私は週に3回しかレッスンを受けられないし。
なんて嘆いている人はいないでしょうか。

今日はそんなお話です。

プロになるなら確かに少ないかもしれません。
ただ、少ないからと言ってプロになれないのかというと
私はそうは思いません。

どちらかというと「週に3回しか受けられないから上手くなれない」
と思っている心が原因で上手くなれないのだと思います。 
例えば週に1回のレッスンでも、もの凄く上達する人もいますし
毎日レッスンを受けていても上達がゆっくりの人もいます。
これを「センス」と言ってしまえば楽で簡単ですが、決してそれだけでは
無いのが本当のところです。

私が感じているのは一つのレッスンに対する準備と集中力が
レッスンの回数を上回る可能性を充分に持っているということです。
毎日レッスンを受けられる「恵まれた」環境にいる人は、
レッスンが受けられるというありがたみを忘れてしまいがちです。

すると「今日はなんとなくレッスン受けちゃった」という日が
何日も続くようなことがでてきます。
特に子供の頃から毎日レッスンを受けさせてもらっている人は
この傾向が非常に強くなります。

それでいてこういう事を言うのです。
「プロになる子は学校にも行かないでレッスンしているからずるい」と。
自分の恵まれた環境よりも、より一層恵まれた環境に憧れを抱いてしまうのです。

しかし現実はどうでしょう。
毎日レッスンをしている中で、その一つ一つを心から大切にし、
レッスン前に意識して準備し、集中して一言も聞き逃さないようにしているでしょうか。

そう、年に一度のワークショップで海外から来る先生に習う時と
同じ集中力で自分を高めようとしているでしょうか。

私にはとても悔しい過去があります。

スキーの選手時代、就職せずに春夏秋のアルバイトで貯めた貯金を
切り崩しながら冬に毎日スキーだけを始めた1年目の話です。
(スキーレッスンすらしないで1人で練習しました)

冬のシーズン通して何一つ予定はありません。
あるのは練習と大会のみです。
毎日勝つ為にゲレンデへ向かい、ひたすらスキーをしていました。
いえ、しているつもりでした。

起きる時間も自由ですし、寝る時間も自由です。
一日中練習する事もできます。
全て自己管理に託されていました。
すると、どうでしょう。
いつでも練習できるのが当たり前という油断が生まれていたのです。

当然技術は上がり、かなり上達したと確信しながら大会へ挑みました。
前年度を大きく上回る成績を出し、まずまずの結果が出たと思ったのですが
この年に就職したチームメイトが私の成績を上回ったのです。

大きなショックを受けました。

どうしても上手くなりたかった私はそのチームメイトに何故そんなに上達したのか
訪ねました。そこには私には無かった考え方がありました。

「週末にしか練習できないからその為の準備を平日に行なって、
練習の日にはテーマを決めて一本一本を集中して本当に大切に過ごした」

愕然としました。

私のひとシーズンがまるで無駄だったかのようなショックとともに、
取り返しのつかない一年を過ごしてしまったと感じたのです。
週に7日朝から夜まで練習する環境があった私は、平日は仕事をしながら
(しかも地方就職で仲間もいない状態で)週末のみ地方のスキー場で
練習していたチームメイトに負けたんです。

この時に心から思ったのは、テーマを決めて集中して練習するのと
何となくみんなで練習するのではそこにうまれる効果は計り知れないということでした。

お分かりいただけると思いますが、私は何となく練習をしていたつもりはありません。
これはこの記事を読んでいる皆さん自身や娘さん、生徒さんに当てはめても同じだと思います。
私なりに本気で練習していたのです。

しかし結果が出て、話を聞いて、自分の甘さに初めて気がついたのです。


「もっとできた」と。


練習する時間がないと嘆く前に、今自分に与えられている時間を
最大限使い切っているかを振り返るといいと思います。
もっとできたんじゃないかな、もっとできるんじゃないかな。
そうすると、きっと今よりも環境が良くなります。
環境は変わらないけれど、良くなるんです。

毎朝バランストレーニングをしてから家を出たり、
学校や職場で出来る事を探したり、
寝る前のストレッチ以外にトレーニングを追加したり
DVDなど映像を見てイメージトレーニングしたり
レッスン前にはストレッチだけではなく
自分なりのテーマを決めてみたり、
レッスン後には感想をノートに取ったり、そのノートを
読み直して自宅で練習してみたり。

まだまだ出来る事は沢山あるはずです。
それを全て行なった人が「私にはダンスに与えられた時間が足りない」
と語る事が出来ると思います。

環境は良ければ良い程「甘え」という恐ろしい誘惑があります。
与えられた環境が厳しい人ほど一つのレッスンを本当に大切にします。
そして世の中でプロになったり、プロでも更に一流と呼ばれるような人達は
自ら良い環境を作りながら決して甘えずに一つのレッスンを大切に
集中して行ない続けている人達なのではないでしょうか。

今あるものでベストを尽くす。

まずはそこからだと思います。