【バンクーバー大前仁】開会式会場のBCプレースは開催国カナダのナショナルカラー「赤と白」で埋まった。観客はカナダの国技といえるアイスホッケー代表チームのジャージーを着込み、国旗をマントのように羽織り、顔に赤と白のペイントを塗り、「ゴー、カナダ!」と口にして、待ちに待った開幕の瞬間を迎えた。「(03年に開催都市に選ばれてから)7年間、この日を待ち続けた。これまでBCプレースには何十回と足を運んだが、こんなに特別な雰囲気は味わったことはない」--。同地出身のマット・バードさん(25)は高まる感情を抑えきれない様子だった。

 カナダ西部の街、カルガリーの市職員、アン・バーグさん(55)は2週間の休暇を取り、夫や両親と五輪を生観戦に来た。開会式のチケット代は1人175カナダドル(約1万5000円)だが、「五輪観戦は生涯でまれな経験。全然高いと思わない」。カナダはこれまで76年夏季のモントリオール、88年冬季のカルガリーを開催してきたが、アンさんは直接観戦ができなかっただけに「やっとこの日が訪れた」と話し、周囲の人に抱きついてみせた。

 バンクーバーは欧州系の住民のほか、中国系、インド系、東南アジア系など多くの民族が住む「移民の都市」。現在では少数系民族の人口が欧州系(白人)を上回るといわれている。BCプレース内の観客案内係のボランティア女性は35年前にフィリピンから移民した。「私の母国はカナダ。五輪を開催することを誇りに思っている」と口にした。

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