「関節の隙間を空ける」
「筋肉を長く使う」
「伸ばされながら使う」

バレエではこのような表現を一度は聞いた事があると思います。
これは身体表現を行なう上で、美しく動く為に(美しく動いているように見せる為に)
とても大切な身体の使い方になります。

これを無理矢理身体の専門用語に当てはめて説明するならば
拮抗筋の同時収縮、遠心性筋収縮、アイソメトリックを複合的に組み合わせている状態
という感じになります。
ただ、当てはめた時点で「ダンス」ではなくなりますし、本当にやって欲しい動きとは
ズレてくるはずですので、脳内でダンス的な動きに変換する作業が必要になるはずです。

それを理解した上で、あえて筋肉の動きについて解説していきましょう。

まず、拮抗筋の同時収縮ですが、これはダンサーはあまり自覚していないはずですが
恐らく行なっているであろう動きです。
拮抗筋(きっこうきん)とは、曲げる筋肉に対してその反対にある伸ばす筋肉の事を指します。
つまり曲げる筋肉と伸ばす筋肉を同時に力を入れている状態です。

これは下半身を安定させる時に知らずに行なっている動作で、
例えばポアントで立っているときに内側にぐらつかないようにする筋肉と
外側にぐらつかないようにする筋肉をどちらも使っている状態や、
カンブレで身体を後ろへそりながらも腹筋を使っている状態などは、
拮抗筋がどちらも働いているであろうと思われます。
これができると動きが安定することが想像できます。
なぜならどちらもスイッチが入っている状態で動いているので微調整が可能だからです。

そしてこの感覚がない人は「関節にのっかっている」と指摘される可能性が高いです。

続いて、遠心性筋収縮に関してです。

これぞまさしく「伸ばされながら使う」という状態の事を指しています。
バレエではとてもよく使う表現だと思います。
これを正しく理解する為にはまず「筋収縮」を理解する必要があります。
筋収縮に関しては過去の記事を参考にしてください。

例えば、肘を曲げる時には上腕二頭筋の筋収縮が起きているのですが、
本来肘を曲げる作用の筋肉である上腕二頭筋に力を入れながら肘を伸ばしていく事を
上腕二頭筋の「遠心性筋収縮」と呼びます。

、、、、やっぱり分かりにくいですよね。
上手く書ける自信が無かったのでいままで避けて通ってきたのですが、
想像力を働かせてなんとか理解しようとご協力ください。

実際はバレエ的な場面の方が分かりやすいです。

ももの裏を使いながらパンシェすると、ハムストリングスの遠心性筋収縮です。
うちももを使いながらプリエすると内転筋の遠心性筋収縮です。
お腹を使いながらカンブレすると腹直筋の遠心性筋収縮です。

いかがでしょうか、初めからこう書けば良かったですね。
つまりもっと力を入れると戻って来れる筋肉を使って動いていく感じです。

これは様々な場面で使われているはずです。
ダンサーはこの感覚をもっていないと踊りが単調になるはずです。
ゆったりとした動きやタメをつくるには遠心性筋収縮が役立ちます。

そして最後にアイソメトリックですね。

これは力が入っているけれど動いていない状態のことを指します。
例えばアラベスクで止まり続けた時に疲れてくる筋肉は全て
アラベスクの姿勢をキープする為にアイソメトリックの状態で頑張っているという事です。

動かなくても力を入れ続けている状態をアイソメトリックと呼びますので、
例えば肩が上がらないように背中の筋肉でホールドしていれば、
背中の筋肉はアイソメトリックな状態ということです。

引き上げの為にお腹を使っていればお腹の筋肉はアイソメトリックな状態です。

そしてこれらの3つの身体の使い方が複合的に組合わさっているのがバレエの動きの中に
よく登場するわけです。
そしてこれらの状態を「使う」と表現してみたり「長くする」と表現してみたりするわけです。
ただ、結局は感覚として理解した方が上達が早いので、この文章は
ダンサーに関わるトレーナーやセラピスト、そして身体の勉強に興味のあるダンス教師が
なんとなく参考にしてくださればいいかなと思って書きました。

そしてこれらの感覚を実際に体験してみることで新しい身体の使い方の発見や
今までの使い方がよりスムーズになる体験をすることができる機会があります。

11月22日(日)名古屋で背中編とオルガアンクルの二つだけでも良いので
是非バレエに関わっている方はご参加ください!
↑日程間違えていました。正しくは22日(日)でしたので修正かけました。
北海道に来るよりは近かったり安かったりすると思います。 
今年の本州遠征はこれが最後になります。
(雪が降る季節は飛行機が欠航するリスクがありますからね)

次の本州遠征はまだ未定ですが春以降ですし、その間に時間は過ぎていきます。
オルガ氏と1つのセミナーを二人で行なう機会は今後無い可能性の方が高いです。
(人件費が2倍ですからなかなか簡単に開催できません)
つまり今回受けた方が良い理由は沢山あります。

是非世界各国の様々な情報が詰まったセミナーを受講しに名古屋までお越しください。
フィギュアスケーターの為のバックアップセミナーですが、フィギュアの基礎にはバレエがあります。
そして近年バレエダンサーは身体を強くする必要があります。バレエ教師、その他ダンサーが
受講しても十分に役立つ内容です。まるでバレエのセミナーかのように。

皆さんのご参加をお待ちしております。