みなさんはショートターンの引き出しをいくつ持っているでしょうか。
「引き出し?1種類じゃないの?」という方はきっと苦手な斜面と得意な斜面の差が
非常に大きい人だと思います。

ショートターンのテクニックをいくつかに分けるとすると、
その指導者の数だけ分け方が変わってくると思います。
今回は私が日々意識している分け方でショートターンを紹介していきます。
あくまでも今回は感覚の話であり、指導言語に近い内容を多く含むと思っていてください。
力学的な側面で読むとトンデモになっている部分が少しあると思いますので
それも踏まえてお読みいただくことをお勧めいたします。
あ、速さを求める技術以外も含まれていることも予め伝えておきます。

【フィジカル支点分け】
膝支点、腰支点、胸支点、頭支点、足裏支点、円錐振り子支点という分け方です。
これは主にターン弧やリズムの大小を調節したり、滑りのシルエットを変化させるために使用するアプローチです。膝を支点にするイメージでターンするとクイックなリズムになりますし、頭を支点にするイメージにすると体が大きく傾きます。また、足裏支点をイメージするとクロスオーバーが大きくなり、体を谷に運ぶ感覚を強く持つことができますし、円錐振り子支点というのは頭よりもさらに上に支点があるイメージで、ミドルターンに近いサイズのターンになっていきます。

【重心移動分け】
横移動、斜め前移動、斜め後ろ移動、谷移動という分け方になります。
この場合は自分、もしくはスキーがどの方向に移動する(移動させる)のかのイメージで分けるアプローチです。減速要素の有無と斜度によって使い分けますが、スピードがいくらでも出せるときはスキーを横に出すだけの連続のイメージになり、低速緩斜面の場合は斜め前(谷側)へ重心を運ぶイメージでターンし、急斜面でスピードをコントロールする深い弧を描くときは重心を斜め後ろ方向へ運ぶイメージになります。また、バンクコブを外回りで滑る際にはブリッジ(コブとコブのつなぎ)の部分で立ったままフォールライン(谷方向)へ体を投げ出すようなイメージにする場合もあります。

【引き分け】
我ながらタイトルが面白い(笑)
面方向、膝支点、股関節支点の3つの引きを意識的に変えて滑るアプローチです。
主にコブなどのシチュエーションが多いですが、スキーを引くことでスキーのトップからエッジングするのをスムーズにするためのテクニックです。コブの形状と滑るラインに合わせて、三つの引きをバランス良く使い分けていくことで体が遅れにくくなりターンが崩壊しない状況を作り続けることができます。

【体やスキーが抜け出す方向分け】
重心と腰がスキーと同じ向き、腰は谷で重心はスキーと同じ向き、腰も重心も谷方向という分け方です。
これはターンサイズを調節するときに使い分けたり、谷回りでのエッジングの感覚を得るために使用することがあります。ただし、多くの中上級スキーヤーはこの辺りのテクニックで完全に行き詰ります。
その理由として「やったことのない動きが雪上で獲得できない」というものがあり、ついいつのまにか自分のいつもの動きになってしまって、スキー、腰、重心のそれぞれを別の方向へ動かすことができないのです。
これらはどこが何故できないのかを陸上で体験してもらったほうが上達がスムーズに進みます。

【たわませ分け】
曲げてたわませる、伸ばしてたわませる、慣性でたわませるというアプローチです。
ターンサイズやリズムなどを調節するために使い分けます。荷重をする際に、膝を伸ばしても、曲げてもましてや、たいして伸ばさず曲げずにいても良いポジションにいればスキーはたわみます。
良いポジションがどこかを見つけるのは別の練習なので割愛するとして、スキーのたわみを生み出す方法は決して一つではないことを理解できるようになると滑りの幅が広がります。

人によってスムーズに学べる組み立てって個人差があります。
技術の習得レベルによっても違いますし、得意な動きによっても違います。
また、理屈っぽいのが好みの方から感覚的なのが好みの方もいますね。
その指導範囲が広ければ広いほど多くの方のサポートがスムーズになります。
要はどんな特徴を持っている人が何に対して困っていて、どうなりたいのかを理解できるのが
望ましいスキー指導だということですね。

こういったことを数年前までスキー雑誌に書いていたのですが、
試しにブログにて無料公開することにしました。
ただ、実際はこれを読んでなるほど!ってなる人はスキー技術的に私と同等か私以上の人なのでなんとなくわかりそうな感じはするけど、実際は習ってみないと分からないという方に関しては、5月3日の森脇マジックへのご参加をお勧めいたします。

これから上手くなろうとする方にもオススメなのはもちろんですが、
レッスンのネタを増やしたいと思っている同業者の方にも強くオススメいたします。
当日いろいろご相談ください。たくさんのご参加をお待ちしております!
Morimaji2017