遺骨を埋葬せずに紛失したとして、高知市内の女性2人が市内の寺院と住職(62)を相手取り、慰謝料など計約4480万円の支払いを求めた損害賠償訴訟の判決が11日、地裁であった。

 安田仁美裁判官は原告側の訴えを大筋で認め「墓に埋葬されていると信じて原告は墓参りをしてきた。長期にわたる信仰心を覆され、精神的苦痛は大きい」として、寺院側に慰謝料など計約760万円を支払うよう命じた。

 判決によると、原告2人は元檀家(だんか)で、女性(67)は義母を亡くし、経済的にすぐには墓を建てられなかったため寺院に遺骨を預け、しばらく後に墓所を購入して1994年、墓を建立。夫を亡くした際には夫婦の墓も建てた。墓所や墓の代金として少なくとも159万円を支払ったが、寺院側はいずれの遺骨も埋葬していなかったという。もう一人の女性(71)は2004年、すでに亡くなっていた夫の遺骨を預け、墓所代83万円を払ったが、遺骨は埋葬していなかったとしている。

 寺院側は裁判で「遺骨は自然に返るよう散骨した」などと主張したが、安田裁判官は「経済的な理由で墓が買えなかった女性が、散骨後に墓を買ったとは考えがたい」として退けた。

 原告側の弁護士は「寺院としての最低限の役割を果たさなかった。判決は妥当」と話した。寺院側の弁護士は「控訴するか被告と検討中」としている。

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