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邦画を中心に心理・精神の観点、社会的背景などから心情を読み解く主観的分析レビューです

December 2011

movie: 婚前特急

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現実的というかしたたかと言うか
結局のところ、想像を超えたストレートなお話であった

一番印象的だったのが
同時に何人も付き合っている女なんて誰も愛さない
という主観的発想による承認欲求打破である

詰まる所彼女は何らかの理由で恋愛不信であったと推測される
天秤にかけた相手のメリット・デメリットは浅く
設問にかけた重要なことは”どうして自分を選ばないか”であった

恋愛や結婚において最も重視されることは何か
劇中では比較後、自分が選択されることであった
その意味は親和性認証というべきものであり
どの様な状態でも無条件に相手を受け入れることである

すなわち、甲斐性もなく、小太りで、主人公がいまいちだと言う相手と
浮気性で暴力的でどうしようもない主人公との受け入れが成立したというお話である

これは非難している訳ではなく根本として
ありのままの相手を受け入れることが愛であるという概念を伝えている
正しい恋愛・結婚の物語なのである

だがしかしそのメッセージ性は弱く伝わり切るのだろうかというところ

movie: わたし出すわ

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欲に塗れた結論が生み出す最低の結末

その口調はとても軽く自然で重度な言葉だった
人生を狂わすのは金である

夢を語る夫に舞い込んだ大金
夫婦関係は崩れ全てを失う妻

金銭価値でしか自分を保てない美女
誘惑に絆され焦り行き着く先が見えない

慎ましい暮らしぶりの中で変化を好まない
ただそれが自分を知っているということであり
そうであるべく姿なのかもしれない

登場人物のそれぞれの執着心が顕になる物語
ただそれだけでなく淡々と過ぎる経過の間に想像するといい

しりとりのループの意味

「わたしが出してあげようか?」の重さを


ーーーー

この映画を拝見したのが12月23日。
脚本・監督を手がけられた森田芳光監督が急逝されたのが20日。
何も知らず25日に訃報を知った。

ご逝去を悼み、哀悼の意を表します。

movie: 恋の罪

koinotumiposter


恋の罪、それは答えのない想いへの呪縛

実在した殺人事件のオマージュはさておき、
一般的認識でのよくある家庭状況を映し出すひとりの女
夫の変質性を垣間見ながら閉塞された時間を持て余す妻 
厳格な母と家柄と湾曲した愛をトラウマ化するキャリアウーマン

緻密な設定から割り出される背景が計算高い作品
その計算の一手でもある散りばめられたブラックなユーモア

性描写の多くを見せつけられる度にエロスという感覚は失われ
ただの行為化していくその姿

身体と愛は一体ではないのか
身体の価値とはなにか

「言葉を知らなければよかった」
「あなたの涙に留まることもなかった」

彼女の闇に飲まれてゆく
同一化して振り返って欲しい

カフカの城に魅せられ迷宮入りした答えを見つけ出す
その答えが罪ではないことを 確信するために

園子温監督作品の見事な中毒性、過激な刺激にご注意あそばせ

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