なんかこんなの見つけたよ

映画と小説と舞台とドラマの感想ブログ。ときどき映画のロケ地めぐり。

スーサイド・スクワッド3


「スーサイド・スクワッド」(2016)を観る。

コロナ禍で見逃した「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(2020)の代わりに・・・と思ったのですが、これが想像と全然違う映画でした。
当時、予告編で尾木ママが「お尻丸出し」みたいなフレーズで、やんちゃなギャルの映画みたいな感じでPRしていたと思っていたのですが、肝心のハーレイ・クインは登場人物の一人でしかなく、どちらかというと脇役。
むしろウィル・スミス演じるデッドショットという百発百中の狙撃種手がメインでした。

彼らはアメリカのコミックの悪役たちで、米国政府の高官アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)に集められた愚連隊。
悪の力で悪を退治するという、逆説的な発想で敵を倒します。

残念なのは悪役の説明に時間をかけすぎて、物語が一向に進まないこと。
私のような予備知識なしの人でも分かるように作ったのかもしれないけど、全く功を奏していない。
睡魔が襲ってきて、結局3回に分けて観る羽目になりました。

敵の目的も分からないし、単なる町の破壊だけが繰り広げられ、爽快感もありませんでした。
そうした上でこの映画を改めて考えると、やはりハーレイ・クインの存在感だけが印象に残り、マーゴット・ロビーは可愛いなとしか思いませんでした。
ある意味、「ハーレイ・クイン」が観たくなります。


ザ・ロイヤルファミリー3


早見和真さんの「ザ・ロイヤルファミリー」(2019)を読む。

2019年度JRA賞馬事文化賞を受賞していますが、競馬の世界を肯定的に描いておりJRAが喜びそうな作品ではあります。
しかし、これも山本周五郎賞の候補作です。

ある秘書が見た馬主の世界。
インタビューで早見さんはカズオ・イシグロ氏の「日の名残り」を参考にしたと語っており、それで仕える者の視点で物語を書いたようです。
しかし、こういう英国的な語りは日本を舞台にするとしっくりこないというか、設定に少し違和感を覚えました。
難しいですね〜。

物語は2部構成ですが、1部はその語りのせいか読み進められず、内容も入ってきません。
これは競馬が分からない人にも伝わるように丁寧に描いていて、物語として落とし込まれていない感じもあります。

ほかにも主人公が仕える山王耕造の財の成し方が派遣法改正に乗じた形になっており、ロスジェネ世代から見ると少しも共感できず、好きなことをしている奴としか見えないということもあります(笑)。

2部になって、耕造が少しスキャンダルまみれになってようやく受け入れられるようになった私はひねくれもの?(笑)。

2部以降は若者の話になって、普通に楽しめました。

「相続馬限定馬主」という制度が面白く、この設定を生かすために作り上げた1部だと思うと納得はできますが・・・。
若くして馬主となった隠し子の成り上がり物語は共感もできるし、なにより才能の物語はワクワクします。
出来ればこの2部をメインにして、1部の要素をちりばめた葛藤の物語にした方が良かったんじゃないかな。

また、章の終わりにメインの馬の成績が乗るという趣向は面白い。
データで物語を想像できました。


遺留捜査スペシャル(SP10)

「遺留捜査スペシャル」(2020.8.9)を見る。

今回は病院を舞台にした欲が絡んだ殺人事件か・・・と思わせて、親子の情愛もの。
最近のスペシャルはトリッキーな設定が多かっただけに、その普通さが新鮮(笑)。
事件そのものは一つの殺人事件に複数の人物の思惑が重なって複雑化したというもので、ちゃんとしたミステリーとして楽しめました。
また、京都の設定も生かされていて、花街の様子があったり、京野菜を巡って京都の田舎の風景が見られたりというのもいい。
こういう展開でいいんだよな〜。

悲しいのは話題の「半沢直樹」の真裏ということで、見てる人が少ないんじゃないかな〜ということくらいでしょうか。

来月には同じ上川隆也さんで「佐方シリーズ」を放送するようで、楽しみです。


展望塔のラプンツェル4


宇佐美まことさんの「展望塔のラプンツェル」(2019)を読む。

初読みの作家さん。
今年の山本周五郎賞候補作ということで読みました。

いつもなら結果が見えているのですが、今回はコロナ禍で発表が10月なんですよね。
ノミネートから発表まで時間があるため、全部読めそう。

タイトルや表紙から「塔の上のラプンツェル」的なほのぼのした感じかと思いきや、思いっきりへヴィ。
物語の舞台は架空の町・多摩川市。
主人公は児童相談所に勤務する松本悠一。

何かとバタバタしている児相で冷静な対応をする男である。
松本は市の「こども家庭支援センター」の前園志穂と連携して問題のある家庭を訪問しているが、その先では5歳児が虐待され、挙句家を出てふらふらしているという。

もう1組の主人公はフィリピン人の高校生のカイと過酷な人生を歩む少女ナギサ。
すさんだ町で暮らしている2人はふらついている幼児を見つけ、ハレと名付けて面倒を見ている。
束の間の幸せを感じつつ、しかし、その環境は長く続かない・・・。

内容から人間ドラマということは十分わかると思いますが、読み進めていくうちに思いっきりエンタメ的構成と気づき、ビックリしました。

伊坂幸太郎さんの作品のようなトリックがあり、人間ドラマ以外でもある意味山本周五郎賞の要素は入っていますが、それが功を奏しているのかどうか。
筆力は確かで、リーダビリティもあり、とても面白い作品ではあるので結果が楽しみです。


焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕3


今野敏さんの「焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕」(2020)を読む。

樋口シリーズはドラマでしか見ていないため、シリーズ最新作ですが本は初読み。
内藤剛志さんのイメージで読んだけど、ちょっと違うのかな。

原作の樋口は慎重派でリベラル。
ゴリゴリの上下社会の警察機構の中で、あらゆる人の顔色をうかがいながら慎重ににコトを進める男なんだと思いました。
だから家族にも気を使っていたのか。

今回は殺人事件と衆院議員の政治資金規正法違反容疑が複雑に絡み合うミステリー。
いわゆる「検察の暴走」、「国策捜査」を描いていました。

相棒である氏家を政治を扱う部署に異動させるという「離れ業」を繰り出し、描きたかったであろう世界。
変わらず読みやすいし、今野さんの訴えたいこともちゃんと描かれているのでとても面白く読みました。
樋口が衆院議員に語る政治についての考えは特に良かった。
政治はパワーゲームではなく、グランドデザイン。

「理想を追求するために何をどう配置して、計画を進めるか」
「パワーは目的ではなく、手段であるべき」
「政治は理想のためにある」
「正しいものは正しい方法で証明されなければいけない」

264ページで語られる台詞です。


カケラ


湊かなえさんの「カケラ」(2020)を読む。

「美容」をテーマにしたミステリー。
湊さんらしく1章ごとに様々な人物たちが一人語りを始めます。

聞き手は美容クリニックに勤める医師の橘久乃。
元ワールド・ビューティの日本代表という、美貌の持ち主。

久しぶりに訪ねてきた幼馴染から聞かされた、小学校時代の同級生・横網八重子の思い出話。
そして八重子の娘の死の話。

高校2年から不登校気味で、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなった。

そこからある疑念を持った久乃は次々に関わりのある人を訪ね歩き、話を聞きます。

そして、なぜ彼女が死んだのかを暴いていく・・・という話。

まず、章ごとの独白ですが、これが読んでいてつらかった。
いたずらに長く、何かを隠すために長くしているのかもしれないけど、ひがみっぽい話でそんな伏線はどうでもいいと思うくらい苦痛でした。
ネット時代の世相を表しているような文章なのかもしれないけど、これは「なんだかな〜」という感じでした。
それでも頑張って読み進めましたが、そこで描かれるのは久乃の愚かさ。
主人公であるはずの久乃がとても嫌な人物に思えてきて、「探偵」というよりも「犯人」に思えてきてしまう。

かつての同級生の八重子の生きてきた道。
そして、その娘の激太りの理由。

外見について様々な視点から考え、本当の幸せとは何なのかを描こうとしているんだろうけど、その結論が教科書的な気がしました。

そして何より久乃が激しく断罪される展開を期待していたんだけど、そうならなかったのが意外でした。
「イヤミス」は「イヤミス」でもなんか違った「イヤミス」でした。


リモートで殺される

「リモートで殺される」(2020.7.26)を見る。

去年のヒットドラマ「あなたの番です」と同じ秋元康氏原案のドラマ。
リモートドラマにサスペンステイストを加えたもので、さすが仕事が早い。
しかも、演出が中田秀夫さんですから、これは見ないわけにはいかない。

コロナ禍での自粛期間の中、高校時代の同級生6人がリモートで会話していくなかで起こる殺人事件。
行方不明となった同級生を巡って繰り広げられる会話の中で、次々にメンバーが殺されていく。
犯人は誰なのか?
そして、その目的は?

という話。
メンバーの6人が、本田翼さん、新田真剣佑さん、柄本時生さん、早乙女太一さん、前野朋哉さん、前田敦子さんと割と粒ぞろい(年齢はバラバラだけど)。

オチまで見て本田翼さんが電話をした内容とか「おやっ?」って思うところはあったけど、これはHuluを見れば分かるのかな?

齋藤飛鳥さんとマエアツさんのキスシーンは秋元ドラマだからこそ実現できたのかな?


の・ようなもの のようなもの


「の・ようなもの のようなもの」(2015)を観る。

2011年12月に亡くなった森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)のその後を描く続編。

「の・ようなもの」は未見ですが、森田監督の助監督だった杉山泰一さんのデビュー作というのが泣ける。
伊藤克信さん、尾藤イサオさん、でんでんさんらの再登場に泣ける。
その後の森田ファミリーの松山ケンイチ氏や北川景子さんに泣ける。

・・・っていうか北川景子さんのやんちゃな女性役、ホント好き。
これを見るだけでもこの映画に価値があります。
それにしても「間宮兄弟」(2006)が森田映画の代表格になるとは当時は思わなかったなぁ。

落語をモチーフにしていることもあり、人情噺としていい感じでまとまっていて森田監督のファンムービーとしては最高なのではないかと思いました。

谷中は何度か歩いているけど、改めてロケ地めぐりをしたくなりました。
メモ「谷中四丁目2」。


コンフィデンスマンMC

「コンフィデンスマンMC」(2020.7.21-7.25)を見る。
全5話。

新作映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(2020)の番宣を兼ねたスピンオフドラマ。
前回「コンフィデンスマンIG」(2019)と同じ趣向です。

脚本は古沢良太さん。
演出は三橋利行さん。

主演はMCことモナコ(織田梨沙)。
共演は五十嵐(小手伸也)とちょび髭(瀧川英次)です。

これは映画「コンフィデンスマンJP ロマンス編」(2019) を見ていないと分からないかも。
というのも第1話が「もうひとつの『ロマンス編』」ということで、映画から直結しているから。

モナコは映画で見せたダー子(長澤まさみ)のミッションを終え、帰国。
部屋では香港に呼ばれなかった五十嵐をなだめつつ、ダー子からのミッションについて相談をします。

そのミッションとは「10万円を100万円にすること」。

モナコはちょび髭と共に五十嵐の自尊心をくすぐり、「予想詐欺」というアイディアを引き出します。
そしてモナコは五十嵐に軍資金を預けるが・・・。

という話。
短い尺ながら鮮やかな逆転劇を見せてくれて、これぞ「コンフィデンスマンの世界」というものを見せてくれました。
1話でこういうインパクトを付けてくれると、全部観たくなってしまいますね(笑)。


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つながりません スクリプター事件File4


長岡弘樹さんの「つながりません スクリプター事件File」(2019)を読む。

今回もミステリー。
映画界を舞台に、スクリプターを主人公にした連作短編です。

スクリプターというのは映画界独特の職制で、映画のつながりを現場で確認する記録係のこと。
映画はシーンをバラバラにして撮影するため、後でつなげた時に違和感がないように注意深くチェックする必要があります。
冷静で、記憶力に優れ、時には現場の人間関係をよくする役目をこなさなければならない。
主に女性が担当することが多いこの仕事に着目するというのはなかなか面白いなと思いました。

現場でいろいろ気づいて、事件を解決するのかな?
そんな安易な印象で読み始めましたが、やはり違いました。

長岡さんがこの主人公を単なる「探偵」役にするはずがありません。
例によって、とてつもない「嫌な」設定にしていました。

主人公のスクリプターは真野韻(ひびき)。
常に冷静で、監督に対しても物おじせず真っ当な意見を告げる人物。
妹は女優の日乃万理加(真野陽)といい、同じく映画界で活動をしていますが、2人を姉妹だと思う人はそれほどいない・・・そんな設定。

まず「第1章 火種」。

韻は妹が主演する映画「火種」のスクリプターとなり、森次監督を支えています。
そしてその撮影中、その韻の妹がいきなり死んでしまう。
それは撮影前に役作りで自殺の練習をしたといわれていますが、果たしてそうなのか。
しかし、ここでは敢えて明かさず持越しとなります。

続く「第2章 ぼくが殺した女」はその3年後。
映画「火種」でスタントマンだった土岐田は主演俳優となり、またも森次監督作に出演することになります。
しかし、恋人とうまく行かず、スキャンダルになる前に別れようと画策するもトラブル発生。
果たして・・・という話。

特に1章を受ける感じは無いので「おやっ?」という感じですが、韻の想いが意外な形で人を救うことになります。

「第3章 落下の向こう側」も周辺の話。
撮影所近くの高校の映画クラブ所属の学生が自主映画の製作過程で起こすアクシデントが描かれますが、ここでも韻がミスを暴きます。

2章、3章は独立した話ですが、韻の映画愛が異常な形で描かれているなと思いました。

「第4章 揺れる球場」になると、もはや別の話のよう。
なぜか魅力のかけらもない社会人野球のドキュメントを撮影している韻。
ドキュメントの撮影時にスクリプターって必要なのかなと腑に落ちないまま読み進めました。

取材対象者が偶然にも韻の高校時代の同級生というのは出来すぎで、野球のネタをやりたくて無理やり絡めた感じがします。

そして、「第5章 炎種」。
第1章に出た「火種」の続編映画が制作されており、ようやく連作短編の本領発揮か?
という展開。

しかし、ようやく妹の無念を晴らすのかと思いきや、第2章でふってあったひき逃げ事件の話の解決編でした。
森次監督はこの続編に出資するほどの熱の入れようだったというけど、ここで起こる事件はどの程度のプレッシャーになったのかな。
結構強引だなと思いました。

「第6章 冥い反撃」は第5章に登場した牧村という若手有望株の悩みを描いた章。
韻がまさかの行動で、これまでよりもダークな一面が顔を覗かせます。
第3章の異常な映画愛に通じるものがあります。

「第7章 緑衣の女」はさらに1年後の話。
ようやく第1章の解決編です。

第1章でわき役だった池端つつみが日乃万理加の死亡後にスターダムにのし上がり、主演映画「檻の囁き」に出演しています。
そしてそこにスクリプターとして携わっている韻。

すでに韻の不気味さは描かれているため、前任が肺炎で倒れてのピンチヒッターで急きょの登板と言うがどこまで信じていいのか。
果たして韻はつつみにどんなトリックで復讐を果たすのか?

想像の斜め上を行く長岡さんの真骨頂がそこにあります。
らしいなと思いつつ、賛否ありそうな感じでしたね〜。


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