山本周五郎賞を受賞した今野敏さんの傑作警察小説「果断 隠蔽捜査2」(2007)をドラマ化した「隠蔽捜査2〜果断〜」(2008)。
以前、土曜ワイド劇場で放送していたものが再放送されていたのでチェックしました。

主演の大森中央署警察署長・竜崎伸也に陣内孝則さん、そして刑事部長の伊丹俊太郎にギバちゃんこと柳葉敏郎さん。
このコンビ、なにかの冗談でしょうか。

「君の瞳をタイホする」ならぬこのドラマのキャスティングをした人をタイホしたい(笑)。
真面目で堅物の竜崎がやけに感情的キャラになって、原作の良さが全く無くなってしまっている!

竜崎が目ん玉ひん剥いてセリフを言う度に、例えそれが原作通りの言葉であっても、自己保身か単なるわがままか、あるいはカッコつけにしか見えない・・・。
この作品独特の、あの面白さが全く伝わってこないんです。

むしろギバちゃんが竜崎。陣内さんが伊丹のほうが良かったんじゃないだろうか。
ギバちゃんが「室井さん」に見えてしまうかもしれないけど、そのほうがずっと良かった気がします。

そして竜崎は伊丹を煙たがっている設定なのに2人は「愛しあってるかい!」と言わんばかりの仲良し。
トレンディドラマファンはそれでもいいかもしれないけど、原作ファンは納得できないでしょ(笑)。

うーむ。

ここから先はラストに触れます。
奥の間へ。


奥の間です。

監督はウルトラマンシリーズも手掛けているベテランらしいのですが、演出が4年前とは思えないほど古くてビックリ。
確か横山秀夫さんの「陰の季節」シリーズ(00〜04)も4作ほど監督しているのですが、同じような印象を持ったんだよなぁ。
もちろん2時間ドラマとして安心して見られるのですが、重要な場面で必ずズームインしたり、場面転換がワイプだったりとなんだか懐かしすぎる・・・。
最近の刑事ドラマは映像がカッコ良かったりするから、どうしても見劣りしてしまいます。

ラストも土ワイお馴染みの海岸線。
波がざぶーん。

・・・まぁ、それはいいとしても、追い詰めた犯人夫婦に対し、「あなた方は間違ってる。どんな憎い相手でも自分の手を汚すことは決して許されません。司直の手にゆだねるべきです。それが司法社会に生きる人間の原理原則です」と竜崎ならではの持論を述べるのですが、これが説得力なかったんだよなぁ。
細かい演出の積み重ねが、ラストの醍醐味に繋がるんだと思いますが、単なる刑事ドラマに成り下がっていました。

正直、悲しい。

2時間ドラマにおさめるのは大変なんだろうけど、舞台版(2011)も趣旨的にはかなり忠実だったのでやりようはあったかと思います。
いつか東映(テレ朝系水曜)かWOWOWあたりで、今野敏さんの意図を組んだドラマとしてリメイクしてくれないかなぁ。