よく旅をすると昔の癖(?)で映画館をチェックしてしまう私。
最近はどこに行ってもシネコンばかりなのでつまらないのだけれど、秋田はミニシアターが3つほど存在し興味をそそられる場です。
映画を観るわけではないけど、映画館を巡ってみました。

まずは秋田駅の東口、秋田拠点センター(!)アルヴェにある「ルミエール秋田」。



ここは5スクリーンもある結構デラックスな映画館。
以前、水野晴郎先生(もしくはぼんちゃん)が経営する映画館として話題になりましたが、なにかもめてしまったようで現在は岩手の興行会社が引き継いで経営をしています。
今年の4月からだったかな?

東北各地にミニシアターを持つフォーラム系に雰囲気が似ていますが、違います。
フォーラム側は以前「秋田には絶対進出しない!」と言っていたので、この地には何か難しい問題があるのかもしれません。

こちらはコンセッションです。



シネマゲートってわざわざ書いてあるところがなんとなく笑えます。
この入り口のスタイルはほぼシネコンですね。



続いてはこちらは秋田駅西口。
秋田のナウなヤングの集まる商業ビル・フォーラスにある「シネマパレ」。





フォーラスの8階にあり、2スクリーンあるのかな?
入り口にめがねの支配人がずっと立っているのであまり近づけませんでした(笑)。
ここではなんと仁義なき戦い5部作が連続上映されていました。





が、これは単にこの映画館が「旧作の上映館」と言うわけではないようです。
フォーラスにあるということもあり、若者受けするとんがった作品選定でアピールしているのです。
今後のラインナップを見ると渋谷っぽい館とでもいえばよいのでしょうか?

さて秋田駅から移動します。

かつて秋田の映画館の多くは秋田市南通亀の町、川反(かわばた)という秋田の繁華街近くに多く存在していました。
通称「有楽町」。
1950年代にはここに10館以上の映画館があったそう。
現在、その映画館街は壊滅状態でなんとも寂れた風情。

秋田パンテオンや秋田有楽座という映画館の跡地がさらに哀しい思いにさせてくれます。





そんな中、ひとつ気を吐く映画館がありました!!
その有楽座の向かいにある「シアタープレイタウン」です。



この映画館は映画興行に関して素人同然の方が、無くなった前の映画館(「シネマ旭」)の設備を利用して経営をしています。
私は最初、

失われた映画の灯を再び!

というような「ニューシネマパラダイス」的ノスタルジックなイメージを持ったのですが、実はそうではありませんでした。

その経営手法は独特で、週末金土日のみの上映で、映画のフィルム賃貸料の上限を10万円と決めて運営しているというのです。
これはたまたま見た日経の記事で知ったのですが、ガラガラの映画館(記事によると1回の上映で集客率4%)でテナント料とフィルム代や人件費を出すということで、これはすごいなぁと思います。
単に頑張っている映画館というではなく、計算によってちゃんと映画館を運営しているというところがいいね。



でも人情も感じましたよ。
私が訪れた時も当然上映と言うものは行われていなかったのですが、スタッフの方が映画を観に来た人だと勘違いをして済まなそうにしていたのです。

「見学してもいいですか?」

と言ったところ「どうそ」と快い返事。
変な人が来たと思っただろうな〜(笑)。

1スクリーンのみの映画館は思っていたよりこぎれいな感じで好印象。
翌日には秋田のインディーズ映画の上映会も企画されているらしく、地域の文化に対する志というのも感じました!
こういう映画館を育てられる土壌が秋田にあるならばフォーラム系が進出しなくても大丈夫なのかもしれません。



ちなみにこの「プレイタウン」はビルの4階にある映画館ですが、3階にもかつて映画館だった名残が残っていました。
真っ暗でちょっと怖かった…。



調べてみたらここにはかつて秋田東宝や秋田東映など5館が入っていたという映画館ビルでした。
みんな撤退してしまったんですね。
東宝なんかは一駅離れたところ(イオンのモール)にシネコンを作ったし(それはそれでいいと思う)。

さらに表の看板にも昔の名残が…。
ここを直す余裕はまだないようです。



若いスタッフが来ないお客さんのために駐車場で雪かきをしている姿が印象的でした。