企業への法人税を上げるとすると、その企業はより税の安い国へ逃げる。
船会社や投資ファンドは既にそうだ。
金持ちへの所得税や相続税を上げると、その人はより税の安い地域へ逃げる。
これも少ないながらいるだろうし、増えるだろう。

有得ない話だが、完全競争下では世界規模で労働市場の一物一価が成り立つ。
現実には、国境、規制、言語、慣習、立地などのためにはそうならない。
だけど、自由貿易化、規制緩和、運輸・通信の発達・低廉化と、
国と国とのバリアーがどんどん剥がれている真っ最中に、我々は生きている。
製造業は国外へ流れているし、アメリカではサービス業もインド行きだ。
年収200万で不満をたれる日本人と、50万で喜んで働く中国人と、
作業の質が同じなら間違いなく後者に仕事が行くだろう。
そういうラジカルな競争から自国民を守るため、
国境、規制、貿易や資本移動の制限、移民制限と障壁を作ってきた。
それこそ国家本来の機能の根本だと思うんだけどね。
けれど、その障壁は技術の発達や自由貿易の促進で薄くなっていく。
経済成長も期待できないから、パイの拡大も無い。
で、日本の労働者の皆さん、どうするんですか? というのが今の状況。
1)賃下げ・労働強化・増税・格差拡大を受け入れますか?
2)雇用が海外に逃げるのを指をくわえて見送り、失業しますか?
3)尊皇攘夷で鎖国しますか?
4)革命起こして資本主義やめますか?
5)軍備増強・核配備して海外の資源分捕りますか?
3〜5も悪くはないと思うけどまあ1か2でしょうね。
1か2のような傾向が数十年スパンでゆっくりと進むように思う。

国と国とのバリアが薄れていく限り、
労働の市場価値が直接報酬に跳ね返る均衡を目指して格差は拡大するだろう。
値踏みされる必要の無い、資本家・資産家・土地持ちに生まれ無い限り、
そのような値踏みを受けながら社会で働かざるを得ない。
ただ個人のレベルでは、選択肢にまだ救い様があるかなとも思う。
1)規制に守られた独占的な資格(医師、司法、会計など)を持つか、
2)安定した大企業の庇護下に入ってしがみつくか、
3)公務員になるか、
4)独立してやっていくか、
5)市場価値の高い人間になるか
6)以上に漏れるか。
1〜5のどの選択肢も先行きは暗いが、相対的にはマシだろう。
とりあえず2を確保した上で、5にもチャレンジしたいです。
6はいやです。

ちょっと極端に書いたけど、社会の配分を巡る全ての問題について、
内部だけの話にしてしまっては意味のある議論は出来ないだろう。
そして、上記のような状況は少しずつではあるが進んできたし、
これからも少しずつ進んでいくだろう。
どこの国でもね。
社会は救えなくとも、せめて自分と家族の身は救う。
そう言い聞かせながら、日本を生きていくことにする。