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2007年01月12日

2007年1月分


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2006年12月30日

2006年下半期 読んで面白かった本のベスト10



恒例の面白本のベスト10。
第一線で働いている時、本の選択肢は限られていた。「多忙な各位に少しでも役立てたら…」が趣旨。

下半期読んだなかで、面白いと感じたのは約1/5に当たる86冊だけ。
一番多いのは経営・経済の28冊。ところがこの中からベスト10にあげられるものがほとんどない。
二番目に多いのは環境・農業・食品・医療の18冊。とくに環境関係で読み応えのあるものが多かった。
次はノンフェクション・旅行で17冊。この中にもこれはというのが少なかった。
そして、9冊と久しぶりに多かった住宅・建築関係。二冊が上位を占めたのは嬉しい。そして小説が8冊と相変わらず少なく、技術・科学・教育はたったの6冊。
しかし、教育関係の3冊が面白かった。

【環境・農業・食品・医療】
・ アメリカ南部に生きる・ある黒人農民の世界
          ローゼンガーデン  彩流社
・秋田犬の父 澤田石守衛  畠山泰英  木楽舎
・農業をやろうよ      坂口和彦  東洋出版
・グリーン・ファザー   杉山満丸 ひくまの出版
・「森を守れ」が森を殺す! 田中淳夫  洋泉社
・シーニックハイウェイ 北海道 支援センター ぎょうせい
・地元学のすすめ     下平尾勲    新評論
・小心者の大ジョッキ   端田 晶    講談社
・もっと良い病院にする方法 夏目重厚 東洋出版
・ピロリ菌        伊藤慎芳   祥伝新書
・未来への選択      共同通信社 つげ書房
・日本一農家のハイテク技術 一ノ瀬正輝  講談社
・ロハス・シティの夜明け 稲本 正   マガジンハウス
・魂の森を行け      一志治夫    集英社
・環境問題の杞憂     藤倉 良    新潮社
・農! 黄金のスモールビジネス 杉山経昌  築地書店
・メタルカラー烈伝 温暖化クライシス 山根一眞 小学館
・娘よゆっくり大きくなりなさい 堀切和雅 集英新書
           
【技術・化学・教育】
・熱血!ジャージ校長奮闘記 鈴木高弘  小学館
・大人のためのロボット学 PHP研究所編   PHP
・学校の挑戦       佐藤 学    小学館
・電子材料王国ニッポンの逆襲 泉谷渉 東洋経済
・遺伝子戦争    クリスティン・ドウキンズ    新評論
・学校が学習塾にのみこまれる日 前尾毅 朝日新聞

【経営・経済】
・「小さな政府を問い直す」 岩田規久男 築地新書
・知られていない原油高騰の謎 芥田知至 技術評論
・起業革命         宮川 明  ユウメディア
・日本の生き方       田原聡一朗   PHP
・ベンチャー失敗学     村上建夫  文芸春秋
・挑戦 東南アジア経済統合 荒和雄 角川事務所
・僕らの八百屋チョンガンネ イ・ヨンソク他 NHK出版
・日本大復活!       増田俊男    PHP
・ドコモが銀行を追い抜く日 岩田昭男    PHP
・セブンイレブン覇者の奥義 田中 陽 日経新聞
・日本の経済システムの改革 鶴光太郎 日経新聞
・花王の日々工夫する仕事術 高井尚之 日本実業出
・上原正吉伝        真鍋繁樹 かんき出版
・ダイエーを私に売って下さい 広野道子 徳間書店
・上品で美しい国家 日下公人・伊藤洋一 ビジネス社
・一生懸命って素敵なこと  林 文子   草思社
・ぼく、路上系社長     前橋 靖  亜紀書房
・満天の星 フルキャスト物語 平野岳史アメーバーブック
・私はこうして発想する   大前研一  文芸春秋
・ベンチャー便利屋     南條 武  出版芸術
・キャノンの仕事術     酒巻 久   祥伝社
・安倍晋三の経済政策を読む 藤田 勉 インデックス
・債権回収最前線      中川剛毅 中央公論
・世界の車を支える最強技術集団 大河滋 マネジメント
・ヒルズ黙示録・最終章   大鹿靖明  朝日新聞
・御手洗冨士夫「強いニッポン」街風隆雄 朝日新書
・二代目経営塾       関 満博   日経BP
・ハリウッドスターはなぜプリウスに乗るのか 塚本潔 朝日

【小説】
・周極星          幸田真音  中央公論
・偽装報告         高任和夫   光文社
・霞ヶ関中央合同庁舎第4号館 江上剛 実業日本
・シネマ・シネマ・シネマ  梁 石日   光文社
・チャイナーゲーム     千代田哲雄  祥伝社
・白夜街道         今野 敏  文芸春秋
・疾駆する夢        佐々木譲   小学館
・再生巨流         楡 周平   新潮社

【ノンフェクション・旅行】
・老人ホームに音楽が響く  野村誠他   昌文社
・住所田園調布 職業ホームレス 青山潜 オークラ出版 
・森の旅、森の人    稲本正 他  世界文化社
・グレートジャーニー´◆ヾ慳邉叛押 ,舛ま新書
・天梯の国 チベットは今  堀江義人   平凡社
・日本共産党        筆坂秀世   新潮社
・田舎暮らしはつらかった  渡辺瑠海  ロコモーション
・今日も友達がやってきた  野田知佑  小学館
・ガキ大将の森      崎野隆一郎   小学館
・レンタルお姉さん     荒川 龍  東洋経済
・こわれない風景      吉村和敏   光文社
・馬頭のカバちゃん     樺島弘文   日経BP
・小林薫と訪ねる美の巨人たち テレビ東京 日経
・もの作り ひと作り    中村 園   講談社
・クレタ、神々の山へ    真保裕一 岩波書店
・42才の42.195km     甘糟リリ子  幻冬舎
・アイルランド パブ紀行  田島久雄 東京書籍

【住宅・建築】
・杉山英男の語り伝え  杉山英男出版記念委員会
・脱ファスト風土宣言    三浦 展   洋泉社
・建築依存症        安部 良  ラトルズ
・省エネ・温暖化対策の処方箋 坂本雄三 日経BP
・頭のよい子が育つ家    四十万靖他  日経BP
・占領軍住宅の記録(上)(下)小泉和子他 住の図書
・木に学ぶ        早川謙之輔  新潮新書
・ガウディの伝言     外尾悦郎  光文社新書
・にほんの建築家 伊藤豊雄観察記 
            瀧口範子 TOTO出版

さて、この中から選んだベスト10。
◆10位 ノンフェクションから唯一選んだのが「もの作り ひと作り」。寿司屋の若女将から人形師、空間演出家に転身し、若者を育てている姿が美しい。

◆9位 小説の中から「チャイナーゲーム」を挙げたい。しかし、私は古い出版だが「疾駆する夢」「再生巨流」の起業家物語の方がはるかに面白かった。

◆8位 経営・経済からは古いけれども「上原正吉伝」と「僕らの八百屋チョンガンネ」をあげたい。いずれも起業にまつわる物語で、魂が打たれる。

◆7位 今問題になっている教育関係で「熱血!ジャージ校長奮闘記」「学校の挑戦」の二冊は出色。もう一冊「学校が学習塾にのみこまれる日」もお奨め。

◆6位 「電子材料王国 ニッポンの逆襲」は9月25日の今週の本音で取り上げているので参照していただきたい。半導体ではインテルやサムスンに遠く及ばない3流国だと悲観することがなくなった。

◆5位 「農業をやろうよ」と「農!黄金のスモールビジネス」が楽しい。農に関して悲観論が横行しているが、この二冊に限らず不起耕によるメダカのいる水田づくりや新しい乳牛の放牧酪農、ブタの放し飼いなど素晴らしい試みが沢山ある。声援を送りたい。

◆4位 「にほんの建築家 伊藤豊雄観察記」。詳しくは11月24日の独善的週間書評57号を参照。この一冊で伊藤豊雄の素晴らしさと業績の全てが判るわけではない。構造屋の力を借りて、建築という狭い枠をいとも簡単に突破し、ナチュラルで有機的な空間を創造しつづける現在進行形の巨人。著者はその人間像に密着取材で迫っている。

◆3位 「魂の森を行け」。この本は今も世界中で3000万本以上の木を植え続けている生物学者宮脇昭という特筆すべき努力の人の伝記。11月15日と20日付の今週の本音欄を再度参照していただきたい。豊田佐吉氏や本田宗一郎氏の意欲と業績に匹敵するほどの人材だということが判っていただけるはず。

◆2位 「ガウディの伝言」。これも10月20日付の今週の本音を再読していただきたい。ガウディは建築業界に入った者の必須の勉強対象。しかし、今まで書かれていた著書ではガウディの本当の凄さが判らなかった。あの複雑怪奇なサグラダ・ファミリアには設計図がない。三次元CADでも表現出来ないものを職人がこなしている不思議。現場をよく知り抜いて、構造だけでなく音や光の効果まで計算し尽くしたガウディの才能をこの書は単純明快に教えてくれている。

◆1位 「メタルカラー烈伝 温暖化クライシス(危機)」。今年の暮れに出版されたばかり。
ご案内のとおり、著者山根一眞は週刊ポスト誌で十数年来、毎週もの作りの最先端の技術者や研究者と最先端の技術に関して対談を行っていてその著作はすでに6冊にも。そして数年前より「環業革命」と銘打って自然災害をはじめとした環境問題に的を絞っている。その最初の集大成がこの本。
第一章の地震では新しさに欠ける。しかし、地球シミュレータにより温暖化の原因がCO2だと明確になった話や風力発電の大きな可能性、スペーシア開発物語など、正月休みに一読する価値がある。

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2006年12月25日

期待したい「二代目地場ビルダーの経営者」(下)



設計事務所を開設するのは資格さえあれば簡単。
しかし、ベンチャーでビルダー業を創設しようとすると、許可条件としての資格を得ることがとても困難。
しからば、設計事務所としてスタートして、ビルダー業へ転身するというのも一方法ではないか。

たしかにその通りで、ひところは三井ホーム傘下の設計士が営業マンとタイアップして住宅会社として独立する形が全国的に見られました。三井ホームの顧客層に食い込んで、かなり羽振りの良かった何人かのトップを知っています。しかし、技術的に三井ホーム以上のノウハウを持っていなかったので、このところは鳴かず飛ばずの様子…。
したがって成功例は仙台のツーベアホームなどごく限られているように見受けられます。時折請負はするけれども設計・施工一貫という形が少ない。

私は決して設計事務所より地場ビルダーが偉いとか上だと言っているのではありません。
消費者にきちんとした住宅を、責任を持って提供出来るという形は、実力のある一部の事務所を除けば少ない。とくに現場に明るくない設計事務所は信頼出来ません。パフォーマンス発揮にやっきになっている設計事務所よりは、設計・施工の一貫地場ビルダーの方が、消費者としては安心出来る存在だと言いたいだけ。

いずれにしろ新規にビルダーへエントリーすることが難しい。だとしたら、諦めるべきでしょうか。
いや。なるべく若い人にアプローチして欲しい。そのためにお手伝い出来ることがあったら何でも協力したいというのが正直な考え。
それには、まずポリシーというか、発想と考え方がしっかりしていなければなりません。

まず、日本の今後の住宅事情をどう考えるかということです。
現在は、大都市を除いて地方では住宅地の下落が続いています。このため、アパートに住んで高い家賃を払っているのだったら手頃な分譲住宅を買うとか、安く入手した宅地にタマホームのような安価な住宅を35年の長期ローンで建てた方が得だということで、一つのブームになっています。

いわゆる「パワービルダー」と呼ばれる商売に長けた商売人ビルダーの時代。
こうした需要を否定することは出来ません。「省エネ性能の低い住宅を建ててはならない」とか「ストックにならない住宅を建ててはならぬ」という国の規制が日本には一切ありません。
国の規制がなくても、多くの国民のコンセンサスがあればいいのですが、戦後の教育は文部省と日教組がグルになって社会道徳を破壊してきました。
したがって100円ショップ感覚で、一部の人が値段だけで住宅を選ぶのを阻止することは出来ません。

しかし、こうした安物住宅を選ぶ層は、国民の20%の範囲にすぎません。ジャーナリストがやたらと騒ぐので目立ちますが、多くの真面目な消費者は真剣にこれからのあるべき住宅について考えています。

一方、少子化とか住宅寿命の長寿化によって、毎年建てられる住宅が減ってゆきます。それなのに、建設業者の数は55万社もあります。1社当たり2戸平均しかない住宅需要。これから更に減少しようとしています。つまり、建設業は完全に低生産性の斜陽産業。

ただし、グローバル化ということが叫ばれていますが、アメリカからも中国からも日本の建設業へ参入しようという動きは過去にもなく、今後もあり得ない。
このため、建設業や住宅業界の人の考えは非常に保守的で甘い。イノベーションに対する意欲と危機意識が極めて低い。したがって、ほんのちょっとした工夫をすれば大きく伸びるチャンスがあります。

プレハブが伸びたのは、その技術や商品がすぐれていたからではありません。ローンがついていたことと、モデルハウスを持って商品を目に見える形で提示したこと…。地場の工務店が「腕だ」と独りよがりでリキんで、消費者の視線を忘れて、古ぼけた商品とだらしのないドンブリ経営しかやってこなかった…。

これからの地場ビルダーが狙わねばならないのは、どこまでも大手の間隙を狙うニッチ(隙間)商品。
商人のつくる住宅ではなく、消費者のニーズと満足度に根ざした注文住宅という名の本格的な家づくり。それも、独りよがりのものづくりではなく、広く全国の仲間に学び、英知と経験と情報を結集したとびきり上等の商品でなければなりません。

これからのビルダーの条件は、誰よりも好奇心が強く、意欲的で、仲間と情報を求めて全国を歩き回り、議論して学び、得られた知識と技術をインターネットとモデル住宅で消費者と下職に発信し、熱意と説得力で顧客を獲得してゆく10人前の馬力があること。
いずれにしろサラリーマン根性では勤まらず、仕事が面白くてしょうがないという者でないと名乗りを挙げるべきではないでしょう。
そして、大手が動き出せないでいる今こそ絶好のチャンスだと考えられること。

そうしたビルダーたらんとするには、資本がなくて新規の参入にハンデの多い若者よりも、すでに建設業の許可を得ており、ある程度しっかりした固定客もある二代目の方がはるかに有利。
年寄りが多いけれどもやんやと支払いの催促をしないある程度のレベルの職人グループもいるし、資材業者に対しての与信力もある。
二代目がその気になり、3年計画で会社の体質を一新し、5年計画で若手の優秀な女子社員などを集めて展示場を持ち、10年計画で「地場ナンバーワン住宅会社」を目指すならば、決して目的達成が不可能ではありません。

しかし、地場ナンバーワン企業というのは、偶然になれるものではありません。
最初からきちんとした目的意識を持ち、計画性を持って前進を続けない限り、絶対に不可能。

北洲が東北一の地場ビルダーになれたのは、50年前に片方厚夫会長が、たった10帖の店を開いた時に、東北一の企業を目指して決断し、強い意志を持ち続けていたから。手ぶらでの参入だったので上場までに50年もかかった。しかしその間、基本的な考えのブレはなかった。

ある程度の基盤のある二代目。
親の姿を見て育ってきたので、月末には給料や下職に支払いをしなければならない立場についての覚悟が出来ています。
その覚悟の上で、きちんとした10年計画を立て、率先してイノベーションを行い、先ず親を説得し、次第に全員を説得して大きな渦に巻き込んでゆく。

もちろん地場ナンバーワンというのは戸数のことではありません。戸数は年間12戸でも24戸でも良い。地場一番の技術と性能と信頼を持つ企業のこと。

そうした動きが出てくることを切望。

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