2011年06月

2011年06月28日

Jリーグにおける昇格プレーオフ

前回イングランド等で行われている昇格プレーオフについて書いたが、ちょうど同じ日に日本のJ2でも昇格プレーオフを行うことを検討するという記事が新聞に出た。


 前回昇格プレーオフは、①中位のチームに終盤まで昇格の可能性を残すというメリットがあるが、長期間戦ったリーグ戦の結果が短期間の昇格プレーオフで覆ってしまう点は好ましくない、②実施するとしてもステップラダ―方式のように上位チームにアドバンテージを与えるようなやり方で実施した方がよいと書いたが、そのこととJ2の現状を踏まえて考えて見る。


 現在J2は20チームで構成され上位3チームが自動昇格するが降格はない。上位のチームは昇格という目標があるが、中位や下位のチームには明確な目標はない。下位のチームはリーグ戦の相当早い段階で消化試合のようになってしまう。


 しかし、J2は22チームになった段階でJFLのチームと入替を行うことになっている。現在JFLやその下の地域リーグに昇格を目指しているチームがいくつかあるので、おそらく数年後にはJ2とJFLでチームの入替が起こり、J2から降格するチームが出てくる。


 そうなるとJ2の下位チームにも残留という大きな目標が発生する。J2全体では、上位の昇格争いと下位の残留争いというふたつの大きな争いが生まれるので、J2は相当活性化するのではないだろうか。


 JFLから降格するチームが何チームになるかは、JFLの上位3位までに昇格の資格を持つチームがいくつ入るかによって変わってくるが、たとえ1チームでも降格するとなれば、J2下位のチームは相当恐怖心を持つだろう。これまでまったりと戦っていた下位のチームも、緊張感のある戦いを強いられることになる。選手たちはこれまでも必死になって戦っていただろうが、サポーターたちも必死になって応援することになるだろう。


 これまでJ2には昇格争いしかなかったが、その割には盛り上がっていたのではないだろうか。世界中にあるサッカーの2部リーグの中でJ2より明らかに盛り上がっているのはイングランドとドイツくらいではないだろうか。その上、数年後には残留争いが加わるので、J2は相当活性化すると思われる。


 昇格プレーオフは今の時期に実施しなくてもよいのではないだろうか。降格が行われるようになってもあまり効果が表れなかった場合の実施可能なカードとして残しておいたほうがよいのではないか。短い期間の間に二つのカードを使ってしまうのは得策とは思われない。


 昇格プレーオフがないと中位チームの目標がなくなるかもしれないが、連続して残留争いに巻き込まれていたチームが早い段階で残留を決めて、後はサポーターたちがのんびりと観戦できるのも、それはそれで至福の時だ。昇格争いや残留争いも必要だが、大半のチームがそれに巻き込まれなくてもいいのではないか。

 

 



quiquiruko352 at 07:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) スポーツ全般 

2011年06月14日

昇格プレーオフ

サッカーの世界では、各チームの所属するリーグが固定しているわけではなく、成績によって1部・2部・3部などの間を移動している。移動は自動昇降格が一般的であるが、入替戦や昇格プレーオフを行うリーグもある。中には、オランダのように入替戦と昇格プレーオフを足したようなやり方を行っているところもある。


 イングランドのサッカー2部リーグ(チャンピオンシップ)は24チームで構成され、2回戦総当たりで各チーム46試合行い、3チームが1部(プレミア)に昇格し、3チームが3部(ディビジョン1)へ降格する。昇格する3チームのうち1位と2位の2チームは自動昇格であるが、もう1チームは3位から6位までの4チームで昇格プレーオフを行って決定している。イングランドでは3部や4部でも同様のやり方を行っている。


 以前はイングランド以外でこのようなやり方を行うところはほとんどなかったが、最近では同様なやり方を行うリーグが増加しているように思う。


 このやり方のメリットは、リーグ戦の消化試合を減らすことだ。24チームのうち昇格する3チームと降格する3チーム以外の18チームは昇格も降格もしない。シーズンの比較的早い段階で昇格の可能性も降格の可能性もなくなり、後はただ試合を消化するだけだというチームがたくさん出る可能性がある。6位まで入れば昇格プレーオフに出られるということになれば、中位のチームにも終盤まで昇格の可能性が残り、消化試合は大幅に減ることになるだろう。また、自動昇格の2位までに入るのと3位以下では全然違ってくるので、上位の争いも激しいものになるだろう。


 デメリットは、長期間戦ったリーグ戦の結果が短期間のプレーオフによって覆ってしまうことだ。これはあまり好ましくない。


 3位のチームが昇格できず、6位のチームが昇格するケースがある。イングランドでは、最初3位と6位、4位と5位がそれぞれホーム&アウェイで戦い、その勝者同士がウェンブリー競技場(日本でいえば国立競技場のようなところ)で一発勝負で昇格チームを決定している。特に上位だからといってアドバンテージが与えられているわけではないようだ。(イタリアでは2試合合計で同点のとき延長やPK戦やアウェイゴール数ではなくリーグ戦上位のチームの勝利としているが、イングランドはどうなのだろうか)


 昇格プレーオフを行うのだったら、せめてリーグ戦の上位チームにアドバンテージを与えて、順位によって昇格の可能性に差が出るようにしたほうがよいのではないだろうか。


 たとえば、ステップラダー方式で行ったらどうだろうか。

    6位と5位の試合を5位のホームで行い、敗者は敗退となる。

    ①の勝者と4位の試合を4位のホームで行い、敗者は敗退となる。

    ②の勝者と3位の試合を3位のホームで行い、勝者は昇格し、敗者は敗退となる。


 このやり方だと、昇格の確率は、3位が50%、4位が25%、5位と6位が12.5%となる。


 あるいは、ソフトボールのようにページシステムで行ったらどうだろうか。

    3位と4位の試合を3位のホームで行う。

    5位と6位の試合を5位のホームで行い、敗者は敗退となる。

    ①の敗者と②の勝者の試合を①の敗者のホームで行い、敗者は敗退となる。

    ①の勝者と③の勝者の試合を①の勝者のホームで行い、勝者が昇格し、敗者は敗退となる。


 このやり方だと、昇格の確率は、3位と4位が37.5%、5位と6位が12.5%となる。


 せめて、リーグ戦の上位のチームにこれくらいアドバンテージがあれば、下位のチームが昇格しても許容されるのではないだろうか。プレーオフ圏内に入ったチームもより上位の順位を確保しようとするのでリーグ戦はさらに活性化するだろう。


 

 



quiquiruko352 at 08:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) スポーツ全般