札幌の悩めるバレエ・フィギュアスケート・ダンサーの為の情報箱

札幌で身体の専門家として個人指導を中心に活動しているトレーナーがバレエやフィギュアに関する情報をお伝えします。

ここでは動作分析のプロが特殊な身体活動を求められる「バレエ、フィギュアスケート」を中心に身体のケアやトレーニング方法、最新情報などをどんどんお伝えしていきます。

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ご確認の上ご予約ください。

良いスケーティングをする為に知っておくべきこと 3

さて、今回が最後です。(ひとつ前の記事はこちら

いわゆる「エッジの深さ」を題材にしてお話を進めようと思います。
フィギュアスケーターではない方もたくさん読んでいるブログですので、
少し説明をすると、演技の中で深いエッジング(スケートの刃が傾いていること)は
評価の対象になるのです。

ここで陥りやすいイメージとしては、
・深いエッジングをするとスピードが出る
・上手な人は深いエッジングができる
という感じで、これだと目的と手段が逆になっている印象があります。

望ましいイメージとしては、
・良いポジションに乗っていれば深いエッジングができる
・良いポジションに乗っていれば「結果的に」エッジングが深くなる
という感じの方がしっくりくるわけです。

ちなみにこれは過去に行ったセミナーで参加者に発表してもらった「要因」です。
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ところで、エッジを深くすることを目的としてしまうと
ターンの繋がらない深いエッジング」を覚えてしまい、
「ターンが連続できる深いエッジング」が見つけられなくなる可能性があります。

良いポジションとエッジや遠心力に頼ったポジションの違いは
本人では見つけにくいばかりか、むしろエッジに頼ったポジションの方が
乗れている感じだと勘違いしてしまう可能性すらあります。

するといつまでたっても本当に良く滑る傾きを手に入れられなくなってしまうわけです。
「んー。惜しいんだけどなー」ってコーチにいつも言われるような人は
自分の傾きがスピードと孤に合っていない可能性があります。

具体的に説明すると、一つのターン孤を「前半・中盤・後半」と分けて考えた時に
後半で傾きを作ろうとしている人はターンが繋がりません。

ターンの前半部でエッジをプッシュできるポジションに重心が入っていることで、
氷へのプッシュを強めながら傾いていき、中盤を超えたあたりで傾きが起きて行かなければ
ターンが繋がらないのです。スケーティングがうまいと言われているスケーターは
この感覚が優れていて、スピードが落ちるほど傾かず、押し続けないのです。
その結果、スピードが維持できるので傾きやすい環境が続くのです。

それが少しでも傾きを起こすのが遅れると傾きから抜け出しにくくなり
減速しながら起きることになってしまいます。
しかし、人によってはその「ちょっと長く踏みすぎた感覚」が心地よく感じる人がいて、
正解の感覚と履き違えてしまうケースがあるのです。

この絶妙なタイミングやプッシュする感覚を氷以外で練習するとすれば、
パンプトラックとかが良いと思っています。
同じ条件でタイムが一番速い時がプッシュを一番上手にできた時ですから、
どれが正解なのかをつかむことができるわけです。

Pump Battle Event: Biggest modular pump track ever?! from Pump Battle Events on Vimeo.


日本でも最近は各地でコースが誕生しているようです。



それではスケートリンクの中で良い場所を探す為にはどんな練習方法があるのでしょうか。
大きく二つの方法があります。
A「とても速く(正確に)滑る」
B「とてもゆっくり(正確に)滑る」

Aの練習方法は、効率良くスピードが出ればスケーティングがうまい証拠ですので上達するのが想像できますね。
Bの練習方法はコンパルソリーそのものですね。正確なコンパルソリーを行なう為には
繊細な感覚を磨くことになるので上達するのが想像できるはずです。

Aでは傾きの感覚が養われ、Bでは繊細な平衡性が養われやすいです。
この二つを磨くことで、適切な傾きとプッシュのタイミングを身につけることができると
質の良いスケーティングができるようになり、それだけ繊細なエッジワークができるようになれば
ジャンプの時のブレードの感覚が鋭くなっていますので、今まで以上に高さと正確さが手に入っているはずです。

体よりも足が外側にある感覚がある人はエッジに頼っている可能性が高いです。
周りから見ると足が体の外側にあっても本人の感覚として「真下にある」というフィーリングがあれば
良い場所に乗っている証拠だと思います。

体重と筋力の両方を活用して氷を適切なタイミングでプッシュできると
スピードが落ちずに深いエッジングを連続できるのです。
そしてその感覚は独特で、押し続けると手に入らないし足りないと傾けないという
とても繊細なポイントを見つけることから始めなければなりません。

ターン孤を作る一番初めの瞬間に全てが決まっていると考えると良いと思います。
そしてそのポジションに入るためにはその一つ前でどこにいてどんな重心移動をすればいいのかを考えるところから始めるのはいかがでしょうか。 

これらの記事が選手やコーチのスケーティング改善のヒントになれば幸いです。
別カテゴリの専門家の記事は抽象度を上げることで、本質を抜き出すことで、
ヒントになると信じています。

良いスケーティングをするのに知っておくべきこと 2

続きです。
さて、「専門家でもない人間が技術的なことに口を挟むな」と言われないように
私自身が「滑走系スポーツ」の専門家であるという前提をお伝えしておきます。
実はこんな感じで専門誌の特集ページを担当したりもしているんです。

スキーは雪の上を滑るイメージを持っている人が多いと思いますが、
レースの世界では氷の上を滑るという表現の方が適切です。


せっかくなのでこちらも御覧ください。
スタッフの足元に注目すると「氷」の上に立っていたことがよく分かると思います。


氷の上を効率良い重心移動で無駄なく左右にターンするには
独特の感覚が必要になるのです。
そしてその力学的な要素はスキーとスケートにおいて
共通する部分があるわけです。

たまには別のスポーツのトップ選手の動きも参考にどうぞ。
彼は現在「スラローム」という種目で、世界で最も速いスキーヤーです。
途中、ドローンが落ちてきて間一髪の映像です。


さて、かなりのディープエッジングなのがわかるでしょうか。
最後のスロー映像でお尻が雪面スレスレになりターンの度に手をついているのが確認できると思います。
※羽生くんのアレは内足に体重を乗せているのでスピードによって傾いているわけではありませんので、混同しないようにお気をつけください。

さて、ここまではプロローグです。
ここから本題。

スケーティングを状況や目的に合わせて分類してみましょう。
1片足で弧を描く
2交互に踏み込む
3演出として派手に動く

どれも共通して「良い場所に乗っている」ことが重要ですが、
それぞれ特徴が違うのでそれぞれ得手不得手があるはずです。

まず3から。

これは演出なので、かっこ良く見えたり、動きの面白さがあれば良いので
時にはスピードを犠牲にしても、その分表現力や個性が伝わればOKということもあるでしょうから、
私の解説する領域ではありませんので省略します。

続いて1と2の共通する部分です。

クロスカットでも片足のターンでも大きさは違うにせよ「孤」を描いて滑っていますね。
この際、スピードと孤の大きさに対して適切な体の傾きがとれれば最高です。
しかし、この「適切な傾き」というのが非常に難しく、
私の目に見える範囲でいうならば、かなり上位の選手にならない限り
適切な場所を見つけられていない上に、そういう場所があるということを
理屈では知っていてもどうすれば良いのかわからないままにしてしまっている
ような印象があります。

大抵はエッジに乗っかっちゃっているわけです。
(↑この表現は指導言語なのでイメージ付きにくいかもしれませんね)
私のスキー指導の中では遠心力に寄りかかっているという表現も使います。
十分に曲がれるのですが、減速要素が強い曲がり方なんです。

ここでおそらく多くの指導者は「氷を押しなさい」「プッシュが足りない」
という指導言語を用いて選手に伝えるはずです。
この指示で感覚をつかめるようになると傾きすぎないように気をつけるようになります。
そして不思議なことに傾きすぎないように気をつけた結果、傾きが深くなるのです。

力学を考えれば当たり前の話なんですが、
スピードと孤にマッチしない傾きを作ると減速するので遠心力が低下する結果
あまり傾けられないのに対して、適切な傾きを作ると減速要素が下がるので
遠心力が増えてくるので深く傾くようになるわけです。
(速いスピードで同じ孤を描けば傾きは深くなるでしょ?)

つまりもっともっと繊細にスピードとターン孤に合わせた傾きを探す訓練をしていくことで
減速要素が減り、スケートが良く滑るようになり、伸びのあるスケーティングと
深いエッジングになっていくわけです。この繊細な傾きの調整を多くのフィギュアスケーターは
おろそかにしがちなんです。
(目に見えて変化が少ないし、その前にジャンプの方が重要だと感じているから)

長くなってきましたね。
続きは明日にします。

良いスケーティングをする為に知っておくべきこと 1

フィギュアスケーターの中でもアイスダンスの人たちが最もスケーティングが上手だと言われています。
その理由としてジャンプがない分、スケーティング技術が勝敗を大きく左右するからですね。
 
そしてアイスダンスの人たちよりももっとスケーティングの質が高い人たちがいます。

それはスピードスケートの人たちです。
競技が違うとかブレードの形が違うとか、そういう表面上の部分を取り払って考えた時に、
氷の上をブレードで効率良く移動する技術の最も高い人はスピードスケートの選手です。
これは「速さ」の問題ではなくスケーティングの「質」の問題です。

1回の小さなステップのミスで勝ち負けが決まってしまうわけですから、
ブレードに対しての自分の体の位置に関して非常に繊細で敏感なわけです。

若いフィギュアスケーターが案外平衡性が低いことは度々このブログでも書いていますが、
そんな状態では良いスケーティングができません。

良いスケーティングができないということはどんな状態なのかというと、
・ジャンプの成功にばらつきができる
・高く飛べない
・スピードが出ない
・演技が繋がらない
という状態になります。
そりゃあそうですよね、良い場所に立てていないわけですから。

話を一度ずらします。
私が20年以上関わっているスキーの世界では
「スピードスケートの選手がフィギュアスケートに転向する」に近いことが
度々起きます。(アルペンレースから技術選手権への転向)

うまくいく選手とうまく適応できずに勝てない選手がいるのは当たり前ですが、
いずれにしても圧倒的なターンの質の違いがあります。
アルペンレーサーはターンの質を徹底的に高めてスピードを出してきた人なので、
見た目の美しさを表現する前提として「圧倒的なターンの質」を持っています。

ゲレンデで滑っているだけで誰が見ても全然違うのがわかりますし、
見る目を持っている人ほど、その違いがはっきりわかります。

それは無駄がなく、余計な減速がなく、一筆書きのように動きが繋がり
しなやかでスムーズでエッジが深くて速いんです。

圧倒的なターンの質を持っているので、そこに演出を加えると
今までずっと大会に出ていた選手をいきなり飛び越えて上位へ入ることができます。
それは「美しくて速い」からです。

フィギュアスケートに話を戻しましょう。
スピードスケートの選手並みにスケーティング技術を高めることに意識を向けた
フィギュアスケート選手はほんの一握りだと思います。
もしくは、アイスダンスの選手と同じレベルまでスケーティング技術を高めようと
している選手だってジュニアの世代では多くいないと思います。

ジュニア選手ほどジャンプの練習に時間がかかりすぎて、
スケーティングの練習が少ない傾向にあるはずです。
しかしスケーティングの練習をすることがジャンプの成功率を高め、
演技全体のレベルを高くしてくれることは間違いありません。

そこで、次回は具体的に「良いスケーティング」について
私がセミナーやパーソナルトレーニングで紹介していることの一部を
書いていこうと思います。
この「質」に関しては力学の話になってくるので、
スケートもスキーもBMXもモトクロスもひいてはF1ですら共通点があります。

なるべく現役のスケーターでも理解できるようにわかりやすく書こうと思います。

ダンサーのための呼吸から作る姿勢のセミナー in 大阪

お待たせしました。
いよいよ大阪でのセミナー情報解禁です。
セミナーのタイトルは「ダンサー、トレーナー、セラピストのためのジョイントセミナー」です。
ジョイントの相手はオルガさんです。
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これは昨年のセミナーの時の写真です!

オルガさんと一緒にセミナーをするのもこれで5回目になります。
彼女と出会ってからわずか数年の間にオルガさんは新体操クラブの助手から
新体操U-12フェアリージャパンの代表選手への指導を行なう人になっていました。

日本が彼女のメソッドを求めたということですね。
そして現在は新体操にとどまらずバレエ、チアなどの指導者からも熱烈な支持を受けています。
詳しくはこちらをどうぞ

さて、今回私が行なうセミナーの内容は「骨盤」に関してと「呼吸」に関してになります。
3月26日セミナー広告0211

ダンサーがよりよく踊るためにトレーナーがサポートできることとして、
「筋肉を適切に使う訓練」というものが非常に重要だと感じています。

上手に筋肉を扱う為には様々なアプローチを試してみることが重要で、
そのネタの数が多いほど、うまく使えない人にとって可能性が広がります。
レッスンの中でうまくできないことがあるなら、レッスン以外の方法で探してみるのは
とても有効なアプローチになります。

そこで見つけたことをレッスンの中で試してみたり、
繰り返してトレーニングしていくうちにいつの間にか無意識に動けるようになってみたりします。

骨盤に関しては悩んでいるダンサーや指導者が非常に多い場所ですね。
色々なエクササイズを通して、自分がなぜうまくいかないのかを見つけ出し
どうやったら解決できるのかを持ち帰られるようにご紹介いたします。

呼吸に関しては「呼吸」と書くと「吸って吐く」だけのものだと感じられるかもしれませんが、
姿勢を作る上で重要な横隔膜と胸郭周辺の筋肉の活動パターンを正常にすることで、
動かなかったところが動くようになり、動いてしまっていたところが動かなくなります。

あばらが開いたり、肩が上がってしまいやすい人は
このあたりの筋肉が適切に動いていない可能性があるのです。
それを適切に動かすためのアプローチを呼吸をベースにしてから
その上に色々なエクササイズを積み重ねていきます。

昨年はすぐに定員になりキャンセル待ちが発生しましたので、
なるべくお早めにお申し込みください。 

お申し込み先はチラシに書いてあるアドレスにお申し込みください。
皆さんとお会いできることを楽しみにしております! 

札幌国際舞踏フェスティバルが残したもの

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札幌国際舞踏フェスティバル2017が満席の中、閉幕しました。

くしくも最終日前日の深夜にNHKではギリヤーク尼崎氏のドキュメントが放送され、
SNS、新聞、テレビなど様々なメディアで舞踏を目にしやすい1週間でした。

そして舞踏を見れば見るほどに舞踏を知らないことを知ることになりました。

私が観た公演は最終日の夜の作品です。
今回の舞踏フェスでは2作品を1公演として全部で4公演あったのですが、
私が観た2作品はどちらもダンスの要素が入っているものでした。

「舞踏はダンスではない」 この言葉に引っ張られていたようで、
ダンスの要素を織り交ぜてはいけないというルールは存在しないことを
感じながら作品を見ることになりました。

吉本大輔さんと雪雄子さんは2人ともダンサーの身体をしていましたし、
ダンサーの動きでもありました。
最近このブログでも呼吸と姿勢に関する記事をよく書いていますが、
2人とも理想的な呼吸パターンで呼吸をしており、ただ存在しているだけでも
体に真摯に向き合っている人であるのが 客席からよく伝わってきました。 

吉本大輔さんの作品はワルツ(円舞曲)がかかる中、
円を描くように歩き続ける舞踏から始まり、
同じテーマを繰り返すところはロンド(輪舞曲)のようでもあり、
美しい体の使い方と舞踏的な独特の内面的な表現が織り交ざったものでした。
そして、何より呼吸が美しかったのが今の私にとって印象が強かったです。

そして雪雄子さんの作品は小作品を曲に合わせて幾つも披露するような構成になっており、
「0歳から100歳まで身体感覚」という触れ込み通り、実年齢がおいくつなのかは知りませんが、
40代の女性プロダンサーと言っても引けを取らない動きを見せていました。
こんなに動けるんだという感動と、立ち振る舞いから生まれる様々な年代の様々な女性を感じました。
安っぽい言葉になってしまいますが、舞踏版の「ジゼルやウィリーの世界」と
外国人の方に伝えても良いのではないかと思いながら観ていました。

さて、舞踏フェスが残したものについて語ろうと思います。
まず、これを開催したことが本当に素晴らしい。本当に素晴らしい。

日本で生まれ世界へ広まった「Butoh(舞踏)」を日本で再評価するためには
多くの人の目に舞踏を観てもらう仕掛けが必要になります。
そして多くの人を巻き込む必要があります。

かつて舞踏を世に広めたのが三島由紀夫や横尾忠則だったように、
現在はクラウドファンディングやSNSと既存メディアを巻き込んで
舞踏を世に広める仕掛け人が出てきたと言っても過言ではないでしょう。

トークショーでも語られていましたが、国外からの出演オファーが連日届くという事態になり、
「日本で舞踏を行なう」ということが海外で活躍する舞踏家にとって価値を感じていることがわかります。
そして日本としては、舞踏が日本での再評価されるための逆輸入的なきっかけにもなるでしょう。

札幌(近郊)での開催は続けて欲しいのですが、
同じことを東京でやれば来年には1000人規模の会場でも実施可能な気がします。

舞踏の世界には素晴らしい舞踏家が日本にたくさん現役で活動されていて、
海外でも様々な試みがされており、新しい舞踏家も誕生しているようです。

そして今回仕掛け人が多くの人を巻き込んで舞踏フェスを成功させました。
今後、もっと面白いことになることを、近くで少し巻き込まれながら見ていきたいと
心から感じた素晴らしいフェスティバルでした。

若手指導者の葛藤

青山学院大学が大学駅伝3冠と箱根駅伝3連覇を成し遂げたのは記憶に新しいですね。

そして、その功績の背後にはトレーナーによるトレーニング改革があったことも
多くの記事に書かれていたのでご存知の人も多いと思います。

このトレーナーチームの指揮をとったのは我々同業者なら誰もが知る
中野ジェームズ修一さんです。彼は卓球の福原愛さんをはじめ、
伊達公子さんなどがテニスへの復帰を決めた時に関わっていたことが知られている 
誰もが認める実績あるトレーナーです。 

ただ、同業者以外にはあまり知られていないのですが、
彼は心理学を深く学び、クライアントのモチベーションを高めるための関わり方を 
「モチベーションアカデミー」という社団法人を作り広めている人でもあるのです。

今回の連覇において、選手の結果を出すために注目されたのは 
「ランナーに適したトレーニングへの変更」だったのですが、
私が思うに、最も重要なポイントはそこではなかったのではないかなと思っています。

3連覇しているということは、1年目に注目された時点で他の大学も必ず
研究して対策を取ってくるので、3年も経てばトレーニングの情報は大差ないレベルまで揃ってくると考えられます。

それよりも原監督のマネジメントと中野ジェームズ修一さんのモチベーションテクニックが
選手のやる気を最大化したことが結果を生んだのではないかなと思っているのです。

最近の若手のトレーナーやセラピストは非常に勉強熱心であるうえに
最先端の情報を入手するアンテナの感度が高く、私よりも幅広い知識と情報を持っている人が
ものすごくたくさん存在しています。

つまり「トレーニングの情報」は若いトレーナーの方が新しくかつ幅広い可能性が高いのです。

しかし残念ながら選手たちの結果につなげることができるかどうかになると
ちょっとだけ話は変わってきます。
選手との信頼関係を結ぶ力や、選手のモチベーションを高める力は
多くの経験と心の勉強をしている人には敵わないのです。

「俺の方が詳しいのに、なんであいつのところに通ってんだ」
「なんで俺のところに選手が集まらないんだ」
「時代遅れのトレーニングやってる不勉強のトレーナーにつくな」

こんなフラストレーションを抱えている若手のトレーナーは少なくありません。
(かつての私もそうでしたし、そんな後輩をたくさん見てきました)

解剖学やスポーツ生理学、バイオメカニクスやトレーニング理論が優先され、
心の勉強は後回しになりがちで、結果的に選手を高いレベルまで導けないわけです。

一方で、若手でも人間的な成長が早いトレーナーは同じことをしているのに
結果が出やすいわけです。
 
選手たちの心に寄り添い、モチベーションを高め、トレーナーや監督との信頼関係を結べるように
心身ともに導いていくことができる指導者になることが、結果を生むんだと思っています。

そう考えると種目や内容も重要ながら、それだけでは結果につながらないのがイメージできると思います。
結果を出し続けている組織には結果が出るだけの理由があります。
そしてその理由の最重要なポイントは「理論」や「技術」ではないのではないかとすら感じています。

我々トレーナーは、そして全ての指導者は、バランスよくあらゆる勉強をする必要があると考えます。
特に、人との関わり方という勉強をすることが良き指導者には最も重要なのではないかなと思っています。

20年以上この業界にいて、それが予想から確信に変わりつつあります。
皆さんはどう思いますか? 

股関節外旋筋のストレッチはどうやるの?

偉い人、頭のいい人、肩書きのある人の意見って全てが正しいと
思ってしまいがちですし、そう思った方が楽ですよね。

いちいち「それって本当かな?」って調べるのは労力が要りますし、
調べたところで本当の答えにたどり着いたかどうかも分かりません。

それでも、学び続けた方が良いですし、盲信しない方が安全です。 
(時には間違っていても信じ抜くことで上手くいく場合もあるから難しいです)
私のブログ記事だって、どれくらい間違いが含まれているのか分かりませんからね。

さて、今回は権威が集まって書いても間違いはある、というお話。

最近手にしたダンサーに向けて書かれた本格的な医科学系の参考書に、
クラムシェルのトレーニングとストレッチが写真付きで載っていました。
目的としては股関節の外旋筋を鍛えると書いてあります。

しかしそれに対してストレッチの種目がこれだったのです。
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確かにお尻のストレッチとして非常にメジャーなやり方ですが、
これって「股関節外旋」していませんか?

外旋筋のトレーニングのストレッチは「内旋」です。
かくいう私も4年ほど前まで、下のストレッチを外旋筋のトレーニングの後のストレッチに紹介していました。
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、、、、股関節外旋していますね(笑)
当時、おかしいなと思いトレーナー仲間に相談して種目を変えたわけです。
(覚えていないかもしれないけどメディフィットの松井さんありがとう!)

追記:上記の二つは全く外旋筋が伸びないわけではありません。
   ダンシングファン様ご指摘いただきありがとうございます。


そして、私は一体何を言いたいのか?
 

「盲信はダメだ」 ということを言いたいのです。
私を含めて専門家はもっともらしく堂々と、悪気のない嘘をつくことがあります。
 
少なくともその時は正しいと思って書いているのです。
そして正しいとされていたことは時代が経つにつれ、変化していくのです。
「実は間違っていました」なんてことも少なくないわけです。

上のネタも国立のバレエ団に関わっている整形外科医と
国立バレエカンパニー所属の理学療法士が書いた本から見つけたものですからね。
 
私も間違うし、偉い人も有名な人も頭のいい人も肩書きのある人も適切じゃない場合があるのです。
特に注意しなければならないのは、専門書だからといって盲信せずに一度考えることが重要なんです。

しつこいと思われてもくどいと思われてもこの話は重要なので今後も書き続けます。 
嘘を書いている人は嘘を書いているという自覚がなく、良かれと思って書いています。

8割の事実とともに。




さて、今回はたまたま私が股関節外旋のトレーニングに対してのストレッチを知っていたので
記事にできましたので、普段あまりエクササイズをブログに載せないのですが公開します。

例えばこんな感じです。
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見たら簡単でしょ(笑)
こうすると外旋筋のストレッチが可能です(主に梨状筋)。
この際は左膝を右肩に向かって引っ張っていく感じです。

そして本当は椅子があった方が伸ばしやすいです。
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右膝を左肩に向かって引っ張った状態で、軸足(左足)をターンアウトしていくと
かなりうまい具合に外旋筋を伸ばすことができますのでお試しください。

情報に対するリテラシーを高め、自分で考える習慣を持つことは
バレエに限らず、上達のための重要な能力です。
「自分で考えなさい」と人に伝えておいて、ネットや専門書の情報を鵜呑みにするのは
レベルの違いはあるにせよ、同じことだと思います。

私も気をつけて記事を書いていきますので、皆さんも気をつけて記事を読むようにしましょう。
過激な記事や大げさな記事には脚色やデフォルメという名の嘘が混ざりやすいです。

注意深さを忘れずに、しかし恐れずに新しい情報を入手していきましょう。

ドローインをしてはいけないのか? 明暗を分ける原因

2014年に「ドローインをしてはいけない」という記事を書きましたが、
最近はドローインを敵にして救世主のトレーニング方法が発見されたかのような
表現を使う記事をネット上で多く見かけるようになりました。

当時の記事にも書きましたが、ドローインだけを行なうことで
全ての問題が解決できる最高のトレーニングではありませんし、ましてや諸悪の根源でもありません。
私自身の見解は「状況に合わせて指導する場合もある」という感じです。

「ドローイン」という言葉が注目され始めておよそ10年になるのですが、
その間にドローインのアプローチを取り入れて成績を出したアスリートが数多くいるわけです。
一方でドローインに違和感を感じていたアスリートもいるわけです。

そこで、何が明暗を分けたのかを解説することで、
皆さんが情報に振り回されないで自分を信じで前に進めるようにお話ししていこうと思います。

原因は大きく二つあると私は考えます。


その1【競技特性】

ドローインが効果的ではない競技においては違和感だらけだったことでしょう。 
多くの場合、ドローインはお腹を凹ませることで体幹の安定を作るという説明で
紹介されるのですが、ボクシングなどの格闘技においてお腹を凹ませた状態でパンチを受けるのは
非常に危険なのです。また、自転車競技でも腹筋の使い方が地面に立っている競技とは異なるので
ドローインとの相性はあまりよくありません。

このように、うまく競技と関連しにくいケースというのがあるので
競技特性をクライアントさんと聞くことで選択的に紹介するのが望ましいわけです。


その2【トレーニングと目的をつなげる能力】

▲「何のトレーニングをするのか」ではなく、
◯「どうなりたくてトレーニングするのか」
ということなんですが、

例えば、踊っている時にぐらつきたくないから体幹トレーニングするとします。
それなのに、いつの間にか「体幹トレーニングするとぐらつかなくなる」と勘違いしていまうようになるのです。
これはちょっと良くない考え方で、理想は「ぐらつきたくないから体幹トレーニングする」の方が結果が出やすいのです。

少し難しいですね。

本人の中に「あの問題を解決したい」というはっきりとしたイメージが持てていることが重要で、
「このトレーニングは体幹を強くするんでしょ?」というレベルのイメージではトレーニングの時の
安定感は増しますが、本番の動きにつながらない場合が出てくるわけです。


これは指導する側の責任も多く関与しています。
「このトレーニングをするといいですよ」ではなく
「このトレーニングは本番でぐらつくのを抑えるためにやっていますよ」と伝えるのが望ましいわけです。


何のためにトレーニングしているのかをイメージできる人の場合、
ちょっとおかしなトレーニングでも結果が出てきます。
ですから時代遅れのトレーニングでもちょっと間違っているトレーニングでも結果が出ます
それはトレーニングに全てを頼っていないからです。

一方で、最先端で最適なトレーニングをしていたとしても、
イメージが繋がらないままトレーニングしている人の場合はあまり結果が出ないのです。

つまり、ドローインを使っても、そこからゴールの動きをイメージして
ドローインを活用して別の使い方とミックスして望む動きを引き出せれば役立ちますし、
ドローイン自体が目的にすり替わってしまっている場合は結果につながらないのです。
( そんな人は、新しいトレーニングに切り替えてもそんなに大きな変化がないことが想像できます)

これらがドローインで結果が出てきた人の理由であり、
ドローインで結果が出なかった理由でもあります。

横隔膜がどうのこうのやっても、そもそも「どうなりたいのか」がハッキリしていない場合は
結果に結びつくまでに時間がかかります。「何をするのか」は最重要ではないのです。

大切なのは「どう動きたいのか」「どんな問題を解決したいのか」をはっきり理解して、
それを解決するためにトレーニングをしているというのを忘れないことです。
それができていれば、ちょっとハズしているトレーニングですら効果を生み出せます。
ただ、できることなら新しい情報を入手して活用している方が効果は高まります。

お近くのトレーナーさんを探したり、ワークショップに出かけるなどして
良い情報をまめに取り入れることをお勧めします。
 

ドローインを否定する人達とバレエへの矛盾

人間の体はまだまだわからないことが沢山あるので、
10年もするとトレーニングの考え方が大きく変化してしまうのが現状です。

10年前は筋膜なんて言葉を使う人はごく一部でしたし、
ドローインという言葉すらトレーナーですら知らない人が多かったわけです。

普遍的なトレーニング種目のスクワットでも
時代によって少しずつ主流の考え方が変わってきたりもするのです。

そして新しい考え方が誕生すると、今までのアプローチは比較的悪く言われます。
「あんなのは間違いだった」
「いまだにそんなアプローチでやっているのか」

そういった情報を見てしまうと
「今までやっていたのは間違いだったの?」
と何をやっていいのかわからなくなってしまうと思います。
(これに関しては明日の記事で解説します)

最近ではドローインをしてはいけないという表現で体幹に対するトレーニングが広まり始めました。
私もここ最近の投稿で「呼吸と姿勢」というアプローチで幾つか記事を書いていますが、
このへんの考え方が現在トレーナーさん達が注目しているいわゆる”最新の”体幹の考え方になります。 

やっていることは昔から存在していることを丁寧な切り口で紹介しているだけで、
全く見たことも聞いたこともないものではありません。
重要なのは「横隔膜」であるというアプローチから体幹を支えようと考えているわけです。

しかしバレエダンサーがこれを調べて読み進めてみると大きな壁にぶつかることでしょう。
なんせ、理想的なお腹は「関取のようなポッコリとした丸いお腹である」 と結論づけられてしまうからです。

「お腹を丸く膨らませることができれば体幹が安定します」 と言われても
バレエでは決してそんなことをしながら踊るわけにはいかないですよね。

じゃあどうすれば良いのか、
どのように考えれば良いのか、
何を行なえば良いのか。

そんなセミナーを3月26日に大阪で行ないます。
情報公開までもうすぐです。

現在ドローインを積極的に取り入れていた方は
不安を感じている気持ちを落ち着かせるためには
明日の記事をお待ちください。 

「ボールルームへようこそ」と筋膜リリース 【ネタバレあり】

タイトルからして若干のネタバレなんですが、そこはご容赦ください。

さて、最近連載が再開された社交ダンス漫画「ボールルームへようこそ」ですが、
今月号の内容がなかなか面白いことになっていたのです。

トレーナーとしては「お。やるな。」と感心してしまうような切り口で
物語が進もうとしています。

さて、ここからは今月号のネタバレになりますので
まだ読んでいない方は先にマガジンを読んでからご覧ください。


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バレエと舞踏 〜ニジンスキーへ愛を込めて〜

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札幌国際舞踏フェスティバルが開幕しました。
オープニングイベントとして行なわれた「舞踏Ber」のレポートです。
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このブログはバレエに関係している方が多く読んでくださっているはずなので、
バレエに関係し、ダンサーに役立つ内容を重点的に書こうと思います。

まず会場に入って目に留まったのは舞踏に関連する書物コーナーがあり、
何気なく目に留まった本を一冊手に取りページを開いた所にあったのが
ロシアのキエフバレエ団へ作品提供した「オデットに夜の扉を」という記事でした。

1998年当時、まだ「暗黒舞踏」と呼ばれたりしていた時代に舞踏は
バレエ団への作品提供をしていたわけです。
作品を作るにあたってはニジンスキーの春の祭典や牧神の午後などが
バレエの世界に存在していたという事実に興味を持ちつつ、暗黒舞踏の世界に誘うという
意味を込めて「夜の扉」という言葉を使用したのだと語られていました。

また、現代のヨーロッパではフランスなどでの舞踏公演はオペラ座で行なわれたこともあり、
現地に住んでいる日本人から聞いた話だと「チケットが高くて簡単には見に行けない」
というほどの高い評価を受けているそうです。
(少し調べてみたら3万円くらいでした)

ヨーロッパの話は舞踏Berの対談で語られていたのですが、公演もさることながら
ワークショップが非常に人気らしく、様々なダンサーがヒントを探しに舞踏を体験されているようです。

そして今年の新国立劇場では山海塾の公演が決まっています。
舞踏への再評価の流れが日本にも始まってきているようですね。

舞踏Berのレポートに戻ります。

対談されていたのは主催者の森嶋拓さんと舞踏家の田仲ハルさんです。
貴重なお話がたくさんありましたが、舞踏の創始者である土方巽(ひじかたたつみ)さんや
同時期にともに活動されていた大野一雄さんはバレエも行なっていた人たちだったらしく、
土方巽さんはノイエタンツ、大野一雄さんはモダンダンスを基礎に持っているそうです。

舞踏は「ダンス」という枠組みからすら抜け出し、動きを産んでいったわけですが、
今も昔も、基礎に様々なダンスを持っている人が行なっている場合が多く、
コンテンポラリーダンスと舞踏の境界線はかなり曖昧だと感じました。
(本人が舞踏といえば舞踏になり、コンテだといえばコンテになる感じですね)

白塗りをする理由についても幾つかの説をお話しされていました。
白いことで色んなものになれるとか、死者のイメージだとか、日本古来の歌舞伎や舞妓さんのような
白塗りの芸術文化からきているなどなど。そして土方氏の言葉として
「舞踏とは命がけで突っ立った死体である」 などと語り継がれているそうです。

さらには舞踏パフォーマンスもあり、かみだてえりさんの舞踏が2部構成で行なわれました。
事前の対談で「舞踏譜」についての話があり、舞踏は幾つもの言葉がレイヤー化されたのちに生まれる
動きであるとの説明とともに、かみだてえりさんに実演してもらいながら動きが生まれていく過程を
見た後に、その動きが含まれる舞踏を見ることができたのは非常に興味深い体験になりました。
(これはあくまでも田仲ハルさんの舞踏の作り方であって全てではないと説明されていました)
言葉としては適切じゃないかもしれないですが、舞踏には振り付けがあるということです。

彼女のような女性舞踏家が札幌にいるとは知りませんでした。
そしてパフォーマンスを見て感じるのは、ダンスのルールを逸脱している動きが非常に多く、
しかしそれが新しいダンスのヒントになるだろうというのも理解できるものでした。
(詳しく書くと長くなるので機会があれば記事にします)

表現の手段として、様々な方法を試みていくなかで、絵や歌や踊りにたどり着いていく人と同じように、舞踏にたどり着いた人や、プロセスの過程として舞踏がある人、そして隣に舞踏がいるまま
別の表現を行なっていく人など、刺激の一つとして舞踏は非常に興味深いです。

主催者の森嶋さんとお話しさせて頂いた時におっしゃっていた言葉が印象的でした。
「舞踏って好きになるまでのトンネルが長いんですよね(笑)」

さて、皆さんもちょっとトンネルに入ってみませんか?
2月8、9日は舞踏ワークショップ
2月10日にはシンポジウム
2月11、12日は舞踏公演があります。
 
ダンサーやダンス教師はワークショップへ、
芸術に興味がある方はシンポジウムや公演へ足を運んでみてください。


 

【速報】ローザンヌ国際バレエコンクール2017 結果発表

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今年のコンクールも大変見応えがありました。
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日本人が4人が決戦に残った状態で始まったファイナルですが、
見事一位に輝いたのははEspostio Micheleさんです。
伸びやかなバネのある体でクラシック、コンテともに素晴らしかったです。
コンテとベストスイス賞とトリプル受賞でした!
18

第2位はFernandes da Costa Duarte Marinaさん
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彼女はオーディエンス賞とのダブル受賞です。
クラシックのキトリの表現力は特に抜群でした。

3位に日本人の Nakao Taisukeさん
クラシックの演技で一番歓声が上がっていたようにも感じました。
正確でダイナミックな演技が印象的でした。

4位も日本人のYamamoto Koyoさん
彼のコンテは観客の心をつかんだのが映像を通してですら伝わりました。
クラシックは少し緊張していた感じが伝わってきたので、
コンテで挽回できて良かったと感じながら見ていました。

5位はHunter Laurenさん
彼女はクラシックが素晴らしかった。

ここまでは絶対に入賞するだろうと確信を持てるほど
見てはっきりわかる違いのあるダンサーたちだったような印象がありました。

続いて6位がWegrzyn Stanislawさん
7位がIonescu Diana Georgiaさん
8位がLim Sunuさんでした。

おめでとうございます。
そしてここからが彼ら、彼女たちにとってのスタートですね。


そして、ここからは私の感想になりますが、
ファイナルに残ったダンサーの印象はクラシックかコンテのどちらかが
飛び抜けて上手な子が選ばれたような感じがしました。
当然入賞したダンサー達はどちらも高いレベルで揃えてきてきたわけですが
他のダンサーでもクラシックは抜群だったり、コンテは印象的だという感じで
どちらか一つでもハッキリ輝いているダンサーがいました。

バランスのとれたダンサーを選ぶというより、何か光るものがある未完成なダンサーを
評価したのかもしれませんね。

また、コンテ作品は全てノイマイヤー作品ということもあり、
昨年とは全然違う作品が並び、見ていて面白かったです。

女子の種目に関しては5作品中3作品がポワントを履くものになっており
ネオクラシック的なコンテンポラリー作品が多く踊られていました。
男子は歌のついた作品が多く、どちらも見ていて新鮮でした。

さらにはいつもなら地元のバレエ団が結果発表までの時間に作品を披露するのですが、
今回はノイマイヤーの作品を4つも見ることができました。
弦楽4重奏とピアノの生演奏でドラマチックな作品とカンツォーネに乗せてネクタイをスカートにした
3人の女性のシンクロしたハードなダンス、ボイスパーカッションに合わせた作品、
そして物語を感じさせる美しい作品です。
それぞれ作品の色が全然違うものを一度に見ることができたのはとても貴重な時間になりました。
待ち時間であることも忘れて、作品を楽しむことができたわけです。

それにしても毎年思いますが、動き出した瞬間に目を引くダンサーのアレは
何なのでしょうね。他のダンサーだって十分に上手なのに。
同じ振りなのにもかかわらず、目を引く人と、ただきれいに踊っているだけに見えてしまう人がいます。

この違いを引き出すためには何が必要なんでしょうね。
今年も色んなことを感じさせてもらえる貴重な時間を過ごすことができました。


ここから追記(2/9):
さて、深夜にレポート速報を書いている手前、色々説明が足りない部分や
後から読み直してみると修正が必要に感じる部分があったので追記します。

まず、1位を取ったEspostio Micheleさんのコンテですが、
深夜特有の意識混濁状態(簡単に書くと睡魔)が
ちょうど彼の前の女性の時に発生し、鳴り止まない拍手によって意識を取り戻しました。
つまり、彼のコンテをよく見れていなかったわけです。
そして先日見直してみたところ、圧倒的な表現に目を奪われてしまいました。
1時間53分30秒の所からご覧ください

とても重要なポイントでやってしまっていたわけです。
そして鳴り止まない拍手のおかげで「あれ?なんか変だな」と目が覚め、
「いかんいかん」と気を取り直して観ることができたわけです。

続いて、審査結果が出るまでのダンスは「ナショナル・ユース・バレエ」の8名で、
以前菅井円さんが所属していた若手のみで構成されている少人数バレエカンパニーでした。
その後に出てきたグランパドゥドゥは過去にネットで見たことがありましたが、
審査員のSpuck氏が作った作品とのことです。
(twitterのRTで解説いただきました)

トレーナーとしてバレエに深く関わって活動しているので、
毎年この場所が身近に感じられるようになっていっています。
いつか、現地でダンサーを観る日も来るだろうなと感じています。

そのためにも日々、私ができることを最大限行なっていこうと思います。 

ローザンヌday1から見るバレエダンサーに求められる動き 〜コンテ編〜

ローザンヌ国際バレエコンクール2017もすでに後半に差し掛かってきました。
さて、ここでDAY1のストリーミング配信の中から15~16歳のコンテンポラリーダンスのクラスにしぼって
印象的な部分を書こうと思います。

貴重な1週間の初日に彼女たちに何を伝えているのか。
特に若い世代のダンサーたちに一番初めに伝えるべき部分は何なのか。
こちらの動画の1時間7分くらいからご覧ください。


ちなみに、いつも楽しみにしているのがコンテの時の楽器です。
左手でピアノ、右手でリズムを刻んでいるのがわかるでしょうか。
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さらに見える範囲ですが、カリンバ(親指ピアノ)やキーボードとPC、ハーモニカ、縦笛などがピアノの上に並んでいます。
 (他にも何だかよくわからないものが幾つか置いてあります)

面白いですね!
私自身は英語は弱いので動作から感じる部分を書いていきますね。
まず腕を振って歩く
バレエ的に歩くのと人間的に歩くのは要素が違うので、こういったところから始めるんだろうなと
感じました。

その後フロア系の動きに入ります。
ここからが特に印象的でした。

まずはスクエアを崩す動きから入ります。アイソレーションの延長にある動きですが
左右に重心移動と共にアイソレーションを使ってスクエアを崩すわけです。

次が床とのやりとりです。
重心移動の流れを止めないでうつぶせになったり起き上がったりします。
ここで重要なのは「エネルギーの行き止まり」を作らないことです。
いわゆる「ドスン」とか「ゴン」 というのはエネルギーが床でぶつかって止まってしまっているわけで、
狙ってその動きをするわけではない限りは、なるべくスムーズに体の形を変えていくことが求められます。

つづいて、一度背中をまっすぐにして腕を持ち上げ、体に直線を作ります。
動きにメリハリをつけるためにも背中が反っちゃうと雰囲気が出ないわけですね。

その後、床とのやりとりの中で二次元的な部分から三次元的な部分へ移行します。
つまり腰が床から離れたりまた床に戻ったりするのです。ここで一層「ドスン」が発生しやすくなります。


いかがでしょう。ものすごくスムーズに段階的にコンテに必要な要素が組み込まれた
振りだと思いませんか?
この振りを入れている意味がダンサーにはっきり伝わる内容になっていると感じます。
そして世界のカンパニーはこういった動きが出来るダンサーを求めているということだと思います。

話を続けましょう。

その後立ち上がり、背中を丸めるエクササイズを挟みます。
ここでは「どこから曲げるのか」を一人一人丁寧に指導していきます。
つまり背中から丸めることが重要であることを示しているわけです。

縦に丸めた後は横に丸めます。その次にねじりを入れます。
そしてそれらを動作でつないでいくのです。

これらはすべてクラシックにはほぼ存在しない動きばかりである一方で
ダンサーとしての幅を求められる場合に非常に重要であり基本になる動きだということではないでしょうか。 

以前ブログで書いた記事「コンテンポラリーダンスの動きの抽出」 「その2
にも通じる部分があり、初日の若いクラスのレッスンにこういった内容があることが
多くのダンサーの目に届くことを望んでいます。

これに近い動作を組み込んでいるのが「アンクルトレーニング」など、
幾つかのコーディネーションエクササイズだったり、平山素子さんの
ムーブメントリサーチ」だったり、いわゆる多くのスタジオで行われている
「コンテ初級」のクラスなんだと思います。

以前これを目的としたワークショップを東京で開催しましたが、
いつかまたやりたいなと、再認識しました。

多くのダンサーが海外に出る前に身につけておきたい身体感覚の一つですし、
こういった動きができないまま海外への挑戦は現地で大きな苦労や怪我のリスクを生むと思います。

是非とも動画を参考にしてスタジオで動いてみてください!

【動画あり】ローザンヌ国際バレエコンクール2017 始まりました



いよいよ今年も始まりました。
寝不足の1週間になりますね。

これからローザンヌ国際バレエコンクールを目指す人も、
今回はビデオ審査を通過できなかった人も、そして私のように
スタジオレッスンの現場を気軽に見学できないセラピストやトレーナーも、
そして全世界のバレエを愛するダンサーたちも
ほとんどタイムラグなしにコンクールのレッスン現場を観ることができる
貴重な時間が始まります。





過去にも何名かこの舞台を経験しているダンサー達と関わらせていただいていますが、
今回参加しているダンサー達にとっても素晴らしい時間であることを願っています。 

 

咳であばらが折れる。

これは私自身の体験談です。

私は喘息になることがあるので、風邪をこじらせると咳が残ってしまい
そのまま気管支喘息が発症することがあります。

ある時「あれ?咳したらあばら(右)が痛い」と思い、
ネットで「右のあばらが痛い」を検索したら出るわ出るわ(笑)
咳を繰り返すことで肋骨が骨折するという情報がたくさんヒットしました。
 
そして折れるのはほとんどが右側なのです。

なぜか。


それは右の横隔膜の方が左よりも強いからなのです。
これには理由があり、肺の大きさが左右で違い、
右の肺の方が左よりも大きく、それを動かす横隔膜も右のほうが
太くて厚くて長いのです。

こういった構造的な左右差があるので咳で右の肋骨が折れるわけです。

さて、ここからはバレエやフィギュアスケートに関係してくる話を
二つお伝えします。

まず一つ目は、過度なもしくはアンバランスな食事制限していると骨が弱くなります。 
みなさんが咳であばらを折る可能性は決して少ないとは言えないということです。
適切な食事管理をして「しっかり食べて、しっかり動く」のを心がけましょう。

そしてもう一つは、私たちは咳で右のあばらだけが折れるほどの左右差を
潜在的に持っているということです。しかも「コア」「体幹」に。

うまく使いこなせない横隔膜は、体の左右差を生み出し
動きの左右差をも生み出します。

横隔膜を適切に使いこなすための呼吸が、
多くのダンサーやスケーターが求めている「ブレない体幹」と密接につながっているわけです。

最近私のパーソナルトレーニングでは呼吸を活用して姿勢を作るワークを紹介していますが、
そもそも私自身の姿勢の変化を実感しています。

今までプランクを綺麗なフォームでやっているのになかなか結果につながらないと
感じている人は、もしかしたら呼吸からアプローチしたほうがうまくいくかもしれません。
すぐにあばらが開いてしまう人や、 肩が上がってしまいやすい人も、
呼吸から姿勢を作ったほうが効率的な気がしています。

私の身の回りではっきり結果が出るまではもう少し時間がかかるでしょうが、
とても良いアプローチであると体感的に確信しています。

あばらが折れるほどの左右差をみなさんはどうお考えですか?

私は折れてしまった実体験があるので「そんな些細なこと」と
見逃すわけにはいきません。
 
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