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前回はアルペン競技をしないで上達する方法をご紹介しました。

そして今回は「なぜ速いレーサーが技術選に転向するとすぐに上位入賞するのか」という切り口から今やるべき練習を提案していきたいと思います。

まずは私の実体験エピソードからお話ししますね。

私はポールをくぐった経験が人生トータルで50時間無い人間です。
多分20時間くらいしか無いんじゃないかなって思います(2時間の練習×10回)

基礎スキー出身でアルペン経験なしという経歴です。

さて、そんな私が所属するばんけいスキー学校ではシーズン終わりにポール大会というのがあり
自己申告タイムと実際のタイムの近さを競う大会があります。そして一応「ラップ賞」もあります。

この大会はポール経験がない人でも楽しめるようにかなり直線的なポールセットになっています。
これに気づいた私は、サイドカーブの深いスキーならラインが膨らんでもズラさずにフルカービングで曲がり切れるという発想のもと、アルペン経験ないのにフルアタックしつつ絶対にスキーをズラさないという方法で滑り降りました。

するとその年は本格的なアルペン経験者が一人も参加していなかったのでまさかのラップ賞をいただきました。

これに味をしめて毎年同じ作戦で参加していたのですが、ある年にアルペン競技経験者で、つい最近まで全日本スキー技術選手権に出ていた女性が参加した年に私のメッキが剥がれたのです。

例年通りフルカービングで滑りきり、その後に滑る彼女のタイムが出るのを待っていると
約30秒弱の短いコースなのにも関わらず3秒以上タイムが離れました(笑)


これが基礎スキーだけしてきた人間とアルペンレーサーとの圧倒的な差なのです。



なぜ、ズラさずに滑った私が短いコースで3秒以上のタイム差をつけられたのか。




それが「プッシュ」の有り無しに関係してくるわけです。
もっと分かりやすく書くと「上下動」です。
上下動と書くと誤解を招くリスクがあるのですが、プッシュと書いても
プッシュがうまくできない人には伝わらないのであえて上下動と書くほうが良いと思っています。

2017年4月に物議を醸した記事とともに私の観点で解説したのがこちら。
参照:基礎スキーのテクニックとアルペンスキーのテクニック
この記事は本当にお勧めなのでぜひご覧ください!



つまり、彼女は自然にプッシュして滑ってきたわけです。
元アルペンレーサーなので、特に意識することなく簡単なポールセットのコースをプッシュして滑り降りたわけです。

一方で私はフリースキーならともかく、ポールの中でどこでプッシュしていいかなんて目も体も追いつかないのでフルカービングだけで精一杯になります。
(今は年に一度、この日にしかポールを滑らないですから)


つまり、これが技術選手権の大会でも現れているわけです。


滑ることとプッシュすることが密接な関係がある人と、プッシュすることを意識しないとできない人では
ターンから発生するスキーの走りに違いが生まれ、それが速度と見た目への影響を与えるのでプッシュが上手い人ほど高得点になるわけです。


つまり、減速しないでターンを連続させる練習や、プッシュによって加速感を感じさせる練習を行なうことでアルペンレーサーが持っているスキーの走りをジュニア技術選の選手たちも手に入れることができるようになるのです。


具体的な練習方法はそれぞれのコーチに相談するのが良いと思います。
私は私でいくつも練習方法がありますが、長くなるのでここでは割愛します。
(ばんけいスキー学校で指名してくださるとプライベートレッスンします)



つまり、不整地をどこでも自由に滑るための技術を身につけ、
整地でプッシュして減速要素を限りなく減らす技術を身につけた後に
残りの時間でフォームの練習をするのが一番理想的だと私は考えます。


ジュニアの選手は決して技術選手権の”点数出る滑り方”みたいな練習に時間をかけないことをお勧めします。
そればっかり練習してたらアルペンレースから競技転向してきた選手にいきなり負けるという悔しい目に会う確率が年を重ねるごとに高まっていきます。


見た目を意識するのではなく、目に見えない感覚(重力、慣性、遠心力など)を磨きましょう。