闇夜に微睡む

詩や随想などを…
 

幼き日

 
  
   夕暮れの
   すさんだ心に吹く風は

   甘い匂いと
   小さな心


   いつか戻るよ
   ブーメラン

   手に手をとって
   鬼ごっこ


    


   土管の陰に  
   身をひそめ

   頬を赤らめ
   見つめ合う


   からめた指が
   想い出す

   夕焼け空の
   赤とんぼ


   どこかに忘れた
   ちっちゃな夢

   ブランコに乗って
   風となる



偽りの人形

   

   手を振るあなたが
   消えていき

   人形と暮らす
   過去の街


   時に揉まれた
   思い出が

   いつの間にか
   遠ざかり
   

   秋風吹いて
   なみだ雨

   枯葉のように
   散っていく


   崩れた時間と
   歪んだ心

   孕んだ体が
   いと(愛)おしい


   人形と暮らす
   淋しさに

   口紅さして
   抱き寄せた 


神様倶楽部


 
  鎮座ましますのは
  神様倶楽部のご歴々

  踊りますは地上の
  人間と呼ばれしもの

  
  見えない剣(つるぎ)を
  振り回し

  幾千回 傷ついて
  幾万回  死にました


  過ぎ去りし時
  限りの無い争いは続き

  軍靴の音は 半端なく
  頭の中で ガンガン鳴り響く  


  


  いつの間にか
  迷い込んだ この道 

  人じゃない
  ものと手をつなぐ  


  瞽女(ごぜ)のように導かれ
  赤子を殺し 涙を流す
 
  永遠に繰り返す
  過去を踏み潰す 蜜の味


  善人か悪人か
  その本性は…

  神様倶楽部のご歴々  
  みんなでみんなで 考える  


   

にわか仏教

  
  真っ赤な夕暮れ
  口笛吹いて

  老いの嘆きを
  忘れます


  明日が
  あったらいいな

  そんな言葉が
  挨拶で

  
  背中を丸めて
  道すがら

  笑いあって
  日が暮れる


  

  
  行者姿の
  お遍路さん

  むにゃむにゃ と
  お念仏


  形だけの
  にわか仏教

  閻魔様が
  含み笑う


  夕暮れ時は
  きょうもまた

  赤トンボが
  お友だち




時の流れ

  

  時の流れが
  己(じぶん)を押し流し
  
  この世の哀歌を
  謡いだす


   


  過ぎてみれば
  憐れなる

  ひと時の舞い
  亡者の記憶


  生者だけに 
  許された ユートピア

  無常の遊びに
  夢を見る
  

  あぁ 過ぎた時間を
  誰思う

  夢の中で舞い踊る
  ひと時の遊戯

  
  終わりの時間は
  突然に

  濁流のように
  流されて


  母の顔も
  忘れました

  父の姿も
  消えました 



恨み節



   気難しそうな
   あんたの顔 見つめ

   お別れかしら
   と涙ぐむ


   うちわであおぐ
   蛾の舞いを

   ジ〜ッと見つめる
   2人です


     ひなちゃん


   あんたのほっぺに
   人差し指 当てて

   温もりさがす
   あたしの情念


   真っ赤に塗った
   口紅が
   
   誰にも話せぬ
   人だった


   だれが悪い
   わけじゃないけれど

   なぜか許せぬ
   あんたとあたし


   恨み節が
   ふつふつ湧いて
   
   ビールの泡が
   震えてた



地獄の夜

  

  太陽陰って
  薄暗く

  誰かが
  後ろを追いかける


  時計の秒針
  大きく響き 

  汗の音が
  鼓動に変わる


  つどう廃屋
  ひたひたと
  
  爆発の時間が
  せまってる


  みんなの
  影が重なり

  コンクリートを
  盾にする


  きょうは地獄の
  開放日

  あきらめのため息が
  路上に溢れる


  


  突然
  ピカーッと光った閃光が

  この世の終わりと
  誰もが悟る


  どこにも触るな
  手が腐る

  おれに触るな
  体が溶ける


  触った手には
  はらわたが

  ギトギトと
  まとわりつく


  千切れた胴体
  路上にあふれ

  地獄の夜は
  更けていく


  誰にも分らぬ
  なぞなぞが

  おいらを責める
  人間の業 


  サタンのしわざか
  人間のしわざか

  汗にまみれる
  過去の歴史   



くりちゃん(1)

    
  わがまま言って
  困らせて

  甘えて 甘えて
  過ぎた夢


  今でも
  2人に会いたくて

  幻 追いかけ
  走ります


  DSCN2201

  どこまで行ったら
  会えるかな?

  時の流れを
  越えた 今


  おぼろげに見える
  影2つ

  追いかけ 追いかけ
  走りだす


  我がまま するのが
  嬉しくて

  困った顔を
  見つめてた


  怒られるのが
  楽しくて

  怒鳴り声を
  喜んだ


  みんなで走ろう
  広っぱで

  母ちゃん
  夢見て追いかける


  父ちゃん
  想ってたたずんで

  林檎飴を
  かじります


  いつまで待てば
  いいのかな?

  お母ちゃんに
  会いたいよ


  雑草だらけの
  遊園地

  忘れらない
  人 想う


  
  日日是茫日

  今は亡きくりちゃんを想って
  (画像の無断借用、ごめんなさい)




野良猫

  

  歪んだ街に住む猫は
  前足あわせて祈ります

  野良に生まれて
  追いかけられて
  歪んだ街に棲みついた


  2011_10280008


  ザーザー雨の降る夜は
  フランス人形がお友達

  抱いて抱かれて
  縞の背中も濡れていく

  霜の降りる寒い朝
  ラッパの音で目を覚まし

  震える毛の音 バリバリと
  餌を探して歩きます

  あなたの棲む街
  歪んだ街で
  浮かぶ母が微笑んだ




年老いて


  忘れられた
  時の歯車
  
  ポツンと朽ちた
  カレンダー


  どこに続くか
  分からぬままに

  俯き歩いた
  迷い道  


   

  
  人の嘘に塗れ
  泥をかぶり

  いつの間にか
  年老いる


  刻んだ数だけ
  涙を流し

  皺に隠した
  死に化粧

  
  仰ぎ見るは
  天の道
 
  満天の星が
  笑いだす

老いた心

    
  愉快や愉快
  笑えや笑え

  人間は死ぬのが怖いって
  泣いたとさ


  無になる恐怖は
  終りの恐怖

  誰もが一度は
  通る道 


   


  夕暮れにゃ
  老いた者たちの道がある

  神が助けてくれるのか?
  仏が守ってくれるのか?


  手にある皺は
  生きた記憶

  歴史に埋もれて
  消えていく


  みんな同じだから
  しょうがない

  合わせる手には
  あきらめの心が生じてた



迷い道

 

  2人で遊んだ
  夕暮れは 

  幼い恋の
  甘い味


  大人になるには
  若すぎる

  赤いポストの
  ラブレター


  山の夕暮れ
  燃えだして

  あなたの顔も
  赤らんだ


   


  真っ赤なほっぺと
  チョコレート

  いつの間にか 手をつなぎ
  歩きだす


  公園のブランコが
  グライダー
  
  押して 押されて 
  空を飛ぶ


  時に逆らい
  目をつぶり  

  崖から覗く
  夢の街


  子供のままの
  ちっちゃな手

  ぬくもりだけを
  信じてた 

 
  あんたがあたしで
  あたしがあんた

  ひび割れた指が
  笑ってる
 

  どこに続くか
  分からぬままに

  あなたと歩いた
  迷い道 


  さよならの言葉は
  言いません

  いつも一緒の
  2人です
 



手酌酒(てじゃくざけ)


  熱燗片手に
  ねぇ あなた

  炬燵で
  交わす足タッチ

  真っ赤な口紅
  流し目に

  雪の花びら
  春模様

  待っているわと
  手を握る


   


  雪が深々
  深酔い酒で

  思わず あなたに
  恨み節
 
  聞いてよ あんた
  ねぇ あんた

  堰を切るよ(う)に
  あふれだす 

  血の味 にじむ
  別れ酒


  ゆらり ゆらゆら
  コップ酒

  一人で飲んで
  涙ぐむ

  お酌してよと
  差し出した

  あたしの手が
  震えてる

  冷えた炬燵で
  手酌酒(てじゃくざけ)




朝日を浴びるタランチュラ(1)

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