I'M FLASH! [DVD]
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豊田利晃監督・脚本作品
立て続けに豊田監督作品を無意識に取り上げている
監督の作品には暗示的に疑問を投げかける作品が多い気がする
書き留めたいほどの衝動がいつも残る、してやられたりだ

人生は驚くほど短い
それは一瞬の輝きほど儚い

個人の自由を謳歌していても規範の中で生かされていること
死が無に値することを既に悟っている
そして刹那的な人生を振り返る瞬間が死であることを

比較的少ない台詞
昼間の南国の自然風景、夜景の交差
教団関係者の白い衣装

死を恐れることを否定し輪廻される救済論を説く教団

下品な暴言を吐き続ける横暴な姉
状況回避を含め性を放棄する兄
所属欲求、信仰欲求を利用する母
銃弾に倒れ髑髏杯となって鎮座する父

自らの歪んだ家族像を背景に信者である妹を自殺で失った姉との関わりを持って
救済論の否定が教祖役の心情で描かれる

劇中ではビジネスとしての宗教論も展開される
「人生の鍵っていうのは自分の中にあるんだよ
誰もその鍵を使おうとしないんだよ
誰かがその鍵を開けて光が差し込んでくれるのを望んでいる
だから宗教ってやつは儲かる」
「みんな何かに縋りたい 縋がれる場所があるっていることは決して悪いことじゃない
人には集まりたいっていう欲望がある それがお祭りであれ、宴会であれ、宗教であれ
人を助けるというのはそういうこと」


とても印象深い台詞があった
「死は人を情報化し、生きている者が都合よく死者人生を解釈する、嘘を交えて」

自己の死と他者の死
様々な死を軽視する場面、否定する場面と台詞
死との向き合いを感動的な範疇に留めず
現実離れした虚構の中で本質に気づかせようとする


ーー

いつも豊田監督の作品は集大成を見せる場面が設定されており
起承転結がわかりやすい、選曲と音響効果の強弱がはっきりしている
重いテーマを投げかける割に清々しいエンディングを見せる
そういったところも豊田監督作品の個性だと思う

「いつだって希望という幻は滅びることはない 光の様に一瞬の閃光のように」