松さんにのれんや手紙を送る植木さんの優しさなど、90年代の復活ブーム以降のことも描かれており大変貴重に感じました。

文脈から植木さんへの尊敬の念がにじみ出ており、読んでいるだけで泣けてきます。
この本を読んで小松さんの芸や役者ぶりをちゃんと見ないとなぁと改めて思いました。


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