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邦画を中心に心理・精神の観点、社会的背景などから心情を読み解く主観的分析レビューです

movie: 八日目の蝉

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とても悲しくて苦しくて痛い

自己確立期においての制限や環境の影響力に苦悩する主人公
血筋とは何か家族とは何か

一番の被害者は渦中の人となり葛藤する娘ではなかろうか
ハリール・ジブラーンの詩にあるように
「彼らはあなたがたと共にあるけれどもあなたがたの所有物ではない」
 
愛人の突発的な行動と返されてからの実母の振る舞い
娘の視点から語られ募る不信感に翻弄されている

感情移入のせいであるが身勝手さが際立つ父親の存在が腹立たしい

ただひとつ望みがあるとするならば
確かにそこに愛情は存在していたこと

愛は盲目と言ったことで
犯罪者であろうが既婚者であろうが
不都合な事実をはすべて軟焦点を通される
それにいち早く気づかねばならない
 

movie: ヘルター・スケルター

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原作を読んでいることもありあえて先入観を取り払って観ることとなった

蜷川実花監督はやはりフォトグラファーだ
映像のシーンごとに写真として切り取れるような写真美がそこには映しだされていた
原色を多様するスタイルは映像でも健在だった

商業的な観点からターゲット層が若年層であるためか観客の年齢層も低く
劇中も噛み砕きやすく伝わりやすく悪く言えば安易な表現であった

美を追求すること、それを維持することが自分の価値だと置き換えている
外見の美しさだけではないことを伝えようとする
そして人が消費されていく現代を物語っている

その存在を維持するために理解を得るために貪欲であり期待に答えようとする
それはきっと醜形恐怖症・依存傾向だったと思うし
根本として永遠と解けない孤独を抱えていたのかもしれない

劇中、主演沢尻エリカの渾身の演技だと思うシーンがありました
ぜひご覧になってそのシーンをみつけてみてください

個人的に直接的な表現が多いため
関係性が整っていない異性とご覧になるのはおすすめ致しません

只今劇場公開中です、詳しくは公式サイトにて


movie : ベロニカは死ぬことにした

ベロニカは死ぬことにした [DVD]
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自殺未遂を図った28歳の図書館員の再起のお話。

淡々と過ごす日々に何の変化も感じられず
老いていく自分に嫌悪感を抱くという 

精神科に運ばれ院内で過ごす様々な人間模様を描くのだが
印象に残ったところを少し

トラウマの根源となるものが抑圧であるとするならば
その全てを解放し自分らしくあるべきだという

メインコピーになっている
「本当に幸せなセックス、したことある?」に通じ、
自慰行為を持って自己の解放と捉えるシーンである
「自分のことは自分が一番よくわかっている」
自分を自分で解らなければ本当に幸せなことも解らないという
ここでいう幸せの象徴とされるセックスだが
セックス=幸せという誤解を生みそうな定義だと感じた

幸せの価値観とし捉えられるものはひとりひとりばらばらである
しかし象徴を定義し物語を進める事によって論じたい結論を
想像しやすくする一種の仮定であると感じた

主要登場人物が女性であるが故
愛する人に抱かれる行為により幸せは実現されるという
一般的な共感論であろうか
意図を知りたいところだ

「外の人間は自分たちを正常だと思い生活している
なのに同じ行動を取りたがる」
「全てを禁ずるのではなくある程度解放しながら様子をみるのです」
「長い歳月をかけて作られる結晶の角ひとつは同じように見えて同じものではない」

常識とはなんなのかを疑問視してみる
常識の基準は所属するコミュニティ内で生まれることが多い
一般常識でさえ多数決が主軸とされ、いかにもそれが正しいとされる
つまり正確さを求められているわけではないのだ

正しい・正しくないの基準は何か
コミュニティの規模で揺らぐ常識というものの絶対価値は何か

自分なりに考えると言うことをやめてしまうと
他人が決めた大多数の意見に無条件に賛同させられてしまう

答えを見つけるかどうかではなく
その問題に対し考える接点をいつも保ち続けることは大切だと感じた

movie: スマグラー



スマグラー おまえの未来を運べ スタンダード・エディション [DVD]
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「望まぬ日常に埋もれるカスになるな、本気の嘘を真実にしてみろ」

暴力的で精神的に耐えるような拷問のシーンから現実を超越する何かを掴む 
逃げるなと訴えかけるような強力な訴求力を持った話だ

演者の演技力が凄すぎて誰が主役なのか解らなくなる程力強い

希望を持てるとかその様な次元ではないがハリウッド的な大味を仕込みつつも
人情味が垣間見れるところが石井克人監督らしいという作品だった

余談、拷問好きのヤクザ役を高嶋政宏氏が演じているのだが
弟の高嶋政伸氏も「探偵はBARにいる」で猟奇的な役を演じており、
両氏の兄弟揃って方向転換に驚きを持ちつつ演技力の幅に感服する
今後個人的に注目したい俳優になりそうだ

movie: ハラがコレなんで

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戦死した旦那の迎えを待つ老婆
不器用で愛を伝えられない叔父
15年初恋を貫き通す青年
流れるままシングルマザーになろうとする主人公

雲の流れるままに生きていたらこうなっていた
という生き方から学ぶ義理人情という関係性 

貧困だとか困難だとか何もかも考え方で変わること、
なんとでもなんとかなるという楽観視を教えてくれる

庶民の生活から生まれる美意識を粋と言うが
近隣とのコミュニケーションが失われつつある
現代の庶民性について問う人情ドラマ 

movie: ダークシャドウ

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ティム・バートン×ジョニー・デップの新作

お得意のゴシックであり、
アダムス・ファミリーを彷彿とさせるようなメインイメージに
期待を抱きすぎていたかもしれない

大味の酷評をつけるつもりはないが
物語として腑に落ちない点が多々あった
観点を変えると沢山の見方がができる作品

アメリカの昼ドラが原作だということもあってか
利己的な強欲が非常によく表現された作品だった

一方的な愛情を押し付けること
永遠の命を欲すること
富を欲すること
愛情を欲すること

呪いをかけているのは自らかもしれない
利他的であろうとすればまた
別のエンディングがみえてくるのかもしれない

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movie: 阪急電車-片道15分の奇跡-


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まさに凹んだ時に観るとよいヒューマンドラマ
「人はそれぞれにやりきれない気持ちを抱えて生きている
どうにもならない気持ちを抱えて生きている
そしてその気持ちは誰にも言えないのだ」
というコピーナレーション
身近な悩みを題材に奇跡的な出会いと繋がりで
問題が解決されるポジティブストーリー


名言のインパクトが強かったので抜粋します

「自分が傷ついてもいいという覚悟があるなら殴り返せばいい」
「泣くのはいい、でも自分の意志で涙を止められる女になりなさい」
「価値観の違うひととは辛いと感じてる間に離れたほうがいい、無理に頑張る必要はない 」

感情全開の物語の為、読み解く部分はほとんどないほど素直な物語
ただ我慢をし続けることに疑問を得た

理不尽な状況や辛い環境に耐える手段を沢山持つ余り
それを消化する事で自分を肯定したり自暴自棄になっていないだろうか

現在の環境は敢えて肯定した環境ではないだろうか
フラストレーションの溜りどころを知らないまま
無意識的な我慢がないか今一度考えてみようと思う


movie: センチメンタルヤスコ

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六本木のキャバクラ嬢ヤスコの殺人事件の被疑者を追う物語
単純なサスペンスの雰囲気と若干のB級臭が漂うと思い舐めていた

「君の淋しさを、僕なら埋められる。」
キャッチコピーの通り、ヤスコを巡る7人の男達との出会いと情景が
病院の待合室でヤスコの延命治療の最中、語られる

物語のほとんどは役者の掛け合いで構成される
87分という調度良い尺度でもあり
キャラクター性がとても良く反映された脚本だった

「愛されると死にたくなる」
幼少時の環境によって脳内のセロトニン分泌量は決まってしまうという
一定量のセロトニンによって安心度や幸福感を感じる様にできている
一種のトラウマより脱却できない状態を保持したまま成長し
安易な消失願望などを抱く典型的なパターンが描かれる

焦点が当てられる人物が少なく
掘り下げて分析される場面もない為ある程度を想像で補う

サスペンスとしてはとても見ごたえのある作品である
エンターテイメントとしての楽しみ方で意外な過去と犯人を予想しながらみてほしい

上映は4月21日より詳細は公式サイトにて






movie: KOTOKO



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精神分裂病を患い、育児をすることの困難さ
悲観的妄想の果てに壊滅する自己と暴力

問題提起ははっきりしていて
その解決策が提示された作品かと思っていたが全く違った

さすが塚本晋也監督と言わんばかりの狂気
ホラーではないと侮ることなかれ
効果音で煽る恐怖心は分裂した妄想に描かれ
お得意の真紅なユーモラスも織り交ぜられている
主演Coccoの素に捉えられそうな迫真の演技
期待を裏切らない作品

結論を求めず考える事もいらなかった
ただやはりホラーは苦手でした

ただいま絶賛上映中
詳細は公式サイトまで





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